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September 29, 2008

魔法の右足@J1 第27節 Fマリノス vs トリニータ

Fk

凍り付いたスコアを動かすのは、磨き続けてきた魔法の右足。

天才の覚醒と共に降格圏脱出へ。

なすべきことはただひとつ、前進です。

2008 J.League Division1 第27節

Fマリノス 1-0 トリニータ @ 日産スタジアム「魔法の右足」
F.Marinos:59'狩野健太

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF栗原勇蔵"陰の功労者"、中澤佑二、田中裕介、MF河合竜二"シンプル、シンプル!"、兵藤慎剛"走り続ける男"、田中隼磨"手詰まり=判断スピード"(→64'清水範久)、小宮山尊信、狩野健太"魔法の右足"、FW坂田大輔"高い実効力と遠いゴール"(→87'長谷川アーリアジャスール)、大島秀夫(→78'水沼宏太"溌剌!")

トリニータスタメン:GK下川誠吾、DF深谷友基、森重真人、上本大海、MFエジミウソン(→71'家長昭博"復帰おめ")、ホベルト、高橋大輔(→87'小林亮)、鈴木慎吾、金崎夢生、FWウェズレイ、森島康仁"進化のデカモリシ"(→71'高松大樹)

あれ?と、思いたくなる客足の鈍さの日産スタジアム、高円宮杯とかでまともにホームゲームに来るのは久々だからかも知れないけど、この日も観客数は2万に乗らない……とはいえ、スタジアムに足を運ぶ人たちの熱は変わらず。逆に言えば「純度」が高くなる気がする。実は結構こういうのが好きだったりする。

首位トリニータをホームに迎えたFマリノスのスタメンは、前節退場となった小椋の所に裕介が入る以外に変更なし。久々Y3。功治はまだ全体練習に合流できず、ケガから復帰したマツもベンチスタート。監督が「楽勝」と宣っただけに情けないゲームは出来ない。トリニータの方は、前節コンサドーレに2発くらってヒヤヒヤだったみたいだけど、代表入りも騒がれるライジングスター森重真人がリベロに復帰、その他はほとんど変わらず。

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試合展開

予想通りのクローズドゲーム。互いにリスクは掛けず、主体的にアクションを起こしてゲームを動かす意思を持たないため、なかなかゴールチャンスが生まれない閉塞的な展開。しかし、ディティールに置いて首位と13位の差が出る。出足、玉際での強さ、切り替えのスピード、ポジショニングの意識など、トリニータの選手達に一律の長。それがゲームの内容に反映されトリニータペースでゲームが進む。

その中で存在感を見せたのが「デカモリシ」こと森島康仁、空中戦で佑二・勇蔵とも互角に渡り合い、簡単に屈することなく制空権を渡さず。ポストワークにおいても広範囲に動いて顔を出し、どっしりと楔を受けるプレーを見せ、攻撃の屋台骨になっていた感。その森島に決定機、ボックス内中央、右から入ってくるグラウンダーのクロスを収めると勇蔵のチャージにバランスを崩しながらも失わず、そのまま右足強震!強烈なシュートに佑二・哲也も為す術なかったが、これは僅かに枠の外。その他にも鈴木慎吾のアーリークロスに走り込んだ高橋大輔のダイビングヘッドがポストに当たるなど、数少ないチャンスの時には集中力を発揮、この辺はトリニータの強さを感じさせた部分だった。ゲームを通してみれば、ここでやられなかったことが大きかったが。

Fマリノスの方は、決定的なミスこそ起こさなかったが、少々頭の動きが緩慢で、意識の低いプレーに終始。ある程度ボールは「持たせてもらえた」が、ボランチの所でどうしてもボールの流れが止まり(河合の狙い過ぎるプレーが遠因)テンポが生まれない。一発のパスではなかなか穴を見いだすことが出来ず、その狙いすぎるパスをカットされてカウンターという展開もしばしば。その中で唯一のチャンスと言えば、相手のミスを突いたシーン。坂田がバックパスミスを拾ってフィニッシュまで持ち込んだ開始早々のシーン、奪ってシンプルに狩野にボールが渡り、狩野は淀みないプレーでそのままボックス内に走り込むオーシへ柔らかいクロス、これにオーシが合わせるが枠に飛ばすことが出来ず………。まあ、プレークオリティを考えれば、沢山のチャンスが出来なかったことは正当な結果。前半はスコアレス。

後半に入って、前から追うことに対しての意識が高まり、相手へのプレッシャーを強めたFマリノス。少しずつプレーにスピード感が生まれる中で、それに刺激されてかゲームも少しずつ熱を帯びる。中央、フリーとなった坂田が強烈に狙うもブロックされたシーンを皮切りに互いにシュートシーンが連続して生まれ、鈴木慎吾の浅い位置からのショートクロスがディフェンス陣お見合いでファーに走り込んだ金崎まで通ってしまい、そのまま強烈なボレー(枠外)、坂田が独力で突破を計ってそのままフィニッシュ(枠外)、エジミウソンがセカンドボールを拾って森島を経由し鈴木慎吾に繋ぎ、ボックス外からコントロールシュート(枠外)、中央にポジションを獲った坂田に優しいスルーパスが通って決定機を迎えたり(セーブ)、どちらにゴールが生まれてもおかしくない展開。そしてついにスコアが動く。

