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October 02, 2009

甘美なる勝利の味@2009 J.LeagueDivision1 第27節 レッズ vs Fマリノス

この場所はやはり特別。

この圧迫感が、この圧力が、勝利への欲求を更に掻き立てる。

そして、掴み取った時の歓喜の味は格別。

しかし、歓喜の美酒に酔ってばかりもいられない。

借りを返さなければならないのだから。

2009 J.League Division1 第27節

レッズ 1-2 Fマリノス @ 埼玉スタジアム2002「甘美なる勝利の味」
F.Marinos:3'中澤佑二! 44'渡邉千真!
Reds:15'エジミウソン

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"守護神への階段を一歩ずつ"、DF田中裕介"練習、ひたすらに"、栗原勇蔵"耐え抜く力"、中澤佑二"発する意志"、小宮山尊信"重ねた自重"、MF長谷川アーリアジャスール"間隙、急襲!"(→77'金井貢史"気づくべき事")、河合竜二"矜持"、松田直樹"継続は力なり"、狩野健太"少しずつ、一歩ずつ"(→80'田代真一)、FW坂田大輔"水を得た魚"、渡邉千真"決める男"(→86'金根煥"競るコツ、覚えよう")

レッズスタメン:GK山岸範宏、DF山田暢久、坪井慶介、田中マルクス闘莉王、細貝萌、MF阿部勇樹、鈴木啓太(→64'田中達也)、梅崎司(→64'山田直輝)、ロブソン・ポンテ(→73'高原直泰)、原口元気、FWエジミウソン

鹿島に勝って意気揚々と乗り込んだFマリノスと連敗をストップし再び上昇気流に乗らんとするレッズの対峙となった埼玉スタジアム2002。圧迫感さえ感じさせる全方位の赤、どんな状況であれ、やはりこのスタジアムに来ると、戦闘意欲を掻き立てられる。

そんなゲームのスタメン、Fマリノスは、鹿島戦で累積8枚目のカードを喰らった小椋がこのゲーム含めて2試合の出場停止、更に臀部の違和感を抱えていた兵藤が肉離れで2週間の離脱、豊富な運動量と献身的な姿勢で中盤のエンジンとなっていた二人を一気に欠く緊急事態。中盤中央には河合、サイドには久々の狩野がスタメン出場となったが、鹿島戦で見せた中盤の機能性を保ち続けられるか未知数な部分も。対するレッズは、都築の怪我で山岸がスタメンとなる以外はベストメンバーと呼べるか。僕の山田直輝は怪我開けと言うこともありベンチスタート。

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試合展開

試合開始直後からFマリノスは様子を見ることなく積極的に前に出る。そして望外の結果を得る。2トップのスピードを生かしてシンプルにスペースを突く形でCKを得ると、その右サイドからのCK、狩野のアウトスイングのキックは鋭くニアへ!千真がマークを外してすらすような形でファーに流すと、山岸反応出来ず、闘莉王佑二捕まえきれず。佑二はこのチャンスにきっちり押し込んだ!いきなり訪れる歓喜の時にアウェイスタンド爆発。久々のセットからの一発、試合の趨勢も定まらぬうちの先制点にはレッズを揺さぶるに充分なインパクト。その後も大きくボールが動く中でアーリアが見事な反転からのミドルシュートを見せるなど雰囲気は上々、序盤はFマリノスペースで進んでいく。

しかし、時間と共にレッズに流れが傾く。最終ラインから丁寧に、そしてテンポ良くダイレクトパスとムーブが繰り返されるレッズのポゼッションに対し、Fマリノスは前節のようにオリジナルポジションを維持してゾーンを形成するのではなく、高い位置からアプローチを敢行する積極的な守備で対抗しようとするが、レッズのパスムーブによってそのプレッシャーがことごとくいなされたことが大きな要因。アプローチによってゾーンに穴が空き、中盤のフィルタリングも効かない、後手に回る中でその流れがスコアに反映される。センターライン付近、スムーズで細かい繋ぎからポンテにボールが入ると前はオープン、ポンテは前に運びながらエジミウソンを囮にしてFマリノスディフェンスラインを中央に収縮させると、空いた右サイドのスペースにオーバーラップしてきた山田暢久を簡単に使う。山田暢久はフリーでクロス、高い弾道のボールに対してエジミウソンはマーカーの勇蔵から消えるように流れて最後は打点の高いヘッド!これがサイドネットに突き刺さった。技術レベルの高いレッズの選手をここまで自由にさせてしまうと無傷ではいられない、と言う典型かな。中盤があっさりと無力化され、丸腰のディフェンスラインの警戒感を逆手に取られることで生まれたフリースペース。これはやられて然るべきモノだった。これは誰かのせいではなく、チームとしてやられた失点。反省。エジミウソンの動きはうまかった。

