« 閉ざされた道@2009 J.League YamazakiNABISCO Cup SemiFinal 2ndLeg vs フロンターレ | Main | 秩序の勝利@2009 J.LeagueDivision1 第26節 Fマリノス vs アントラーズ »

September 14, 2009

埋まらない差@2009 J.League Division1 第25節 サンフレッチェ vs Fマリノス

開幕戦から半年。

スコアとして1点差。開幕戦から1点、差を縮められたのかも知れない。

しかし、クオリティに置いては差が埋まったとは言い難い。目を背けたくなるほど辛く厳しい現実を突きつけられた。

でもそれが現在の力。しっかりと受け止めたい。

2009 J.League Division1 第25節

サンフレッチェ 3-2 Fマリノス @ 広島ビッグアーチ「埋まらない差」
F.Marinos:31'山瀬功治 55'渡邉千真
Sanfrecce:26'&46'柏木陽介 35'イリアン・ストヤノフ

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK秋元陽太、DF田中裕介、栗原勇蔵、中澤佑二、小宮山尊信、MF河合竜二、小椋祥平(→56'齋藤学)、松田直樹、FW山瀬功治(→72'長谷川アーリアジャスール)、渡邉千真(→56'金根煥)、坂田大輔

サンフレッチェスタメン:GK中林洋次、DF森脇良太、イリアン・ストヤノフ(→66'横竹翔)、槙野智章、MF青山敏弘、中島浩二、ミハイル・ミキッチ(→60'盛田剛平)、服部公太、高柳一誠(→63'李忠成)、柏木陽介、FW佐藤寿人

-----------------------

・ゲームのこと……えーと、スコアの上では差は1点。「善戦」だと思ってます。相手のコンビネーションやダイナミズムに翻弄され、後手に回りながらも身体を張り、コンビネーションが合わずミスが続く中でも気持ちを切らさず、度重なる失点にも急激なモチベーションの低下は見られなかった。シンプルな展開からの坂田の突破からのフィニッシュ、こぼれを詰めた功治の同点ゴール、そして右サイド裕介のスルーパスにうまく反応してダイレクトで流し込んだ千真のリーグアウェイ童貞脱出追撃弾と流れの中で2つのゴールを生み出したこと、終盤は交代で入った学が積極的な動き出しでサイドのスペースにボールを引き出し、アーリアがアタッキングエリアで変化を加えたりと攻勢に出て、あわや同点という展開まで持ち込んだこと、内容を度返しすれば常にビハインドを背負ってはいたものの惜しいゲームだったと思うし、選手達は非常に頑張ってくれたのかなーと。ただ、内容の面では3~4点開いていてもおかしくはないゲームであったことも事実。秋元の経験不足とミスから2失点したことが大きく響いた感もあるけれど、純粋に力負けであることは受け入れざるを得ないです。悔しいですけど、その悔しささえもどこか達観してしまうほど、ね。

・書きたいことがあるのでプレーディティールに関してざっとまとめ。①警戒すべきストヤノフについて、千真がある程度警戒していたけど中盤との距離が開いてスペースを与えていたため、パスの展開よりもドリブルでの局面打開をしていくことを選択していた。このプレーでかなり混乱が引き起こったし、ストヤノフの戦術眼の高さには脱帽。②中盤、河合・小椋・松田を並べたこと。結論、機能しない。ショートカウンターからと言うゲームプランがあったようですが、1つのアプローチは強くとも意志を共有して連動するようなグループとしてのプレーはほぼなかった。そうなると、当然ダイレクトプレーを織り交ぜられるとあっさりいなされる→ショートカウンターの前提さえ整えきれない。そうなれば、ポゼッションからの攻撃となるが、この3人の構成力・技術・運動量・アイデアでは満たされるモノの方が少ない。河合は昨シーズンの悪癖である狙いすぎてボールの保持時間が増える傾向が見られ(周囲の動きが悪かったこともあるが)、小椋はこの日はテンションが空回り、プレーの精度もぶれた。そして松田の運動量の少なさと組織的従順度の低さは破綻の一端となりやすく、バランスが壊れやすい。この布陣に拘る理由が見えない。③気になる躊躇。裕介とか河合に比較的多く見られるのだけど、ある程度のコースがあっても、技術的に自信がないのか躊躇してやめてしまう事が多い。やり直すことを決して否定するわけではないが、そのタイミングを逃すこともまた「逸機」であることを意識してプレーして欲しい。特に速く攻めに転じるような状況とかね。そのチャレンジによるミスはミスじゃない。躊躇が蔓延るのは本当に怖いこと。アタッカーのレシーブアクション意識を減退して、組織として硬直していくことに繋がる。利己的なプレーではなく、能動的な意識を持って。