大島が楔を受けようとしたところで後ろから激しく当たられるとこれにホイッスル。右寄り25mぐらいの位置からのFK、ポイントには今シーズン下川に対してそういえば一発お見舞いしてる"栗キャノン"勇蔵と狩野、勇蔵が跨いで……狩野行った!壁の外を巻くように美しい弧を描いたキックは下川の対応を許さず、素晴らしいコースに決まって先制点!狩野のキックはボールスピードこそないけど、よく曲がるカーブとコントロールがある。自らばらしていたが「駆け引き」と言う面で勇蔵の威嚇も効いたか。狩野は今シーズン初ゴール!

これで、一気にゲームはFマリノスのモノ。このゲーム全く乗れていなかった隼磨に代えてジローと、非常に的確な交代でてこ入れすると、ビハインドをはね返そうと前掛かりに攻めてくるトリニータの逆を取り、決定機を量産。遠い位置からの佑二のFK、オーシと併走するようにその裏に走り込んだ狩野が角度のないところから直接ボレーで狙う!(いい回転の掛かったシュートだったがこれは枠を捉えきれず)坂田が右サイドエンドライン際までえぐってグラウンダーの折り返し、ニアのGKをすり抜けゴール押し込むだけと言う状態で狩野がスライディングで合わせる!(枠に収めきれず)カウンターから坂田が50mぐらいを一人で運びきってそのまま1vs1にまで持ち込みフィニッシュまで持っていくという荒技!(GKに阻まれる)交代で入った宏太がバランスを崩していたトリニータディフェンスの隙を見いだし自ら突破を計ってそのままフィニッシュ!(枠外)惜しい惜しい惜しい!追加点を取れなかったことは反省だが、DF陣は危なげなく交代策を見誤った感のあるトリニータの反撃をいなし(出来のよかった森島ともっさりしてた高松だったら森島の方が怖かった。家長も復帰明けで多くを求めるのは酷。動き回るエジミウソンの方がうざかった、高橋はよくわからんね、変えた意味が)、首位撃墜。勝ち点3を加えて、又一歩前進を果たした。

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見る人によっては、退屈なゲームだったかも知れない。魅了されてしまうようなパスワークも見惚れてしまうような機能美も、この日の日産スタジアムには存在しなかった。

ただ、リアリスティックなゲームの中だからこそ、背番号14の魔法はひときわ美しい光を放った。

まさに、ファンタジスタの仕事。

彼の覚醒と共に、更なる前進。まだまだ気は抜けないんだから。

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*ニヤニヤしてしまいますね、えぇ。首・位・撃・墜!しかも相手はもう長いこと負けてなくて、きっと下位に沈むうちのことを「与しやすい」相手と思ってたに違いない。そんな相手の足下を掬うってのは気持ちいいったらありゃしない。あまのじゃくでひん曲がった性格をしてる僕としては、非常に嬉しい勝ち方です。とはいえ、首位のチームに勝ったから勝ち点6をもらえるわけでもなく、危機は去ったわけではない。だからこそ勝ち点を積み上げること、少しでも前に、立ち止まらないこと。それは勝った後でも変わらない。まだまだ、気は抜けないです。

*というのも、ゲームの内容として、決して相対的に勝ちに値するパフォーマンスが出来ていたかというと微妙。トリニータの良さ、でもあるのだろうけど、出足や玉際でことごとく後手を踏んだ前半のパフォーマンスは決してよくなかった。頭も動いていないし、ボールを動かす意識も希薄、ゲームの入り方としても決して褒められたものじゃなかった。連戦の3戦目と言うことで同じような質を求めるのは酷かも知れないけれど、ジュビロ戦で出来ていたことが出来ていなかったのは反省点。ボールサイドはタイトに、展開を予測して出足鋭く、切り替え早く、ボールへの関与意識高く、ボールホルダーもシンプルにどんどんボール動かす、と言った感じにね。今のチームは選手達のパフォーマンスに寄与する部分が大きいだけに、勝ったとは言え、ふんどしを締め直して欲しいかな。

*いきなり苦言って、勝ち試合なのにどうかしてますが、まあまだまだ緩んでる場合じゃないって事。ジュビロもジェフも勝っちゃって、楽になってないからね。でも、これじゃ負け試合みたいだから、ちゃんと褒めておこう。狩野!3試合連続で素晴らしいパフォーマンス、これはもう手放しで褒めたい。セットで得点を導き出すというスペシャルスキルはもちろんのこと、どん欲さの増したプレー姿勢が素晴らしいわけですよ、奥さん。3連戦の3試合目であの活動量。去年のことを思うと涙が出てきます、えぇ。非常に行動範囲が広く、ボールを引き出すアクションも豊富、彼自身もうまくできている充実感もあるはず。守備も玉際で身体を張ったり、滑ったりと形骸的なプレーで終わらせたりしてない。こういう姿勢でプレーすることを継続するのが大事。新潟戦も期待してるよー。

