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November 18, 2008

勝利こそ全て@第88回 天皇杯 5回戦 レッズ vs Fマリノス

勝ったこと。それが全て。

第88回全日本サッカー選手権大会 天皇杯 5回戦

レッズ 2(EX 0-0/PK 5-6)2 Fマリノス @ 香川県立丸亀競技場「勝利こそ全て」
F.Marinos:5'狩野健太 20'田中隼磨
Reds:43'セルヒオ・エスクデロ 46'堀之内聖

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"止めた!トラメガでしゃべった!"、DF栗原勇蔵"6人目は俺!"、松田直樹"叱咤の怒号"、田中裕介"冷静に4人目"、MF河合竜二(→88'坂田大輔)、小椋祥平"プレッシャーに負けず3人目"、田中隼磨"SideNet Sniper!/こっちはハラハラ5人目"、小宮山尊信"鍛え直しましょう"(→105'清水範久)、狩野健太"結果を出す男、飢えは忘れずに/間違いは繰り返さない1人目"、兵藤慎剛"走り続けて疲れ切って2人目"、FW金根煥(→75'大島秀夫"帰ってきたポストマン")

レッズスタメン:GK山岸範宏、DF平川忠亮、坪井慶介、堀之内聖、相馬崇人"見所十分1on1"、MF鈴木啓太"僕の知ってる啓太じゃない"、山田暢久(→89'西澤代志也"求められる動き")、セルヒオ・エスクデロ(→109'梅崎司)、ロブソン・ポンテ、永井雄一郎、FWエジミウソン(→81'高原直泰)

山陰の山々を抜け拡がるのは瀬戸内海、呉越同舟で四国入り、地方開催とは思えないほど多くのサポが訪れた丸亀での天皇杯5回戦。関東に比べると非常に気温が高く、半袖でも大丈夫な気候、まさにサッカー日和。

そんなゲームのスタメン、てか度肝抜かれたわけですよ、クンファンスタメン!京都戦で何かを見せた訳ではないと思うから、練習の中での抜擢と言うことなんだろうけど、相変わらず木村浩吉、ファンタジスタ。そのほかは京都戦の佑二不在時の状態と同じ。小椋のボランチ起用はうれしい。対するレッズは、札幌戦で見いだした4-2-3-1、突破口を開く存在となっていたセルヒオ・エスクデロにはサポーターから熱い声援が。代表組不在の中で、田中達也のサイドのアタッカーに永井、阿部の抜けたボランチは啓太・山田のコンビ、トゥーリオの抜けたセンターバックは坪井・堀之内のコンビ、まあ予測の範囲内。

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試合展開

京都戦同様、非常に積極的にゲームに入ったFマリノスは、いきなりその実を得る。中央狩野から右サイドへ、隼磨が駆け上がりペナ角からグラウンダーのクロスを流し込むと兵藤・クンファンが飛び込む、合わせきれないモノのレッズディフェンスもクリアしきれず、こぼれた先には展開してファーに入ってきていた狩野健太!冷静にボールを収めるとニアサイドに突き刺した!スムーズにボールが動いたシンプルな展開からのゴール、こういう形で取れるのはとてもいいこと。きっちり決めた健太、いいタイミングでボールを引き出した隼磨はもちろんのこと、ボックスの中にきっちりと人を揃え、いいタイミングで走り込んだから兵藤とクンファンも褒めてあげたい。これがゴールへの布石となった。

これで完全に乗ったか、Fマリノスはアグレッシブさ、運動量、玉際で完全に相手を凌駕し、完全にゲームを支配。ダイナミックなサイドチェンジ(特に裕介)でスペースを突きまくり、又小椋の積極的ならしいチャレンジによるボール奪取からのハーフカウンターは冴えを見せる。非常にいい流れの中で、今度は素晴らしいパフォーマンスを見せていた隼磨がやってくれた!自由自在にボールを動かす中で、ボックスをなぞるように兵藤・クンファンを経由して右サイドに展開、そのパスをフリーで受けた隼磨の前はオープン!後手に回ってブロックに来るディフェンスを諸戸もせずに打ち切ると、素晴らしい弾道のファーサイドネットを射抜き、追加点!隼磨の真骨頂!シュートはうまい隼磨、いいコース、いい弾道、お見事。抜群の展開の中で2点をリードする。

このゲーム、機能していた要素としてあげられるのがプレッシング。隼磨が相馬に、コミーが平川にプレッシャーを掛け、中の3人はボランチとセンターバックを見る形が嵌り、相手にほとんど攻撃構築を許さず。それに輪を掛けてお粗末なレッズの選手達(セカンドボールを追わない、運動量少なく前後分断、切り替え遅い、ミスも多く集中力も勝負への執着心も感じない緩慢なパフォーマンス)の低すぎるパフォーマンスも相まってやりたい放題の状態。しかし、セットプレーからファーから入り込んだ堀之内に対して後手を踏みネットを揺すられ、(ニアでの競り合いの中でファールがあったようで難を逃れた)、ボックス内永井のポストからの落としをエジミウソンが強烈なミドルシュートを放たれたりと、偶発的な攻撃ではあったが形を作られると風向きが少しずつ変わると、その流れを御しきれず。

