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August 16, 2010

最善の末の首位撃破@2010 J.League Division1 第18節 エスパルス vs Fマリノス

相手の強さを認める。

その上で勝利のために策を講じ、最善を尽くす。

そうして掴んだ首位撃破という結果は余りに尊い。

2010 J.League Division1 第18節

エスパルス 1-2 Fマリノス @ アウトソーシングスタジアム日本平「最善の末の首位撃破」
F.Marinos:2'兵藤慎剛!!! 53'中村俊輔!!!
S-Pulse:30'岡崎慎司

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"借りを返すビッグセーブ"、DF天野貴史"問われるアドバンテージ時のバランス感覚"、栗原勇蔵"鋼の鎧で跳ね返す!/祝・J出場150試合!"、中澤佑二"苦言も勝利あってこそ"、波戸康広"大人のバランス、大人の自重"、MF中村俊輔"伝家の宝刀、炸裂!"、小椋祥平"ゾーンの狭間で揺れたアプローチ"、松田直樹"MFラインの統率者"(→84'河合竜二)、兵藤慎剛"スルスルっと"、FW長谷川アーリアジャスール"スキルという武器"(→79'坂田大輔"エゴによる決定機逸が示すモノ")、渡邉千真"あのダイヤゴナルラン、忘れないで"(→58'山瀬功治"感じ取れる「意識」の跡")

エスパルススタメン:GK西部洋平、DF市川大祐、岩下敬輔(64'一発赤)、平岡康裕、太田宏介、MF本田拓也、兵藤昭弘(→83'枝村匠馬)、小野伸二(→66'エディ・ボスナー)、FW藤本淳吾、フローデ・ヨンセン(→79'永井雄一郎)、岡崎慎司"ストライカーの矜持と責任"

力の差は間違いなくあった。勝利を手にした今でも、その思いは変わらない。

だからこそ、清水の強さを認めた上で守備に重心を置く戦い方に舵を切った英断には心から拍手を送りたい。7勝1敗1分と今期ホームで抜群の強さを見せてきた清水に土を付けることが出来た最大の要因は、この策が功を奏した事だと思うからこそ、心から拍手を送りたい。

そんなゲームの勝利の要因をセンテンスに分けて。

【望外の展開をもたらすセットプレー、そして退場劇 -試合展開より-】

右サイドからのCKはショート、天野からのリターンされたボールを受けた俊輔は対面した藤本淳吾をキックフェイクで、寄せてきた岡崎慎司をまたぎを挟んだボディフェイクでかわしてエンドライン際まで持ち込みチップ気味のクロス、そのボールはニアを警戒し人数を集めていた清水ディフェンス陣及びGKをあざ笑うかのように頭上を越え、ファーサイドフリーで待ち受けていた兵藤へと届く。兵藤、ヘッドで押し込んだ。

勇蔵・佑二・松田・千真と180cmOverのプレーヤーが複数、キックの質も非常に高い、となれば当然スタンダードな形を警戒する。その警戒を逆手に取るようなショートコーナー、最初のタイミングでボールが入ってこないことでゴール前でのポジショニング・サイズのバランスが大きく崩れ、ファーサイドへのケアが薄くなった。前節と同じような形とはいえ、一発目のセットプレー、清水の選手達もまさか、と言う感じだったのかも知れない。

そんなゴールが開始直後に生まれてアドバンテージを持ちながらゲームを運ぶことが出来た事。それは力量差がある相手を向こうに回すことに置いて、非常に意義のあることだった。相手が前に出てくることで割り切って守備に意識と力を裂ける。攻撃もある程度スペースがある中でプレーできるから無駄なミスが減る。そもそもの攻撃回数が少ないからロストからのカウンターを浴びるという回数自体が少ない。6失点を喫したゲームの目を覆いたくなるようなウィークポイントをすっぽり覆い隠す効果を生んだアドバンテージだった。

結局、そのアドバンテージは30分にセットプレーの二次攻撃から藤本淳吾のクロスから岡崎に決められ消えてしまったけれど、その28分間で迷いやズレが見られたボールの追い方やカバーなどにも整理された感じが見られるなど、相手の攻撃に対して耐性が出来た。こうして守ればいいという自信や手応えが得れたことで攻められる時間が長い中でも、我慢できる組織の骨子が出来たのかなと。

そして、勝ち越し点となる中村俊輔のFK。自ら得た右サイド少し距離のあるところからのポイント、鋭いキックから放たれたボールスピード伴う回転の掛かったインスイングのキックは3枚の壁の上を抜け、鋭くニアポストを巻き込むように曲がり、そして落ち、西部の守るゴールを破った………!!!

