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July 30, 2010

罪と罰と救い@2010 J.League Division1 第15節 アルディージャ vs Fマリノス

うまくボールが動いた、決定機も与えられたし作り出すことも出来た、それでも機を逸し続けた。

その罪は罰となって降りかかる、しかし降りかかった罰の先に救いがあった。

その救いを前向きに捉えたい。

2010 J.League Division1 第15節

アルディージャ 1-1 Fマリノス @ NACK5スタジアム大宮「罪と罰と救い」
F.Marinos:90'+2'長谷川アーリアジャスール!!!
Ardija:86'村上和弘

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"指先の悔恨"、DF天野貴史"サイドハーフの仕事"、栗原勇蔵"抜群の中での悔恨"、中澤佑二"連戦でも落ちず"、金井貢史"流れを変えるという罪"、MF小椋祥平"横浜のエンジン再点火"、清水範久"ジローのお仕事に見る組織的破綻"(→88'長谷川アーリアジャスール"大仕事")、中村俊輔"違い作るも"、兵藤慎剛"やりきらないという罪"、FW小野裕二"背負うべき「無得点」の十字架"(→69'山瀬功治"打開力")、渡邉千真"ストライカーの責"(→69'坂田大輔"伸びつつあるプレータイム")

アルディージャスタメン:GK北野貴之、DF渡部大輔、坪内秀介、マト・ネレトゥリャク、村上和弘、MF藤本主税(→70'杉山新)、金澤慎、青木拓矢、鈴木規郎(→60'石原直樹)、FW市川雅彦(→80'ドゥドゥ)、ラファエル

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機を逸し続けると……まあこうなるよね、という典型。試合の中でうごめく「流れ」をスコアに反映できず、安易なプレーが流れを変える。このゲームで勝ちが獲れなかった事は重く受け止めなきゃいけない。ただ、そこまでネガティブなゲームでもなかったと思ってる。物足りない部分もあるけれど、ボール自体は良く動いたし、意志の伴うプレー、意欲的なプレーも少なからずあって、それがチームのパフォーマンスに反映されていた。小椋の楔とか勇蔵のタイトなアプローチとか、ね。だからこそ、救いとなるアーリアのゴール含めて前向きに捉えて、次のゲームに向かいたいな、と。中二日だし。

では、また気になる要素をセンテンスに分けて。

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【楔の意義】

狙いを定めての鋭い出足によるボール奪取も、速いタイミングでの楔も、溢れんばかり「意志」を感じさせた。これぞ「小椋祥平」というプレーは、チームに推進力を生み出すエンジンとなって素晴らしい流れをもたらしてくれた。

しかし、素晴らしい楔が入っても、それを仕上げるアタッカー達が迷い、逡巡し、チャレンジできなければゴールには至らない。事実、小椋の素晴らしいプレーが生み出した勢いはアタッキングエリアで霧散してしまっていた。

その象徴としてあげられるのが兵藤。良いボールが入っても状況が揃わないと毒にも薬にもならない無難で安全志向な「意志」なきプレーを選択する傾向が強く、せっかくの楔の効果を無為にしてしまうことが非常に多い。元々、自ら仕掛けたり、アイデアを付与したり、一発の鋭いパスを出すなど「個」として強い光を放つ選手ではなく、周囲と連動しながら動いて受けて裁いて動いて又受けてる事で隙を見出して相手を揺さぶることに長けているタイプなだけに、周辺状況との絡みが影響しているとは言え、余りに「やりきらない」「煮え切らない」プレーが多く、結果として勢いを削いでしまっている感が多い。

ひとつひとつのプレーには意義もあれば、効果もある。楔が入ればその分だけ相手のゴールに近づく、スペースがあれば前も向けるし、相手の収縮を誘いバランスを崩すきっかけとなることもある。しかし、タイミングを逃せばその効果はたちまち消える。その効果を無為にすることなく、時には強引にでもタイミング重視で効果を活かすことに重点を置いてやり切っていくことがあっていい。綺麗にパスを繋いで崩せるのは理想であり、失わない・やり直すということも否定しない。しかし、どういう事をされるのが嫌なのか、もう一度整理してみると良いのかも知れない。

勇気を持って打ち込んだ楔が実が伴うように、その勇気に報いるプレーがアタッカーには求められている。その勇気に報いたとき、その攻撃がゴールに昇華すると思うから。

【歪んだ構造】

元々は'07の当時監督の早野宏史の施術からかな。攻撃力あるサイドバックを高い位置に押し上げるために、センターバックがタッチライン際まで開き、アンカーがディフェンスライン中央へ落ち、その3枚で攻撃構築を始める。その名残か、横浜のサイドバックはセンターバックがボールを持った瞬間から非常に高い位置を獲り、攻撃参加に備えている。

確かに、ダイナミズムの欠ける状況の中でサイドバックのオーバーラップは大きな意義を持っている。マークされづらい状況下で後方から駆け上がり追い越していくことで局面打開するプレーは実効力を持っており、前節の決勝点も天野の素晴らしい長い距離のランニングからのオーバーラップから生み出された。