レッズのパスムーブに翻弄され、プレッシングが空転して後手に回るという状況は失点後も変わらない。相手の勢いに飲まれるような形で混戦を作られて原口のダイレクトパスからエジミウソン、サイドから中央、鈴木啓太→ポンテとゴール前を横断するような繋ぎから最後は大外でフリーとなったエジミウソンと、失点寸前のシーンも多数。しかし、その苦しい時間を何とか凌いで迎えたロスタイム、相手の隙を突く形でビッグチャンスが訪れる。相手陣でのポゼッション、大きくボールが動く中で河合がボールを持つと、相手のディフェンスライン前に入ったアーリアへ楔を入れ、そのまま自ら走り込む。アーリアもそれに合わせて丁寧に落とすと、河合はそれを受けボックス内に進入する。しかし、この突破を未然に予測していた鈴木啓太が身体を入れてこの突破をストップ。チャンスの芽は潰えたかに思われたが、ここでアーリアの素晴らしいプレー。河合の腕が掛ったこと、そして身体を入れることに意識が向き、ボール保持への意識が薄くなった鈴木啓太の隙を突く形で、身体から離れたボールをエンドライン際でカット!そしてすぐさまゴール前へ折り返す!このボールを千真がスライディングで押し込んだ!なんとー!キター!スゲー!レッズの選手達は河合が引っ張ったと主審・岡田正義に執拗に抗議するが当然判定は覆らず!驚きの逆転弾!ゲームを考えた上で大きすぎるゴール。非常に苦しい流れ、そのまま折り返せれば御の字と言うところでリードして折り返せることの価値は計り知れない。それだけアーリアのプレーは大きな価値があった。そして、こういう場面を逃さない千真、流石ストライカー、今シーズン11点目!このゴールでアドバンテージを持って折り返すことに。

このアドバンテージは、後半の戦いぶりにも大きな影響を与える。前傾気味でバランスの悪かった中盤のディフェンスは、ある程度自陣で迎え撃つようなディフェンスへと変化、攻勢を強めるレッズのオフェンスを遮断していく。奪ってからは幅を保ちながら裏を狙う2トップのスピードを生かしてカウンターに持ち込んでいく。こうして、リズムを取り戻したFマリノスはビッグチャンス。またもその起点は河合から、左から戻される形でバイタルでフリーとなってボール受けると右に流れながら目線を外に向ける。当然レッズディフェンスも右に陣形を寄せていく、その状況の中で河合が選択したのはバランスが移り変わる中でゴール中央でフリーとなっていた千真へのスルーパス!千真、スムーズに収めて冷静に山岸の脇下を抜くようなグラウンダーのフィニッシュ!このシュート山岸のファインセーブに凌がれたが、河合のディフェンスの盲点を突く素晴らしいアイデアが光ったプレーだった、千真、決めてくれー!

しかし、良い流れも長くは続かなかった。ビハインドを変えそうとするレッズの攻勢は更に強まる。梅崎の突破から、原口の突破から、交代で入った田中達也の突破からと、仕掛けられる選手が次々とミドルを放ち、闘莉王もオーバーラップを仕掛けてくる。しかし、Fマリノスは佑二・勇蔵を中心に堅陣を築きゴールを割らせず。時間が少なくなると、ベンチも現実的にこのリードを保つべく、ゲームをクローズさせる手を打っていく。豊富に動いていたこともあって疲労の見えはじめていたアーリアに代え金井を、キープ・パスと存在感を見せていたものの戻りが遅れていた健太に代え田代を、最後は千真に代えてクンファンで圧力を保ちながらセットプレーでの高さを付与する。

最終局面、坂田も自陣に戻って空いてくるサイドバックにマークを付いたりと、チーム一丸となってレッズの攻勢に耐えるFマリノス。しかし、クロージングのために入った田代、金井がゲームにうまく入れない。田代は軽いアプローチをいなされて穴を作り、金井も突破を御しきれずかわされたり、自陣深くでの軽率なロストから危険な位置でのFKを与える遠因となってしまう。しかし、そんな若い選手達の失態にも動じず、最後の闘莉王のFKも落ち着いて対処すると、待望のホイッスル!苦しいゲームではあったが、粘り強く戦い抜いたFマリノスは完全アウェイの地で今シーズン5/2以来の連勝を飾った。