CKからの流れ、一度はクリアしたモノのポジションを整える間もなくセカンドアタック。キッカーのポンテに再びボールが渡ると、河合との1vs1。巧みなフェイクで翻弄してブロックを許さずに中へボールを供給、これに合わせたのが中央フリーとなっていたエジミウソン、哲也の飛び出しの一寸先に制し足裏でプッシュ!これはバーに直撃するが、そのリフレクションをエスクデロに押し込まれた……うわー、最悪。ゲームの内容から言えば、3-0にも、4-0にも出来たゲームは最終的に2-1。そして、このゴールで眠れる獅子が目覚める。

後半開始直後、CKのニアに引っかかったボールをポンテが自ら拾って鋭いグラウンダーのクロスを流し込むと、ニアのスルーを経由してファーに流れて最後は堀之内に押し込まれてあっさりと同点……あぁぁ、言わんこっちゃないという展開。これで完全に蘇ったレッズ、Fマリノスの出足の鈍くなったことでプレーディスタンスが拡がると技術の高さがピッチに現れ始めてどんどんボールが動くようになり、又スカスカだった守備に関しても、サイドアタッカーの守備意識が変化してバランスの悪さが改善。なかなかボールを奪えず、ようやく奪ったボールもポスト役のクンファンの粗さが目立って収まらずすぐにロスト、とFマリノスは守勢に回らざる得ない。しかし、超絶決定機となったエスクデロの強烈ミドル、こぼれをエジミウソンと言うシーンも鋭い反応と読みで哲也が凌ぐなど何とかタイスコアを保つ。ようやく流れが変わり始めたのはオーシ・坂田の投入から。オーシの安定したポストワーク、培ってきた二人のコンビネーションが攻撃を形どる。しかし、疲労からミスも増え始めゴールは生まれず、ゲームは延長戦に突入。

延長、レッズの足も止まり打ち合いの様相、その中でFマリノスの左サイドがホットエリアに。裕介の積極的なオーバーラップ、体力エンプティのコミーも最後の意地を見せてチャンスに絡む、その中で最大のチャンスは裕介が狩野と絡んでエンドライン際まで打開しグラウンダーのクロス!坂田がニアで潰れて、最後はオーシが合わせたがフィットせず、決定機を逃す。逆にレッズも崩しきらないまでも射程距離にはいると後ろから豊富な運動量で押し上げてくる途中交代の西澤が何本も強烈なミドルを放つ。3枚目の交代(コミー→ジロー、足釣ったエスクデロ→梅崎)を経て、最後まで両チームゴールを狙ったが結局勝負は付かず、勝敗はPKに委ねられる……。

最後の力を振り絞りヒートアップするサポの叫びの中、狩野・兵藤・小椋・裕介・隼磨、キッカー達の強心臓は頼もしい。しかし、レッズのキッカー達も冷静にゴールへ沈める。哲也の読みが当たっていたと言うことを拠り所に願いを込めるが、プレッシャーの掛かるキックを西澤が決めて5-5のフルスコアでサドンデス、6本目、ベンチコートを脱ぎ勇蔵がスポットへ、正直嫌な予感がしたけど(本音)キャノンではなく冷静に山岸の逆を突いてスコア、そしてレッズは鈴木啓太、ここで哲也が魅せた!ばっちりのタイミング、左に飛んでストップ!これで決着。哲也に駆け寄るFマリノスの選手達、苦々しい表情で整列へと向かうレッズの選手達、光と陰のコントラスト、PKはいつの日もこういうモノか。これでFマリノスは12/20の準々決勝へ。

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欲を言うなら、90分で、いや45分で勝負を決めたかった。

ただ、フットボールというスポーツが非常にナイーブなこと、勝利を得ることが簡単ではないと言うこと、そして疲労・プレッシャー・緊張感を乗り越えて得る喜びが格別なこと、様々なファクターの詰まったゲームは浅い経験しか持たぬ選手にとってかけがえのない経験となったはず。

経験と自信、この二つを携えて、いざ次のステージへ、そして最終盤の決戦へ。

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*ハラハラドキドキ、心臓に悪いって!でも、本当に勝って良かった。PKの緊張感は勝利の喜びを何倍にもしてくれるしね。行って良かったですよ!とはいえ、前半で勝負を決めれるゲームだったことも確か。相手はフットボールの体を成さないぐらいどうしようもないぐらい状況で、勝ちをこっちに譲ってくれているぐらいの出来。とどめを刺せていたら、蘇らせていなかったら、こんなに苦しいゲームにはならなかった。勝負の世界に生きるからこそ、よりシビアに「勝負」に徹して、この過ちを繰り返しちゃいけない。この試合で学んだことを剣が峰となる残りのリーグ、そして続く国立への道の中で活かして欲しい。ま、勝ったから言えること。