*坂田も点獲れないけど、調子は良さそう。苦しい展開の中で長い距離を運ぶプレーは殊の外ディフェンス陣を助けてる。フィニッシュに関しても、かなり意識は高いし、鋭いシュートばかり。あの1vs1が決まってればなー、FWらしいエゴとキレがあいまった素晴らしい突破、素晴らしかったんだけど……。一発出れば、一気に弾けてくれそうなんだけど、その一発が遠い……新潟戦でお願いします。

*兵藤は凄い安定してきたかなー、高いところで。黒子的なプレーが多いけど、兵藤のダイナミズムが展開に変化を与えるし、攻撃に厚みを加えてくれてる。以前みたいに後半がくっと落ちることもなくなったし、バランスも考えて動いてくれてる。ルーキーなんだけど、チームの屋台骨を支えてくれるプレーヤーとして現状では外せない。功治が戻ってきたら外されちゃうかな……うーん。あとは目に見える結果が出れば言うことはない。

*Y3、コメント程余裕はなかったように思うけれど(まあ動き回られて、裏を突かれる方がイヤって事なんだろうけど)、破綻せず無失点は素敵。ただ、まだまだ質は上げられそう。開幕当初、楔に対してターゲットロックしてバシバシインターセプトを狙うプレーが機能してたけど、ここのところ実効力に繋がっていないのは展開の予測であったり読みの部分が大きいかな。森島・ウェズレイの受け方がうまかったのもあるにしても、リスクのあるプレーだからこそ、質が問われる。勇蔵にしても、裕介にしても、まだトップフォームとは言えない。でも、それだけ上積みが期待出来る。もっと上げてこい。佑二はこのまま、安定しているし、質は高い。僕的にはこの3人のバックラインがベターな選択だと思う。

*河合の球離れの悪さは少々気になる。周囲の動き出しのタイミングもあるけれど、もっとシンプルに、どんどんボールを動かしていく意識が欲しい。ボランチの所で展開が淀んでしまうし、ここでボールを持つことによるリスクもあるからね。一発のパスで展開を打開することもあるから一概に否定はしたくないけど、バランスの問題。守備に関しては粘りは出てきてるし、悪くない。頑張ってくれてる。裁きの部分ね。去年のレベルに戻ってくれれば。

*隼磨は反省、コミーも良い時期に比べると実効力は落ちてる。うちのサイドはフォローが少なく多くのことを求められてるけど、そこで何が出来るのか、周囲に何を求めるのか、そういうことを考えてプレーする必要がある。隼磨に関しては、ボールが来てから何をするか考えない。受ける前に予測、とにかく頭動かす。

*コーキチさんの采配が少しずつ質を上げてることを誰か褒めてあげて下さい。隼磨→ジローは的確だったし、もっとシビアに楔に対してアプローチするというのも正しい指示だったように思う。そして、相変わらず若手育てる意思満載。この人に恐怖という文字はない……コメントはどうにかして欲しいが、それもキャラかなぁ……結果出してるしね。

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それにしても勝つって良いなぁ……みんなの顔が違うよ。それはとてもとても幸せなこと。今週一週間良い気分で過ごせそうです。そして、新潟、楽しみだ。

ということでここまでー。

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*サテはまーねー、なんつーか、トップで出てる子と出てない子の差を感じてしまうと言うか……。宏太がとても元気で調子良さそうなことと小椋がどんどん成長してるって事を確認出来たことぐらいかな……、ポジティブだったのは。てか、前半のバックラインのビルドアップは酷すぎた。クンファンはもう少し周囲との連携がバックラインでは必要だわなぁ、アマノッチが助けてあげなかったのもあるにしても(アマノッチはアタッカー的なプレーはいいんだけど、サイドバック的なプレーへの意識が薄いんだなぁ。ビルドアップへの参加意識が低い。以前のコミーみたい)まー、当分は前での起用になりそう。前だとあの高さとスピードは面白い。学くんはイマイチ、疲れもあるかな。受け方が悪く、寄せられてらしい仕掛けがほとんど出来なかった。ま、壁にぶつかって、それを越えて更に質を上げる。大事なことです。みんな頑張れ。

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Comments

お久しぶりです^^

試合当日、このごろ健太が調子良いから、そろそろ直接FK決めるんじゃね?
それで勝つんじゃないかなー?
とか一人妄想していたら現実にw
こんな、妄想でよければ毎試合しますよねw

ただ、今年はかなり団子状態が続きそうだから、最後まで無敗で行くぐらいじゃないと厳しいですよね。出来りゃ全部勝ってほしいけど・・・

ま、とりあえず新潟にも勝って、ひっくり返っていただきましょう!

Posted by: ナツキ | September 30, 2008 at 08:43 AM

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