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July 29, 2010

歓喜のエンディングの価値@2010 J.League Division1 第14節 Fマリノス vs ガンバ

多くの観衆を飲み込んだ日産スタジアムが歓喜に包まれたエンディング。

幸せなスタジアムになったことが何よりも良かった。

2010 J.League Division1 第14節

Fマリノス 1-0 ガンバ @ 日産スタジアム「歓喜のエンディングの価値」
F.Marinos:90'+4'天野貴史!!!!!

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"我慢を重ねて"、DF天野貴史""90'+4'の末の全力"、栗原勇蔵"横浜を支える耐える力"、中澤佑二"チームに喝を"、金井貢史"光るセンスと危うい過信"、MF小椋祥平"ファイトオーバー"、清水範久"カメレオン役"、中村俊輔"少しずつ、着実に"(→90'+5'松田直樹)、兵藤慎剛"ほんとの自分"(→61'山瀬功治"エース、奮起するとき")、FW小野裕二"新たなる横浜の恋人"、渡邉千真"苦悩"(→77'坂田大輔"価値あるチェイス")

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DF加地亮、中澤聡太、山口智(→75'高木和道)、安田理大、MF明神智和、遠藤保仁、橋本英郎、宇佐美貴史(→67'佐々木勇人)、FW平井将生(→46'二川孝広)、李根鎬

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広島での惨敗から一週間…選手達が意地とプライドを持ってピッチに立ったことでメンタル的にリカバリ出来た事、苦しい時間帯にチーム全体が割り切ってゴール前を固めて凌ぎきった事、復調傾向の中村俊輔が反撃の狼煙を上げ、新星・小野裕二がファーストインパクトの利点を生かして局面的なミスマッチを作り出して脅威を与えた事、そして、対等なゲームを打ち破る「頑張り」が生まれた事……、要は「チームとしてやっているフットボールの質」は置いておいて、選手達が勝ち点3に見合うだけのプレーをしてくれた事を心の底から賞賛したい!というのが素直な感想。

では、センテンスに分けて。

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【未来に繋がる勝利の価値】

内容云々の前に、クラブの未来を考えた時、どうしてもこのゲームは勝ちたかった。躍進を果たしたワールドカップ日本代表の中澤佑二、中村俊輔に加え、ゴールを決めて時の人となった遠藤保仁まで日産スタジアムに集うとあれば注目は集まる。事実、39000人という観衆が日産スタジアムに足を運び、Fマリノスのフットボールに触れてくれた。

しかし、その機会に酷いゲームをしてしまったら二度と見に来てくれなくなるかも知れない。ましてや、前節は目を覆いたくなるほどの惨敗。はっきり言って不安は大きかった。しかし、結果を出してくれた、ましてやロスタイムでの劇的な勝利となれば観衆に与えるインパクトは充分。ゴールの瞬間爆発する歓喜、そしてウイニングセレブレーションは、麻薬みたいなモノだから。

正直言って、又来てくれるか、かどうかと言われると分からない。すげー暑かったし、並んだりして疲れちゃったりした人がいるかも知れないし、席が見つからなかったりした人もいるかも知れないし、なかなか互いにゴールが決まらずフラストレーションを感じた人もいるかも知れない。ただ、それでも、最後の最後にイヤなことやフラストレーションが吹き飛ぶぐらいの快感を感じ取ってくれた人が1人でもいたとしたらこのゲームにはとても大きな価値がある。そして僕らにとっても自ら未来を切り開く一勝を上げられたという自信が残る、うん。

【惨敗の可能性を示す組織的守備未整備】

これはあくまでも結果が出た後だから笑い話になるけれど、このゲームは広島の二の舞になる可能性は充分にあった、と個人的には思ってます。そして、この部分こそこのチームの抱える病巣。

