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October 02, 2010

悔恨の試合に見たヒント -グランパス戦、ベガルタ戦より-

首位喰いのチャンスを逃したグランパス戦、上位進出の機を逸したベガルタ戦、共に悔いの残る結果となってしまった。

いくら嘆こうと、惜しもうと、終わった試合の結果は変えられない。しかし、先を、未来を考えたとき、このゲームで見えたモノはFマリノスが更に強くなれるヒントが詰まったモノだった。

もっと上に、もっと前に、もっと先に進むために、無駄に出来ない。

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名古屋に見る「効率性」のススメ -グランパス戦-

先制点を取っても、優位と感じられない。真綿で首を絞められるように常に圧力を感じさせられる。そんな相手だった。そしてその力に屈する形でミスが出た。阿部翔平のアウトに掛かるロングフィードの処理判断を誤り、中途半端になったクリアボールを金崎に拾われ、決められた。虎の子のアドバンテージを失い、首位喰いのチャンスを逸した。

そんなゲームの中で感じたのが、名古屋の「効率的」な攻撃の実効性。ピッチの横幅は50m、その幅を4枚で補うことが求められるが、ボールのある位置によっては当然片方のサイドにスライドすることも必要になってくる。となると、危険性の低い逆サイドは「捨てる」事になるのだが、その「捨てられた」逆サイドのスペースを名古屋は長いフィードをもって使っていく。

高質のフィードを繰り出せる田中マルクス闘莉王、阿部翔平、三都主アレサンドロ、そのフィードを浮け独力で局面を打開できる玉田圭司・金崎夢生……そのプレーに表現する事が出来るだけのタレントがいる、といえばそれまでだけれど、「相手のいない所を使う」事が生む効果は計り知れない。

突破できるタレントが前を向き、仕掛けられるスペースと状況を与えることが出来る。崩すことに人数を裂く必要がなくなることで中央に厚みを加える事が出来る。そして、相手を後手に回すことでズレを生むことが出来る。

現状、横浜はポゼッションの中で細かいパスを紡ぎ、イメージをシンクロしてコンビネーションを持って相手の隙間を縫うように崩していくことが多い、常に多くの相手がいるところを。その形自体は着実に形になってきているが、人数を掛ける事でリスクを常に背負い、又崩すことが目的化してしまうことで中央への厚みまでは揃えることが出来ない弊害も生まれている。

そんな時こそサイドチェンジ・ロングフィードを用いたシンプルながら効率的な攻撃があっても良いのかも知れない。うちにも突破できる山瀬功治がいて、小野裕二がいる。そして質の高いロングフィードが蹴れる中村俊輔、松田直樹、天野貴史がいる。学や怜、健太や裕介だってその資質は備えてる。近視的なショートパスだけが選択肢ではない。全ての目的はゴールであり、そのために実効性が高まるのであれば、そんなプレーセレクトも又選択肢の1つに入れてもイイのではないだろうか。

2010 J.League Division1 第23節

グランパス 1-1 Fマリノス @ 瑞穂陸上競技場「首位の圧力」
F.Marinos:23'天野貴史 Grampus:48'金崎夢生

J's GOAL

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Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"コーチングはあったのか、の問い"、DF天野貴史"美しき放物線の先に"、栗原勇蔵"J最強のスコアラーとのリアルファイト"、松田直樹"悔恨のクリアミス"、波戸康広"追い出された男との対峙"、MF中村俊輔"Fantastic Cross!/合わないテンション"、小椋祥平"激闘物語る筋肉疲労"(→85'坂田大輔)、河合竜二"フォア・ザ・チームの姿勢"、兵藤慎剛"忙殺"(→75'渡邉千真"そこで決めるのがストライカー")、FW長谷川アーリアジャスール"活き場所見つけるも……"(→65'狩野健太"再びの劇弾、ならず")、山瀬功治"合わないテンション"

グランパススタメン:GK楢崎正剛"偉大なる日本の守護神"、DF田中隼磨"著しき成長"、田中マルクス闘莉王、増川隆洋、阿部翔平"幻惑フィード"、MF三都主アレサンドロ、イゴール・ブルザノビッチ(→46'小川佳純)、マギヌン、FW金崎夢生"逃さず"(→81'杉本恵太)、ジョシュア・ケネディ"ずるいぞ"、玉田圭司

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変調のテンポとリズム -ベガルタ戦-

序盤の失点を取り返すために、攻める、攻める、攻める。しかし、流れが生まれない。崩しきれない。その原因は仙台のアドバンテージを守ろうと割り切ってディフェンスに注力した事だけが原因なのだろうか。否、横浜にも原因がある。

良かったときと悪かったときの差、それはテンポであり、リズム。

松田直樹の出場停止によって、小椋祥平を一列下げてセンターバックに、ここのところスターティングメンバーから遠ざかっていた狩野健太をボランチに起用する形でこの窮状を凌ごうとしたが、チームのエンジンでありヘソであるボランチの選手が替わったことが1つ。

これまで取り組んできた事は、まず縦に入れていくこと。受け手も又それをイメージしてボールを引き出そうとする。しかし、小椋と健太は違う。小椋はミスを恐れず積極的に速いパスを用いて楔を入れていくが、健太、そしてこの日健太が前線に飛び出すプレーを再三見せたことで落ちて組み立てに加わった俊輔は、無理せずバックパスや横パスを用いてボールを動かしながら隙を伺うようなポゼッションを好む。どちらが良いという訳じゃない。ただ、そのリズムの違い、テンポの違いが受け手とのイメージのズレを生む。受け手はいつ出てくるかタイミングが掴めず前線に張り付くだけとなって完全に相手ディフェンスに捕まり、出し手は無理なプレーで局面打開を図るも、ミスを生む。悪循環、うん。