----ココカラ辛辣----

・珍しく「善戦」なんて言葉を使ったのですが、「善戦」、おかしいですよね。順位は違えど同じカテゴリ、でも、そういう気分になったのです。ま、理由は下記の通り。

・動きの中でミスなく繋がるパス、流麗なコンビネーション、次々と適切なタイミングで発生するダイナミズム、相手の虚を突く攻撃参加、逆を取ることに喜びを感じてるような「遊び」の意識、動きによって生まれる効果を読んだ上でのパスコースの見極め……etc、開幕戦で見せつけられたサンフレッチェのクオリティは圧倒的だった。その開幕戦から半年、公式戦にして35試合が経過した今、どれだけ近づけたか、どれだけ前に進めているか、それを計る上で格好のゲームだったと思います。

・その結果は……余りに残酷で正視するのが辛いものとなりました。同じカテゴリの相手なのか?と見まごう程、そして見ていて達観・諦観させられるほどクオリティには大きな差があり、その距離は縮まってはいなかった。寧ろ、開いてしまったのではないかと思うほどに違いがあったと感じています。

・最も大きな差として感じたのは、イメージやビジョン、タイミングの共有、そしてそれに伴うオフ・ザ・ボールの動き、長い距離のランニング、躊躇無きプレーセレクトといったプレーディティールの質。このパスが入ったらこういうアングルでこういう動きをする、こういう動きがあったらここが空くからタイミング合わせてここに入る、そしてその意図をしっかりと理解・把握して使うことが出来る、それが連動した美しい流れを作り出す。一本のパスやひとつの動き出しの意義をチーム全体が共有出来るこそ、あの美しく流動的な攻撃に繋がっているんだと思う。もちろん、一朝一夕に完成したモノではなく、しっかりとしたコンセプトをチームのコアとして据え、紆余曲折の経緯を経ながらもぶらさず、真摯に取り組んできたからこそ得たモノだと思う。そのプロセスはFマリノスには、ない。

・無い物ねだりをしても仕方ないわけですが、そんな相手と対峙して改めて感じたことは、Fマリノスにはコアがなく、「ぶれている」ということ。完成型を決めず、コンディションの良い選手を使う、またより自己判断能力の高い選手を育てるために戦術的な指示も最低限しかしないという指揮官の考えは理解出来る、理想としてね。しかし、固定されないメンバー、ボールの奪い所から中盤のポジショニングも攻撃の形さえもゲームプランによって大きく変わることで、チームとしてのフットボールのコアさえ定まらない状態であることはやはり不健康なのではないだろうか。固定されないことで選手間のコンビネーションも熟成されない状況に陥り、選手が意図やイメージ、アイデアを共有してプレーすることが出来ていないのも事実。常に手探りで迷いと躊躇の中でプレーすることを強いられているのは、選手達にとってこのチームでプレーすることが不遇なのではないかと感じてしまう程に、ね。偶然に感覚的に合うことで美しいプレーが表現されることも稀にある、しかしそれを継続的に出来ないことが、端的にこのチームの問題点を表しているのではないだろうか。

・チームとしてのコンセプトも、踏んできたプロセスも、クラブとしての姿勢も違うから、一概に比較することは無意味かも知れない。しかし、坂田が「人が動いて、パスを繋いでという綺麗なサッカー。ウチもやりたかったサッカー」と評し、佑二が「みんながしっかり意思統一出来ている。お手本となるようなポゼッション」と評したチームとの差を正視することは意義のあることだと思う。

・しかし、スクラップ&ビルドを繰り返している限り、この惨劇は続くし、クオリティは上がらない。彼らのクオリティに近づくためにはもっとチームとして真摯に「フットボールの質」を追求する姿勢が必要。何より僕が最も強く思うのは、選手達の頑張りが報われない、チームとしてのエネルギーとならない組織であることが正しいとは絶対に思えない、どんなコンセプトであろうと、ね。自信を持って、迷い無く、失敗を恐れずにプレー出来るような環境を整えてこそ、初めてプレーヤーの成長を促せるのではないだろうか。

