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July 20, 2010

過信の果て@2010 J.League Division1 第13節 サンフレッチェ vs Fマリノス

こんな思いをしないために、繰り返さないために。

ここからはじめよう。

2010 J.League Division1 第13節

サンフレッチェ 3-0 Fマリノス @ 広島ビッグアーチ「過信の果て」
Sanfrecce:37'中島浩司 39'佐藤寿人 59'森崎浩司

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"ノーチャンス"、DF波戸康広"初めてじゃないでしょ?照明ぐらいチェックしろ"、栗原勇蔵"重きブランク"、中澤佑二"残酷な温度差"、田中裕介"意識改革必須"、MF小椋祥平"してはいけない場所でのやってはいけないミス"、兵藤慎剛"能動性と危険性"(→62'小野裕二"祝・デビュー/残したインパクト")、中村俊輔"担うべきスペシャルの責①"、山瀬功治"担うべきスペシャルの責②"(→83'齋藤学)、FW長谷川アーリアジャスール"今、使われている意義を"(→46'松田直樹"神通力届かず")、渡邉千真"問われる精度"

サンフレッチェスタメン:GK西川周作、DF森脇良太、イリアン・ストヤノフ、槙野智章、MF青山敏弘(→73'丸谷拓也)、中島浩司、ミハエル・ミキッチ(→75'横竹翔)、服部公太、山崎雅人、森崎浩司、FW佐藤寿人(→80'桑田慎一朗)

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過信からか、相手の土俵とも言えるポゼッション合戦に挑むもクオリティの差を見せつけられ、してはいけない場所でのミスが繰り返し失点が積み重なる。見出していたはずの組織的欠陥を放置した結果、その穴を突かれてトドメ。自らの力を過信し、戦うために必要な要素を揃えられず、浅はかなフットボールしか積み上げられなかったチームの末路らしい惨敗に言葉も出ない。惨めで酷いゲームだった。

出来ることなら向き合いたくない。便利な「切り替え」って言葉を使って逃げちゃいたい。でも、この完敗を受け止めないと先には進めない。この負けは現状の完全否定に等しい。だからこそ、受け止めて「今」を否定することからはじめたい。

【意志と信頼と目的】 -for PossessionFootball-

広島のボールムーブにあって、横浜のボールムーブにないものってなんだろう?同じ事をやろうとしているはずなのに、これだけクオリティが違うのは何故だろう……?と考えたときに行き着いたのがこの三つのキーワード。

【意志】→ボールを扱う上での本質的な要素。グラウンダーの綺麗なボールを用いる、ファーストタッチを浮かさない、ファーストタッチのクオリティや向くべき方向……ひとつひとつのプレーディティールを拘れるか、何となくやっているかで、そのポゼッションの質が大きく変わる。1つのディティールで局面が変えられる可能性もあれば、無駄の伴うプレーがロストに繋がりチームを危険にさらす可能性もある。正直言ってFマリノスの選手は一部の選手を除いてボールを扱う意識がとても低い。適当といってもいいぐらい。根本的な部分で変わらなければ、多くのボールを触るサッカーは立ちゆかない。もっとプレーを丁寧に、【意志】を込めなければ。ポゼッションを主にするチームはみんなやってること、サンフレッチェはもちろんのこと、ガンバもそう。「ポゼッション」というお題目を掲げるだけでは質は伴わない。

【信頼】→広島の選手達のランニングや動き出しを見て感じたこと。受け手が「見てくれている、出してくれる、理解してくれている」そんな意志が伴っている感じを受けた。例えば佐藤寿人がいつ出てくるか分からない裏へのスペースパスを最終ラインと駆け引きしながら常に狙っているのはまさにその証。出てくると信じているからこそ、駆け引きしながら常にどういいうパスが来るのかイメージを描いてプレーしてると思うし、そういう細かい駆け引きや動きをしている佐藤寿人を周囲も知っているからまず最も遠い場所を見ているのだと思う。その他、様々な状況に置いてボールを触る選手が次にどのようなプレーを選択するかを周囲の選手達が知っている、そんな感じを受けた。自陣での浮き球のこぼれ球に対して、普通ならボールを落ち着かせて視野を確保して、なんてことになるけれど、周りはダイレクトで出すだろう(カウンターに繋げられるプレーを選択するだろう)と思って前方向にパスコースを確保する。「味方がどうするんだろう?」というのを考えてプレーできているという面でも、広島のフットボールには間違いなく【信頼】が伴っていた。横浜には?残念ながらそのようなモノは備わっていたら後手に回るようなことは起こらない。

