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December 12, 2009

挑戦すること、し続けるということ@2009 J.LeagueDivision1 第34節 モンテディオ vs Fマリノス

シーズン13度目の引き分け、乗り切れず、煮え切らない、今期を象徴する「結果」だったのかも知れない。

それでも、能動的なプレーイズムの元、積極的にチャレンジを続けた「内容」に希望を感じたのは僕だけだろうか。

栄光の連覇から数年、中位に沈み、浮上のきっかけを掴めないチームが殻を破る為に、最も必要なのは「挑戦」すること、し続けること。

その意志が溢れていたことは覚えておきたい。

2009 J.League Division1 第34節

モンテディオ 0-0 Fマリノス @ NDソフトスタジアム山形「挑戦すること、し続けるということ」

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"来期も続くデッドヒート"、DF天野貴史"蜂の巣も又経験"(→75'金根煥)、栗原勇蔵"久々過ぎる右サイドバック"、中澤佑二"文句の付け所のないヘッドだったのに…"、小宮山尊信"溢れる欲求"、MF小椋祥平"34試合分の進歩"、兵藤慎剛"もう一歩前に進む為に"、長谷川アーリアジャスール"殻を破れ"、水沼宏太"数センチ遠い初ゴール"(→62'狩野健太)、FW山瀬功治"雪辱は来期に"(→62'坂田大輔)、渡邉千真"全試合出場おめでとう"

モンテディオスタメン:GK清水健太"サポの声援を背に受けて"、DF山田拓巳(→46'宮本卓也)、西河翔吾、石井秀典、石川竜也、MF廣瀬智靖(→59'宮崎光平)、渡辺匠(→81'太田徹郎)、佐藤健太郎、宮沢克行、FW長谷川悠、古橋達弥

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*冷たい雨の中で行われた最終節は、スコアレスドロー。ここ数試合ベテランが重用されていた事もあって、鬱積を溜めていたであろう若手・中堅の選手達がスタメンに名を連ね、非常にアクティブなフットボールを展開してくれてはいたモノの、ホーム最終戦となるモンテディオも高い集中力と執念を見せて抵抗、終盤両チームともオープンな展開の中でゴールに近づくもあと一歩押し切れず、といったところでしょうか。消化試合という位置づけではあったけれど、互いにモチベーションは低くなく、終盤に掛けてのオープンな攻防は非常にエキサイティングだったりと、気温は一桁、雨が降りしきる中で酔狂にも程がある人たちが決して退屈するようなゲームではなかったのかなと(個人的な見解)まあそこで歓喜をもたらす事が出来ないのが両チームの現状の力を表している、と言うことなのかも知れないけど。

*ゲームの内容として、一言で表すのなら「チャレンジ」と言うことに尽きるのかなと。このゲームの前の数試合、正直言って試合内容としては非常に低調なモノだったと思ってる。ゴタゴタの人事問題、早々に決まった残留と諦めざるを得なくなった上位という置かれた立場、といった周辺事情に絡むモチベーションの影響もあるのかも知れないけど、プレーに「逡巡」と「自重」が付きまとっていた感が強かった。選択肢として可能性があっても、リスクあるプレー、ミスになるかも知れないプレーを嫌う傾向が強く、「ミスをしない」意識が連鎖していくことで、ゲームが閉塞していた印象が「非常」に強かった。ただ、このゲームに関しては、意欲や野心溢れる若い選手達が能動的な意志を見せてくれたことで閉塞感を感じさせなかった。コースを見出せば躊躇なく楔やサイドチェンジを選択し、中盤でのボールタッチはダイレクトや2タッチを積極的に用いてどんどんボールを動かす、機を見出せば最前線まで出て行くし、奪い所と見るや激しくアプローチに行く。運動量豊富で選手間の距離が狭まったこと、ボールを引き出す長いランニングが見られたことなど、ボールが動く状況も出来ていた。僕個人の意見として、フットボールの内容に関しては非常に好意的に捉えてます。

*特に大きな変化があったのがボランチ。小椋は厳しいアプローチでボールを刈ってはそのままボールを前に運んでショートカウンターに繋げたり、非常に意欲的なパスセレクトで攻撃に勢いを付けてくれたし、兵藤はミドルエリアでボールを引き出しては裁き、ボールホルダーに対してのサポートに心を砕いて孤立させず、尚かつアタッキングエリアに入って選択肢となって、と行動半径広く、尚かつ気の利くプレーをしてくれた。正直言って、これまでのおっさんコンビに比べると仕事量の違いは歴然。おっさんコンビにはおっさんコンビの良さがあるけど(試合の那賀を読めて、対人とカバーに優れ、積極的なサイドバックの攻撃参加を後支えすると言う意味では経験ある彼らの存在には意味がある)、彼らの仕事量の多さと可動範囲の広さこそ、これからのFマリノスに必要なモノなんじゃないかなと。彼らのプレーがもうあと3ヶ月前に見たかったかな。