・そんなの今更……という感じはあるかも知れないけど、千葉戦ぐらいからかなー、ふつふつと思ってて、改めて広島戦見て、これじゃだめかもー、と思ったりしてたので。実際何もかもがダメというわけではなくて、開幕ボロボロだったアーリアや小椋がうまくなってること、坂田の動き出しの質が上がってること、サイド高い位置に起点を作った後の崩し(人変わると怪しいけど)、多少積み上がってる部分もあると思うわけです。それにコーキチさん若い選手使ってくれるしね。ただ、満足出来るレベルでもない。複合的な意味で色々と考えなきゃいけないんじゃないかなーと言う気はしてます。うん。

・とにもかくにも今日の結論、「強い相手だからモチベーション上がる」とか言ってんじゃねーよ!負けた後にどんだけ上からなんだよ、もっと足元見ようぜ、ちゃんとサッカーしようぜ。ってことかな。

・↑ちょっとついったーっぽくなってしまいました、失礼。

----辛辣ココマデ----

・学、久々!まあちょっと驚いたけど(2点ビハインドでお試し気分もあったかな…その直後に千真が点獲ったけど)、出来としては良かったと思う。幅広く動くこと、交代選手として量を意識して攻守に絡んでいくこと、サイドのスペースでボールを引き出して起点を作るという最低限の仕事は出来ていたと思うし、1つアーリアとのワンツーでディフェンスライン出し抜いたシーンもあったしね(あれはファールだと思うけど、裕介の考えるとないかな)動きの量を増やす、積極的にレシーブアクションをして展開に絡むという課題はしっかり取り組んで消化出来たのかな、良くなったことが確認出来た。後は、その後だね、ボールを引き出して何が出来るか、そのまま戻したりしてたら、何も起こらない。齋藤学の価値もない。底が次のステップへの課題かな。とにもかくにもよかった、うん。

-----------------------

非常に残念な結果なんですけど、ちゃんとこういうゲームを目の当たりに出来たことは凄い良かったと思います。現実を見据えることは耳や目が痛いんですけど、ね。

まあ、次、チャンピオンとやって、また見えてくるモノがあるはず。見えてくるだけじゃなくて、見えた上で何をするかが大切なんだろうけど、ね。

なんだかぐちっぽく手申し訳ない。偽らざる本音と言うことで、ご勘弁頂けたらと。

ということでここまでー。

-----------------------

(´-`).o0初めてのビッグアーチ、国立っぽいかなーという印象。コンコースがちょっと違うけど。見やすいかどうかは人それぞれだけど、僕はそんなに嫌いじゃないかな。周りに人がいなかった、ってのもあるし。バクスタの人もタオマフぶんぶん回してて川崎っぽいなーと。

(´-`).o0でも紫アウェーは散々だから気が乗らない(現時点)まあいくけど、原爆ドームもいけなかったし、お好み焼きも食べてないし、ヤマト見に行きたいし、何より勝ちたいし。

(´-`).o0ということで(どいうこと?)しゃしーん。雨降ってたりして少々困った感じです。まあ止んでくれたおかげである程度は撮れたんですけど。よろしかったらー。
2009/9/12 J.League Division1 sec.25 サンフレッチェ vs Fマリノス @ 広島ビッグアーチ(picasa/me)

|

« 閉ざされた道@2009 J.League YamazakiNABISCO Cup SemiFinal 2ndLeg vs フロンターレ | Main | 秩序の勝利@2009 J.LeagueDivision1 第26節 Fマリノス vs アントラーズ »

Comments

ブログの方にコメントするのはあまり無かったかもしれませんが…ちょっとだけ失礼します。

今回のを読んで、自分はジーコジャパンを思い浮かんだのですけど(意図とはだいぶ違うとは思いますが)

自分は、自由な攻撃を生むには適度な束縛が必要で、どう緩く、しかし実効的に束縛を用意するかが監督のウデの見せ所ではないかと思います。

適度な束縛とは例えば、少ない言葉、決めごとで意図する方向にベクトルを向ける術というか。ただ方向付けるだけなのに、そこに言葉は増えれば増えるほどに、それは「限定」され、束縛は厳しくなりますからね。それがひいてはチームの軸となり、もてあましたエネルギーもぶつける対象にだってなり得るのかと。

