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September 27, 2008

「漸進」に意義はある@J1 第26節 Fマリノス vs フロンターレ

勝ち点1をどう捉えるか、それは人それぞれ。

強く求めれば求める程、その手にあった勝ち点2の喪失感は大きく、試合の中で現れた差を現実的に捉えれば捉える程、その手に残った勝ち点1を尊く感じる。

僕はこの勝ち点1、尊く感じる。もちろん、勝ちたい、勝ちたかった。でも、今、チームに必要なのは少しでも前に進むこと、立ち止まらないことだと思うから。

悪魔はいつでも口を開いて待っている。だからこそ、「漸進」に意義はある。

2008 J.League Division1 第26節

Fマリノス 1-1 フロンターレ @ 国立霞ヶ関競技場「漸進に意義はある」
F.Marinos:42'中澤佑二 Frontale:72'OwnGoal

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"まさに守護神"、DF栗原勇蔵、中澤佑二"一人舞台"、小椋祥平"マムシの宿命"(80'黄×2=赤)、MF河合竜二、兵藤慎剛"屋台骨支えるルーキー"、田中隼磨"いつも「サイドバック」のように"、小宮山尊信"いつも「ウイングバック」のように"、狩野健太"ホーミングクロス"(→87'山瀬幸宏)、FW坂田大輔(→82'金根煥)、大島秀夫(→70'齋藤学"期待と結果と")

フロンターレスタメン:GK川島永嗣、DF村上和弘、井川祐輔、伊藤宏樹、山岸智、MF谷口博之(→84'大橋正博)、中村憲剛"川崎は彼で躍る"、ヴィトール・ジュニオール"VJ"、FWジュニーニョ"沈黙のエース"、鄭大世(→84'我那覇和樹)、黒津勝(→67'レナチーニョ)

ホーム日産スタジアムがライブによって使用不可のために、国立競技場での開催となった神奈川ダービー。連勝が止まり、これ以上勝ち点を落とせないフロンターレにとっても、直接対決を制し一歩前に出たとは言えまだまだその渦中にあるだけに勝ち点必須のFマリノスにとっても、当然このゲームの重要度は高い。

そんなゲームのスタメン、Fマリノスはエース山瀬功治の負傷は癒えずこのゲームも欠場、ジュビロ戦の執念のブロックにより負傷を追った松田直樹も欠場と、ここに来てFマリノスは怪我人がぽろぽろ。しかし、覚醒傾向にある狩野健太が前節に続いて山瀬功治の穴を、出場停止明けの河合竜二が松田直樹の穴を埋めることで、大きな穴は空かず。対するフロンターレは、4-3-3になってからはほぼ不動のメンバー、エース・ジュニーニョに長らくゴールが生まれていないことが懸念材料とはいえ、センターフォワードとして逞しさを増す鄭大世、自らの力を出せる場所を得た黒津勝、機動力と技術力を高次元で併せ持つヴィトール・ジュニオールといった恐怖感を抱かせるアタッカーが並び立ち、その後ろには中村憲剛。並べてみて、改めて恐ろしいメンバー。

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試合展開

燦々と降りしきる太陽光線の中、アグレッシブに前線から追うFマリノス、それに対してスピーディな展開の中でアタッカー達が積極的に仕掛けるフロンターレという図式が見える中、ファーストチャンスはフロンターレ自慢の3トップから、憲剛のうまい溜めから右サイドの黒津へ流すと、中に切れ込んで利き足の左足で強烈にシュート!これは哲也の正面で事なきを得るが、これでフロンターレの攻撃は加速。カウンター気味の展開の中憲剛がフリーで前を向くと裏へのループパス、これに鄭大世が反応して勇蔵のカバーを吹っ飛ばして抜け出すと、哲也と1vs1。哲也が素晴らしい飛び出しで切っ先を制し何とか凌いだ!とはいえフロンターレのスリートップを活かす攻撃に対し、なかなか抑えどころが見いだせない。そんな苦しいFマリノスも反撃。中盤高い位置でボールを奪うと大島のポストから、左サイドコミー→狩野→坂田と繋いでクロス、右に流れたところ隼磨がピックアップ、そのままシュート気味のクロスを流し込むと、オーシ・坂田が飛び込む!しかし、オーシ空振り……。しかし、この攻撃でも、中盤の構成力と前線の局面打開力に質を感じさせるフロンターレは止まらない。

