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May 06, 2011

合理的勝利@2011 J.League Division1 第9節 レッズ vs Fマリノス

耐えるべき時を耐え、行くべき時に行き、獲るべき時に獲る。

だから、勝つ。

2011 J.League Division1 第9節

レッズ 0-2 Fマリノス @ 埼玉スタジアム2002「合理的勝利」
F.Marinos:70'渡邉千真!!! 90'+4'大黒将志

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"濡れたピッチでも冷静に"、DF小林祐三"引かない勇気"、栗原勇蔵"エジミウソンはお嫌いですか?"、中澤佑二"集中の鬼"、波戸康広"しっかり、きっちり"、MF中村俊輔"仕事人の域に"(→77'狩野健太"信頼はひとつずつ")、小椋祥平"94分目のアシストの価値"、谷口博之"縦横無尽、神出鬼没"、兵藤慎剛"走行距離が示す彼の仕事量"、FW渡邉千真"開幕!"(→85'金根煥"DFとしての好プレー")、小野裕二"焦らず、焦らず"(→65'大黒将志"チームの一員に")

レッズスタメン:GK山岸範宏、DF高橋峻希、マシュー・スピラノビッチ(→75'マゾーラ)、永田充、宇賀神友弥、MF山田暢久、柏木陽介、マルシオ・リシャルデス、FW田中達也(→69'高崎寛之)、エジミウソン、原口元気

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《review》

動の浦和が攻め、静の横浜が受ける構図がはっきりした前半。浦和は今シーズンのテーマでもあるアグレッシブなサイドからの仕掛けで横浜が組んだコンパクトな4-4ゾーンを崩しに掛かるが、アタッキングエリアまでは運べても最後のところでは横浜の守備陣の粘り強い対応に合い、崩しきることは出来ず。

横浜としては我慢の前半。最後のところではしっかり対応出来ていたこともあり、「守る」という目的は達成出来ていたが、相手サイドバックに対してのアプローチが掛からず、アタッキングエリアまで簡単に引き入れてしまったことで、ディフェンスラインがボックスの中まで押し込まれてしまうシーンが頻発。当然ボールの奪取位置も低くなり、なかなか攻撃移行出来ず、相手の攻撃機会を増やしてしまった。しかし、プランニング通りのスコアレスで前半を折り返す。

後半に入り両チームに変化の兆候、そしてゲームが動き出す。横浜は全体的にブロックの位置が高くなり、前線・サイドハーフのアプローチアクションをより激しくすることで前半と違う守備姿勢を示し、攻撃時も2トップがサイドに流れてスペースでボールを引き出す事で深い位置に起点を作ることで相手DFラインを押し下げるなど、より積極的にゲームの主導権を奪いに掛かる。対する浦和は、原口元気が仕掛けろというベンチの指示に応じ、キレのあるドリブルで存在感。外に張り出すことでボールを引き出せていた事もあり、彼のドリブルには危険な匂い。

激しくゲームが動き出し、互いにチャンスが生まれる。特にホットエリアとなったのがメインスタンド側のサイド。まず浦和、小林祐三が攻撃参加して空いたスペースを突く形で低い位置からの対角線のフィードが飛ぶと、これを左サイド原口が収めて一気に突き進み、追走する小林祐三、中央から出てコースを消しに来た栗原勇蔵に挟み込まれる前に柔らかいクロス、このボールが大外に飛び最後はファーサイド田中達也が飛び込み合わせる!しかし波戸がコースに入りブロック。

横浜もやり返す。浮き球の楔を千真が収めて裕二に落とす、裕二がダイレクトでサイドのスペースに流し込むと走り込んだのは小林祐三、宇賀神が処理しきれなかったボールをすぐさまピックアップしスピードに乗って中に切れ込みスライディングしながらニアにグラウンダークロス、これに飛び込んだのは最前線に全力で走り込んだ谷口!足を交差させ残り足の右足で合わせるというテクニカルなフィニッシュで完全に山岸の虚を突くもこれはポスト直撃。パワフルなオーバーラップとファンタスティックなフィニッシュ、惜しかった。

攻め合いの様相もありつつ、徐々に試合の流れが横浜に傾く。浦和は横浜の2トップのスペースを突くランニングによってラインが下がりコンパクトな陣形を保てなくなったこと、前半飛ばした影響か浦和の中盤の運動量の低下したこと、二つの要因から中盤のスペースを埋めきれず、プレスの弱まった中盤を横浜が制圧。その中で掴んだ右サイド30m強のFK、中村俊輔のインスイングの速いボールがペナルティスポット付近に流し込まれると渡邉千真ヘッドで合わせる!これがマーカー山田暢久に当たってニアサイド際どいコースに飛ぶ幸運、山岸触れずポスト掠めてゴールイン!待望の先制点!我慢の前半を経て、流れが来たところで得たセットプレーの機会を生かすという理想的な展開。千真はこれでようやく開幕!浦和キラー恐るべし。

