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March 02, 2010

中村俊輔、Fマリノス復帰に寄せて。

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遠回りだったのかも知れない。

その遠回りは、多くの人の心にわだかまりやしこりを残し、派生しないはずの移籍金を生み出してしまった。

それでも僕は、久々にトリコロールのシャツに袖を通した姿に胸が高鳴らせ、「Fマリノスを優勝させて、強くしたい」という言葉に期待してしまう。

それは「中村俊輔」というプレーヤーが僕のヒーローであるからに他ならない。

だから、全てを飲み込んでこの言葉を贈りたい。

「おかえり、ヒーロー」

スペイン1部リーグ、RCDエスパニョール所属の中村俊輔選手が、完全移籍にて加入することが決定しましたのでお知らせ致します。

中村 俊輔(Shunsuke NAKAMURA)

ポジション:MF

国籍:日本(神奈川県出身)

生年月日 :1978年6月24日

身長/体重:178cm / 70kg

経歴:
桐光学園-横浜マリノス/横浜F・マリノス(1997年~2002年/日本)-レッジーナ(2002年~2005年/イタリア)-セルティックFC(2005年~2009年/スコットランド)-RCDエスパニョール(2009年~/スペイン)

代表歴:国際Aマッチ出場93試合 24得点(2010年2月25日時点)

主な個人タイトル:
1997年 Jリーグ優秀新人賞
1999年 Jリーグベストイレブン、Jリーグ優秀選手賞
2000年 Jリーグ最優秀選手賞、Jリーグベストイレブン、Jリーグ優秀選手賞、日本年間最優秀選手賞
2000年 アジアカップ2000 ベストイレブン
2001年 Jリーグ優秀選手賞
2004年 アジアカップ2004 MVP、ベストイレブン
2006-07 スコットランドPFA年間最優秀選手賞
2006-07 スコティッシュプレミアリーグベストイレブン など

「横浜F・マリノスに移籍することが決まりました。やっぱり、ここまで難しいこともありましたけど、無事F・マリノスに戻って来れて非常に嬉しく思っています。良いプレーをして、自分の経験を生かしてF・マリノスを強く、チームが大きくなれるように貢献していきたいと思いますので、よろしくお願いします」

F.Marinos Official

昨夏の大騒動の末のスペイン移籍から7ヶ月、「もう道が重なり合うことはないのかな」なんて思っていたから、こんな結末が待っているとは思っても見なかった。

そして、彼は求道者だから。積年の夢の実現の先に待っていた困難、だけど、そんな困難こそ彼が待ち望んでいたモノだと思うから。その困難を前に、悩み、考え、黙々と取り組み、乗り越えることにこそ、この挑戦の意味があると思ってたから。

だからこそ、本当に驚いてるし、自分的には意外だなぁと思う。

とはいえ、理屈としてはシンプル。それだけ俊輔は、出場機会を欲してたということだろうし、そして迫り来る(恐らくは最後となるであろう)ワールドカップへの危機感がこういう形となって表れた、と言うことなんだと思う。

それ自体は否定も肯定もしない。彼の中での決断だから。ワールドカップとスペイン挑戦という「最大目標」と「夢」を天秤に掛けた上での取捨選択、どちらを選んだとしても、俊輔の決断を尊重したいと思うから。

そして、横浜のこと。

落胆と傷を伴った昨夏に関連する言葉が彼の口から発される事はなかった。3000人強、日産スタジアムに集まった観衆が求めているモノとは違うモノだったと思う。

そして、その言葉では昨夏に残したわだかまりやしこりを消すには至らなかったと思う。

現段階で全てのわだかまりやしこりを消す為にはやはり何らかの言及が必要だったと思う。ただ、僕は言葉は言葉でしかないと思う。

俊輔がすべき事は、「中村俊輔」というサッカー選手として、ピッチの上で支払われた対価に見合う「価値」を示すこと。信頼に足るだけの「姿勢」を示し、自らが持つ「質」を表現し、純然たる「結果」を残し、身銭を切らせてしまった横浜にタイトルをもたらすことで、賞金を持って還元して欲しい。

