« 強者への道は一日にしてならず@2010 J.League YamazakiNABISCO Cup GroupStage sec.1 Fマリノス vs モンテディオ | Main | New Challenge!!! -F.Marinos Youth '10 Season Preview- »

April 07, 2010

抗う事の価値@2010 J.LeagueDivision1 第5節 Fマリノス vs エスパルス

迫り来る敗戦に抗い続けられた事、それが最大の収穫。

決して、下を向く必要なんてない。

2010 J.League Division1 第5節

Fマリノス 1-2 エスパルス @ 日産スタジアム「抗う事の価値」
F.Marinos:82'清水範久 S-Pulse:5'&42'岡崎慎司

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"こういう時こそ大きな声で"、DF波戸康広"痛恨"、栗原勇蔵"踏んだり蹴ったり"(→46'パブロ・バスティアニーニ"フィット間近")、中澤佑二"見せ続けた意志"、田中裕介"まくれ!"、MF小椋祥平"収めつつあるマルチ"、中村俊輔"不完全燃焼の邂逅"(→27'狩野健太"「1」では物足りない")、兵藤慎剛"下向くな!"、清水範久"テキメンのジロー効果"、FW山瀬功治"もう一段上へ"、渡邉千真"千真の仕事はポストじゃない"

エスパルススタメン:GK西部洋平、DF辻尾真二(→90'平岡康裕)、エディ・ボスナー、児玉新、太田宏介、MF本田拓也、山本真希(→86'伊東輝悦)、小野伸二"魅せた価値"(→69'藤本淳吾)、FW岡崎慎司"ちくしょう、ここで掴んだ自信をワールドカップに繋げるんだぞ、絶対だからな!"、フローデ・ヨンセン、兵働昭弘

-----------------------

*クリアミスとコミュニケーションミスによる失点、多数のセットプレーの機会、絶好のチャンスの逸機、これだけのミスを冒しては勝利の女神は微笑んではくれない、そんなゲームだったかなと。その裏側にミスを逃さない飢えたストライカーがいたこと、日本最高のキッカーと結果を残してきた1stターゲットが消えた後にセットプレーの機会が増えたこと、本来キッカーを勤めると言う意味ではPKも同じか。その巡り合わせの悪さを呪いたくもなるけれど、自分達でその機会を手放したのも事実だからね。この敗戦は妥当だと思ってます。

*ただ、このゲームに関しては、非常にポジティブに捉えてます。組織的な守備に定評のあるエスパルスが割り切って陣形を固めていたにも関わらず沢山のチャンスを作った事、そして何よりこの最悪の流れに屈することなく抗い続けて最後まで可能性を感じさせた事……プロセスの中に次に繋がる要素が見えたから。負けは負け、勝ち点0という事実は変えられないけど、シーズン序盤、チームが発足して時間が経ってない今だからこそ、その進歩は決して無意味なものじゃないのかな、と。

*まず、攻撃構築。特に後半の部分かな。エスパルスの4-1-4ゾーン(※別途)に対して、ノッキングせずにボールをどんどんアタッキングエリアに運べた事。これまでであれば、なかなか出し所を見いだせずに最終ラインでノッキング……なんてことになりがちな展開だけど、この日に関してはそういうシーンは非常に数が少なかった。要因としては2点。まず、出し手である佑二や小椋の楔に対しての意識が非常に高かったこと。逡巡せずチャレンジする気概を持って、その上でパススピード速く、グラウンダーで、ボールを持ち出したりして相手の守備状況を能動的に「ずらす」事を意図するなど、非常に意識が高かった。2点ビハインドでやらざるを得なかった、とも言えるけど、悪癖改善に向けての大きな一歩だったと思うし、これが継続できればより高いレベルで繋ぐサッカーを具現化できる。継続して欲しいし、この意識の高さがチーム全体に波及して欲しいなと。

*そして、もう一つがジロー効果。高いボール関与意識を持って、非常に広範囲、そして頻度高く顔を出して中盤のゾーンでボールを引き出してはシンプルに裁き、又動く。決して特別な事はしてないけど、動き続けてボールに絡み続けてくれた事で、ボールホルダーの選択肢となってパスコースを作り出し、選手間を繋げる「のり」となった。チームとして滞ることなくボールを動かせたのは、ジローの仕事があってこそ。これは普段ボランチに入ったときに兵藤がやってる事だけど、ジローも又「兵藤」の役目を担えると言う事を示したかな。受け手と出し手のバランスという意味ではジローが入る事で動きが出ると思う。ジローの台頭はチームに幅をもたらしてくれるんじゃないかな。