*ただ、若さ故の負の部分もある。リスクのあるプレー、ミスになるかも知れないプレーを選択することで必然的にミスも増える。難易度の高いプレーをエリアによって使い分ける判断が甘く(しかも試合前1時間ぐらいに耐えきれず降り出した雨によって、刻一刻と状況の変わる難しいピッチコンディション)、致命的とも言えるミスを狙われてカウンターを浴びると言うシーンも少なからずあった。ましてや、相手は自陣でゾーンを組み、そのミスを狙うコンセプトのチームであったしね。相手の罠に自ら陥るような印象すらあった。そこは若さ故の愚かさ、とも言える。もしベテランが多くピッチに立っていれば、こういう事は起こりえなかった。一長一短、ではないけれど、そこは甘さであり、経験の浅さを露呈した。

*ただ、試合を見ながら「若手を育てる」と言うことはこういう事なんだろうなぁと思ったり。才能があり、スピードであったり、運動量を備え、そして意欲や野心がプレーの勢いとなって表れる。しかし、経験の浅さが状況判断に応じたプレーセレクトやゲームの流れを読む目、試合の中での技術的な精度の維持という部分で甘さが出て、ミスとして表れる。最初から成熟している選手はいないわけだからこそ、熟成するための過程を必要とし、その過程の中では時には失敗をして痛い目を見ることもある。彼らを育てるには、そういう体験を身をもってして貰わないといけない、もっと沢山、そして継続的に。後は、共に寄り添い歩む側の勇気と根気の問題。監督やコーチが彼らが、暖かく、時に厳しく、見放さずに、そして勇気を持ってピッチに送り出せるか。フロントはその過程の中で成績が出ないときでも「未来への糧」と理解し、長期的なビジョンの元で功を急がずに腰を据えて待てるか、そしてサポがその過程に焦れずに彼らの成長を待てるか。成功の味を知り、輝かしい道を歩んできたからこそ、そのもどかしいプロセスを我慢出来るのか、Fマリノスが「育成型」クラブになれるかどうかは、選手だけの問題ではなく、周囲の環境にも問われているのかなと。

*ま、そんなゲームだったからこそ、点獲って勝って、来期に向けて成功体験を得て欲しかったんだけど……そこで勝ちきれず、乗り切れない、と言う意味ではやはり「今シーズンを象徴する」ゲームと言えるのかな。うーむ、もやもや。いや、すっきりはしてるんですけどね……。

*じゃ、選手評。うーんと、兵藤かな。僕個人が思うことだけど、気の利かない選手が多い中で兵藤のように周囲に気を配りながら繋ぎ合わせる仕事の出来る選手は絶対に組織の中で必要だと思ってるので、兵藤にこのポジションで絶対的な立場を確立して欲しいと、日頃常々思ってるわけですが(前置き)、この日のプレーで考えると「俺、こいつと心中するわ」ってプレーは少ないかな。幅広く動いて顔出してボールを引き出す、サポートして孤立させない、セカンドボールを拾う。それだけでも個人的には充分だけど、「兵藤慎剛」という選手が何がしたいのか、という部分が見えてこない。もっと能動的な意志があってイイし、それが出来る選手だと思う。もちろん、「チームの為に走ることが俺の仕事だ!」と思ってくれているのならそれで良いのだけど、一人のプレーヤーの幸せとしては違うところにある気がするの。まあ、こまけぇ事はイイから「チームの為に死んでくれ」と言いたいのは山々なんだけどね、本音は。頭イイし、戦術眼ももっと磨けば、ガンバの橋本みたいなチームに必要不可欠な選手になっていくと思ってる。あれ、なんかずれてきた、おかしい……、とにかくよく走りました。

*宏太はまたあと一歩の所で……ただ、今シーズンで最も「馴染んだ」ゲームだったと思う。先発で出れたと言うこともあるんだろうけど、動きの幅広く沢山ボールに絡み、千真や功治が引いてきた裏を獲るようなランニングを見せたりと、宏太の良さが出てた。こういう試合の中で結果が残せれば良いんだけど、そこなんだよなぁ、殻を破りきれないというか。まあ継続してやっていくしかないと思うし、訪れた機会をモノにする「力」を練習で育んで欲しいな。焦るな、とは言わないよ。焦ってイイし、貪欲な姿勢は失って欲しくない。ガツガツしてるのは宏太の良さだと思うし。

