« 日本、蘇生 -フィンランド戦に寄せて- | Main | 2009/2/22 18:00~ »

February 22, 2009

余りにも重く、余りにも残念な決戦 -ワールドカップ最終予選 オーストラリア戦に寄せて-

絶望を味わされた宿敵へのリベンジ、ワールドカップへの道を切り開く上での最大の難敵、嫌がおうにも気分は高まる一大決戦。

しかし、望むべき結果を導き出すことは出来なかった。

その事実は余りにも重く、余りにも残念。

このゲームが持つ意味は果てしなく重かったと思うから。

-----------------------

2010 FIFA WORLDCUP SouthAfirica Asian Final Qualification Matchday4

Japan 0-0 Australia @ Yokohama International Stadium,YOKOHAMA

sports navi

日本代表スタメン:GK都築龍太、DF内田篤人、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、長友佑都、MF中村俊輔、長谷部誠、遠藤保仁、松井大輔(→57'大久保嘉人)、FW田中達也、玉田圭司(→83'岡崎慎司)

オーストラリア代表スタメン:GKマーク・シュウォーツァー、DFスコット・チッパーフィールド、ルーカス・ニール、クレイグ・ムーア、ルーク・ウィルクシャー、MFカール・ヴァレリ、ジェイソン・クリーナ、ヴィンチェンゾ・グレッラ、マーク・ブレシアーノ(→90'+2'ディビッド・カーニー)、ブレット・ホルマン(→64'リチャード・ガルシア)、FWティム・ケーヒル(→85'ジョシュア・ケネディ)

-----------------------

*ワールドカップ予選のオーストラリア戦の雑感をば。勝ち点計算的な視点としてホームゲームとはいえドロー自体は悪くない、けれど勝ち点3を獲るという目標を達成できなかったという事実、そしてゲームの内容を考えれば決して満足できるゲームではなかった。これが素直な感想。拮抗した相手を前に、結果を強引にでも引き寄せる力が乏しく、結果を導き出せないというのが今の日本の現状であり、改めて直視しなければならないのかなと思い知らされたゲームだったかなと。

*そんなゲームの鍵となったファクターを二つ。

-----------------------

【ピム・ファーベックのしたたかなるゲームプラン】

このゲームを考える上で最もポイントを握ったのがオーストラリアのこのゲームの捉え方。メディアを介して発される強気の発言、怪我を抱えているハリー・キューウェルの緊急招集などを匂わせるなど真っ向勝負でグループ内最大のライバルである日本を叩きのめす的な雰囲気を漂わせていた訳だけど、ピム・ファーベック監督の選択した策がそんな強気とは正反対のプランニングであることには少々驚かされた。アジアでも最高峰とも言える力強きタレント達を犠牲にしてでも、日本を綿密に分析した上での守備に重きを置いた非常に現実的なゲームプラン。欧州でプレーする選手達が直前合流となるなど、コンディションや練習時間不足の不安を抱えていたチーム状況、既に勝ち点9を得て、力が拮抗する相手とのアウェーゲーム、勝ち点1でよしとするのはスタンダードな常套策、なのだろうけど、アジア最高峰の真っ向勝負を期待した(その上での勝利もね)日本サイドとしては拍子抜けさせられたといえるのかも知れない。

弱気にも移るピム・ファーベックのゲームプラン、しかし、このプランニングは日本の特徴を非常に良く捉えており、日本の攻撃を抑制する対策として非常に有効に働いた。飄々と中盤深い位置でボールを動かすことでリズムを紡ぎ、相手の虚を突くことでバランスをずらしていく日本のキーマン遠藤保仁に対しブレシアーノとホルマンにプレッシャーを掛けさせることで、自由自在なゲームメイクを抑制。後方では4-3のブロックを形成することでバイタルエリアを締めることで、俊敏性や技術を活かした独力による局面打開、スピーディなコンビネーションによる局面打開をするだけの空間を与えず抑制した。その結果、日本はボールを持てど、警戒されたゾーンを揺さぶりバランスを崩したりとポゼッションの効力を発揮することが出来ず、警戒の薄いサイドを中心にした攻撃に傾倒していく。サイドからの攻撃に関しては、サイズ・人数含めてやられない自信があったのだろう。事実、日本はチャンスは作れどその牙城を突き崩すには至らなかった。