【目的】→これは横浜のプレーを題材に。中断期間中、ダイレクトプレーを3つ4つ繋げてサイドを崩し、ダイレクトの流れのまま速いクロスを送る練習をしており、この日もそういったプレーを狙っている感は受けた。試み自体は構わない。しかし、気になったのはゴールを奪うためのプロセスとして存在するはずのサイドの崩しが【目的】になり、そのクロスを決める選手がいないという本末転倒な状況になっていることが散見された。千真が外に流れて起点を作る、組み立てのために必要なことかも知れない。しかし2トップが2人とも外に流れるなど、そうして崩したところで中央で決めるのは誰なんだ?と言うこともしばしば。そもそも、可能性のあるボールが上がったシーンは一度もなかった。技術的にダイレクトでの速いクロスボールに頻度高く精度を伴わせる事が出来る選手が見当たらない時点で、現状ではゴールになる可能性って非常に低いのではないか。形を持つことは大事、努力も
否定しない。でも具現化出来なきゃ何もしてないも一緒。もっと練習する必要があったと言わざるを得ないし、何よりも「ゴール」という【目的】を見失ったプレーだったのではないか。華麗なコンビネーションで崩すことが出来る広島がこぼれ球を素早くミドルレンジから狙い、2点を奪った事を考えると、滑稽にすら思えてしまった。

これだけの差があるということをまず認識する。その上で受け入れる。そこから始めよう。俺たちはうまくない。過信などもってのほか。

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【放置された欠陥】-for Risk Management-

ポゼッションフットボールというのは、パスを繋ぐために自らオリジナルポジションを能動的に崩し、又攻撃に関わる人数も増える傾向にある。それは「バランス」を崩し、リスクを冒しているということになる。

現状のFマリノスでは常時5~6枚が高い位置で攻撃に掛かり、サイドバックはもちろんセンターバックも硬直した展開を動かすために攻め上がることがしばしば見られる。しかし、当然ながらそれだけ自陣には大きなスペースが生まれ、その攻撃が完結できないときには相手にそのスペースを使われる危険性が伴う。それがリスク。そのリスクを抱えきれず、再開1週間前のエスパルスとの練習試合では大量6失点を喫した。

全ての攻撃にクオリティが伴い、シュートで終われる、もしくは流れが切れる形で陣形を整えられる状況ならば、リスクマネジメントなんてモノは不必要。しかし、現状のポゼッションのクオリティは上記の通り決して高くなく、そもそもフットボールに置いて攻撃を完結できる可能性は決して高くない。だからこそ、奪われたときにいかにして守り、失点から免れるのかを考えなければならない。摂理だ。しかし、その摂理を理解せずリスクを放置した結果、広島戦でもゲームの決まる3失点目を与えてしまった事実(下手すりゃあと3~4点ぶちこまれててもおかしくはなかった)は決して軽視することは出来ない。

リスクマネジメントと言っても、決して難しいことではないと思う。サイドバックは必ず一枚が上がったら一枚が落ちる、二枚上がるのならボランチは2枚とも残る、センターバックが上がるならサイドバックは2枚とも残る(後方の数合わせ)、奪われた瞬間ボールサイドの前を塞ぐ、塞げなければファールしてでも止める(相手の攻撃移行の制御)、奪われた瞬間素早く切り替えオリジナルポジションへ戻る(陣形の回復)、全部当たり前のこと。当たり前のことをやらないのは選手達の怠慢でもある。しかし、その状況を放置し、怠慢を黙認している状況は、ベンチにも責任はある。特に練習試合の大敗でその課題は浮き上がっていたはずだから。