ようやく、待ちに待った伝家の宝刀が抜かれたことで劣勢ながら再びアドバンテージをえることが出来た。西部が少しファーに寄ってくれていたこともあったけど、キック自体はほぼパーフェクトで狙い通りだと思うし、何よりもあのゴールパフォーマンスが中村俊輔の「納得」を示していると思う。一番見たかったシーンが見れてこれ以上の幸せはないわ……。

これで再びアドバンテージを握れた。当然清水は再び攻勢を強めてくる。ただ、守備陣はある程度清水の攻撃に対しての耐性が出来ている、熟成されていない事により生まれる綻びも水際で身体を張ることで凌ぐ。いい形で奪えればカウンターに転じる。そんな攻防の中で運にまで恵まれる。攻撃参加した中でファーストタッチのミスを兵藤に突かれて焦った岩下が足裏を見せたタックルで兵藤を潰したことで一発退場。リードに加え、数的優位をえたことで、更にアドバンテージを大きくした。

数的優位のアドバンテージにより、人数の多いFマリノスがマイボールにすればそうそうは奪われない。自分達でボールを保持することで時間を使い、無理に出てくる相手の裏を突くことでチャンスも作れる。欲を言えば、カウンターのチャンスを生かして息の根を止められれば言うことはなかったのだけど……。守備陣が守りっぱなしになることなく、余裕を持って相手の攻撃を迎え撃てる状況をもたらす「数的優位」は、非常に大きな意義があった。

セットプレーという飛び道具が嵌り、運にも恵まれた。そして、その機を逃さず勝ち点3を奪ったこと。勝つべきゲームを勝つ、モノにするという力強さを示せたことは大きな進歩であると思うし、自信になるゲームだった。

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【英断 -4-4ゾーンブロック形成に見る意義と効果-】

目を疑いたくなるような光景だった。

きっちりと保たれた2ラインの4-4ゾーン、1人1人がモラル高くオリジナルポジションに戻り、トップのアプローチのタイミングもほぼ一定、時間の経過と共に戻りきれない箇所をスライド&カバーで埋め組織体型を保つ……。これまでのギャンブル的なアプローチに代表される個に拠ったディフェンスとは正反対のソリッドなディフェンスが清水の攻撃を停滞させていた。

ボロボロにされた練習試合の過程を経て、又結果を出し続けて現在首位を走っているチームに対しての敬意を払った結果がこのディフェンスになった、と捉えているのだけど、これが非常に効果的だった。

練習試合での失点傾向は、ポゼッションの中で起こる稚拙なミスからロストし、奪ってからシステム的なポジショニング(頻度高くサイドバックが攻撃参加して空けるスペースをウイングが活かす)の特性と訓練された抜群の守→攻のトランジッションスピードを活かしたカウンターで後手に回されて喫したモノ。だからこそ、相手に主導権を譲っても自分達がスペースを与えずに守るという選択は浮き彫りになったウィークポイントを覆い隠した。

それでも、清水の個々の選手のアイデアと「問題解決能力」とプレーのクオリティもあって、ゾーンの隙間を縫って崩された事も事実。1人が受け持つゾーンに複数の選手がなだれ込む事、サイドに人数を掛け数的優位を作り引き寄せて中央にスペースを作り出す事、クロスボールに対してヨンセンがサイドバックとのサイズ的ミスマッチとなるように外に逃げるなど、工夫を施す事で崩される可能性を示す兆候も見られた。ただ、その回数自体は決して多くなかった。

それは、これまでの守り方に比べるとバイタルに運ばれる、深い位置まで持ち込まれるという回数自体を減らすことが出来たから。FWがハーフラインに入ったところでアプローチを掛ける(MF-DFとの距離を空けすぎず、コースを制限することで攻撃方向を限定)、限定された攻撃方向に対して後方の選手がしっかりと連動することでパスカットするシーンはかなりあったし、長いボールに対しても(一度フリックからやられたシーンは除いて)佑二・勇蔵が跳ね返せた。