ビハインドを負った浦和は、スピラノビッチを下げて高崎を投入(山田暢久がセンターバック、中盤中央マルシオ・リシャルデスと柏木、2トップエジミウソン・高崎の4-4-2)前線に高さと強さを加え、ゴールに迫ろうとする。しかし、横浜にとっては自分達の一番強い部分で勝負してくれた事でボール奪取がより容易に。空中戦で優位に立ち、セカンドボールも素早い反応で拾って、と浦和に攻勢を許さない。奪ったボールはよりシンプルに。途中交代で入った狩野がミスなく中盤と前線を繋ぎつつスペースへのパスを出し、大黒・クンファンが高い位置で起点を作り、チャンスと見れば追加点を狙う。そしてゲームは最終局面へ。

浦和は、原口がキレあるドリブルで中央に切れ込んでの右足シュート、CKからエジミウソンのヘディング、とゴールに迫るもいずれも枠を捉えきれず。決めきれない浦和を尻目に横浜がチャンスを逃さない。セットプレーのセカンドを拾って入れたクロスは短くクンファンが胸でカット、ここからカウンター発動!クンファン前に走る小椋に繋ぐと、小椋は必死に戻る宇賀神より一寸先にスライディングでスペースに流し込む!そしてそのボールに反応したのが大黒!これで完全に独走状態を作ると、大黒は飛び出してきた山岸のこれまた一寸先に触ってかわし、無人のゴールに冷静に流し込んだ!見事見事見事、大黒はFマリノス初ゴール!

これで勝負が決まり。横浜は狙い通りの戦いで新生・浦和を「ちゃぶり」、今シーズンの2勝目をあげた。

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《impression》
/positive/

・監督の開口一番「狙い通りかの」という言葉が示す通り、ゲームプランが嵌ったということに尽きる。相手に勢いある前半は受け、スペースの生まれる後半に攻めに出てチャンスを活かし、前掛かりとなる裏を獲ってカウンターでトドメ。現実的な思考の元、相手の出方を見定め、交代策含めて持ち得る幅を活かして、柔軟にプレーを変化させて勝利を手繰り寄せた。個人的には「合理的」という言葉がフィットするかしら。相手が来るときは受け、空いてきたら攻める、のれんに腕押しだったポゼッション一辺倒の頃を思うと隔世の感…。

・それを可能にするのが「受け」の強さ。名古屋・鹿島で手応えを得たゾーンディフェンスは試合を重ねるたびに自信を深めている感がある。この試合に関してはディティール的に危うかったと思っているけれど……。まあこれだけ守れれば上記のように「耐える」というゲームプランも取れる。佑二・勇蔵・谷口・小椋のスクエアは本当に堅い。ホットエリアとなったサイドも受動的な対応が多くなる中で粘り強く対応してくれた。サイドハーフも走行距離が長くなりながらもサボることなくオリジナルポジションに戻り、収縮に参加していたし……うん、よかった。

※警鐘、ではないけれど、バイタルには入れさせてなくても、アタッキングサード入ったらアプローチはしっかりと、これは痛い目あってからじゃ遅い。実際、バイタルはかなり圧縮してるのでそうそうプレーエリアもプレータイムも与えない。ただ、バイタルに入らなくてもラストパスは出るし、ミドルシュートのレンジを打たれる可能性もある。変化を付けられて後手に回れば、次のアプローチ及び収縮が遅れ傷口が広がる。又、ボールを奪う位置が深すぎるが余り攻撃移行が出来ていないという課題があるだけに、「守勢一辺倒」になりかねない。守れているけど決して「良い」守備じゃない。「良い」守備が出来るときは「良い」攻撃に繋がる。この辺は個人的には要修正だと思う。勝って兜の緒を締めよ、じゃないけど、ね。

・FWの選手が獲ってくれたこと。一試合に限れば誰が獲っても良いとは思っているけれど、中・長期的に本人達が元気になる、チームに勢いが生まれるというのは間違いなくある。そういう意味で千真と大黒にゴールが生まれたのは非常にポジティブ。練習を見てもコンディションが上がってきているのは目に見えるようだったし、千真に限ってみれば連戦中でもしっかりとメニューをこなし、シュート練習もしてたから、その努力が実って良かった。大黒に関しては思うところもあっただろうけど、1つ結果が出たところで落ち着くかな。後は裕二だね、焦るな、というのは裕二の気性的に無理かも知れないけど、チームのために仕事はしてくれてるのだから気負わずに、とは思ってるよ、うん。