しかしその対価として、Fマリノスのサイドバックはビルドアップという文化を失ったのかも知れない。その結果、このゲームでは本来サイドバックがすべき仕事をジローや俊輔がポジションを落として補完するシーンがよく見られた。

この矛盾はリスクがある。サイドバックのポイントにジローが落ちる、中央に俊輔が流れる、オリジナルポジションがずれることで役割が変わる。ロストすれば彼らは「ずれたポジション」の役割を求められる訳で、守備を余り得意としないプレーヤー達に最終ラインでの守備を強いるというリスクを抱える。また、彼らが落ちる形も約束事ではないため、無軌道で即興的で形を見出しにくい。そして個として「中盤」の意識でプレーすることによって危険な状況になることもしばしば。

事実、このゲームでもそういう状況が複数回あった。ジローのパスが弱くカットされる、俊輔が後ろ向きで追い込まれながらサイドバックがいないため逃げ場がなくなる、そして何より最終ラインに人数が足りずスペースを埋めきれない……。

サイドバックというのは、特にポゼッションを軸にするチームにとってはキーとなるポジション。幅を保ちながら引きつけることで相手のバランスを崩す事で中盤のプレーヤーにスペースを提供し、機を見て駆け上がることで数的優位を作り出し局面打開のキーとなる。高い位置にいれば長い距離を走らなくても良いのかも知れない、それでもサイドバックが通常の仕事をすることはチームに大きな秩序と効果をもたらすはず。甘えず、取り組むことから始めて見て欲しい。ここが変わるとチームは大きく変わるよ。ね、天野くん。

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【選手評】

まず2トップ、だね。やっぱり決めなきゃいけなかった。相手の弱点であるスピードに置けるミスマッチを突く意識をもって裏を突き、ミスに対しても鋭く反応、裕二に至ってはシュート5本、千真もうまくターンして前を向くシーンは多く、悪いとは思わなかった。ただ、ファーストコントロールがよくなかったり、フィニッシュを枠に収めきれなかったり、オープンになった逆サイドを見れなかったりと、……ゴールに繋がる部分のディティールのクオリティは伴わなかったかな。フィニッシャーとして責は重いけれど、だからこそヒーローにもなれる。次は決めよう。切り替えてね、きっと獲れるから。

で、良かったのはやっぱり小椋かなー。最初の鋭いミドルから乗ったか、良いプレーの頻度が非常に高くチームのリズムを作ってくれた。彼自身はもっと幅を使ったり、テンポをコントロールしたかったみたいだけど、それをやる選手が多い中で「縦の速さ」を出せるプレーは貴重。だからこそ、続けて欲しいかな。で、失点シーン。あれはやってはいけないプレー、確かに潰せればベターだけど、絶対に入れ替わられてはいけないプレー。小椋が抜かれたことで局面的に「3vs2」になって天野も勇蔵も人を捕まえることが出来ない状況に陥ってしまった。そこは減点。でもよかった!

勇蔵と佑二はパフォーマンスは高み安定。ラファエルの柔らかい技術に苦戦気味ではあったけれど、タイトなアプローチから足を出して先に触る感じで起点を潰すというのは大体の時間で出来てたかなと。ただ、あの劣勢の時間は石原に引っ張られ、ラファエルが落ちる感じになったことで付ききれなくなって起点を作られちゃったかな。ドゥドゥを捕まえきれなかった中盤含めてもの凄い大混乱に陥ってしまったから、ガンバ戦のように全体的に下げて我慢できればなーとも思ったけど……そこはちょっと難しかったかな。次は大仕事、連戦でお疲れだろうけど頼むよ。

交代組は良い仕事してくれたかな。アーリアはホント短いプレータイムだったけど、攻撃性能全開で突破して陣地回復して、ゴールまで獲りきった。功治も勢いのあるプレーと冷静なプレーを使い分けて決定機を導き出し、アシストは「頼む功治!」ってところで正対した状況でマトをずらしてクロスを上げきった(そして合わせた)というのは素晴らしかった。坂田も幅広く動きながらフィニッシュにも絡んだし。ただ、功治・坂田だと収まりが悪い感じはあったので底は気になる。交代策が嵌ったっていうと?と思うけど、まあいいんじゃないかな。功治はスタメンで見たい。

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それにしてもNackは勝てないなぁ……リーグ戦は1勝5分5敗、なかなかに難しい。

それでも次に又すぐゲームは来るから、前向いていきましょう!んじゃ、ここまで。三ツ沢行ってきます!

