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September 29, 2008

魔法の右足@J1 第27節 Fマリノス vs トリニータ

Fk

凍り付いたスコアを動かすのは、磨き続けてきた魔法の右足。

天才の覚醒と共に降格圏脱出へ。

なすべきことはただひとつ、前進です。

2008 J.League Division1 第27節

Fマリノス 1-0 トリニータ @ 日産スタジアム「魔法の右足」
F.Marinos:59'狩野健太

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF栗原勇蔵"陰の功労者"、中澤佑二、田中裕介、MF河合竜二"シンプル、シンプル!"、兵藤慎剛"走り続ける男"、田中隼磨"手詰まり=判断スピード"(→64'清水範久)、小宮山尊信、狩野健太"魔法の右足"、FW坂田大輔"高い実効力と遠いゴール"(→87'長谷川アーリアジャスール)、大島秀夫(→78'水沼宏太"溌剌!")

トリニータスタメン:GK下川誠吾、DF深谷友基、森重真人、上本大海、MFエジミウソン(→71'家長昭博"復帰おめ")、ホベルト、高橋大輔(→87'小林亮)、鈴木慎吾、金崎夢生、FWウェズレイ、森島康仁"進化のデカモリシ"(→71'高松大樹)

あれ?と、思いたくなる客足の鈍さの日産スタジアム、高円宮杯とかでまともにホームゲームに来るのは久々だからかも知れないけど、この日も観客数は2万に乗らない……とはいえ、スタジアムに足を運ぶ人たちの熱は変わらず。逆に言えば「純度」が高くなる気がする。実は結構こういうのが好きだったりする。

首位トリニータをホームに迎えたFマリノスのスタメンは、前節退場となった小椋の所に裕介が入る以外に変更なし。久々Y3。功治はまだ全体練習に合流できず、ケガから復帰したマツもベンチスタート。監督が「楽勝」と宣っただけに情けないゲームは出来ない。トリニータの方は、前節コンサドーレに2発くらってヒヤヒヤだったみたいだけど、代表入りも騒がれるライジングスター森重真人がリベロに復帰、その他はほとんど変わらず。

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試合展開

予想通りのクローズドゲーム。互いにリスクは掛けず、主体的にアクションを起こしてゲームを動かす意思を持たないため、なかなかゴールチャンスが生まれない閉塞的な展開。しかし、ディティールに置いて首位と13位の差が出る。出足、玉際での強さ、切り替えのスピード、ポジショニングの意識など、トリニータの選手達に一律の長。それがゲームの内容に反映されトリニータペースでゲームが進む。

その中で存在感を見せたのが「デカモリシ」こと森島康仁、空中戦で佑二・勇蔵とも互角に渡り合い、簡単に屈することなく制空権を渡さず。ポストワークにおいても広範囲に動いて顔を出し、どっしりと楔を受けるプレーを見せ、攻撃の屋台骨になっていた感。その森島に決定機、ボックス内中央、右から入ってくるグラウンダーのクロスを収めると勇蔵のチャージにバランスを崩しながらも失わず、そのまま右足強震!強烈なシュートに佑二・哲也も為す術なかったが、これは僅かに枠の外。その他にも鈴木慎吾のアーリークロスに走り込んだ高橋大輔のダイビングヘッドがポストに当たるなど、数少ないチャンスの時には集中力を発揮、この辺はトリニータの強さを感じさせた部分だった。ゲームを通してみれば、ここでやられなかったことが大きかったが。

Fマリノスの方は、決定的なミスこそ起こさなかったが、少々頭の動きが緩慢で、意識の低いプレーに終始。ある程度ボールは「持たせてもらえた」が、ボランチの所でどうしてもボールの流れが止まり(河合の狙い過ぎるプレーが遠因)テンポが生まれない。一発のパスではなかなか穴を見いだすことが出来ず、その狙いすぎるパスをカットされてカウンターという展開もしばしば。その中で唯一のチャンスと言えば、相手のミスを突いたシーン。坂田がバックパスミスを拾ってフィニッシュまで持ち込んだ開始早々のシーン、奪ってシンプルに狩野にボールが渡り、狩野は淀みないプレーでそのままボックス内に走り込むオーシへ柔らかいクロス、これにオーシが合わせるが枠に飛ばすことが出来ず………。まあ、プレークオリティを考えれば、沢山のチャンスが出来なかったことは正当な結果。前半はスコアレス。