それを示すのが、キックオフ直後から10分過ぎまでの立ち上がりの時間帯。シュートにして5~6本打たれた訳でいつ瓦解してもおかしくなかった。きっかけは攻撃構築時ピッチ中央のゾーンでのボールロストからカウンターを浴び、押し込まれてからはなかなか攻撃構築出来ずに又相手の脅威に晒されるという繰り返し。中盤でのロストが原因となったのは明らかなのだけど、中盤がフィルタリングできずに一気にアタッキングサードまで持ち込まれ、殆どの攻撃が水際での攻防という「危機的状況」に至ってしまうと言うことが問題。

速いアプローチ+レシーバーを捕まえることでパスコースを消す事で追いつめるプレッシング、1人1人がオリジナルポジションに入って担当するゾーンを決め相手のパスが入らないように制御するゾーン、と組織守備に置ける二つの基礎戦術があるわけだけど、そのどちらも目的としては(付加要素は置いておいて)出来るだけゴールに近づけないように、ゴールの危険性を落とすために組織として相手の攻撃を制御し、危機を未然に摘み取ることにあると思う。

しかし、その術を持たないが故に相手の攻撃を自陣のボックス手前という最終防衛ラインに迎い入れるしかなく、その水際で迎撃するしかない状況が今のFマリノスの守備。その状況は限りなく失点に近い状況というのはおわかりになるはず。はっきり言って芳しくない。

切なる願いとして、チームとしてベクトルを定めて、グループとして目的を持って守る組織の構築をして欲しい。難しい事じゃない。どの位置で奪うのか、どのようにして追い込むのか、その指針を決めるだけでも構わない。対応能力に長ける佑二・勇蔵が欠ければ、もしくは不調に陥ればこの守備戦術は一気に瓦解する。一刻も早く手を打つべきだと思うし、放置していてはいつまで経っても安定して結果を出し「続ける」事は難しいんじゃないかなと。

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【選手評】

*何と言っても裕二でしょう!小野裕二!ホームデビュー戦初先発、非常にポジティブなプレーを見せてくれました。意欲旺盛で幅のある動き出しでボールを引き出してはゴールに向かう意識とボディフェイクを交えた鮮烈な突破を見せて劣勢を押し戻す「脅威」となり、「アーリーコンタクト」(昌邦さんの言葉を借りました)で自らのコントロールエリアを確保するコンタクトスキル、空中でのバランス感覚にそもそものコンタクトの強さなどを見せて、「個」としての魅力を存分に発揮してくれました。プレーでチームに勢いをもたらし、対等な戦いに持ち込んだと言う意味でもチームに与えた効果は大きかった。ただ、決定機をモノにする力は相変わらず……だけどね。そこを決めてこそ。まあでもデビュー戦、勝利に導くアシストまでした訳だから言うことなし、よかったよー。

*これは蛇足だけど、個人的には裕二の起用には懐疑的、というか、元々あるプライオリティを吹っ飛ばして、しかも功治をベンチに置いてまでの先発起用は余りにリスクが高いと思ってました。裕二を期待するのは構わない(多分僕は和司さんより裕二見てるし、その能力に疑いは持ってない)、しかし、既存戦力への信頼という事を考えれば、彼らを信用していないことの裏返しになってしまう。そこで結果が出せなければ、監督は信頼を失い、不満が表に出てきて、チームが秩序を失う可能性もあった。チームが空中分解する危険性を考えれば彼を抜擢するリスクが余りに高かったかなと。まあその賭けに勝ち、裕二はインパクトを残し決勝アシストまでした訳だから、その起用は正しかったわけだけど、試合に出れない選手はもちろんのこと、ベンチに座る選手など、サブ選手含めたモチベーションコントロールに関しては、非常に危険な状態ではあると個人的には思ってる。スター育ちの監督にそういう気持ちが理解し、マネジメントできるのか、チームの雰囲気を考えればこういう事にも気を配らなきゃいけないと思う。