*そして、その上で後半最後の最後まで攻めに攻めまくった事。相手の素早い切り替えからのカウンターに脅かされても強気の姿勢を崩さずに、どんどんボールを動かして、サイドから、時には中央からのコンビネーションでゴールに迫った。考えてみたら、俊輔が来る前にチームとして練習してたダイレクトプレーを中心にダイナミズムを付随させたり、楔に対して連動するプレーが出たとも言えるのかもね。裕介の大外からぐるっと回るランニングやにいにいのポストから功治が抜け出してフィニッシュに繋げたシーン、サイドからのクロスに千真ヘッド、功治ヘッド、にいにいボレー、そして兵藤の見事なミドル……可能性を感じさせるシーンは非常に多かったし、流れとしても非常に良かった。西部の好セーブを代表としたエスパルスの水際の執念と高い集中力、ラストボールやフィニッシュの精度を欠いた部分もあって、流れの中でのゴールには至らなかったけど、これも又Fマリノスが用意してきた一つの形。俊輔がいても、こういうプレーが出来ればいいな、と。

*全てひっくるめて、Fマリノスのこの日のメンタリティは非常に逞しかったと思うのです。苦しい展開で、心が折れそうな出来事もあった。それでも悪い流れを受け入れずに前から追い、走り続け、抗い続けたというのはこれまでのようにズルズルといかない、上に行こうとする気概でもあると思うし、一つの変化なんじゃないかなと。負け試合でこういう風にポジティブな事を感じるのは余りない事、これを次に繋げる事が出来れば、この苦い敗戦も大きな価値を持つと思う。楽観的すぎるかも知れないけど。

※エスパのシステムは表記上「4-3-3」だけど、守備時にはウイングがMFのラインまで落ちてサイドハーフとしてゾーン形成に参加するので、システム的には「4-1-4-1」。長谷川健太体制で数年来築き上げてきたソリッドでコレクティブなディフェンスを継続する為の施術と言える(ディフェンス傾向としては今シーズンはマイナーチェンジとして、前から狙う姿勢が出てきている)同じ「4-3-3」でもカウンターを意識して前残りの傾向の強かったベルマーレや、谷口のポジショニングのスライドこそ見られるモノのコンセプトとして高い位置でのプレッシングを狙うフロンターレとは毛色の違う守備であったことは明らか。Fマリノスにとっては苦手とする部類の相手であった、と言う事。

-----------------------

【選手評】

飯倉→基本的に失点は二つ共飯倉がちゃんと声を出して主導権を持ってプレーできていれば起こりえなかった。2点目は言わずもがな、1点目だって佑二が苦しい体勢でクリアに行ったけど(そして波戸の中途半端なクリアに繋がった)、ニアに飛び込んだヨンセンのポジションを考えたらキーパーでも良かった。周辺状況を正確に捉え、必要なときに必要な「声」を出せるように、後ろの声は神の「声」だからこそ、ね。ただ、飯倉もまだ若い。こういう失敗を重ねてもっと「いい」キーパーになっていくのかな。次は、なしだよ。

波戸→あのクリアはなぁ……フリーだったしなぁ……まあやってしまった事はしょうがないんだけど、後悔は残るね。ただ、その後、後半の猛攻時には右サイドを駆け上がり何度もコーナーを獲ったり、中央にボールを供給したりと、貢献度高いプレーを見せてくれた。やりきれないシーン、やりすぎなシーンもあるけど、攻撃的な姿勢は横浜に戻ってきて高まっている感あり。

勇蔵→コミュニケーションミスとはいえ、彼にとって見たら最悪のタイミング、不運でしかない。ただ、大きな怪我じゃなくて良かった……早く良くなりますように……

佑二→本文内にも書いたけど、非常にビルドアップに対する意識が高く、PK奪取、終盤にはパワープレーにも出たりと戦い続けた印象。ヨンセンとのドッグファイトは非常に見応えがあった。後半は非常にシビアなアプローチでボールを奪うシーンも数回、カウンターも凌ぎきり最後まで可能性を繋ぎ止めてくれた事を考えても、良い仕事ぶりだった。佑二の意志が伝搬すればもっと良くなる。

裕介→最初の失点はあそこで辻尾にクロスを入れさせてしまった事。中盤との連携もあるけど、余りに簡単に破られちゃった。Wシンジ(not岡崎ね)うまかったけどね。ただ、久々に裕介らしいプレーが沢山出たゲームだったと思う。ダイナミックなランニングは裕介の良さだと思うし、もっともっと出して欲しい。

小椋→ホントよくやってくれてる。センターバックに下がった後もカウンターケアからポストに対しての対応、そしてビルドアップと大車輪。彼が泥を被ってくれたからこそ。ただ、セットプレーのマークに関しては一考の余地有り、動き出しのうまい選手に付く事が多いにしても(神戸戦は大久保、清水戦は岡崎)、毎試合1度はずれて危ういシーンがある。そこは頑張らないと。