実際、もし崩される回数がもっとあれば、スコアが保てていた保証はなかった。それは清水の攻撃のクオリティを見て改めてそう思う。しかし、アイデンティティとは違う方向であろうと、リスペクトし、策を講じた事は正しかったと思う。

ま、監督がやったかどうかわかんないけどw←信用してない

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【選手評】

やはり、今日のトップライナーは俊輔、ってことになるよね。1得点1アシスト、流れも形勢もお構いなしのセットプレーでゴールを導き出した。「これぞ中村俊輔」って所を見せてくれたかなーと思ってます、てか、決まった瞬間は少し泣きそうになったよ、それぐらい長かった……。精度の高いキックと柔らかいボールコントロール、相手を騙せるフェイクなど、アタッキングエリアでのプレーに関しては大きな問題は感じてないけど、繋ぎの部分では特に後ろ向きのプレーかな、寄せられて、コンタクトされて突っつかれるというのは目立つだけに、そこはやっぱり要注意。後はタイミングの共有かな?功治のランに対してひとつタッチが多くて、オフサイドになってしまったやつがあったけど、その辺は摺り合わせ(てかパサーが合わせないと)が必要かな。守備に関してはこういうやり方なら悪くないと思う、戻れないシーンは結構見られるけどチームとしてカバーできるし、俊輔自身も慣れていてポジショニングや受け渡しなどはスムーズ。悪くない。

勇蔵、J1出場150試合おめ!いやー、水際良く踏ん張った。ミドルに対して怖がらずにコースに身体を入れて跳ね返す、そういう最後の部分の執念があったからこそ、このスコアを保つことが出来た。実際、ボスナーみたいな選手がいる時点でトップがもう少し警戒しなきゃいけないと思うのだけど、まあ撃たせちゃったもんはしょうがない。そこで勇蔵が避けることなく身体に当てて、ふっとばされても、痛い顔することなく跳ね返してくれたことでゴールを守ってくれた。冗談じゃなく「2、3点」分の価値のあるディフェンスだったと思う。漏れてくる相手を捕まえるというのは得意だと思うし(前方方向だからね)、佑二との距離感もイイ、バランス良くできてると思う。あとは、もう少しビルドアップやれ。

後は、将軍様と小椋かな。準備してたかどうかはわからないけど、ステイなのかブレイクなのかという機微は分かってる選手達なので破綻することなくやってくれて感謝。実際、これまではブレイクブレイクブレイクで組織も糞もあったもんじゃなかったけど、この試合ではステイすることでコースを消して、未然に相手の攻撃を消す防波堤になってくれた。このやり方を継続するかどうかは分からないけど、将軍様の周囲を動かせる声や統率力は生きるんじゃないかな。小椋は少々繋ぎにしても得意とするアプローチにしても我慢が必要なるけれど、スケールアップするには更に良い勉強になると思うし。

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まー、でも、浮かれてもいられない。普通にやってたらぶっちゃけ……うん。だからこそその差を少しでも埋めれるように、ひとつひとつクオリティを上げていけるように……。出来ればあのゾーンディフェンスは継続して欲しいところ(暑いし)

ま、とにかくめでたい!ということでここまで!

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(´-`).o0今回はマリサポなご夫婦さんの車に乗せて頂いてブルジョワマイカーツアーに便乗させて頂きましたー。超快適すぎてゆとり遠征な自分のゆとり傾向が更に加速しちゃいそうですw本当に快適で最高でした!改めてありがとうございました!

(´-`).o0で、しゃしーん。ちょっと天気が悪くて色の加減が……でもパルちゃんもかわいかったしー、試合も勝ったし幸せです。下記エントリーより、よろしかったらどうぞー。

( ´∀`)つ ミ 首位撃破な清水のキロク。(Looseblog)

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Comments

じんわり、噛み締めてます。

Posted by: sono | August 16, 2010 at 07:27 AM

噛みしめて噛みしめて、次の試合に繋げていきたいですね。
又喜べるように、みんなで一丸ですよ。

Posted by: いた | August 16, 2010 at 09:12 PM

こんにちは。
前半戦ホームで3強(鹿島・清水・名古屋)に全部負けての、アウェイ戦。
なんとなしに、ホームでの3試合を見るにつけ、この3チームにはアウェイの方が
(肩の力が抜けて)勝てるんじゃないかなと思ってました。
ホームだとやはり自分たちのストロングポイントを出す戦い方にならざるを得ない。でも完成度が低い。正面衝突すれば、その差が出る。
逆にアウェイなら、相手のストロングポイントを受け止めて、隙をうかがう戦いにならざるを得ない。
その隙を中村がうまくついてくれた訳ですが、大宮戦(現地)・名古屋戦(現地)・仙台戦(テレビ)を見る限り、できることは多くなっているような気がします。
清水戦はBSテレビがなく、見ていませんが、やはり守備のやり方変えましたよね(仙台戦で気付いたのですが、たまたまかな?と思っていました)。