/player pickup/

今や、このチームに欠かせないピースとなってくれた小林祐三、谷口博之。この2人が絡んだ決定機のシーンに2人が持っている可能性を示されたような気がしてならなかった。

裕二のスペースパスに対してタイミングばっちりで飛び出し、相手のミスを逃さずピックアップし、スピードと勢いをもってそのまま中へと切れ込んでクロスに繋げたプレー。このプレーに限らないけれど、小林祐三の「攻撃参加」には非常に大きな可能性が秘められている。

加入当初、ディフェンシブユーティリティの印象は強く、正直に言うと攻撃参加は余り期待していなかった。キャンプを経て行われた練習試合を見ても、守備では粘り強い1vs1の対応と気の利くポジショニングとカバーリングこそ見られるモノの、攻撃の部分に関しては余り期待出来ないかな…なんて思ったのが素直なところ。

しかし、中断期間を経て周囲との相互理解が高まり、連携がスムーズになったことでプレーの質に変化が現れた。元々、前にいる中村俊輔が張るタイプではなくかなり大きくポジションを崩して動くタイプなのでサイドにはスペースが空くこともしばしば。そこでタイミング良く上がってくることでボールを引き出していることが1点。そして近距離のサポートを受け、ワンツーなどの剥がすワンクッションを挟みつつ突破するプレーが嵌り始めていることが1点。この2点が相まってプレーの実効性は大きく高まってる。

身体が強く、スピードもある、タイミングもいい。前に入れば一気にボックス内に入れる。事実、鹿島戦、清水戦、そして浦和戦と必ず一度はボックスに入り好機に絡んでいる。そんな姿を見ているとそろそろあるんじゃかな?という気がしてならない。

そして、その小林祐三のクロスに飛び込んだのが谷口博之。彼も又、チームに有益な要素をもたらしてくれた。

彼に対しても決して印象は良くなかった。中村憲剛にボールを預け、自らは得点狂のようにポジションを捨てガンガン上がる。その実効力・得点力は素晴らしく、前で使いたくなる気持ちも理解出来るが、ボランチの選手としてはその過程から考えるとバランス意識の低い選手だと思ってた。

しかし、開けてびっくり、彼は本能でチームにとって必要なプレーを嗅ぎ取る能力に非常に優れているのかも知れない。この試合でもそうだった。序盤、停滞していると見るやFWを追い越し最前線まで駆け上がりスペースでボールを引き出そうとする。しかし、アドバンテージを奪ってからは、人が変わったようにバイタルの番人として守備に従事する。指示があったのか、約束事なのかは分からないけど、スコア・時間帯・状況を鑑みて自らのプレーを大きく変化させる。

そして、冒頭のプレーだ。2トップが組み立てに絡んだことで本来であればゴール前には逆サイドから走り込んだ兵藤1枚のはずだった。しかし、「崩せる」と嗅ぎ取った瞬間、一気にゴール前に進出し、ニアサイドでクロスに合わせた。しかも、テクニカルに、ファンタスティックに。惜しくもポストに嫌われたが、足りないポイントを見定め、ボランチからストライカーに変わった瞬間だった。

古巣・川崎の選手が口を揃えて言う「そこにタニ」は、ゴール前だけじゃない。彼は本能と嗅覚でチームのために必要なときに必要な場所で必要なことをしてくれる希有な存在なのかも知れない。

そんな2人をFマリノスに迎えられた幸運に感謝しつつ、彼らが拡げてくれる可能性がチームの躍進に繋がっていくことを願って止まない。

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《gallery》

2011/5/3 J.League Division1 第9節 レッズ vs Fマリノス @ 埼玉スタジアム2002(picasa/me)

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(´-`).o0いやー、埼スタさいこー!!!

(´-`).o0埼スタで勝つと本当に気持ちいい、素晴らしいです。ただ、もう切り替えないと、ね。福岡戦。大事なゲームです、また毛色の違うゲーム。簡単じゃないね。

(´-`).o0今回はブルーカードバスにお世話になりました。帰りはすっごい楽、朝早いけど、非常に便利快適で、楽しかったです。大変お世話になりました!

(´-`).o0ということでここまでです。連戦ですので、皆様コンディション崩すさぬよう。

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