*とはいえ、今後を見据える上でいい部分・悪い部分がはっきり見えて、わかりやすいゲームだったかな。現状のチームで言えばアグレッシブに戦うことが生命線。アタッカーはもちろんのこと、サイドバックに対して高い位置で隼磨・コミーがプレッシャーに行く事で相手の攻撃構築を許さず、いいボール奪取からいい攻撃に繋げる。流れが生まれれば大胆なプレーも生まれ、パフォーマンスはもっと良くなっていく、そんな感覚を選手達の中にあるはず。でも、その流れが滞ってしまうと、曖昧な部分が生まれてきたり、求められる要素が多くなったりと、危うい部分が顔を出す。例えば数的不利がシステム的に生まれる事が多いサイドの攻防、浮くことが多いサイドバックに対してウイングバックが捕まえるというのはリスクもあるけど、スライドしてアタッカーをセンターバック・ボランチが捕まえる形が出来ていれば整理が付いてフリーマンは生まれない。ただ、受けに回るとサイドアタッカーとサイドバックを見る形が増え数的不利をもろに被る(カバーもあるけどね)ゲームの展開によって柔軟に使い分ける必要もあるけれど、若い選手、勢い重視の選手が多いメンバー構成となる今のチームにとっては、勢いで乗り切ることが良策なんじゃないかなと。

*まあ勝ったし、気持ちよかったからいいやー、って感じでもあるわけですが。うん。劇的な勝利に騙されてる感じもするけど(苦笑)じゃあ簡単に選手評。良かった組。隼磨、衰えることなく積極的にアップダウンを繰り返し、2点を導き出したパフォーマンスは抜群。左に素晴らしいフィードを飛ばせる裕介がいる中で隼磨があれだけ良いランニングが出来れば相互に特徴を活かしあえる素敵な関係になれるはず。アウェイの7番久々に着ていってよかったよ!裕介、守備はきっちり破綻なし。目立ったのは攻撃、精度の高いフィードによるサイドチェンジ、コミーがへばったにも関わらず左サイドがホットエリアとした積極的な駆け上がりに関しても、非常に積極的。守備の安定と攻撃的な感性、バランス良くなってきたかな。いいよー。祥平、ボランチ起用はやっぱり嵌る。高い技術を持つレッズの選手達にもマムシディフェンスは効果絶大、奪った後のダイナミズム溢れるプレーはチームに勢いを与える。繋ぎも安定してきたし、どんどん良くなる。このポジションであれば、アグレッシブさがリスクにならない。続けて使ってあげて欲しいなー。オーシ、久々の出場にして安定したポストワークで前線で起点となれていたし、決定機にも顔を出した。あそこで決めてればねー。ただ、坂田との相性の良さ含めて、お休みした分あと3試合+αで頑張って欲しいな。

*残念だったのはコミー。サイドの選手、走ってなんぼ。後半途中から走れなくなって、カウンターシーンにちんたら歩いて選択肢になかったシーンはガックリ。しかも、ポジショニングだけ崩して戻りきれず突かれてたら、そりゃマツも怒るよ。疲れてる時にどれだけ頑張れるのか、そういうところを見ている人は見てる。苦しんでいる時だからこそ、そういうところで頑張って欲しかった。今は壁にぶつかって苦しい時だけど、本来の自分のプレーを思い出して、がむしゃらに練習して、左サイドをぶち破るコミーを取り戻して!小宮山尊信はこんなもんじゃないっしょ?

*浩吉監督、あんたやっぱりおかしいよ。何でこのゲームでクンファンスタメンなんて奇策を出せるのよ、PKの面子がああなるのよ、心臓どうなってるのさ、僕なら心臓ばっくばくで倒れちゃうよ。ここまで来ると感動するよ。この強心臓は一つの才能なんだろうなぁ。ギャンブルだから、外れる時が正直怖くもあるけど、今はもう信じるしかない。色々なことを考えず、突き進んでくれていいよ。次のゲーム、浩吉監督の直感がミラーの分析を上回ってくれることを願ってやまない……。

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さて、もう切り替えて決戦です。天皇杯で勝っても、勝ち点もらえない。やるべきは今、やるしかない、うん、フクアリ、行こう。

ということでここまでー。

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*初四国!とってもいいところでしたー。暖かくて、おおらかで、うどんうまくて、かなり気に入っちゃった。アクセスは少し課題があるけど(行きは良かったけど、分散出来ないからね)スタジアムもとても立派で、何より勝ったからね、いい思い出です。実はね、ちょっと二の足踏んでたところがあったわけですが、本当に行って良かった。あの瞬間に立ち会えた幸せは何物にも代え難いっす。

*20日の日程は、明日発表とのこと。

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