後半に入って、前から追うことに対しての意識が高まり、相手へのプレッシャーを強めたFマリノス。少しずつプレーにスピード感が生まれる中で、それに刺激されてかゲームも少しずつ熱を帯びる。中央、フリーとなった坂田が強烈に狙うもブロックされたシーンを皮切りに互いにシュートシーンが連続して生まれ、鈴木慎吾の浅い位置からのショートクロスがディフェンス陣お見合いでファーに走り込んだ金崎まで通ってしまい、そのまま強烈なボレー(枠外)、坂田が独力で突破を計ってそのままフィニッシュ(枠外)、エジミウソンがセカンドボールを拾って森島を経由し鈴木慎吾に繋ぎ、ボックス外からコントロールシュート(枠外)、中央にポジションを獲った坂田に優しいスルーパスが通って決定機を迎えたり(セーブ)、どちらにゴールが生まれてもおかしくない展開。そしてついにスコアが動く。

大島が楔を受けようとしたところで後ろから激しく当たられるとこれにホイッスル。右寄り25mぐらいの位置からのFK、ポイントには今シーズン下川に対してそういえば一発お見舞いしてる"栗キャノン"勇蔵と狩野、勇蔵が跨いで……狩野行った!壁の外を巻くように美しい弧を描いたキックは下川の対応を許さず、素晴らしいコースに決まって先制点!狩野のキックはボールスピードこそないけど、よく曲がるカーブとコントロールがある。自らばらしていたが「駆け引き」と言う面で勇蔵の威嚇も効いたか。狩野は今シーズン初ゴール!

これで、一気にゲームはFマリノスのモノ。このゲーム全く乗れていなかった隼磨に代えてジローと、非常に的確な交代でてこ入れすると、ビハインドをはね返そうと前掛かりに攻めてくるトリニータの逆を取り、決定機を量産。遠い位置からの佑二のFK、オーシと併走するようにその裏に走り込んだ狩野が角度のないところから直接ボレーで狙う!(いい回転の掛かったシュートだったがこれは枠を捉えきれず)坂田が右サイドエンドライン際までえぐってグラウンダーの折り返し、ニアのGKをすり抜けゴール押し込むだけと言う状態で狩野がスライディングで合わせる!(枠に収めきれず)カウンターから坂田が50mぐらいを一人で運びきってそのまま1vs1にまで持ち込みフィニッシュまで持っていくという荒技!(GKに阻まれる)交代で入った宏太がバランスを崩していたトリニータディフェンスの隙を見いだし自ら突破を計ってそのままフィニッシュ!(枠外)惜しい惜しい惜しい!追加点を取れなかったことは反省だが、DF陣は危なげなく交代策を見誤った感のあるトリニータの反撃をいなし(出来のよかった森島ともっさりしてた高松だったら森島の方が怖かった。家長も復帰明けで多くを求めるのは酷。動き回るエジミウソンの方がうざかった、高橋はよくわからんね、変えた意味が)、首位撃墜。勝ち点3を加えて、又一歩前進を果たした。

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見る人によっては、退屈なゲームだったかも知れない。魅了されてしまうようなパスワークも見惚れてしまうような機能美も、この日の日産スタジアムには存在しなかった。