*小椋とアーリアは見ていて感慨深くなった。考えてみたら開幕戦、ハーフタイムで下げられて、その状態から少しずつ信頼を回復し、少しずつ少しずつ小さな成功体験を積み上げて、こうして又最終戦のスタメンとしてピッチに立っているんだからね。小椋は、がつっと当たりに行ってボールを刈ってそのままの勢いでショートカウンターに繋げていくプレーでチームに勢いを与えてくれたし、「見えている」部分を逡巡せずに積極的にチャレンジしていく姿勢も失われていない。前節の初ゴールと言い、最も成長した選手の一人と数えて良いんじゃないかな?アーリアは、以前は乗り切れないゲームもあったけど、今はしっかりとゲームに入っていける、その辺は経験を積んだ成果なのかなと。チームの力になれるようになった。後は自らの才能をピッチの上で頻度高く表現していくこと、そして結果に繋げていくことだけ。このゲームに関しては、テクニックは見せたけど、やりきれていない部分もあった。その辺が来期以降の課題だし、ポジションを掴む為の決め手となる部分かなと。もっとだね。

*後は簡単に。千真、リーグ全試合出場おめ。決めれるシーンは複数あったはず、そこを決めるか決めないかはストライカーとして大事。ポストの安定感はあったし、空中戦も頑張ってた。相手というか、コンタクトの強さに拠るのかな。質の高いディフェンダーと対峙しても出来るように。功治、乗ってきたところでの交代は少しもったいなかったかなー。今シーズンそういう部分が多かったのは、監督の信頼を掴みきれなかった、と言うことを象徴している気がする…。身体のキレが戻ってきたところでシーズン終了だったりと、巡り合わせが悪い感じ。周囲の流れに乗りきれない部分は相変わらず見えたモノの、個としての魅力は見せた。まあ来期は開幕からトップコンディションで臨んでいただきたい。あまのっち、イイクロスはあったし、やり切る姿勢は良かった。けど、守備に関しては火だるま、蜂の巣、かなり狙われた。古橋が流れてくる、後ろからサイドバックも出てくる、そこをいかに周囲と連携しながら破られないように守っていくか。ディフェンダーとして考えないとね。うちの右サイドはクロスを上げさせちゃいけない。コミー、かなり積極的でゴールが欲しいと言う気持ちが前に出てた感じかな。多少、粗かった部分もあるけど、コミーらしい迫力が出たのはよかった。守備もうまくなってると思うし、ポジショニングのバランスも少しずつ良くなってきたから、来期はもっと出来るはず。佑二・勇蔵、最後の部分ではやらせず。サイド破られたり、長谷川高かったりとかなり苦しかったけどね、勇蔵は最後サイドに出てたけど、まあ付け焼き刃かな、今後は上がるならFWでお願いします。佑二決めて欲しかったかなぁ……。飯倉、非常に冷静、ファインセーブなくともポジショニング良く、きっちりと裁ききった。今シーズン最もゴールマウスを守ったのが飯倉なんだねぇ、まあ色々あったけど経験積めた訳だから、来シーズンはもっと安定してほしいな(遠い目)

*そして、コーキチさん。別に書くけど、こんな試合をもう少し前に見たかったかな、そしてこれをある程度の期間継続して欲しかった。喧噪に包まれ、かなり揺さぶられた中での指揮となったから、難しい部分はあったけど……。ただ、この試合でも見えたことだけど、若い選手は間違いなく成長したし、ゲームに馴染めるようになった。そこは間違いなくコーキチさんのおかげ。とても感謝してる。うんうん。とにもかくにもお疲れ様でした。又帰ってきて!監督としてじゃなくても!

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ということで、これで今シーズンはおしまい。まだJユースカップがあるとはいえ、やっぱり寂しいねぇ。成績云々に関しても物足りない部分はあるけど、屈む年として、このシーズンがあって良かったと思えるようにしなきゃいけないね。うん。

とにもかくにも、選手・監督・スタッフ、そしてサポも、シーズンお疲れ様でした。ゆっくり休んで、英気を養って、来シーズン又みんなで、うん。

はい、ということで一度〆!シーズンオフは色々振り返ったりします、多分。

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(´-`).o0写真も今シーズン最後、雨だったから大変だったけど、色々撮れて良かった。シーズン通じて写真を撮り続けてきたわけだけど、思い出を「残せる」という意味ではやって良かったなぁと。自己満足の側面が強いわけですが、感想などありましたら教えてくださいー。ということでラスト!
2009/12/5 J.League Division1 sec.34 モンテディオ vs Fマリノス @ NDソフトスタジアム山形(picasa/me)

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(´-`).o0明日はJユース!マリノスタウン!13:30!みんな来ちゃえばいいと思うよ!まだまだシーズンは終わらない!長居までみんなで!

2009 J YOUTH SUNSTAR TONIC CUP Round of 16
13:30KickOff/Fマリノスユース vs トリニータU-18 @ MM21トレーニングセンター Pitch-A

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