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June 06, 2009

今ある「課題」を前に。 -ナビスコ予選終了を前に-

完璧なゲームなどフットボールには存在しない。僕はそう思っている。

でも、完璧を追い求めて欲しい、突き詰めてもらいたい。きっとその過程がチームを高みに引き上げてくれるから。

燻る今、思うようにいかないこともあるけれど、そんなときに何が出来るか、未来を決めるのは今なのだから

2009 J.League YamazakiNABISCO Cup Matchday4

Group A/Fマリノス 3-3 トリニータ @ ニッパツ三ツ沢球技場「繰り返された失態」
F.Marinos:29'&54'p山瀬功治 89'松田直樹
Trinita:59'小手川宏基 81'&84'前田俊介

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"強き希求も、掴みきれず"、DF田中裕介"疲労と意識に引かれた後ろ髪"、栗原勇蔵"何故今日本にいるのかを考えないと"、松田直樹"認める強さ、はね返す強さ"、小宮山尊信"繰り返された失態"、MF小椋祥平"進化と悪癖"、兵藤慎剛"その足が止まるとき"、狩野健太"活性の先に待っていたモノ"(→86'長谷川アーリアジャスール"君への信頼があれば、この失態はなかったかも")、FW山瀬功治"怖さを突きつけて"、渡邉千真"遠ざかるゴール"(→79'水沼宏太)、坂田大輔"必要なのは協力"(→82'齋藤学)

トリニータスタメン:GK西川周作"誤審に泣いた日"、DF坪内秀介、上本大海、藤田義明、梅田高志(→73'深谷友基)、MF宮沢正史、小手川宏基、金崎夢生(→46'東慶悟)、家長昭弘、清武弘嗣(→73'前田俊介"覚醒の天才")、FW高橋大輔

2009 J.League YamazakiNABISCO Cup Matchday5

Group A/アルビレックス 0-3 Fマリノス @ 東北電力ビッグスワンスタジアム「ひとつのこたえ」
F.Marinos:38'兵藤慎剛 46'渡邉千真 77'田中裕介

J's GOAL

Fマリノススタメン:GK飯倉大樹"確固たる結果"、DF田中裕介"手応え得る二つの結果"、栗原勇蔵、松田直樹"喧嘩したん?"、小宮山尊信"久々のアシスト"、MF小椋祥平"なにがあったの?"(→82'長谷川アーリアジャスール)、兵藤慎剛"こじゃれた今シーズン初ゴール"、狩野健太(→82'田代真一)、FW山瀬功治"0.9点分の仕事"、渡邉千真"ついにキタキタアウェイ初ゴール"、坂田大輔(→76'水沼宏太)

アルビレックススタメン:GK黒河貴矢、DF松尾直人、千代反田充、永田充"結局出てるんだ……"、ジウトン(→50'中野洋司)、MF本間勲(→74'古暮郁哉)、マルシオ・リシャルデス"あなたがいなければ勝てる"(26'黄×2=赤)、チョン・ヨンチョル、FW松下年宏、大島秀夫、田中亜土夢(→46'デビッドソン純マーカス)

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*ナビスコも後一試合、Fマリノスはアルディージャ戦を終えるとリーグ再開まで2週間のインターバルに入ります。公式戦17試合、シーズン始まってまだ3ヶ月にも関わらず本当に色々なことがあった。そんな過程を経た今、チームとしても、個人としても、見えてきたモノがある。特に、思うようにいかないゲームも多かった中で糧とすべき「課題」というのは両手で抱えきれない程沢山出来た。そんな「課題」について少し考える。

