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October 27, 2009

結果と過程@2009 J.League Division1 第30節 ガンバ vs Fマリノス

凌ぎ、耐え、無失点に抑えた「結果」と依然として組織として機能したとは言い難い「過程」。

迎撃体勢を整えられゴールを奪うに至らなかった「結果」と二人のアーティストの融合が進むことに可能性を感じさせた「過程」。

スコアレスドローという微妙な「結果」の中でその「過程」を捉えること、進化の為に。

2009 J.League Division1 第30節

ガンバ 0-0 Fマリノス @ 万博記念競技場「結果と過程」

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"熾烈な正GK争い、先手の完封"、DF田中裕介"動きの質○"、金根煥"韓国産フィジカルモンスターのポテンシャルい"、中澤佑二"偉大なる先輩"、小宮山尊信"先人の壁は厚く"、MF河合竜二"攻めてるときほど"、松田直樹"バランス!"、長谷川アーリアジャスール"下降傾向"(→75'清水範久"なにもできず")、狩野健太"やらなければならないこと"(→75'兵藤慎剛"なにもできず")、FW坂田大輔"ガンバキラーもこの日は…"、渡邉千真"今後の糧"(→86'水沼宏太"なにもできず")

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DF加地亮"先人が見せる理想のサイドバック像"、中澤聡太、山口智、高木和道"不幸せな関係"、MF明神智和、遠藤保仁、橋本英郎(→86'山崎雅人)、二川孝広(→75'佐々木勇人)、FWルーカス、ペドロ・ジュニオール(→55'播戸竜二)

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*互いに攻めあぐねてのスコアレス。Fマリノスはリトリート気味にしっかりとしたブロックを組んできたガンバの守備組織を崩せず、ガンバは緩い中盤こそ出し抜けど最後の所では屈強な佑二・クンファンの壁を越えることが出来なかった。消化不良気味のゲームに映ったけれど、方向性は違えど守備のクオリティが攻撃のクオリティを上回った結果、なのかなぁと。感想としては、「負けなくてよかった」という感じなのだけど。

*ゲームを動かせる、と言う意味で、主導権を持っていたのはあくまでもガンバ。人数を揃え、スペースを消しながら守ることでFマリノスの攻撃を制御し、キーパスに狙いを絞ってボールを奪う。プレスをいなしながら空いてくるスペースを使ってスピードアップし、その勢いを持って攻撃を仕上げに掛かる。ガンバらしい繋いで動かして変化を加えるといったポゼッションサッカーとは一線を画す感じだったけど、バランスを崩しがちなFマリノスのスペースマネジメントを鑑みたとき、非常に効率的であり、又実効力も伴っていた。あくまでも僕の目には、という感じだけど、ガンバのゲームプランは嵌っていたのかなと。特に前半。

*ただ、そこで我慢し、スコアを0で留め続けたことは非常に大きかった。プレスが掛からず、フィルタリングされずに相手の勢いをまともに受けることになって、非常に難しい対応を強いられる事も多かったけれど、佑二・クンファンが高い個人能力・対応力を発揮することで瓦解を防いだ。正直、このゲームに関しては彼らに救われた。いや、正確に書けば経験の浅いクンファンのカバーに気を裂きながら、高い対応力を持ってガンバの攻撃を水際でシャットアウトした佑二の働きぶりに救われた。

*「結果」としての無失点は素晴らしい。ただ、「過程」を鑑みると充実した守備ではなかったのが分かってもらえると思う。あくまでも佑二・クンファンの働きがなければ無傷では終われなかった。はっきり書けば、ガンバの攻撃のクオリティを上回ったのは佑二やクンファンを中心にした個人能力・対応力であって、チームとしてではないということ。佑二がコメントを出しているけど、「チームとしてどう守るのか」と言う部分は間違いなく曖昧なモノとなりつつあると思うし、それに対しては危機感であったり、課題意識を持つ必要があるんじゃないかなと。繰り返しになるから、詳しくは名古屋戦辺りの部分を見ていただけると(手抜き)今後、続けて勝てるチームになる為、上を目指す為には重要なテーマのはず。佑二の言葉が虚空に舞うことなく、問題定義となることを願うばかり。