本来、グラウンドデザインを考える上では、理想とする形を描くと共に、最悪の事態を想定しておくべきであり、そして普通の監督ならそれぐらいのことは「やって当然」だと思っている。それを出来ない・やらない監督は、プロのクラブを率いる資質がないと断言しても良い。プロの監督はプロセスはどうあれ、結果を出すことに職責としているのだから。

理想を追い求めることが悪いとは言わない。少しずつ成果も出てることも否定はしない。しかし、その理想の具現化のために結果を出すための要素が軽視されるなんてあってはならない。現実を見るべきだ。

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【意志】も、【信頼】も、【目的】も伴わない、形だけのポゼッション。勝利のために必要な要素と思われても放置されるリスクマネジメント。理想の具現化も、現実的な施術さえも出来ず、チームとしてのクオリティの差を埋めることも出来なかったという事実は重い。そして、チームは空中分解寸前……。大げさかも知れないが危機的な状況にあると思う

そんな今だからこそ、和司さんに言いたい。あなたは結果を出すために招聘されたはずで、あなたの欲求を満たすために招聘した訳じゃない。お好みの選手を並べ、放り出すようにピッチに送り出すだけなら誰だって出来る。具現化できる努力を続けながらも最悪の状況を想定した上でセーフティネットを張り、相手に敬意を払った上で相対的な力関係を把握し、想定されうる状況に対応できるだけの準備をする、時には現実的に指針を変更する事も選択肢になる。

今のフットボールでは、タイトルには届かない。この敗戦がその全てを示している。変わらなければいけない。

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耳の痛い、厳しいことをきつく書いたつもりです。それだけこの敗戦は重く受け止めなきゃいけないと思ってますから。

この敗戦を生かすも殺すも自分達次第。事実、大敗を喫した後にリカバリして見事なフットボールを表現したチームが目の前にいた訳だから。

それでは、ここまで。

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(´-`).o0裕二デビューおめ。色々と褒めてあげたい部分もあるけど、今日はやめておく。とにかく1分1秒を無駄にせず、未来に繋げて欲しい。君が出ているその時間は誰かから奪ったモノであるということを忘れてはダメ。地に足を着けて一歩ずつ、天狗にならず、ね。

(´-`).o0その他の選手達は……とりあえず頑張ろう。頑張ってはいたと思うけど、切れちゃった部分もあるし……佑二には酷だね……あまりの違いに愕然としたかも知れない……

(´-`).o0写真は前のエントリーに。よろしかったらみてやってくださーい。

広島のキロク。(Looseblog)

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Comments

広島遠征 お疲れ様です。
キクマリで監督は『うちのチームは約束ごとが少ない』と公言していました。

清水との練習試合みてて、ご指摘のとおり、ポジショニングとカウンターへの約束事は持ったほうがいい。

夏場でスケジュール的にアウェイが多くなる、これから。
広島戦は見てませんが、良くない状況に陥りつつあるのではないかと思います。

清水見てて、ドイツ(清水)VSアルゼンチン(こっち)を思い出した人、多いと思うのだけれど…。
何も、テクニカルな崩しがあるわけでなく、引き寄せておいて、空いたスペースにボールに送り込むだけを徹底してた清水に(この試合に関しては)ドイツの影を見ました。
大丈夫なんでしょうか・・・?

