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February 05, 2009

日本、蘇生 -フィンランド戦に寄せて-

時間と空間を司るショートパスアーティストと高く強くそして繋げるディフェンダーの帰還によって、日本は蘇生した。

失いつつあった自信とプライドを取り戻し、さあ決戦へ。

KIRIN CHALLENGE CUP 2009 -All for 2010-

Japan 5-1 Finland @ National Stadium,TOKYO
Japan:15'&32'S.Okazaki 44'S.Kagawa 57'Y.Nakazawa 86'M.Yasuda
Finland:50'R.Porokara

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日本代表スタメン:GK都築龍太"さて、どっちがお好み?"、DF内田篤人"批判をバネに"(→72'駒野友一)、中澤佑二"取り戻した笑顔"、田中マルクス闘莉王"日本で最も「作れる」ディフェンダーの価値"(→55'高木和道)、長友佑都、MF橋本英郎"機微を感じ取るパートナー"、遠藤保仁"日本の心臓"(→77'今野泰幸)、岡崎慎司"走って、打つ!走って、打つ!"、中村憲剛"活かされたパスセンス"、香川真司"ゴールと課題と"(→81'安田理大"イキイキ")、FW玉田圭司"頑張りすぎず"(→86'巻誠一郎)

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*はい、フィンランド戦の雑感をば。様々な側面で「利」のあるゲームになったのかな。「仮想オーストラリア」とまではいかないまでもサイズのある相手のリーチと激しさを体感したこと、チームの核とも言えるヤットと闘莉王が本番前に試運転できたこと、バーレーン戦のショックをポジティブな結果とパフォーマンスで払拭できたこと、これだけの「利」があった事を考えてスパーリングとしては上々だと思います。もちろん、この日のフィンランドは本気のオーストラリアと比較すると少々物足りない相手であったのは否めないけど、ね。

*それにしてもこんなに変わるものなのか……とは思った。これまでは、とにかく加速という部分が強調されすぎて、勢いを持って突き進むような形しか出来ずに多少雑な部分が見えたけど(それも悪くはないんだけど)、リズムを司るプレーヤーがもたらした落ち着きや抑揚がプレーの質を変えた。ヤット独特のリズムをコントロールしながら相手の虚と隙を突くショートパスを核にしたゲームメイクによって、アタッカーは前を向く時間と余裕が与えられ、スピードの抑揚が付くことで加速するプレーの実効性も高まり、そして何より余りに多かった軽率なミスによるロストが減った。特にロストの質という部分に関しては、チームが抱えるリスクを軽減すると言う意味で非常に大きな意義を持っていたと思う。怪我明けとはいえ、やはり遠藤保仁の存在感と効果は絶大だった(橋本の機微を感じ取るサポートも合わせて、ね)これが最大の収穫。

*そして闘莉王、なんだかんだ言ってやっぱりいるといないでは違う。サイズやディフェンス能力はもちろんなんだけど、何よりもビルドアップのセンス。空いているところを見つけられるセンス、精度とパススピードを伴ったパスを着けられる、長い距離のパスもぶれない、ダイレクトのパスもうまい、攻撃の第一歩として高い質のプレーが生まれることで、次のプレーの質を高めてくれる。これは佑二にも出来ないことで、本当に価値があることだと思う。まあゲームの展開を顧みずふらっとお出かけしたこと、ボックス内で読みきれず初動が遅れて抜かれたシーンなど、少々気になるところはあるんだけど、復帰戦だしね。とにかく練習とかで怪我しないで本番の日を迎えて欲しい。ヤットにしてもそうなんだけど反動が出ないことを祈るばかり。

*とにもかくにも核となり得る二人の復帰は日本代表にとって大きかった。その他にも素晴らしい呼び動作で2得点を導き出した岡崎、相変わらず軽率なミスは目立つけど意欲的な動きと抜群のプレーセンスで結果を残して自信を積み上げた香川、ヤットの後ろ盾を得て「加速」させる質をプレーの実効力に変換した憲剛、バーレーン戦の「戦犯」として批判に晒されながら逞しく復調した内田、同じく中盤のプレーの質の変容により実効力を取り戻した長友、とポジティブな要素は多い。後は、これをオーストラリア戦に繋げるだけ。

*快勝、ということで多少浮かれたいけど、まああくまでもテストマッチだからね。後は気になるところ羅列。3試合連続で失点に繋がったセットプレーの対応力(もっとシビアに身体寄せて競らないと)、ファーサイドのクロスに対してのサイズという顕在する弱さ(セットと同様、内田頑張ってたけどね)、なかなか安定せず答えの見えないGKの人選(川島も都築も……自信満々でやってくれれば問題ないけど)、サイドの崩しに置ける意識の共有(独力突破以外のショートパスで崩すパターンの部分)、このゲームでは見られなかった「負の環(フォアチェック機能不全から始まる崩壊現象)」対策(前エントリ参照)、海外組のコンディショニングと融合(出たとこ勝負)、遠藤保仁がピッチから離れると途端に消えるリズムやテンポをコントロールする意識(これはもうしょうがない、俊輔がいれば何とかなる気はする)、セカンドボールの反応やもう一歩の寄せという部分で多少の甘さ(全体的に)、まだまだすべき事はある。あ、一番気になったのは、サイドに人数を引っ張られた中でバイタルケアをする選手がなかなかいないこと。佑二や闘莉王がいくら頑張ろうとあそこはケアしきれない。玉ちゃんが気にして落ちてきていたけど、チームとして彼をあそこまで下げると攻撃に移る時のスムーズさを欠いてしまうので、チームとしてあそこのケアは意識していきたいかな。まあコンセプトとして難しい部分であるけど。

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ま、とにもかくにも、本番は2.11。浮かれることも、必要以上にナイーブになることもないです。しっかりと準備して、横浜で躍動してくれればと!ご好意もありまして、行けることになったので、本当に楽しみにしてますよ!勝つよ!←オーストラリア嫌い

ということで、簡単にですが。

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