*攻撃面では、逆のことが言えるかな。結果には繋がらなかったけれど、実効性ある攻撃が出来たシーンに今後の発展の予感を感じたりしました。テーマとしては「スムーズ」、かな。ポゼッションの中だとイメージを共有出来ずに動き出しが停滞し、結局サイドに展開するしかなくなるような事が多いけれど、シンプルに少ない手数でボールが前に動いてそのまま崩しに繋がる流れになると、イメージの共有が出来て、良い形に繋がる。スムーズにボールが前に繋がることで受け手と出し手のタイミングがシンクロし、動き出しが殺されずに活かされていく、と言うのが一番大きいのかな。このゲームであれば、プレッシャーに負けてガンバが低い位置からロングボールを用いて攻撃構築しようとするところを佑二・クンファンが跳ね返す所から始まる攻撃。クリアが健太やアーリアに入り、彼らが前を向いたところでトップが動き出す。そのスムーズな流れが生まれたときは多少なりとも可能性を感じた、それこそポゼッションしているときよりは。

*今後を考えると、いかにスムーズな流れを作っていくか。もちろん、相手あってのモノだから状況に応じて遅攻も必要になってくるし、そればかりだと攻め急ぐ感じになって雑になりかねない。ただ、例えばポゼッションの中でも擬似的に作り出すことは可能なのかなと。健太・アーリアがバイタルでバックラインからの早い楔を引き出すことを取っかかりに、その流れを活かして崩しに掛かる。要は主体的に「シンプルな流れ」を作り出す事が効果的なのかなと。もっと先を見れば、ポゼッションの中でもスイッチを定め、連動感ある攻撃が出来ればいいのだけど、それはまだまだ先のことになりそうだからね。

*結果としてはスコアレスだけれど、その中にチームとしてステップアップ出来るヒントはある。そんなヒントをいかに拾い上げて、磨き上げ、チームの力としていけるか。未来を見据える上で、こういうゲームこそ真摯に向き合っていくべきなんじゃないかな、なんて事を思ったゲームでした。

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*後は覚え書き。今後のテーマになり得ることなので。

*ポゼッション時、時間が掛かって手詰まりとなると、攻撃に関わる人数が増えすぎてバランスを崩してしまうこと。アタッカー陣がディフェンスに捕まえられる中で、ボランチやサイドバックが攻撃参加することで何とか崩そうとするけれど、それが過度なリスクチャレンジとなって、マネジメントしきれないスペースを後方に生んでしまうことが多々あった。ボールを動かす中でポジションを上げるだけではなく、アタッカー陣に動き直しを促すような形を取っていかないと致命傷になりかねない。ボランチ二人がサイドに寄って崩しの繋ぎをするなんて愚の骨頂。両サイドバックも一度ダメならラインまで戻る、前残りで両サイド上がっている状態は危険極まりない。ましてや、このゲームではキーパスの精度が低く、奪われる頻度が高かった。現実的なポジショニングも考えていかないと。人数を掛けること、リスクチャレンジすること全てが是じゃない、そのタイミングや状況を見極めた上で効果的にやるからこそ意味がある。

*アーリア・健太の守備貢献度の低さを補う工夫。正直、彼らの守備貢献度の低さは目に余る。切り替え遅くファーストディフェンダーとしても存在感は薄く、自陣への戻りも遅い為ゾーンを埋める守備に置いても責任を果たしきれない。組織的な守備を行う上では「綻び」を生む状態となってしまっている。サイドバックに付いていくこともおざなりで簡単に振り切られたりしてビッグチャンスも作られたし……。ただ、現状彼らの技術、アイデアがFマリノスの攻撃を司っていることも事実。鋭いカウンターに繋がるパス、懐の深いキープなどから攻撃に幅を持たせる変化、イメージを共有し熟成しつつある二人のコンビネーションからのワンツーなどでの突破、彼らの関わる攻撃は可能性を感じさせる。実際、彼らがベンチに下がり、兵藤・ジローが同じポジションに入ったモノの残念ながら彼らと同じ役割をこなすことが出来なかった(ゲーム展開に違いがあるとはいえ)そうなると、彼らを抱えた上でいかにチームとしての守備を構築していくかということを考えるのが良いのかも知れない。正直なところ、もう少し彼ら自身が与えられた守備タスクをモラルと高い意識を持ってこなしてほしいのだけどね。まあまずは当たり前のことをやるしかないのかな。攻めきること、彼らのチャレンジプレーを引き出す為にキーパスを彼らに集めること、ボランチを核にしたリスクマネジメント、奪われた後のフォアチェック……まあやっぱり二人とももう少しやれよ……