中村憲剛を核に少ないタッチでボールがどんどん動くテンポのいい繋ぎでFマリノスの中盤守備をあっさりと打開し、3トップ+VJが流動的に動くことでマークをズラして良い状況でボールを引き出すことで次々とチャンスを作り出すフロンターレ。Fマリノスとしては、中盤でアプローチを掛けて勢いを止め、その上で前線のアタッカーを捕まえて潰すようなディフェンスがしたかったが、いかんせん繋ぎと突破を状況に応じて柔軟に使い分けるフロンターレの攻撃構築のクオリティは非常に高く、後手を踏まされる事が多くなってしまう。そんなこんなでフロンターレの3トップそれぞれにゴールチャンス。ジュニーニョは右サイドから天敵・小椋を股抜きで抜き去ってボックス深くに進入し、トゥーキックでファーサイドを狙うシュート。黒津はフリーとなると遠目から鋭いシュートで哲也を脅かし、ショートカウンターから鄭が佑二のカバーもお構いなしに強烈なシュートで哲也を襲う。すれすれの所でバーに救われたり、ギリギリ枠を逸れたりと失点こそ免れたが、その他にも中盤でのロストから3vs3数的同数のカウンターでサイドを崩されたりと、中盤に差し掛かっても尚、対応法が見いだせず劣勢をはね返せない。

守勢で低い位置に押し込まれ、厚みなき攻撃ではなかなか攻撃の術が見いだせないFマリノスは、坂田が単騎でドリブル突破を計ったり、狩野がなんとかボールを引き出して攻撃を作ろうとしたが、前に出ても崩しきれず逆にフロンターレの抜群に鋭い切り替えに振り切られて数的同数のカウンターで脅かされるなど、リズムを引き寄せるに至らない。しかし、哲也を中心に耐え続けたFマリノスにサッカーの神様が微笑んだ。チームとして攻めきる意識が垣間見える中で、河合がボックス外からミドル!これが良いコースに飛び、ゴールこそならなかったがCKを獲る。そしてその右CK、狩野のアウトスイングのキックは美しい弧を描いてファーへ、そこには中澤佑二!スタンディングで競りにきた井川を完全に凌駕してドンピシャヘッド!これがファー抜群のコースに飛び強烈にネットを揺すって先制点!狩野のホーミングミサイルのような精度抜群のキック、佑二の強烈な高さと強さ、ピンポイントで強みを出してのゴール、素晴らしい!苦しい展開の中でリードを奪って前半を終えれられたのは理想的。

リードを奪ったものの、完全に劣勢に立たされた前半を鑑みてFマリノスは3バックから4バックに転換、小椋をボランチに上げ中盤の底を2枚に。この修正が功を奏し、中盤のフィルタリング(ボランチ2枚になったことによるカバー範囲の拡大)、ピッチ幅のスペースマネジメントに変化が生まれ、安定感が出てくる。サイドバックが攻撃にダイナミズムを付随することで攻撃にも厚みが生まれ、少しずつゲームの流れを引き寄せる。そんなFマリノスの守備の変化に対し、今度はフロンターレが苦しむ。前半には見られなかったミスが出てきたり、流れるような攻撃構築は目に見えて減り、個人技を押し出すしかない雑な攻撃が目立つように。そうなればFマリノスにチャンスが訪れるのは道理。兵藤のフリーランニングが活きる形で右サイドに起点が生まれると、それに合わせるように隼磨がオーバーラップを掛けて内側を駆け上がり、ボックス内角度のないところからフィニッシュ!川島の好セーブに凌がれたが、4バックの利が出たシーン。攻守に好転し、勝ち点3が少しずつ近づいている感じは間違いなくあった。しかし、そこに落とし穴が待っていた。

レナチーニョの投入、憲剛やVJのサイドに重点を置いた攻撃構築へと転換と、Fマリノスが施してきた修正に対して改めてアジャストし直したことで再び少しずつ流れを引き戻すと、フロンターレのセットプレー。憲剛のインスイングのキックはゴール中央へ。鄭と競り合いながらこのボールの落下点には佑二、身体を折りたたみクリア!と思われたがこのヘッドが何とオウンゴール……不運としか言いようがないが、これで同点。まさに急転直下。ここからゲームは大きく、そして激しく動く。