兵藤→PKに関してはもう仕方ない。下を向いて欲しくないし、これから取り返せばいい話。決めきれない、という課題はあるけど、それはもう練習しかないと思う。自信を付けて、次のチャンスこそ決める、そして払拭するしかない。西部に防がれたけどミドルは惜しかった。他のプレーに関してはバランス見ながらも、秩序を保ってボールムーブに貢献。ただ、相変わらず変化が付かないので、もすこし自分出して欲しい。

ジロー→ラッキーゴールでもゴールはゴール、エルゴラの記事見てちょっとグッときたよ、あれから1年かー。プレー内容は前述の通り、ジロー効果は大きいよ。レギュラー争いという面でも風穴を開けるかも知れない。健太か、兵藤か、はたまた俊輔か、どうなるかわからないけど、危機感煽るには充分なパフォーマンス。アーリアもか。キックの種類や精度、ファーストタッチという面ではやっぱり質を持ってる選手。

俊輔→怪我云々は置いておいて、コンディション悪くて殆ど何も出来ず。逆に狙い打ちにされて奪われてた。それじゃ中村俊輔の意味はないね。現状俊輔次第のところがチームにあるから、そういう意味ではコンディション上げてもらうしかない。この日はダメ。

功治→決めろ、話はそれから。まあ自分も自覚してるだろうから、そういう事です。ただ、昨シーズンと違って周囲との絡みの中で決定機に顔を出せているというのは昨シーズンとは全く違う所。そこはポジティブ。豊富な運動量でボールに絡んでアタッキングエリアで脅威となり続けた事など、貢献度は高かった。でも、決めないと。功治が二つ獲ってたら勝ってた。まあそういうもんでもないかも知れないけど。エースなら決めて欲しい←勝手に言ってるだけだけどウチのエースは功治だよ

千真→らしくない。あれだけ押し込む展開でシュートはサイドからのクロスに合わせた1本だけ、この展開なら千真は5~6本打ってなきゃいけない。でも、打ててないという事に今の千真の問題がある。ポストを意識しすぎて、ゴールから遠ざかりすぎてる、裏に抜けるアクションが全くない。確かにあんまりうまくなくて、裁くのも下手。でも、そんなの千真の本来の仕事じゃないからいいのよ。千真の仕事はシュートを打つ事。にいにい入ってからにいにいが精力的にポストやってたからやらせておいて自分は美味しいところ持っていく意識でよかったと思う。仕事場がどこなのか、そして何をすべきか、改めて考えてみて欲しいな。千真が獲らなきゃウチは上には行けないよ。

健太→CK14本、FKもかなりあったはず。それで1点は寂しいなぁ……。まあ相手もある事だし、簡単ではないけれど。健太のアイデアが周りに伝わってるか、そういう部分があるんじゃないかな?と言う気はする。プレー自体は良かった。スクランブル発進の割りにはね。ゲームの流れに乗れたし、それなりには存在感もあった。もっとやれると思うけど。

バスティアニーニ→少しずつ少しずつ馴染んできたかな。エゴが出て強引すぎたり、裁きのタイミングが遅れるシーンはあったけど、良い動き出しは使おうという意志があるし、トリッキーな形にしても「ダイレクト」という意識があるのは良い事。コンディション上がってきて動きの幅・量共になかなか、収まるようになってきてるし、強さも感じる、この日はゴールの可能性も感じさせた。次はスタメンも……あるかも知れない。なにより真面目だよね、凄いよくやってくれてる。千真を活かすのはにいにいかもしれない。

-----------------------

にしても、やっぱり勝ちたかった……ホームだったし、沢山人来てくれたしね。繋ぎの部分、カウンターに移るときのスムーズさ、守備のクオリティ、そしてシンジの技術……エスパ強かったけど、やっぱり勝ちたかった……。でもしょうがないね。下向いても仕方ない。

ということでここまでー、次頑張ろう。

-----------------------

(´-`).o0恒例?ですが、写真も撮ってきましたー。よろしかったらみてやってくださーい。特筆すべきモノが実は今回ないわけですが……それでもみてやってくださーい。
( ´∀`)つ ミ 2010/4/3 J.League Division1 sec.5 Fマリノス vs エスパルス @ 日産スタジアム(picasa/me)

|

« 強者への道は一日にしてならず@2010 J.League YamazakiNABISCO Cup GroupStage sec.1 Fマリノス vs モンテディオ | Main | New Challenge!!! -F.Marinos Youth '10 Season Preview- »