*組織としても、個としてもダイナミズムが減退傾向にあること。健太にしても、アーリアにしても、マツにしても、基本足元を好み、長い距離であったり、幅を作るような動き出しを好まない、最前線を追い越すようなオフ・ザ・ボールの動きもない、そうなるとどうしてもキーパスの行き先が読まれ、カットされることも多かった。攻撃が遅くなる中で、ラストパスがなかなか出ずにトップの動き出しが徒労に終わることも多く、彼らの動き出しの意識も減退傾向にあるだけに、そんなダイナミズムを付随出来るプレーヤーを組み込むのも又おもしろいんじゃないかなと。兵藤とかね。

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*選手評、特別扱いは……クンファンかな。勇蔵の負傷で巡ってきた念願のセンターバックでの出場機会。正直なところコミュニケーションやコンビネーションの部分で試合前は非常に不安で、実際テクニックに振り回されたり、動き出しに対しての予測が遅れて後手に回るシーンがあったり、ビルドアップでは雑な部分が多く、詰まってしまうこともしばしば。けれど、高い身体能力を活かした対人の強さは健在。少し遅れても抜群のスピードで追いついて、強さを持って封じ込めてしまったりと、そういうことが出来てしまうのはクンファンの高い能力あってこそ。もっと経験を積めば、洗練されてイイ選手になると思うし、可能性は凄い感じた。まあ、中澤佑二・栗原勇蔵の壁は厚いけれど、無風のセンターバックのレギュラーポジションにひとつ風を吹かせたようなゲームだったかも。勇蔵、うかうかしてられんぞよ。

*で、佑二。上にも書いたけど抜群の出来。クンファンのカバー、ディフェンスラインの統率、水際での対応力、文句をつける余地が余りない良い出来でした。特にこの日は出足の良さが目立った。楔に対してのタイトなアプローチが何本もあって、インターセプトからの繋ぎで攻撃の起点となったりと非常に良いプレー。ビルドアップに対しても意識向上著しく、技術的にも伴って来つつある。佑二の飽くなき向上心には頭が上がりません。ナイスプレー!佑二!カレーボウルは買わないけどな!

*兵藤、あのポジションではプレーを繋ぐ為だけじゃなく、決定的な仕事が求められる。そういう意味ではこの日は存在感が薄かった。守備の貢献度、幅の広い動きなどは魅力的だけど、そう思うと健太やアーリアとくんでこそかなぁと言う感じはする。

後は簡単に。坂田!決めてクレー!動きの質は相変わらずいい、後は質の部分、シュートの精度や突破の実効性。悪くない。千真、かなりシビアに狙われてほとんど良いところが出せなかったという意味ではまだまだ精進が必要ってことですな。当てた後のプレーがぶれてしまうので、そこはトレーニングしかないかな。健太・アーリア、結果出さないならチームタスクはこなそう。守備を免除されてる訳じゃない、おざなりじゃなく本気で。マツ・河合、出来自体は悪くないと思うけど、攻撃構築にしてももっと積極的な関与が必要かな。アーリア・健太を出来るだけ高い位置でプレーさせる為にも、ね。

*コーキチさん、とりあえずは最低限の結果。守備の再整備と傭兵術かなぁ。兵藤・ジローを一緒に入れても彼らは使われるプレーヤーである側面は強いから、繋げる選手、崩せるアイデアを持つ選手と組ませたりして欲しいな。「誰」が出ても戦力ダウンしない、とかじゃなくて、一人一人の特徴を捉えた上での起用法をお願いしたい。アタッチメントじゃないし、パーツじゃない、一人一人プレーの特性があると思うから

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まあこれで目標と定めていたACLが遠くのく形となったわけですけど、まだまだシーズンは続く。残留も決まったけれど、一試合一試合気を抜かずに目の前の試合に真摯に臨んで、その上で課題に向き合い、来年に繋がてくれればいいかなぁと。天皇杯は別腹だけどね!