そして、プレー面。まずJのスピードに慣れ、チームとして取り組んでいることを理解し、消化し、イメージを共有し、その上でチーム内競争に打ち克つ事が大前提になるわけだけど、培ってきた技術と経験を持ってして「中村俊輔」だからこそ出来ることを期待したい。

例えば、積年の大きな課題であり、このチームのアキレス腱となっている「攻撃構築」。シビアなプレッシャーやきっちりと組まれたゾーンを前にすると手をこまねき、なかなかアタッキングエリアにボールを運べない。これは悪癖の改善に取り組んでいる今も尚、課題の消化にはほど遠い。その中で沢山ボールに触り、ゲームを作ることを信条とする俊輔のプレーがチームを助ける一助となるのではないか。自らの技術・精度・イメージを駆使して、キーパスを入れていくことで攻撃の「スイッチ」をONにする。

これは一例に過ぎないけれど、「俊輔帰って来てくれて良かったね」、というような効果をもたらして欲しい。会見にもあった通り、蓄積された経験を享受することで若い選手達の成長の促進に一役買う事もそうだけど、何よりもピッチの上のパフォーマンスで納得させて欲しい。それがあって初めて、今回の移籍騒動がハッピーエンドになると思うから。

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ちょっとしゃっちょこばっちゃったけれど、最後に僕の素直な気持ちを。

以前も書いたけれど、僕にとって中村俊輔という選手は特別な選手。彼の生み出すファンタジーに魅せられ、引き込まれたからこそ今の僕がある。

今回の経緯は自分でも、思うことはある。正直言って、今でも正しいのかどうかは分からない。

けれど、僕は彼のプレーが好きだから。魔法の左足から繰り出される柔らかいトラップ、相手の逆を取るフェイント、驚かされるようなピンポイントの精度、そして、溜息が出るほど美しい放物線……これが毎週見れるかと思うと、理屈抜きに嬉しい。

だから、素直に言いたい、「おかえり」って。

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はい、まあそういうことです。うん。

とにもかくにも、帰ってきたからには、頼むよ、俊輔!ということでここまで。

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(´-`).o0これは蛇足だけど、既存の選手達に対して。ビッグネームの加入に胸躍らせたり、戦々恐々としたり、反感を覚えたりしてるのかも知れないけど、これだけははっきり言える。同じチームで同じピッチに立ったら、代表の「No.10」だろうと、レジェンドだろうと、1選手同士。簡単にポジションを譲って欲しくないし、蹴落とすぐらいの気概を見せて欲しい。個人事業主として、自分の居場所は自分で守る。「新入り」にでかい顔させんなよ!

(´-`).o0もちろん、彼の持ってる経験や技術を学ぶこともして欲しい気持ちもあるんだけどね。彼がしてきた経験は得難い経験だと思うし、それは彼が望んでることでもあると思う。それにサッカーオタクだから色んな事知ってると思うし、恐らくプレーも見てるはず。それが必ずしも正解とは限らないけど、違う視点からのアドバイスが何かを切り開くかも知れない。それも又付加価値の1つだし、権利はしっかりと行使するといいさ。

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Comments

いつも拝読してますが、コメントははじめてです。
広島サポですが、中村俊輔選手の復帰は楽しみにしてます。
確か、イタリアへ行く前の日本最後の試合じゃないかと思うのですが、サンフレッチェ相手に美しいフリーキックで得点したのをスタンドから見た記憶があります。あの時はすでに存在感が別格でした。それからさらに成長した姿が見られるのですね。中村が坂田や渡邉千真をどう生かすのか、面白そうです。