Comments

こんにちは。
清水強かったですね。例年のようなリーグ戦終盤戦での体力切れ・失速がなければ、さらにいいところにいくのではと思う内容でした。
1点目は見事に右サイドちゃぶられちゃいましたね。波戸がセンターに返したときは『何しとんねん』と思いましたが、よくよく見ると、3トップの逆サイドがしっかり詰めていたのですね。
(サカマガのDF裁判のコーナーに出てきそうな…)

辻尾のクロスに3枚(ヨンセン、岡崎、兵頭)がしっかり詰めていたところが見事といいようがないです。

PK外して、2人負傷するし、あの試合は『NOT マリノスDAY』といったところでしょうか?
昨年なら2点取られたら、多分2-0のまま終わっていたと思います。
が、PK、山瀬の抜け出し、兵藤のミドル、狩野のミドルと得点時を含めて5度の決定機を作ったのはよかったかな。(もう1本どっかで決まっていれば…)

バスティアニーニ…いいですね。ボールがしっかり止まる(スカパー的に言えば『前線の基準点』)。ハーフタイムに、『我彼の中盤構成力を比べたら、こりゃ勝てないな・・・ロングボール使ったほうが・・・長身のアルヘンティナの出番じゃないか~』なんて思いながらコーヒー買って帰ったら、使われていた。
清水は後半開始直後のあからさまに引いていたシーン(GKへのバックパスから組み立てていた)を見ると、うまくやれば同点まではいくかな・・・と期待をもってみていました。

でもやっぱり小野が効いていました、プレー選択で全くミスがなかった。小野が持つと、うちの流れが確実に止まりました(DFラインが一息つける)。うちの決定機は全部、小野が抜けてからではないでしょうか?

次は重要ですね。ホームでの連敗は許されない。3得点くらいで勝ちたいなぁ…。

Posted by: tsutomarinos | April 07, 2010 at 10:29 AM

tsutomarinosさん、コメントありがとうございます。

>1失点目

いや、何してんねんと思いましたw

とはいえ、サイドを簡単に破られ、中野状況が整わない中でエスパルスの選手達がボックス内に多く入ってきたので、精神的な余裕を失ってしまった、というのがあのプレーなんでしょうね。トラップする余裕はあったし……。まあ終わった事です。

>Not F.Marinos Day

まさに、実はタイトルはこれにしようかなーと思ってました。負傷による交代、ミスがらみの失点が二つモデル、PKまで外す、不運というか悪い巡り合わせが全部来ちゃった感じですね。

ただ、仰る通り、その不運に屈さずに立ち向かって、抵抗できた事を変化と捉えても良いと思うし、前を向くファクターとしてポジティブに捉えても良いんじゃないかと思ってます。決定機、ホント、決めたかった……結果が伴っていれば、チームにとっても凄い大きなゲームになっていた……まあこれも仕方ない事ですが。

>にいにい

非常に勤勉で、動きの意味でも体の意味でも幅が広く、結構アイデアも備えていて、面白い存在ですね。これまではコンディションが整っていなくて、ボールの収まりがイマイチだったわけですが、コンディションが整ってぶれなくなった事で収まるようになりましたね。技術的に粗く、持ち得る技術に追いつかないプレーを志向する部分はありますが、得点への意欲もあるし、ちょっと期待してみようかな、と思ってます。

>シンジ

うまかった……本当にうまかった。

1点目のワンツーも絶妙でしたし、危ないと思えば鋭い察知で起点を潰す。攻守両面で「ツボ」を抑えたプレーをしてたんじゃないかな、と思います。

特別な選手だし、「うまいなぁ」と素直に思わせてくれる選手を見れる事は幸せです。

ではでは、又よろしくお願い致します。

Posted by: いた | April 10, 2010 at 09:55 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/48018446

Listed below are links to weblogs that reference 抗う事の価値@2010 J.LeagueDivision1 第5節 Fマリノス vs エスパルス:

» ['10J1第5節]横浜FMvs清水 [Jの奥底]
2010年4月3日(土) 15:05 KICKOFFJ1第5節@日産スタジアム横浜F・マリノス10-22清水エスパルス 1-082分 清水■山瀬主審:松村天候:#63647;観衆:27,114人5分 岡崎42分 岡崎■小野、岡崎、太田created by :TextMatchReport :more_infoハイライト http://www.yout..... [Read More]

Tracked on April 08, 2010 at 09:41 PM

« 強者への道は一日にしてならず@2010 J.League YamazakiNABISCO Cup GroupStage sec.1 Fマリノス vs モンテディオ | Main | New Challenge!!! -F.Marinos Youth '10 Season Preview- »