ということで、ここまでー。

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(´-`).o0写真撮ってきましたー、太陽の塔がメインです。すげーよ、太郎、すげーよ巨大建築物。いいよねぇ。写真的には曇りでコンディション悪いのが、残念。よろしかったらどーぞー。
2009/10/24 J.League Division1 sec.30 ガンバ vs Fマリノス @ 万博記念競技場(picasa/me)

(´-`).o0学くんのことは触れません。起きてしまったことは変わらないし、後は一日でも早く完治して、またプレー出来るようになることを願うだけ。頑張れ、学、待ってるからね!

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Comments

いたさんこんばんは。
TV観戦でしたが評価の難しい試合でしたね。流石に相手もナビで痛い目見てるだけに対策してきていて、お互いの良さを消しあうような展開でした。佑二が鬼佑二でヤットさんがイマイチ元気ない感じで助かりましたが。
しかしコーキチさん、スタメンは悩ましいでしょうね。このフォーメーションならボランチに小椋か兵藤も見てみたいところですが、マツと河合のコンビも相手にしてみれば相当威圧感あるでしょうし。CBだってフィジカルモンスター・キムと佑二なんて脅威、勇蔵も良いだけに難しい。前線も功治戻ってきたらこれまた難しい。層の厚さは素晴らしいと思いますが、メンバーが固定されないのも良くないだろうし、かといって最近の固定化されつつあるメンバー以外にもスタメンで見たい選手がいる、という何か一人で堂々巡りな感じです。来季補強したらまたその枠は減るわけで、サポとしても複雑。ユースの子達があんなに活躍しても一人も昇格できない、というのも、上記状況からして致し方ないのは分かるんですが、未だにうまく消化できない。。
ただ基本的に最近の4-4-2で守備から入る感じの戦術はベースとして続けて欲しいなと思うし、突き詰めていって欲しいですね。早野さんのときのウチや、今年のレッズのように、攻撃に比重を置いた改革をするとどーも安定感がなくなる気がします。
長文失礼致しました。

Posted by: Jinke | October 27, 2009 at 07:29 PM

Jinkeさん、こんにちわ。こめんとありがとうございます。

>スタメン争い

そうですねー、非常に悩ましい状態ですね。本音を言えば突き抜けてくる選手が欲しいところですが、まあそれはじっくり待つしかないのかな……。

どのポジションも選択肢が生まれてきているだけに、後は各々のコンディションやフィット具合、そして特徴みたいなモノを摺り合わせていって「最大公約数」的な部分を見いだすことが今後の課題なのかも知れませんね。今のチームバランスが最適というわけではないと思うので……。まあ、ある程度固定してチームとしての素地を固めていくことも大事なので、そこも又悩ましい所なんですけど(苦笑)

センターバックはこれまで固定傾向にありましたが、クンファンが能力を見せつけたことで、ひとつ風が吹いたかなと。まだクンファンも怪しいところがありますが、使っていけばもっと良くなることは明白ですし、勇蔵もうかうかしてられない……。アタッカーはそれぞれに特徴がありますから、その辺で起用方針というかコーキチさんの好み、色みたいなのが見えるのかなという感じはします。ただ、ここで「逆襲の功治」「逆襲の兵藤」みたいなモノを見たかったりします。

ベースとしては少しずつですが出来て来つつあると思っています。パサーの質とトップのスピードを活かす速い攻撃にしても、共通理解は深まっていると思ってますし。守備に関しては試合をこなすごとに戦術的な要素が曖昧になりつつあることが気になるところではありますが、固定して選手達がやりやすい素地が出来ることは間違いなくポジティブ。後はいつものスクラップ&ビルド癖さえでなければ……

ではでは、又よろしくお願いいたします。

Posted by: いた | October 29, 2009 at 06:41 AM

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