*まずは出て来た課題を整理。消化できたモノ、まだ未消化で据え置きとなっているモノ、含めて。

1.【お約束】スペースを消されたときのゴールをこじ開ける術【大宮怖い】

2.【柏で必要性を感じ】劣勢時の守備手法とその先【鹿島・磐田・川崎で成功、名古屋・ナビ大分で失敗】

3.【プレーディティール・関与意識】ビルドアップからアタッキング・サードでの崩しまで、ポゼッションに置ける質【放棄禁止】

4.【閉塞・ストレス】ポゼッション指向高まる中、失われるトランジッションスピードとダイナミズム【要・スペースユーズ】

5.【オリジナルポジションの有効利用】4-3-3の約束事とその活用法【距離感遠すぎ】

6.【トップが下がるか】プレッシングとコンパクト維持【ラインを上げるか】

7.【ナビ新潟で開花?】サイドアタック【コミー復活・ユースケ覚醒】

8.【'07再び】攻撃参加とリスクマネジメント【スクランブル】

9.【兵藤】ゲームの質握る中盤のタスク&負担過多【過労死寸前】

10.【希望の星】未来担う若き成長株の試合での有効利用【役立たず?】

*なんか書いてて楽しくなってきて、段々ずれてきてる気がしたけど気にしない。まず最初に守備の方、項番的には「2/5/6/8」辺りかな。基本、Fマリノスはプレッシングを重視した守備コンセプトに重心を置き、それがうまく嵌ったときには良いリズムでゲームを進めることが出来てる。後ろに佑二・勇蔵と空中戦を制すことが出来る強い選手がいることもあって逃げるようなロングボールを蹴らせれば、高い確率で競り勝ってマイボールに出来るし、高い位置で獲れればそれだけゴールの可能性は高まる。ただ、その連動性や意識統一含めた質を考えると、まだまだ改善の余地がある。あくまでも守備戦術なので相手ありき、どのような狙いを持っているのか、どのようなポジショニングを取るのかにもよるのだけど、まずはチームとして全体の距離をコンパクトに、中盤のスペースを圧縮することをもっと徹底していく必要あり。ここでイニシアチブを取るのが前なのか、後ろなのかという問題もあるのだけど、ここが出来ていないと逃げ場所を与えて、プレスが空転する。運動量が落ちる後半によく見られるのだけど、行くのであればラインを押し上げる、ラインが上げられないのであれば闇雲に追わずプレスポイントを定めた上でアプローチを開始するなどの工夫と意思統一が必要。そして、アプローチ。プレスの基本はレシーバーへの忠実アプローチによる選択肢潰し、それがあって初めてボールホルダーへの強いアプローチが活きる。チームとして「行く!」となったときには周囲のプレーヤーがみんな反応して、選択肢を徹底的に消していくぐらいの意識が欲しい。針を振り切るのか、バランス良くやるのか、チームとしてその頻度をいかにするのか、など、定まっていない部分も感じるのだけど、スタミナを消費する戦術だからこそ、その効率性・実効性を突き詰めていく必要はある。リスクマネジメントという意味でロスト後のトランジッション速くしてアプローチを掛けていけば、リスクは軽減できるし、一石二鳥。ただ、これからもっと暑くなる。中途半端なプレッシングは自分達の首を絞めるというのを肝に銘じたい。

*そして、劣勢時の守備手法。タイトルにも書いたけど、うまく守り切れたときと守りきれなかったとき、そこには大きな差異がある。一つは自分達が追いつめられていないこと。精神的な部分と言えちゃうのかも知れないけど、追いつめられる、振り回される、そういった感覚の時は大体やられてる。相手に持たせてる、ここに入ったら絶対潰す、ここでは前向かせない、そういった主体的な姿勢や余裕を持って守れてるときは大体我慢しきれる。姿勢の問題、とも言えるけど、劣勢というのは苦しいモノだからこそ、拠り所のあるなしは全然違うモノだと思う。具体的な手法としては、劣勢時の守備といっても、基本は変わらないし、すべきことをしっかりとやってれば早々やられるものじゃない。人を捕まえる、受け渡すべきところでしっかりとコミュニケーションを取って受け渡す、裏と逆を取られない、コースをきっちりと切る、これだけやれてればきっと大丈夫。まあそれが出来てないからやられる、とも言えるのだけど。課題の解決という意味で一人一人がしっかりやろうということでおしまいになる。ただ、チームとして「守る時間」「我慢する時間」として意思統一した上で守る中でも、劣勢の時間が長く続けば集中のエアポケットも生まれるし、凄いプレーで崩されることもある。やっぱり、劣勢に立たされ続けるのではなく、その劣勢を「組織的」に改善する術が必要なんじゃないかな。クリアするのは基本としてサイド、そのサイドのスペースって基本空いてるわけだから、アタッカーが引きすぎずに流れる形で起点を作って、そこにサポートして、又サイドに展開して前に運んでいくみたいなパスルートを造るのも一つの手。選手(特に中盤)の機動力・運動量と劣勢の頭を切り換えて前に出て行く勇気、そして展開を読む判断力が必要になるけど、これを昇華できればそのままカウンターに発展できる。オートマティズムを作るのはコーキチさんは嫌いだろうけど、局面局面ではそんなオートマティズムを作ることも又方法の一つなのではないかなーと。