*で、アマノッチ!愛してる!色々としつこいぐらいに突っ込みたい部分はあるけれど、大きな価値があって、大きな意義を持つゴールを上げた訳だから今回に関しては突っ込まない!ゴールに至るプレーは「天野貴史」を凝縮した感じだったかな。坂田にボール奪取され緩慢に戻る安田を全力ランニングで追い抜き、裕二を追い越すアクションを見せる、その距離50数m。90分間アップダウンを繰り返した後にあのランニングをしたことはアマノッチが日々鍛錬し、意欲的に取り組んできた証拠。もしかしたら無駄になるかも知れなくても、あそこでランニングしたからこそあのゴールがある。それはアマノッチを胴上げしなきゃいけないぐらい称えなきゃいけない。シュート練習も実ったね(あんな角度から打つ練習は流石にしてなかったけど)アマノッチサイコー!ありがとう!

*俊輔復調傾向。俊輔を抱えるという組織的な問題もあるのだけど、守備に関しても意欲的にやっていたと思うし、彼がボールを持ち大きな展開を作る、スペースにボールを出す、変化を付ける、と言うプレーがチャレンジの少ない今のチームには必要だし、とポジティブな要因が増えてきたのかなーと。彼自身も沢山ボールを触れるという意味では楽しくプレーできていると思うし。そこにコンディションが追いついてきて、良いプレーの頻度が増えてきている。ファーストチャンスとなった飛び出しからのシュートみたいなシーンやミドルなどシュートの意識が高まっているのは自ら何かを感じ取ったかな?後ろ向きでボールをもらうと危険だから、その辺は預ける側も警戒が必要かな。俊輔も無理にもらわず動き直して……でいいと思う。少し頼りすぎの側面があるのは気になるけれど……

その他は簡単に。

金井→速い判断からのテンポの良いダイレクトプレーは金井の良いところだけど、使うべき状況や場所の問題。やってはいけない場所や状況でミスったらそれは徹底的にダメ。複数回あったけど、失点に繋がる可能性もある。2タッチでも大丈夫な状況の中でダイレクトを使うのは「頭の悪い」選手がやること。金井は頭のイイ選手なんだから考えればわかるはず。それとファールね、そろそろ学ばないと(主力として扱うことにしましたので厳しく)ランニングのタイミングやオーバーラップは良かったし、対応に関しても問題はない。ディティールが良くない

兵藤→走ってる、繋いでるとかは最低限。兵藤慎剛である価値が出てない。チャレンジしないのは構わないけどアクションが起こらないというのは兵藤の価値が出てない。そもそももう少しチャレンジして良いと思うし……。

ジロー→パススピードをもすこし速く、レシーバーの状況を考えないパスが多かった。サイドバックのポジションを埋めたりリスクマネジメントしたりとベテランらしい仕事をしていたけど、これはチームとしてのひずみの問題。ジローがここで使われる理由がよく分かった。この辺もチームとして是正したいよね。

佑二・勇蔵→良く踏ん張った。身体も張ってシュートコースを消し、前への意識も高く、ゴール前に送られるボールも多かったけど破綻せずに90分凌ぎきった事には改めて感謝。集中力高かった。佑二は停滞するチームに喝を入れるようなオーバーラップも見せたりしてたけど、余り頻度高くはやって欲しくないかな。チャレンジ云々は個人としては大事、ただ、チームとしてそれを支え切れていない。ただでさえ、マネジメント意識が低く、切り替えも遅いチームだからこそ、佑二が持ち場を離れるのは危険が大きい。

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まあ、小言も言いましたが、とにかく勝って良かった。ホント、嬉しかったし、楽しかったし!