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(´-`).o0今日は三ツ沢で全クラ準決勝!タイトルまで後二つ!ユースだって俺たちの誇り!と言うことでお時間ある方は是非!日本の未来を担う、横浜の未来を担う(かも)知れない若い子の戦いをその目で!Next 小野裕二はこの舞台から出てくるかも?(煽)

(´-`).o0写真は下記リンクより。近いスタジアムは良いなー。よろしかったらどうぞー。

( ´∀`)つ ミ 2010/7/28 J.League Division1 第15節 アルディージャ vs Fマリノス @ NACK5スタジアム大宮(picasa/me)

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Comments

こんにちは

私となんとなく同じ感想を持ちました。
『くさび』ですよね。しかも、ワンタッチでの。清水はボールタッチが多くてパスが弱い。夏場に強いということで使われているのでしょうが、狩野はどうしたのでしょうか??
小椋は確かに良かったですね。

渡辺・小野ともそこそこ納まりはしていたと思います。そこからサイドに渡す、スペースを使うといった、策が無かったです。

後一つ気になったのが、サイドバックが上がるといっても、中よりの外。ライン際まで開いて上がるという意識が無いと思います。中より、ということはそれだけ、相手のSBの近いところになります。ライン際であれば、とられても最悪タッチラインに逃げればいいわけで、これはSBの基本的な動きです。
ピッチを広く使えていないなあという印象と、奥行きが無いなあという印象。

(金井!次は偉大なる?先輩 田中隼とのマッチアップだぞ!お前が後継者だ!)

采配で負けたという気がしました。
大宮は杉山・ブラジル人を入れて、4-3-3に。こちらは布陣はそのままの2トップ入れ替え。横浜の左サイド崩されてバー直撃弾辺りから、向こうの布陣が機能し始めました。流れが悪いときは一旦退却して、我が彼の状況を眺める選手がいないなあと思いました。

AWAYで勝ち点1悪くは無い。前向きにいきましょう。ユースは楽しみですね。

Posted by: tsutomarinos | July 30, 2010 at 09:05 PM

こんにちは、いたさん。
長谷川アーリアジャスールは、この試合のような使い方の方が活きるのかも知れませんね。苦戦はしつつも、二戦連続ロスタイム弾なんてなかなかできることじゃないです。勢いつくといいですね。ウチとは当分当たりませんし…ww

それから、前エントリーへのコメントで「小野の記事ばかり…」と書いたのは、スポーツ紙などのことで、いたさんの記事ではありませんので…。ちょっと誤解を与えかねない表現だったと反省しています。この場を借りてお詫びします。

Posted by: えびなげ | July 31, 2010 at 09:09 AM

tsutomarinosさん、こんにちわ。コメントありがとうございますー。

ジローは、各所に生まれる穴を埋めながら運動量を持って後方と中盤を埋める仕事を担っているのではないでしょうか。パスが弱いってのは状況に応じてパススピードを変えてない感じがあって、それが少し怖いところですね……。健太は今苦しんでいるところです……。

>サイドバック

まあ状況にもよると思いますがポゼッションの中で動くことによりポジジョンがずれるのが1つ、それとサイドハーフが外に張らない傾向もあるのでオーバーラップがかけづらいと言うのがあるのかも知れませんね(少し見当外れなところもありますが)

独力で縦に行ける選手といけない選手の違いもあるとは思いますが……まあ難しいところですね。それだけポゼッションでポジションを崩していると言うことを考えると非常にリスクフルであることは確かです。

>采配面

ドゥドゥが浮いて、ラファエルが浮いて、と起点となれる選手がバイタルでふわふわして起点が出来て、そこで収縮されたところでサイドを崩されるというのが目立ちましたね。こちらも前に出てたので埋めきれないことが目立ちましたが、そこは勝負に出た側面もあるので……しっかりと流れを切る、その上で陣形を整えると言うことが出来れば大きな問題はなかったと思うのですが、なかなか流れが切れず、崩れたままで応対するシーンが目立ったので、破綻したとしても不思議はないです。

まあチーム全体で「ここは守る時間」というものを意思統一出来ると変わるんでしょうね。ただ、アタッカーは攻めたい、ディフェンス陣はも守りたいと乖離してしまうから難しい。その辺はピッチ内のリーダーが欲しいところですね、形だけではなく。

ではでは、又よろしくお願い致します。

Posted by: いた | July 31, 2010 at 12:45 PM

えびなげさん、こんにちわー。コメントありがとうございます。

アーリアは今回に関しては「前を向けた」というのが全てかな。彼自身トップで起点となって全体を押し上げるという仕事を担っていましたが、どうしてもプレーリズムが保てず、存在感が消えてしまう側面がありました。やはり前を向いて仕掛けてワンツーしてというのが性に合ってるんでしょうね。和司さんとしては恐らく彼のサイズや足元の技術をもってゴールの近い位置で起点を作り、(自ら前を向き)変化を付けて欲しいという願望があるのでしょうが……

>前エントリー

???

いやいや、まったく何も気にしてないですよー。大丈夫ですー。って、裕二をトップライナーにしたのは僕の判断ですし、彼自身注目を集めることは正しい反応だと思いますよ、騒ぎすぎだとは思いますが。まあ少し立てば落ち着くでしょう。ちやほやはあんまりして欲しくないんですが……なので、あんまり気にしないでくださいー。僕は全くもって気にしてないですし、お詫びされるような嫌な思いもしてないですよー。

ではではー、又よろしくお願いしますー。

Posted by: いた | July 31, 2010 at 12:46 PM

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