やはり上手い監督は「簡潔に、ズバッと伝わる」みたいなことを選手は言いますからね。自由を謳う監督こそ、こういった部分は必要なのかもしれませんね。

Posted by: CHONO | September 15, 2009 at 12:36 AM

こんばんは。
ダイジェストの結果しか見てないですが、選手コメントやこのエントリを見る限り点差以上の完敗みたいですね。。うむむ。
いつも思うのは、コーキチさんの「パワープレーを指示したわけではない」というコメント、じゃあ何を指示したんだろうということですね。物事に失敗はつきもので、うまくいかない時のほうが多いんでしょうけど、少なくとも意図したものが何故出来なかったのかを突き詰めていかないと進歩が無いわけで、指示がどういう意図だったのかを少なくとも選手には後からでも明らかにしているのかどうかが気になります。監督も成長しないと。
あと就任当初はコンディション重視の選手起用だったと思うのですが最近は?ですね。少なくともクナンを(FWにしろDFにしろ)未だに控えに置いてるのはある意味コーキチさん最大の罪だと私は思います。いるだけで相手は嫌だと思うんですが。
いずれにせよまたこういう順位で先発がコロコロ変わっている現状、また今期も移籍市場の格好のターゲットになりそうで。。。嫌な感じですね。

Posted by: Jinke | September 15, 2009 at 01:10 AM

CHONOさん、こちらでははじめまして、かな?コメントありがとうございます。

>コーキチマリノスとジーコジャパン

自主自立性や判断力の向上のためのトレードオフとして戦術による束縛を設けないというのはまさしく4年前に通った道、既視感を感じてしまうのも当たり前かも知れませんね。

個人的にロマンのあるコンセプトは嫌いじゃないですし、ファンタジーに溢れる攻撃であったり、自由なイメージが合致して想像を超えるようなプレーが見れたら本当に素敵だと思います。

ただ、実際の所はそう簡単にはいかない。選手個々に意志があり、描くビジョンがあり、感情がある。同じ方向を向いている訳ではない。そこでCHONOさんの仰るとおり、監督による方向性を揃えるように仕向ける施術や言葉が必要になってくる。

まあ内部のことなので、外から見える部分しか分かりませんが、現状見る限りではその施術や言葉の効力を感じることは出来ていません。絵に描いた餅、状態なのかも。

で、根本的な問題ですが、こういう形でチームを作ることが「勝利を求められる」トップチームで行うことが正しいのか、と感じることがあります。ドイツでの失敗体験と言うネガティブイメージもそうですが、最終的に目指す目的が勝利だとしたら、その回り道にどんな意味があるのか、結果が出ないとそんなことを考えてしまう時があります。

プレーに置けるガイドラインとなって選手間の意思やイメージを揃えたり、判断を簡素化することでプレーの高速化を図ったり出来るのが戦術の利点。ただ、いくら精緻な戦術を敷こうと、個に委ねられる部分は決して消えない。まあそこで何が出来るか、と言うことを考えると、コーキチさんの考えも分かるのですけど・・卵が先か鶏が先か、の話ですから。

なんだかとりとめなくなってしまいましたが、これからもよろしくお願いいたします。

Posted by: いた | September 17, 2009 at 01:10 AM

Jinkeさん、こんばんわ。コメントありがとうございます。

もちろん、監督だけの責任ではないと思ってます。どれだけ意図を把握出来ているか、その意図を把握した上でどれだけパフォーマンスに落とし込むことが出来たか、と言う部分もありますから。

ただ、仰られるとおり疑念が沸くような事が繰り返されているのも事実。監督の意図が正しいかどうか、その伝え方が適切なものなのか、内側にいる者しか分からないことではありますが、こういう結果を考えると……信頼は揺らぎますよね。そして、数字も……(終盤の得点が少ないデータ、ここまでの成績……)

>クンファン

まあ、クンファンは経験を積めば積むほど良くなると思うし、彼の身体能力は何かを起こす可能性があるというのもわかります。ただ、粗さもあるし、周囲との呼吸が合わず細かいプレーを中心に据える場合は、彼を起用することが絶対に正しいかというと何とも言えないです。

現状のチーム状態は本当に様々な要素が絡み合っていて、非常に複雑です。だから何が悪いとか言い切れない。それがまた悩みを深くするのですが……。自分の白髪が増えてしまいます(苦笑)

なんだか煮え切らない感じで申し訳ありません。これに懲りずに又よろしくお願いいたします。

Posted by: いた | September 17, 2009 at 01:11 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/46206385

Listed below are links to weblogs that reference 埋まらない差@2009 J.League Division1 第25節 サンフレッチェ vs Fマリノス:

« 閉ざされた道@2009 J.League YamazakiNABISCO Cup SemiFinal 2ndLeg vs フロンターレ | Main | 秩序の勝利@2009 J.LeagueDivision1 第26節 Fマリノス vs アントラーズ »