チームで共有するタイミング、と言うモノがあるとすれば、それは健太や俊輔が作り出すゆったりしたリズムではなく、小椋やこの試合で少し見せた河合の速いタイミングで楔を入れていくリズムだったと思う。そのリズムに合わせて前に入っていく選手達は動いている。そのリズムを健太や俊輔に合わせていくことが必要だし、又、リズムを変えるときに彼らのリズムに乗るとしたら周囲も又それに合わせて頭の中を切り替えなきゃけいない。どちらにしても大切なのは、チームの中で共有すること、そしてベクトルを1つにすることだと思う。

リズムを共有し、イメージを共有し、そして動きがリンクすれば、本当に見事なコンビネーションに昇華する。この試合でも、テンポ良くボールが動き、そのリズムに複数の選手が乗ってイメージを共有したときには相手を崩しきってしまうようなコンビネーションが回数は少なかったけれど見られた。出来ない訳じゃない、出来るための状況を皆が知る事が大事だと思う。何となく出来てる訳じゃない、出来ているときにはそれ相応の理由がある。

出来れば、その幅をどの選手でも、もっと幅広く、そして柔軟に使い分けれるようにするのが理想。そして、どの選手が出てもサッカーの質が変容しないように、さすればもっともっと、Fマリノスは前に進める。

2010 J.League Division1 第24節

Fマリノス 0-1 ベガルタ @ 日産スタジアム「埋めきれないズレ」
Vegalta:14'赤嶺真吾

J's GOAL

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Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"ノーチャンス"、DF天野貴史"宿命"、栗原勇蔵"パワープレーも……"、小椋祥平"改めて感じる"不在感""、波戸康広"大事に、大事に"、MF中村俊輔"活きるべき場所はバイタルエリア"、河合竜二"光るダイレクトも……"、狩野健太"果たすべき仕事、取り組んだ仕事"(→)、兵藤慎剛"兵藤に見る動き出しのタイミング"(→86'齋藤学"何もなき5分間")、FW長谷川アーリアジャスール"やらなきゃいけない、もっと"(→71'端戸仁"初めての日産スタジアムはとても苦く/祝・リーグデビュー!")、山瀬功治"悔恨の逸機"

ベガルタスタメン:GK林卓人、DF菅井直樹、渡辺広大、鎌田次郎、朴柱成(→68'田村直也)、MF富田晋伍、斉藤大輔、関口訓充、梁勇基、FW中原貴之(→65'千葉直樹)、赤嶺真吾(→89'平瀬智行)

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試合は続いていくし、前を向いて進んでいくしかないかなーと思うけど、結果のでなかった試合にも理由があるし、その中にチームが更に進歩するヒントがある、と思っています。

偉大なる中澤佑二の言葉を借りれば、

「過去は変えられない。未来は変えられる。」

だからこそ、未来を変えるために、悔しい結果にも向き合いたいし、無駄にしちゃダメだよね。←テンション上がらず乗り気にならず更新しなかった人の言葉じゃないw

ま、とにもかくにも、次の試合頑張ろう!ということでここまで。

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Comments

悪かった今年上半期の日本代表を見ているようですよね。
ちびっ子FWで屈強なセンターバック周辺を細かいパスを駆使してフィニッシュにもちこもうとするも、どこかで引っかかってショートカウンターを食らう・・・。

岡田監督のようなドラスティックなやり方変更は反対ですが、少しだけ何かを変える必要があると思います。

いたさんご指摘のとおりフィードを使うというのは一考です。
但しフィードばかりになってもダメだし、ちびっ子FWばかりでもダメ。となると山瀬と小野の同時起用は無しになるかと。渡辺のトップフォーム復活が必要かと…。

すべて足元足元なので、ダイアゴナルランの練習を入れる。
但し動きながらボールを扱える技術も必要ですが…。いちばんいいのは今のところ長谷川かなぁ…。スペースメイカー(相手センターバック間のギャップを作り出す)としての坂田の走力もありかと…

今のサッカーだとバイタル中央に集まってくるので密集してしまう(敵も味方も・・・)ので、1枚サイドに張り出す選手を置く。
但し人選の問題…ボランチを狩野と小椋を第一チョイスにして、中央は狩野と兵藤に任せる。俊輔をどっちかのサイドに置く(セルティックでやってたみたいな)。または『練習試合で』売り出し中の松本を起用してみる(ちょうど天皇杯あるし)。

今年はもうマーケットも終わってるので、今いるメンバーで何とかしかければならない。
相手CBの前でシュート打っても、コースは消されてるし、いつまでも『惜しい』だけだし、
敵陣前でパスまわしても、いつまでも『内容悪くないけど、シュートだけが入らず勝てなかった』のコメントばっかりですよね。

シュートが入らない理由はあるはずです。

何か少し変わったことをやる時期ではないかと思います。
17日は最も引きこもるチームであろう神戸とのホーム戦です。
格好の相手です。

Posted by: tsutomarinos | October 04, 2010 at 01:10 PM

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