*思った以上に長くなってきた……、基本いつも書いてることと同じなんだけど。次は攻撃、項番的には「1/3/4/5/7」かな?今シーズンはどちらかというとかなり繋いで崩す、ということにチームが傾倒している傾向があるのは間違いない。ただ、いかんせん波があり、コンスタントに高質なものを表現出来てはいない。というより、何かのきっかけがないと出来ないという感じがあって、それはまだチームとしてのスタンダードな力にはなっていないのかなーというのが印象。ゴール獲った後とか、もう出るしかない、となったときはレシーブアクションの意識、ボールへの関与意識が高まり、攻撃に実効力や流れが生まれてくるけど、普段はこれが出来ないから、ボールの流れが淀み、閉塞する。出し手の問題でもあり、受け手の問題でもあるから、一概にどちらがとは言えないけど、個人的にはやっぱり出し手の問題を大きく取り上げたい。実際、多少はレシーブアクションを起きてる中で、出てこないというのが続いてしまうというのは由々しき事態。これが続けば「あー、あいつださねぇな」と思ってやめちゃう。それがチームに蔓延すると硬直する。だからこそ、トリニータ戦の小椋(※)ぐらい決断力の伴ったパスを出していく、チャレンジしていくことが必要なんじゃないかなと。もちろん、プレーエリアによっては考えなきゃいけないし、チームのバランスも見なきゃいけないのだけど、ね。
※トリニータ戦の特に前半、アンカーに入った小椋は、楔のパスやサイドへの中距離フィードなどを勇気を持って決断し、思い切りよくチャレンジ性の溢れる繋ぎを見せていた。底のポイントで淀まないため、攻撃は流れ、リズムを生み出せていた。いつもあれぐらい出来れば……


*具体的方法論に移ります。ビルドアップに関しては幅を使うこと。サイドバックね。今は、マツがコミーを甘やかすから減免されている感はあるけれど、基本4バックのサイドバックはビルドアップをもっとやらないと。4枚揃えて、幅を作って、相手を引き付けて、中盤にスペースを作ってあげる。ディフェンスライン全般に言えることだけど、ビルドアップに置ける目的意識が低く、漠然とボールを動かしているだけ。何かを起こすために攻撃するはずのに、事なかれ主義のような傾向って結構ある。それじゃいつまで経ってもFマリノスのビルドアップの質は上がらない。攻撃の第一歩はビルドアップ、質の高いビルドアップは質の高い攻撃に繋がっていくと思う。

*その上でのアタッキングエリア。基本サイドを崩そう、ここは進歩の見られる部分。これまではウイングバックに預けてさあどうぞ、みたいなことが多く、Fマリノスのサイドには比類なく動虎ばりの仕事を求められていたけれど、システムが変わり、多少なりとも意識付けが行われていたことで、サイドの崩しもまともになってきた。幅を保つ3トップが前にいる上でサイドバックが上がる形はシンプルに数的優位も作りやすく、淀まずスムーズに崩せる。ただ、それだけじゃ引いた相手には足りない。もっと連携を密に、流動的に、アタッカーなり中盤なりが絡んでいく必要があるかなーと。いつぞや中央が混沌としてたときに「オリジナルポジションを守れ」と書いたけど、今はそれが固定されてすぎて流動性が落ちている。「遠」なら「遠」、「近」なら「近」ではなく、「遠→近」といった変化・抑揚が欲しい。難しいところではあるけど、「近」を中盤の選手に全て求めるのは無理がある。元々、功治にしても坂田にしても柔軟性のあるタイプだとは思っていないけど、それにしたって二人とも極端……。で、結果が出てればどっちでもいいだろ?と思う人もいるだろうけど、こういうのを布石としていかないと引いた相手は崩せない、と僕は思ってる。収縮して引き付けて生まれるスペース、幅を使って引き付けて生まれるスペース、動きに中には必ずスペースが発生する。それを見極める力(そして見極めた上でそこを突く力)が欲しい。引いた相手を崩すのは言わずもがな難しい、だからこそそんな意識が必要。うちにはメッシもドログバもクリロナもいないのだから。