互いに疲労から間延びしてオープンな展開、Fマリノスは齋藤学をオーシに代えて投入し、流動的に攻めるが、なかなか攻めきれない。対するフロンターレも憲剛のロングフィードから鄭が抜け出したり、レナチーニョやジュニーニョが仕掛けるが、こちらも決定機は見いだせず。拮抗した展開の中、再びゲームを揺るがす事態、ジュニーニョの仕掛けに小椋が身体ごとぶつかるファールで2枚目のイエローカード、退場。これでパワーバランスが崩れると、一気にフロンターレが押す。鋭いインスイングのFKがポストを叩いたり、サイドからのクロスをボレーで合わせたりと、VJがFマリノスゴールを急襲。しかし、スコアは均衡を保ったまま。ロスタイム、勝利を掴むチャンスが互いに訪れる。交代で入った大橋のロングクロス、抜群の精度のボールがファーサイドに入ると、これに入ってきたのがオーバーラップしてきた伊藤宏樹!しかし、トラップが流れ、難を逃れチャンスを逃すフロンターレ。逆にFマリノスも隼磨と学の連携で右サイドを打開し、局面的に2vs1のチャンス、しかし、学は自ら打つ選択、ブロックに掛かりチャンスを逸した。結局、激しいゲームはドローでホイッスル。死力を尽くした選手達は続々と倒れ込む。悔しい結果だが、勝ち点1を積み上げたことをポジティブに捉え、次節首位(暫定)大分に「挑む」。

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*感想は冒頭の通り。負のスパイラルは何がきっかけで僕らを飲み込むかわからない。だからこそ、この結果はベストではないにしても、ベターだと思う。内容面にしても、主体性を感じさせた選手主導の4バックへの修正、監督としての冷静さを感じさせた修正タイミングの見極め、戻り始めた我慢と粘り、狩野健太のブレイクの予兆、ポジティブなポイントがいくつかあった。だからこそ悲観もしない、もちろん楽観もしないけど。先に繋がるゲームだったと思う。

*まあ見に行けなかったので、細かいことをごちゃごちゃ書くつもりはないっす。ただ、4バックに関してだけ少し。浩吉さんは3バックに多少固執する傾向にあるように思うけれど、アタッカーが張り出してくるチームに対しては柔軟に4バックに変更する選択があっても良い。試合中でもそれに適応出来るメンバーはいると思う(3バックの一角に小椋やマツが起用されているなら、彼らをボランチに上げて兵藤一列前、裕介なら裕介左にスライド、コミーを一列前に上げると言うことも出来るはず)それと、攻撃面に置いてもサイドバックのオーバーラップというダイナミズムが生まれることの効果は+。サイドが孤立することが多く、厳しい状態での独力打開を求めがちなチームに置いて、こういう形が自然に出来るのも又ポジティブ。元々、攻撃構築の中で意識的にダイナミズムアクションを起こす選手が兵藤ぐらいしかおらず、恒常的に不足しているだけに、システム的に生み出せる形が出来るのは閉塞感を打ち破る一手になり得る。この辺はこの試合だけでなく、今後も考えてみて欲しいなー。

*今は目の前の試合を一試合一試合、大事に戦っていくしかない。相手がどこだろうと、勝ち点を得るために出来る限りのことを、ね。まだまだ何も決まっていないということを肝に銘じて、ね。

*大分は非常に面倒な相手。一つ一つのゲームに「弱者の論理」ともいえる相手へのリスペクトとも言うべき分析と対策があり、その対策を粘り強くやり続けながら、いつか訪れるチャンスを高い集中力でモノにする。「勝てる」サッカーをするチーム。こういうことをしてくるチームに勝つのは本当に難しい。とはいえ、奇をてらったりしても、慣れないやり方でミスが増えて自滅するだけ。相手は何よりも穴が空くのを待ってる。まずは同じ土俵に立って何をしてはいけないのかを考えること。安易なミスを減らし、ターンーオーバー的なピンチの数を減らす。軽率なファールによるセットプレーを減らし、得点機に繋がりやすいシーンを極力減らす。怠惰なプレーを減らし、常にオープンな状況を作らない努力をする。そして、最後まで集中力を維持し続けること。非常にクローズドな、我慢比べ的なゲームになる可能性が高いけれど、チーム一丸、粘り強く、根気強く戦いたい。もちろん、見ている側も焦れない。僕らも又我慢が必要だと思う。

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って、明日なんだよねー。あっという間に次の試合が来て、ゆっくりと考える時間もない感じ。精神的にも思いゲームが続いてるから、精神的にもきついね。ま、まず僕らに出来るのは体調管理かなー。気温の振れ幅大きく、体調崩せと言われてる感じですが、皆様体調管理はしっかりと!僕みたいにならないように(ひたちなかでもらってきた風邪、全く治ってません 苦笑)

ということでここまでー。ユースは心の整理が付いてからー。

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