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*非常に苦しいゲームだったけど、本当に良く勝った。とにもかくにも前半の望外の展開に尽きる。先制したことでいい入り方が出来て、相手のパスサッカーに順応出来ずに同点にされたりと悪い流れにも関わらず、リードをして折り返せたのはものすごっっっっい大きかった。もちろん、チームとして意志を継続し、集中していたこと、我慢出来たこともあるけど、とにもかくにも展開がFマリノスに味方してくれたことが大きかった。フットボールの神様が少しFマリノスに肩入れしてくれたことを感謝したいゲームでしたー。

*このゲームで僕が注視したファクターは、ディフェンスの仕方に大きな変化があったこと。鹿島戦のようにゾーンを埋めるためのスライドとポジションチェンジを駆使した4-4のゾーンディフェンスではなく、高い位置からアプローチを掛けて奪うプレッシングによるディフェンス。メンバーが替わったこと(兵藤の不在、と書いちゃった方が良いかな)、鹿島と浦和のプレースタイルの違いなど、スカウティングの末の答えだと思うのだけど、正直言ってあんまり機能しなかったかな……。レッズのパスムーブのクオリティとFマリノスのプレッシングのクオリティの対峙に置いて、レッズのパスムーブが上回った、ということなんだろうけど、相手を見誤ったというか、見通しが甘かったかな。レッズの基本的なボールの動かし方として、短い距離感の中で「当てる、動きを付ける、落とす」の連続。ただ、Fマリノスのアプローチは「当てる」の所でのアプローチだけ。そこにダイレクトが絡んでくるから、ひとつのアプローチでは簡単にいなされて奪うに至らない。その結果、スペースを与えたあげくに相手にバイタルを明け渡してしまうことも少なくなかった。そんな惨状を見ていて、高い位置でボールを奪うための「目的」に置いて、「手段」が無かったように感じてしまった。あのパスムーブを封じるためには、もっと明確に意思統一をすべきだったんじゃないかな。ひとつのアプローチに周囲がパスムーブの行き先を予測して収縮することであったり、楔が入った瞬間に落としどころを消した上でパックするとか、もっと明確に狙い所をもっと定めて、グループで連動する必要があったのかなと。

*ただ、後半はバランスを調整し、ブロックを作った上でアプローチしていく形に整理出来たことで奪うに至らないにしても無為にスペースを与えることはなくなった。アプローチのタイミングも早くなり、タイトにプレッシャーが掛かるようになった。この辺はチームとしての進歩だと思うし、このゲームの中で前に進めた部分だとも思う。それと、かなりいなされまくったけど、アプローチへの意志が減退せず、継続してプレッシャーを掛け続けたことも又素晴らしいこと。精神的にも、体力的にも疲労が溜まる中で踏ん張ったこともね。

*攻撃面ではだいぶチームとして意思統一ができてきたと思う。シンプルなスペースユーズを核にした速い攻撃。2トップになって幅を保ち、スペースを突くイメージを共有して深みを付ける。そのままゴールを奪えればベスト、ゴールに迎えなくてもラインを押し下げ、それに呼応する形で中盤が押し上げて前を向いてプレーして攻撃を仕上げていく。苦手のポゼッションの中での攻撃構築も避けられるし、現状のチームにとっては非常に理に適った形なのかなーと。

*その中で大きな存在感を見せているのが2トップ。1トップの時はどうしてもポゼッションの中での起点となる仕事や前線からのチェイシングなどに追われて、点を獲るための仕事にエネルギーを割ききれなかったけれど、その仕事を2人で分担することによって、純粋にゴールに向かうエネルギーを残すことができていることは凄いポジティブ。そして、ゴールを奪うための術として、カウンター時に選択肢が常に2つあることで相手の警戒を分散することが可能になるし、又楔を受ける動きと裏に抜ける動きといった違う方向のベクトルを生み出すことで相手の守備を絞らせない。まあ基礎的な要素だけど、それがチームの攻撃にポジティブに反映されていることが見て取れる。

*とはいえ、今は強い相手である程度能動的に戦ってくれるからスペースのある状態で攻撃に出れているだけで、スペース消された時、引かれた時の対処は未知数。ただ、やること自体は変わらないと思うんだよね。2トップで深みを付けたり幅を付けることで相手のディフェンスを動かし、スペースを広げ、イイ攻撃ができる前提を作る事を続けていく。その中でアイデアや技術を付随して決定機を作る。2点目の河合とアーリアのワンツー、後半の決定機となった河合のスルーパスから千真への決定機、坂田のミドルの時の千真の逃げる動き、とかね。色々とあるとは思うけど、現状はこの2トップはチームに大きな利を与えてくれてるのかなーと。