ただ、リアリスティックなゲームの中だからこそ、背番号14の魔法はひときわ美しい光を放った。

まさに、ファンタジスタの仕事。

彼の覚醒と共に、更なる前進。まだまだ気は抜けないんだから。

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*ニヤニヤしてしまいますね、えぇ。首・位・撃・墜!しかも相手はもう長いこと負けてなくて、きっと下位に沈むうちのことを「与しやすい」相手と思ってたに違いない。そんな相手の足下を掬うってのは気持ちいいったらありゃしない。あまのじゃくでひん曲がった性格をしてる僕としては、非常に嬉しい勝ち方です。とはいえ、首位のチームに勝ったから勝ち点6をもらえるわけでもなく、危機は去ったわけではない。だからこそ勝ち点を積み上げること、少しでも前に、立ち止まらないこと。それは勝った後でも変わらない。まだまだ、気は抜けないです。

*というのも、ゲームの内容として、決して相対的に勝ちに値するパフォーマンスが出来ていたかというと微妙。トリニータの良さ、でもあるのだろうけど、出足や玉際でことごとく後手を踏んだ前半のパフォーマンスは決してよくなかった。頭も動いていないし、ボールを動かす意識も希薄、ゲームの入り方としても決して褒められたものじゃなかった。連戦の3戦目と言うことで同じような質を求めるのは酷かも知れないけれど、ジュビロ戦で出来ていたことが出来ていなかったのは反省点。ボールサイドはタイトに、展開を予測して出足鋭く、切り替え早く、ボールへの関与意識高く、ボールホルダーもシンプルにどんどんボール動かす、と言った感じにね。今のチームは選手達のパフォーマンスに寄与する部分が大きいだけに、勝ったとは言え、ふんどしを締め直して欲しいかな。

*いきなり苦言って、勝ち試合なのにどうかしてますが、まあまだまだ緩んでる場合じゃないって事。ジュビロもジェフも勝っちゃって、楽になってないからね。でも、これじゃ負け試合みたいだから、ちゃんと褒めておこう。狩野!3試合連続で素晴らしいパフォーマンス、これはもう手放しで褒めたい。セットで得点を導き出すというスペシャルスキルはもちろんのこと、どん欲さの増したプレー姿勢が素晴らしいわけですよ、奥さん。3連戦の3試合目であの活動量。去年のことを思うと涙が出てきます、えぇ。非常に行動範囲が広く、ボールを引き出すアクションも豊富、彼自身もうまくできている充実感もあるはず。守備も玉際で身体を張ったり、滑ったりと形骸的なプレーで終わらせたりしてない。こういう姿勢でプレーすることを継続するのが大事。新潟戦も期待してるよー。

*坂田も点獲れないけど、調子は良さそう。苦しい展開の中で長い距離を運ぶプレーは殊の外ディフェンス陣を助けてる。フィニッシュに関しても、かなり意識は高いし、鋭いシュートばかり。あの1vs1が決まってればなー、FWらしいエゴとキレがあいまった素晴らしい突破、素晴らしかったんだけど……。一発出れば、一気に弾けてくれそうなんだけど、その一発が遠い……新潟戦でお願いします。

*兵藤は凄い安定してきたかなー、高いところで。黒子的なプレーが多いけど、兵藤のダイナミズムが展開に変化を与えるし、攻撃に厚みを加えてくれてる。以前みたいに後半がくっと落ちることもなくなったし、バランスも考えて動いてくれてる。ルーキーなんだけど、チームの屋台骨を支えてくれるプレーヤーとして現状では外せない。功治が戻ってきたら外されちゃうかな……うーん。あとは目に見える結果が出れば言うことはない。

*Y3、コメント程余裕はなかったように思うけれど(まあ動き回られて、裏を突かれる方がイヤって事なんだろうけど)、破綻せず無失点は素敵。ただ、まだまだ質は上げられそう。開幕当初、楔に対してターゲットロックしてバシバシインターセプトを狙うプレーが機能してたけど、ここのところ実効力に繋がっていないのは展開の予測であったり読みの部分が大きいかな。森島・ウェズレイの受け方がうまかったのもあるにしても、リスクのあるプレーだからこそ、質が問われる。勇蔵にしても、裕介にしても、まだトップフォームとは言えない。でも、それだけ上積みが期待出来る。もっと上げてこい。佑二はこのまま、安定しているし、質は高い。僕的にはこの3人のバックラインがベターな選択だと思う。