なんでもいいんで(たまたまでもいいんで(私もまだ信じてないです)…)、明日の山形戦はあらゆる意味でいい試合を見せて欲しいです。

去年の夏の三ツ沢、山形戦はひっどい逆転負けでしたね。
日本平で清水相手のやったことを、三ツ沢で山形にやられなければいいんですが・・・

田中と狩野どこいったんでしょうか?近況しっていますか?こんなに消息不明だとさすがに契約更改が心配になります。

Posted by: tsutomarinos | August 16, 2010 at 10:43 PM

こんばんは。
TV観戦でしたが理想的なゲーム展開でしたね。俊輔のFKで決勝ゴール、現地観戦の方々はさぞ幸せだったことでしょう。解説の金田さんもこの時ばかりは一観客になってました(笑)。俊輔も遅ればせながらジャブラニをついに飼いならしつつありますね。思えばホーム清水戦で蹴られて怪我して俊輔のコンディション低迷が始まった気がするのですが、同じ相手に完全リベンジで一気に上昇気流に乗ってほしいところです。
リベンジといえば個人的には兵藤のゴール、俊輔の最高のアシストを得て天敵西部の壁をついに破ったかー、と感慨深いものがあります。これを機にどんどん点に絡んでいって欲しいですね。前回ちょっとネガティブなことをコメントしてしまいましたが、こうして壁を乗り越える選手が増えてくると、マリノスは強くなる。俊輔には若手のブレイクスルーをどんどんアシストしていって欲しいですね。

Posted by: Jinke | August 17, 2010 at 01:59 AM

tsutomarinosさん、こんにちわ。コメントありがとうございます。

>3強との対峙

まともに真正面からやりあうと、チームとしての総合力の差などもあって屈してしまったというのが、あるのかも知れませんね。

まあホームであろうとアウェイであろうと、相対的な要素を見据え、力関係を受け止めて勝利のために最善を尽くす事が今の力関係なら必要なのかな、とは今回のゲームで改めて感じました。それぐらい力の差はあると今でも思っています。

守備のやり方は間違いなく変わっていると思います。その意識の裂き方、バランスの取り方によって見え方は変わると思いますが、チームの「モラル」としてこうして守るんだというスタンダードになっていくと、もう少し意思統一して戦えるようになるのかな、とは感じています。

山形戦は簡単ではないと思いますし、相手のチーム状態も良いです。隙を見せず自ら崩れない、そういう我慢強い戦いが必要になるのではないでしょうか。

>裕介・健太

裕介は怪我、今は全体合流しているようですね。そろそろ復帰してくるのではないでしょうか(競争もありますけど)

健太は、怪我とかではないです。練習試合も出ていますし。より一層の奮起を促されてるって感じでしょうか……心配ではありますが、自らその壁を破って欲しいです。

ではでは、又よろしくお願い致します。

Posted by: いた | August 17, 2010 at 05:42 AM

Jinkeさんこんにちわ。コメントありがとうございます。

金田さん、俊輔好きですもんね……キック自体は名古屋戦でも魅せましたし、着実にフィットしてきてるんでしょうね。俊輔もコンディションは上向きですし、チームとしてもいい戦いが出来たので、これを継続して欲しいですね。自ら崩れず、慢心せず、はい。

>兵藤

そうか……そうですね。惜しいチャンスにPK……。リベンジですね。

彼自身繋ぐプレーの中で最終的にゴール前に入っていくシーンは増えてきています。もっともっと出来ると思いますし、もっともっと出してイイと思ってます。

健太にしても、兵藤にしても、アーリアにしても、裕二や学にしても、みんな出来るだけの能力はあると信じてます。だからこそ、あとはピッチの中で表現する、結果を出すことだけ。その意志をピッチで表現してくれると良いなぁ、はい。

ではでは、又よろしくお願い致します。

Posted by: いた | August 17, 2010 at 05:43 AM

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