*長いな、選手評は簡単に。佑二!価値ある先制ゴール、堅陣を築き耐え抜いた守備、これらは本当に素晴らしかった。ただ、最も素晴らしかったのは、引いて守るだけじゃなく、攻めなきゃダメだ!相手を押し返さなきゃダメだ!といったメッセージの伝わるようなインターセプトからの攻撃参加、フリーランニング。自ら勇気を出して行ったプレーが実ることはなかったけれど、そのプレーにはリスクを冒してでも伝える必要があった意義のあるメッセージが詰まってた。ああいうプレーが増えてくるともっとチームは強くなると思うし、充実してくるのかなーと。佑二、本当にサンキュー!

*短評、うしろ。哲也、抑えるべきところできっちり、調子が良くないみたいだけど、その分冷静にピッチの状況を見渡せてるのかもね。なんだか大きくなったかな、メンタル的に。裕介、攻撃面とにかく練習だと思う。何度もあったフリーでのプレーチャンスでその機会を不意にしたことは大いに反省していただきたい。クロスの質、攻撃を仕上げるアイデア、これはやっぱり練習じゃないかなー頑張れ。コミー、最近は本当に我慢しながら守備に意識を裂いてプレーしていると思う。もっと攻撃面で思い切りの良いプレーが見たいけど、その辺は今考えながらプレーしているのかもなーなんて感じたり。その過程を見守っていきたいところ。勇蔵、踏ん張ってるし、負けてない。失点シーン、エジミウソンとの距離感など悔しい思いもあるだろうけど、その質自体は悪くないと思う。もっと意識高く、うん。

*短評まんなか。マツ、小椋の代わりと言わんばかりの積極的なアプローチに意志は感じた。後はそのアプローチの質、周囲との連動、それは自らのリーダーシップを持って統率していただきたい。河合、攻撃面で非常に充実したプレー、後ろである程度余裕を持って受ける中でそこで何かを起こそうという意志があったことは素晴らしいこと。千真へのスルーパスは僕のイメージとぴったりで鳥肌立った。後は、狙いすぎずシンプルに動かす部分とアイデアを付与する部分のバランスだね。狩野、守備面でチームタスクをこなすにはもっと高い意識が必要。それは周囲の助けに甘えるのではなく自ら順応しなきゃいけない。ただ、非常に意欲的なプレーだったと思う。前半のサイドチェンジのボールをインターセプトするように受けて飛び出したシーンやチームの流れを汲んでスムーズにスペースに流すパスを出したり、前目からしつこくアプローチに行ったり。失わないボールポートとしても価値。後はとにかく結果。アーリア、本当にあのプレーは珠玉。もっとできると思うし、もっとやって欲しいけど。守備面での切り替えの意識の高さは買い。継続。金井、シュートで終わったシーンは悪くない、枠外だとしても正しい選択。ただ、守備対応や繋ぎのミスは余りにも軽率だった。何のために投入されたのか、分かっているとは思うけど、自分が何をしなければならないのか、どういうプレーを選択しなければならないのか、というのを考えて欲しいな。信頼を積み上げることが何よりチャンスを広げると思う。田代、良さである前への強さを出すべきゲームの展開だったのだろうか?金井と一緒、君を入れた意義が何処にあるのか、チームのために何をしなければならないのか、何をしてはいけないのか、それを考えて欲しい。

*短評、まえ。上にタクティカルな部分は書いたから割愛。よくやった千真、よく走った坂田、二人ともよかったと思うし、結果も残したわけだから、余り言うことはない。ただ、もっと獲れるよ、もっと練習して凄いシュート打って。クンファン、競り方勉強しようね、何のために触覚があるのか、手を使って相手のポジションを確認する、ね。

*コーキチさん、奇策いらないよ、勝ち続けるためには熟成していこう。

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いやー、気持ちよかった。でももうだいぶ経っちゃったので…申し訳ないっす。

次はフロンターレ戦、うん、リベンジ、だからこそ浮かれてなんていられない。

ということでここまでー。

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(´-`).o0しゃしーん、今回はゴール裏でした。いつもとは違う視点ですがよろしかったらどうぞー。
2009/9/27 J.League Division1 sec.27 レッズ vs Fマリノス @ 埼玉スタジアム2002(picasa/me)

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