*河合の球離れの悪さは少々気になる。周囲の動き出しのタイミングもあるけれど、もっとシンプルに、どんどんボールを動かしていく意識が欲しい。ボランチの所で展開が淀んでしまうし、ここでボールを持つことによるリスクもあるからね。一発のパスで展開を打開することもあるから一概に否定はしたくないけど、バランスの問題。守備に関しては粘りは出てきてるし、悪くない。頑張ってくれてる。裁きの部分ね。去年のレベルに戻ってくれれば。

*隼磨は反省、コミーも良い時期に比べると実効力は落ちてる。うちのサイドはフォローが少なく多くのことを求められてるけど、そこで何が出来るのか、周囲に何を求めるのか、そういうことを考えてプレーする必要がある。隼磨に関しては、ボールが来てから何をするか考えない。受ける前に予測、とにかく頭動かす。

*コーキチさんの采配が少しずつ質を上げてることを誰か褒めてあげて下さい。隼磨→ジローは的確だったし、もっとシビアに楔に対してアプローチするというのも正しい指示だったように思う。そして、相変わらず若手育てる意思満載。この人に恐怖という文字はない……コメントはどうにかして欲しいが、それもキャラかなぁ……結果出してるしね。

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それにしても勝つって良いなぁ……みんなの顔が違うよ。それはとてもとても幸せなこと。今週一週間良い気分で過ごせそうです。そして、新潟、楽しみだ。

ということでここまでー。

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*サテはまーねー、なんつーか、トップで出てる子と出てない子の差を感じてしまうと言うか……。宏太がとても元気で調子良さそうなことと小椋がどんどん成長してるって事を確認出来たことぐらいかな……、ポジティブだったのは。てか、前半のバックラインのビルドアップは酷すぎた。クンファンはもう少し周囲との連携がバックラインでは必要だわなぁ、アマノッチが助けてあげなかったのもあるにしても(アマノッチはアタッカー的なプレーはいいんだけど、サイドバック的なプレーへの意識が薄いんだなぁ。ビルドアップへの参加意識が低い。以前のコミーみたい)まー、当分は前での起用になりそう。前だとあの高さとスピードは面白い。学くんはイマイチ、疲れもあるかな。受け方が悪く、寄せられてらしい仕掛けがほとんど出来なかった。ま、壁にぶつかって、それを越えて更に質を上げる。大事なことです。みんな頑張れ。

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September 27, 2008

「漸進」に意義はある@J1 第26節 Fマリノス vs フロンターレ

勝ち点1をどう捉えるか、それは人それぞれ。

強く求めれば求める程、その手にあった勝ち点2の喪失感は大きく、試合の中で現れた差を現実的に捉えれば捉える程、その手に残った勝ち点1を尊く感じる。

僕はこの勝ち点1、尊く感じる。もちろん、勝ちたい、勝ちたかった。でも、今、チームに必要なのは少しでも前に進むこと、立ち止まらないことだと思うから。

悪魔はいつでも口を開いて待っている。だからこそ、「漸進」に意義はある。

2008 J.League Division1 第26節

Fマリノス 1-1 フロンターレ @ 国立霞ヶ関競技場「漸進に意義はある」
F.Marinos:42'中澤佑二 Frontale:72'OwnGoal

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"まさに守護神"、DF栗原勇蔵、中澤佑二"一人舞台"、小椋祥平"マムシの宿命"(80'黄×2=赤)、MF河合竜二、兵藤慎剛"屋台骨支えるルーキー"、田中隼磨"いつも「サイドバック」のように"、小宮山尊信"いつも「ウイングバック」のように"、狩野健太"ホーミングクロス"(→87'山瀬幸宏)、FW坂田大輔(→82'金根煥)、大島秀夫(→70'齋藤学"期待と結果と")

フロンターレスタメン:GK川島永嗣、DF村上和弘、井川祐輔、伊藤宏樹、山岸智、MF谷口博之(→84'大橋正博)、中村憲剛"川崎は彼で躍る"、ヴィトール・ジュニオール"VJ"、FWジュニーニョ"沈黙のエース"、鄭大世(→84'我那覇和樹)、黒津勝(→67'レナチーニョ)