…敵チームサポからすれば、素直に怖いんですけど。。。

Posted by: えびなげ | March 02, 2010 at 12:14 PM

いたさんこんばんは。
俊輔の復帰に関しては、このエントリーと全く同感です。
今回の件で驚いたと同時に感心したのは、嘉悦社長をはじめとするフロントが懐の深さを見せたこと、スピード決着に持って行ったことに他なりません。当初は日本人にありがちなしがらみや過去の遺恨に捉われて話が進まないことを想像していたので、ちょっと意外でした。新オフィシャルスポンサーのTOMMYの件にしても、個人的には「どうせコラボするならこういう会社とすればグッズももっと欲しいものになるのに」と思っていたドストライクのところですし。。むむ、仕事できるな、と。ここまでの動きに凄く好感が持てる(旧体制も頑張っていたし悪くはなかったけど)ので、仮に結果が出なくてもこの体制で続けて欲しいし、何かこのフロント陣なら結果を出す為の手段を的確に講じてくれそうな期待感があります。でもやっぱいずれは嘉悦社長も日産に呼び戻されそうですが。開幕楽しみですね!

Posted by: Jinke | March 02, 2010 at 07:16 PM

は、、はじめてコメントします。


去年のことでマリノスと俊輔の道はもう交わらないと思っていました。
自分がサッカーちゃんと観始めたのが俊輔壮行試合の中継だったので……マリノスの俊輔を知りません。。
去年のことがまったく気にならないと言えば嘘になりますが、せっかく同じ道を歩むことになったのだから、俊輔のもたらすものを楽しみにします。
去年、決まったときスペインとW杯ふたつの夢を追うんだ!と驚きました。そうせざるをえない状況にしてしまったのでしょうが、もっとも困難な道を選んだんだな。と。


さすがにユニフォーム姿に慣れる時間は必要なさそうです。

Posted by: sono | March 02, 2010 at 11:41 PM

えびなげさん、はじめまして!コメントありがとうございます!

自分も本当に楽しみにしています。欧州の舞台でより高いレベルのGKを相手にしても決められるように改良に改良を重ねたキックひとつとっても、以前横浜に居たときとは又違う質のキックが見られると思っています。

俊輔の口から語られたように現在のJのテンポは欧州にはない「速さ」がありますから、いかにそのテンポに順応し、その中で自分のプレーを表現出来るかに掛かっているかと思います。それは俊輔に限らず、川崎に加入した稲本、清水に凱旋したシンジにしても言えること。不安もありますが、早く順応してくれることを願うばかりです。

>…敵チームサポからすれば、素直に怖いんですけど。。。

またまたご謙遜を……昨シーズン2試合で7点も取られましたから……・゚・(つД`)・゚・

昨シーズン、サンフレッチェにはまざまざと質の差を見せつけられましたので少しでもその差が縮められるといいなぁと思ってます、まじで。それだけ去年の2試合はエポックメイキングなゲームでした。

ではでは、又よろしくお願い致します。

Posted by: いた | March 03, 2010 at 06:04 AM

Jinkeさん、こんにちわ、コメントありがとうございます。

交渉が非常にスムーズに進んだのは素晴らしかったですね。Jの選手登録期限みたいな兼ね合いもあったのでしょうが、今度こそ、という意志の強さが表れたと言えるのかも。和司監督就任時にも感じましたが、社長の決断力とそれに伴う実行に移すまでのスピード感は「出来る」人って感じですね。嘉悦さんが今後どうなるのかは分かりませんが、彼の辣腕がチームに好影響を与えてくれることを願うばかりです。

>TOMMY

トリコロールですしねw

いよいよ開幕、楽しみです。

ではでは。

Posted by: いた | March 03, 2010 at 06:04 AM

sonoさん、こちらでははじめまして!コメントありがとうございます。

僕も、交わらないと思ってました。縁というのは本当に分からないものですね。

>去年のこと

少なからず、多くの人がわだかまりやしこりを残したまま彼を応援することになるのかな、と言う気はしています。

ただ、文中にあるとおり彼に出来るのは結果を残して、生まれてしまったわだかまりやしこりを少しずつ解いていく事だけだと思いますのでやることはシンプルなのかなと。

>ユニ

案外似合ってて、この辺はDNA、かも知れませんねw

ではでは、又よろしくお願い致します。

Posted by: いた | March 03, 2010 at 06:04 AM

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