と言うことで次は大宮ね……まずここまでー。

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(´-`).o0写真は先にあげてますが、またよろしかったみてやってくださーい。

( ´∀`)つ ミ 2010/7/24 J.League Division1 第14節 Fマリノス vs ガンバ @ 日産スタジアム(picasa/me)

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Comments

こんにちは。この試合は最後の方しか見られなかったのですが、やはり小野君はインパクトを残しましたね。うまいだけじゃなくて気持ちが前に向いているのがいいですね。
ただ、得点に至るまでの天野の素晴らしいプレーがもっと評価されてもいいのに、アシストした小野の記事ばかりでちょっと残念。

個人的には坂田や山瀬、狩野らのモチベーションも上手に保ちながら新陳代謝を高めてほしいですよ。うまく融合できれば、すごいチームになりそうな気がするんですけど…。

Posted by: えびなげ | July 30, 2010 at 11:56 AM

こんにちは。
坂田のボール奪取にシビれ、俊輔のウイイレのようなパスにシビれ、小野のタメにシビれ、そしてアマノッチのランニングにシビれ。。。このワンプレーはプレーに関わった一人ひとりが相手を上回った本当に最高のワンプレーだったと思います。帰ってBSの録画何度も見ちゃいました。そして昌邦さんの解説にシビれ。。。「ここでもう一人上がってこれるか?」と解説入るやいなやスッとアマノッチが駆け上がってきた映像は鳥肌立ちました。(右サイドやられまくりだったので結果オーライな感は否めませんが。)
小野は、何よりあのトラップの精度に驚きました。W杯でもトップクラスの選手はトラップが本当に正確。スタメンに値するプレーでした。あとやはり俊輔がらしくなってきたのがデカイですね。拮抗した状況で終盤のオープンな打ち合いの展開に持っていければ、この試合のようにズバズバと鬼パス通してくれそうでワクワクします。そう、俊輔のコレが見たかった。

Posted by: Jinke | July 30, 2010 at 01:12 PM

えびなげさんこんにちわー。コメントありがとうございますー。

裕二は良かったですねー。広島戦である程度やれるって自信を掴んで、その自信をピッチに反映できていたのかなーと。アマノッチのプレーも素晴らしかったですが、きっと時代が若き新星(宇佐美とかもそうでしょうけど)を求めてるってことなんでしょうね。

アマノッチの素晴らしさは身内が称えてあげればいいのかなw

和司さんはプラオリティきっちりで、偏愛なので、使われない選手や冷遇されている選手には厳しい環境になりがちですが、そこはプロ。見返してやるぐらいのセルフモチベーションをして、競争を激化させて欲しいです。まあタレント云々ではなくチームとしての宿題が沢山あるうちは……(苦笑

ではでは、又よろしくお願い致しますー。

Posted by: いた | July 31, 2010 at 12:29 PM

Jinkeさんこんにちわー。コメントありがとうございますー。

ゴールシーン見事な流れでしたねー。安田のプレーは少々安易だったかも知れませんが、坂田が意識高く獰猛にアプローチしたことで生まれたチャンス、俊輔の溜めて溜めてのあっち向いてほいパスで隙間を縫って、裕二が仕掛けをちらつかせながらアマノッチのオーバーラップを引き出して・・と次を感じ取りながら良いプレーが連鎖しましたね。持論ですが良いプレーが連鎖するとゴールが生まれると思ってるので、アマノッチのロングランからの見事なシュート合わせて4つ重なった事を考えれば、必然だったのかも知れませんね。

>裕二

元々、非常に技術は高く柔らかいのはユース卒の特徴と言えるのかも知れませんね。他の選手も決行できたりするんですよ。あとはプレッシャーの中でも落ち着いて技術を発揮できるか、その差かもです。

とはいえ、裕二は特別ですね。ボディバランスとコンタクトへの強さは天性のモノですし……まあスター扱いは出来るだけ避けて欲しいけど、インパクトを残してしまうと。後は周りがうまくコントロールしてあげて欲しいかな。大事に育てて欲しいです。

>俊輔

意欲的になりましたし、プレーのクオリティも上がってきてますね。自ら沢山ボールを触ることでリズムを作るタイプですから、(頼り過ぎな側面はあるけど)触れて楽しくサッカーできてるんじゃないでしょうか。

彼がいることの弊害もありますし、簡単な問題ではないですが、それ以上の価値を示してもっとワクワクさせて欲しいなーと。

ではでは、又よろしくお願い致しますー。

Posted by: いた | July 31, 2010 at 12:30 PM

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