ホーム日産スタジアムがライブによって使用不可のために、国立競技場での開催となった神奈川ダービー。連勝が止まり、これ以上勝ち点を落とせないフロンターレにとっても、直接対決を制し一歩前に出たとは言えまだまだその渦中にあるだけに勝ち点必須のFマリノスにとっても、当然このゲームの重要度は高い。

そんなゲームのスタメン、Fマリノスはエース山瀬功治の負傷は癒えずこのゲームも欠場、ジュビロ戦の執念のブロックにより負傷を追った松田直樹も欠場と、ここに来てFマリノスは怪我人がぽろぽろ。しかし、覚醒傾向にある狩野健太が前節に続いて山瀬功治の穴を、出場停止明けの河合竜二が松田直樹の穴を埋めることで、大きな穴は空かず。対するフロンターレは、4-3-3になってからはほぼ不動のメンバー、エース・ジュニーニョに長らくゴールが生まれていないことが懸念材料とはいえ、センターフォワードとして逞しさを増す鄭大世、自らの力を出せる場所を得た黒津勝、機動力と技術力を高次元で併せ持つヴィトール・ジュニオールといった恐怖感を抱かせるアタッカーが並び立ち、その後ろには中村憲剛。並べてみて、改めて恐ろしいメンバー。

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試合展開

燦々と降りしきる太陽光線の中、アグレッシブに前線から追うFマリノス、それに対してスピーディな展開の中でアタッカー達が積極的に仕掛けるフロンターレという図式が見える中、ファーストチャンスはフロンターレ自慢の3トップから、憲剛のうまい溜めから右サイドの黒津へ流すと、中に切れ込んで利き足の左足で強烈にシュート!これは哲也の正面で事なきを得るが、これでフロンターレの攻撃は加速。カウンター気味の展開の中憲剛がフリーで前を向くと裏へのループパス、これに鄭大世が反応して勇蔵のカバーを吹っ飛ばして抜け出すと、哲也と1vs1。哲也が素晴らしい飛び出しで切っ先を制し何とか凌いだ!とはいえフロンターレのスリートップを活かす攻撃に対し、なかなか抑えどころが見いだせない。そんな苦しいFマリノスも反撃。中盤高い位置でボールを奪うと大島のポストから、左サイドコミー→狩野→坂田と繋いでクロス、右に流れたところ隼磨がピックアップ、そのままシュート気味のクロスを流し込むと、オーシ・坂田が飛び込む!しかし、オーシ空振り……。しかし、この攻撃でも、中盤の構成力と前線の局面打開力に質を感じさせるフロンターレは止まらない。

中村憲剛を核に少ないタッチでボールがどんどん動くテンポのいい繋ぎでFマリノスの中盤守備をあっさりと打開し、3トップ+VJが流動的に動くことでマークをズラして良い状況でボールを引き出すことで次々とチャンスを作り出すフロンターレ。Fマリノスとしては、中盤でアプローチを掛けて勢いを止め、その上で前線のアタッカーを捕まえて潰すようなディフェンスがしたかったが、いかんせん繋ぎと突破を状況に応じて柔軟に使い分けるフロンターレの攻撃構築のクオリティは非常に高く、後手を踏まされる事が多くなってしまう。そんなこんなでフロンターレの3トップそれぞれにゴールチャンス。ジュニーニョは右サイドから天敵・小椋を股抜きで抜き去ってボックス深くに進入し、トゥーキックでファーサイドを狙うシュート。黒津はフリーとなると遠目から鋭いシュートで哲也を脅かし、ショートカウンターから鄭が佑二のカバーもお構いなしに強烈なシュートで哲也を襲う。すれすれの所でバーに救われたり、ギリギリ枠を逸れたりと失点こそ免れたが、その他にも中盤でのロストから3vs3数的同数のカウンターでサイドを崩されたりと、中盤に差し掛かっても尚、対応法が見いだせず劣勢をはね返せない。