素直な思いとしては、彼らと真っ向からぶつかった上でのゲームが見たかった。リベンジマッチであり、アジアで唯一世界との距離を測れる相手、その興を削がれてしまったという意味では、気持ち的にも消化不良な面は否めない。

ただ、ワールドカップのチケットの掛かったゲームに置いて、彼らの策を否定することは出来ない。その勝ち点1の差異が天国にも地獄にも繋がることを知っている僕らだからこそ、ましてや、その選択を後悔させられなかった相手国の人間にはその権利はない。

-----------------------

【改めて問われるオンプレッシャーのクオリティ】

強化試合からこのワールドカップ最終予選までを通じて、強く感じたこと。それは相手からのプレッシャーがどれだけあるかによって、日本のプレーのクオリティが大きく左右されること。寄せられ、コースを切られ、コンタクトを生じるプレーが多くなればなるほど、日本は気圧されたようにプレーの勢いが削がれていくように感じられてしょうがない。

現状の日本はリズム良くショートパスを紡ぎ、プレーを加速させながら相手ディフェンスにアプローチするタイミングを与えずに、そのままシュートに雪崩れ込む様な形を作ろうとしている感がある。サイドアタックにしても収縮→展開という流れの中でオープンスペースを作ってフリーのプレーヤーを作り、敏捷性を活かしてニアで勝負する形がチームに浸透しつつある。透けて見える共通項、そう、「対人を避ける」。まあ、強烈な身体能力を持たない日本人にとっては当然の思考といえるのかも知れないけれど、対人を過度に避ける傾向は、日本の脆さを改めて感じさせる。

ただ、現実的にそれが可能なのか、僕は難しいと思う。プレッシングやゾーンディフェンスなどの守備戦術がスタンダードになりつつある中で、ある程度の守備戦術が整備されているとなれば、そうそうフリーマンを作り出すことは難しい。ましてや、リトリートし、迎撃体制を整えられた状況であるならなおさら。相手に前を塞がれる、身体を付けられる、ぶつけられるといったファクターは避けて通れない。必ず1vs1を強いられ、プレッシャーを掛けられた中でのプレーのクオリティを問われるシーンというのが多発する。だとすれば、避けるばかりではなく耐性を作り、精度を落とさない努力が必要になってくるのではないか。

海外から来る監督が必ずと言っていいほど受ける日本人プレーヤーの印象として「クローズド・スキルは高いがオープンスキルは低い」といった趣旨の言葉を耳にするけれど、現状ではその悪癖はまだ改善されてるとは言い難い。そして、このオーストラリア戦、一番差を感じたのはその部分。オーストラリアは日本のプレッシャーに屈しなかった。体格差というファクターはあるにしても、素早く、勤勉に掛けられるプレッシャーに対しても精神的な余裕を失わず、いなし、繋ぐ。彼らはプレッシャーの有無による精度に大きな落差がない。日本のプレーヤーが世界と伍していくための要素として、「オン・プレッシャーの中での技術」、改めて向き合わなければいけない要素だと、僕は考える。

-----------------------

まあ、大分時期は過ぎてしまったので、選手評とか試合評はなし。今更感満載ですがとりあえずね、気になったことだし、出来れば皆様にもふわっとでも考えて欲しかったので。にしても、残念、未だに。このゲームを勝つことには色々な意義があったと思ってたからね。ただ、今更言ってもしょうがない。3月のバーレーン戦で勝つ、そしてワールドカップに行く。続けることに意義がある。うん。

ということでここまで。

-----------------------

*言い訳させてください、代表戦の日にパソコン壊れまして……。で、サブのPCがちょっと打ちづらくて、どうも……うーん。今、色々策を講じてるわけですが、新規で新しいのを買うわけには……って感じなので……。慣れればなんとかなるとは思うのだけど、まだちょっと……って感じなんで。頑張ります。励ましのお手紙をください。

*またへたっぴ写真撮ってきましたー@代表戦。よろしかったらどうぞー

2/11 日本代表-オーストラリア代表 @ 横浜国際競技場(picasa)

|

« 日本、蘇生 -フィンランド戦に寄せて- | Main | 2009/2/22 18:00~ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/44137803

Listed below are links to weblogs that reference 余りにも重く、余りにも残念な決戦 -ワールドカップ最終予選 オーストラリア戦に寄せて-:

« 日本、蘇生 -フィンランド戦に寄せて- | Main | 2009/2/22 18:00~ »