Posted by: tsutomarinos | July 20, 2010 at 10:37 AM

tsutomarinosさん、こんにちわ!コメントありがとうございます。

現状ではカウンターへの脆さは明らかなだけに何らかの対策をとらないと、なかなか「収支」を+にすることは出来ないですよね。

これからどんどん走れなくなるでしょうし、コンディションを維持するのも難しくなるだけに、効率的な要素を作っていかないと、ジリ貧になるのは目に見えています。

>ドイツ-アルゼンチン

まあスペースを「与えてしまう」、スピードを制御できないという前提があるからこそ、流動性が出ると思いますし、鋭いカウンターを浴びてしまう。それは摂理ではあると思います。

アルゼンチンも序盤の失点で前傾姿勢にならざるを得ず、又カウンターの第一歩となる箇所でスピードを制御できなかったことでドイツの食い物にされてしまいました。チームとして素晴らしい切り替えの意識を持ち、又若く走力の伴ったプレーヤーが多かったドイツを褒めるべきなのかも知れませんが、そのカウンターの出鼻をくじくことが出来れば、準決勝のスペインのように制御することも可能だとは思ってます。

後はやるかやらないか、チームとしての岐路に立たされているとは思います。どのチームもこのゲームを見ていると思いますから・・。

ではでは、又よろしくお願い致しますー。

Posted by: いた | July 20, 2010 at 07:54 PM

いたさんこんにちは。
意志と信頼と目的、という三つのキーワード、その通りと思います。特に以前からマリノス、あるいは日本代表にも同じことを感じるのですが、リードされてしまうと途端にこの三つの要素がしぼんでいくというか、自分を見失うというか。。。海外のチームや韓国代表などと比較するとそういったメンタル面が非常に幼い感じがしてなりません。逆境におけるメンタルコントロール、これが出来ない限りどういう戦術でやっても同じ結果になりそうな気がします。苦しいときこそ一人ひとりが他を助けるような働き、鼓舞するようなプレーをしなければならないのに、みんなが他に(特に俊輔に)助けを求めているようなプレーに終始していたのはちょっとがっかりしました。そんな中17歳小野君が一番光っていたのは皮肉な光景です。このメンタル面含め、リードされた場合の攻撃の方法をもっとチームとして詰めて欲しいし、やはりタイトルを狙うなら頼れる外国人選手の獲得は必須と思います。この状況で今夏補強しないとするとこれはフロントの怠慢と言わざるを得ません。
とは言えJリーグ再開は嬉しいですね。こんな状況でも土曜は楽しみです。意地を見せて欲しいと思います。長文失礼しました。

Posted by: Jinke | July 21, 2010 at 02:28 PM

Jinkeさん、こんにちわ。コメントありがとうございます。

>メンタル

選手1人1人のパーソナリティ、求心力を持つプレーヤーの力、選手達がチームとやっていることに対しての信頼度(自信を持てるか)みたいな部分も影響すると思うので、一概には言えないとは思いますが、強くはないと思いますし、脆さも常に孕んでいて、ブレがあるとは思います。だからこそゲームによってムラが・・はい。

>俊輔

俊輔も触りたがってボールに近づいてしまっているということもありますが、能動的に狙いを持って動かすというよりただ単に預けるだけになっているのは事実だと思います。活かし活かされると言うより、ただ単に頼っている感じはあります。

本来であればより良い状態でボールを持たせることであったり、その個の特徴を活かす事でチーム力を更に高める事になると思うのですが、今の状態ではそういうことは臨める状態ではないかなぁと。

>裕二

彼も「頼られる」事に慣れていて、個人で戦える選手だからこそこういう状況の中でも光ることが出来たのかなーと。鼻っ柱が強く、メンタリティとしても意欲旺盛(まあ、やんちゃですw)なので良いプレーが出来て自信を持ててからはとても良いプレーが出来ました。まあ良い意味でチームに染まってないことがポジティブに出たのではないでしょうか。

>補強

実際監督が断ったと言う話もありますし、現状クラブの金庫にどれだけお金があるのかが見えないのでなんとも……もちろん必須だとは思いますけど、そういう選手を活かすためにも……はい。

まあ、色々と疑念もありますが、せっかく始まりましたし、ワクワクしながら次のゲームを待てるようにまず切り替えたいですね。

ではでは、またよろしくお願い致します。

Posted by: いた | July 21, 2010 at 09:05 PM

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