守勢で低い位置に押し込まれ、厚みなき攻撃ではなかなか攻撃の術が見いだせないFマリノスは、坂田が単騎でドリブル突破を計ったり、狩野がなんとかボールを引き出して攻撃を作ろうとしたが、前に出ても崩しきれず逆にフロンターレの抜群に鋭い切り替えに振り切られて数的同数のカウンターで脅かされるなど、リズムを引き寄せるに至らない。しかし、哲也を中心に耐え続けたFマリノスにサッカーの神様が微笑んだ。チームとして攻めきる意識が垣間見える中で、河合がボックス外からミドル!これが良いコースに飛び、ゴールこそならなかったがCKを獲る。そしてその右CK、狩野のアウトスイングのキックは美しい弧を描いてファーへ、そこには中澤佑二!スタンディングで競りにきた井川を完全に凌駕してドンピシャヘッド!これがファー抜群のコースに飛び強烈にネットを揺すって先制点!狩野のホーミングミサイルのような精度抜群のキック、佑二の強烈な高さと強さ、ピンポイントで強みを出してのゴール、素晴らしい!苦しい展開の中でリードを奪って前半を終えれられたのは理想的。

リードを奪ったものの、完全に劣勢に立たされた前半を鑑みてFマリノスは3バックから4バックに転換、小椋をボランチに上げ中盤の底を2枚に。この修正が功を奏し、中盤のフィルタリング(ボランチ2枚になったことによるカバー範囲の拡大)、ピッチ幅のスペースマネジメントに変化が生まれ、安定感が出てくる。サイドバックが攻撃にダイナミズムを付随することで攻撃にも厚みが生まれ、少しずつゲームの流れを引き寄せる。そんなFマリノスの守備の変化に対し、今度はフロンターレが苦しむ。前半には見られなかったミスが出てきたり、流れるような攻撃構築は目に見えて減り、個人技を押し出すしかない雑な攻撃が目立つように。そうなればFマリノスにチャンスが訪れるのは道理。兵藤のフリーランニングが活きる形で右サイドに起点が生まれると、それに合わせるように隼磨がオーバーラップを掛けて内側を駆け上がり、ボックス内角度のないところからフィニッシュ!川島の好セーブに凌がれたが、4バックの利が出たシーン。攻守に好転し、勝ち点3が少しずつ近づいている感じは間違いなくあった。しかし、そこに落とし穴が待っていた。

レナチーニョの投入、憲剛やVJのサイドに重点を置いた攻撃構築へと転換と、Fマリノスが施してきた修正に対して改めてアジャストし直したことで再び少しずつ流れを引き戻すと、フロンターレのセットプレー。憲剛のインスイングのキックはゴール中央へ。鄭と競り合いながらこのボールの落下点には佑二、身体を折りたたみクリア!と思われたがこのヘッドが何とオウンゴール……不運としか言いようがないが、これで同点。まさに急転直下。ここからゲームは大きく、そして激しく動く。

互いに疲労から間延びしてオープンな展開、Fマリノスは齋藤学をオーシに代えて投入し、流動的に攻めるが、なかなか攻めきれない。対するフロンターレも憲剛のロングフィードから鄭が抜け出したり、レナチーニョやジュニーニョが仕掛けるが、こちらも決定機は見いだせず。拮抗した展開の中、再びゲームを揺るがす事態、ジュニーニョの仕掛けに小椋が身体ごとぶつかるファールで2枚目のイエローカード、退場。これでパワーバランスが崩れると、一気にフロンターレが押す。鋭いインスイングのFKがポストを叩いたり、サイドからのクロスをボレーで合わせたりと、VJがFマリノスゴールを急襲。しかし、スコアは均衡を保ったまま。ロスタイム、勝利を掴むチャンスが互いに訪れる。交代で入った大橋のロングクロス、抜群の精度のボールがファーサイドに入ると、これに入ってきたのがオーバーラップしてきた伊藤宏樹!しかし、トラップが流れ、難を逃れチャンスを逃すフロンターレ。逆にFマリノスも隼磨と学の連携で右サイドを打開し、局面的に2vs1のチャンス、しかし、学は自ら打つ選択、ブロックに掛かりチャンスを逸した。結局、激しいゲームはドローでホイッスル。死力を尽くした選手達は続々と倒れ込む。悔しい結果だが、勝ち点1を積み上げたことをポジティブに捉え、次節首位(暫定)大分に「挑む」。