*そして最後、中盤への負担について。僕はトリニータ戦の失態の原因は中盤の機能停止だと思ってる。足が止まり、守備タスクを負えなくなり、最終ラインが丸裸同然になった。ただ、彼らを責めるつもりは全くない。彼らはいびつな組織のしわ寄せともいえる膨大なタスクを負わされており、不条理な立場にあるからね。上記の中でも中盤に求める部分というのがいくつも出て来たけど、人数が減った中でタスクだけが大きくなっている現状は、チームとして良い状態じゃない。それを考えたとき、彼らの負担を減らすようなチームにしていく必要があるんじゃないかなと。例えば一定のオートマティズムを作って、無駄な動きを減らすとか、ね、コーキチさん。同じ過ちを繰り返さないためにも、チームの機能停止を避けるためにも、決断の必要性はあるんじゃないかな。

*うー、全部は触れられなかった。ただ、これはあくまでも僕が感じた課題に過ぎず、まだまだチームとして把握している課題はたくさんあるのかも知れない。表からは見えない課題などもあるだろうし。ただ、こういう課題から逃げずに、真正面から取り組む、そんな過程がチームとしての質を上げていくのだと僕は信じてる。過渡期にある今、チームが強くなるために、出来ることをみんなで取り組んで欲しい。そのためだったら、僕は喜んで我慢する。

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うわっちゃぁぁぁ。めっちゃめちゃ長く、面倒くさい感じになってしまいました……反省。トリニータ戦とアルビ戦(行ってないけど)のまとめとして、軽い感じで……と思ってたんだけどね。

ま、そんなこと考えている暇もなく明日は決戦のアルディージャ戦です。何とか天気も持つのかな?埼玉だから信用しないけど。天気なんか関係ない、相性も関係ない、勝つだけっす。そして天命を待ち、リーグの再開を待つと。うん、いい2週間になるってことで。

ということでここまでー。元気だったら代表戦もやるつもり……ないか。

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(´-`).o0しゃしんはそのうちー。新潟は行ってません、三ツ沢のみ。うは、行かないとこれだもんなー。でも嬉しいのは変わらない!ユース見てきますー。

(´-`).o0ユース見てきた。光が帰ってきたー、めでたいめでたい。相手の執念というか、キモチに気圧され気味ではあったけれど、あれだけシビアに来てくれた方がこちらとしては良い経験になる。ああいうキモチは自分達がプレス掛けるときも常になきゃいけないし、あれぐらい守備意識を高めれば、相手も早々崩せない。やりすぎ、の面はあるけど、戦闘なんだから、それぐらいのキモチはあって良い。明日は連戦、見に行けないけど、今日得た部分をゲームに反映して良い報告待ってる!大希や元気は休んだんだから暴れてこーい。

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Comments

3ヶ月で、これだけの課題と進化と課題と進化と。
あらためて思うと、「よく挑戦してるよなぁ」とため息、です。

Posted by: raichi | June 06, 2009 at 03:32 PM

raichiさん、せっかくお願いされたのに遅くなって申し訳ないですー。

まあ、「進化」しているのかは微妙なところではありますが、挑戦して課題が出て、その課題を修正してというサイクルが出来てくるのは悪い事じゃないと思います。チームとして新しく生まれ変わろうとしている中で、そのチャレンジは無駄じゃないと思ってますから。

しかし、ついていく方は大変。。。

Posted by: いた | June 06, 2009 at 08:43 PM

はい・・・たいへんです・・・。
ばあちゃん的には、すでにリーグ戦終盤のへとへとっぷりです。

Posted by: raichi | June 08, 2009 at 09:01 PM

まあ幸せな疲れということで………。
大宮のような試合もありますから!

Posted by: いた | June 09, 2009 at 11:48 PM

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