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*感想は冒頭の通り。負のスパイラルは何がきっかけで僕らを飲み込むかわからない。だからこそ、この結果はベストではないにしても、ベターだと思う。内容面にしても、主体性を感じさせた選手主導の4バックへの修正、監督としての冷静さを感じさせた修正タイミングの見極め、戻り始めた我慢と粘り、狩野健太のブレイクの予兆、ポジティブなポイントがいくつかあった。だからこそ悲観もしない、もちろん楽観もしないけど。先に繋がるゲームだったと思う。

*まあ見に行けなかったので、細かいことをごちゃごちゃ書くつもりはないっす。ただ、4バックに関してだけ少し。浩吉さんは3バックに多少固執する傾向にあるように思うけれど、アタッカーが張り出してくるチームに対しては柔軟に4バックに変更する選択があっても良い。試合中でもそれに適応出来るメンバーはいると思う(3バックの一角に小椋やマツが起用されているなら、彼らをボランチに上げて兵藤一列前、裕介なら裕介左にスライド、コミーを一列前に上げると言うことも出来るはず)それと、攻撃面に置いてもサイドバックのオーバーラップというダイナミズムが生まれることの効果は+。サイドが孤立することが多く、厳しい状態での独力打開を求めがちなチームに置いて、こういう形が自然に出来るのも又ポジティブ。元々、攻撃構築の中で意識的にダイナミズムアクションを起こす選手が兵藤ぐらいしかおらず、恒常的に不足しているだけに、システム的に生み出せる形が出来るのは閉塞感を打ち破る一手になり得る。この辺はこの試合だけでなく、今後も考えてみて欲しいなー。

*今は目の前の試合を一試合一試合、大事に戦っていくしかない。相手がどこだろうと、勝ち点を得るために出来る限りのことを、ね。まだまだ何も決まっていないということを肝に銘じて、ね。

*大分は非常に面倒な相手。一つ一つのゲームに「弱者の論理」ともいえる相手へのリスペクトとも言うべき分析と対策があり、その対策を粘り強くやり続けながら、いつか訪れるチャンスを高い集中力でモノにする。「勝てる」サッカーをするチーム。こういうことをしてくるチームに勝つのは本当に難しい。とはいえ、奇をてらったりしても、慣れないやり方でミスが増えて自滅するだけ。相手は何よりも穴が空くのを待ってる。まずは同じ土俵に立って何をしてはいけないのかを考えること。安易なミスを減らし、ターンーオーバー的なピンチの数を減らす。軽率なファールによるセットプレーを減らし、得点機に繋がりやすいシーンを極力減らす。怠惰なプレーを減らし、常にオープンな状況を作らない努力をする。そして、最後まで集中力を維持し続けること。非常にクローズドな、我慢比べ的なゲームになる可能性が高いけれど、チーム一丸、粘り強く、根気強く戦いたい。もちろん、見ている側も焦れない。僕らも又我慢が必要だと思う。

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って、明日なんだよねー。あっという間に次の試合が来て、ゆっくりと考える時間もない感じ。精神的にも思いゲームが続いてるから、精神的にもきついね。ま、まず僕らに出来るのは体調管理かなー。気温の振れ幅大きく、体調崩せと言われてる感じですが、皆様体調管理はしっかりと!僕みたいにならないように(ひたちなかでもらってきた風邪、全く治ってません 苦笑)

ということでここまでー。ユースは心の整理が付いてからー。

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September 22, 2008

意思の力@J1 第25節 vs ジュビロ

一言、とにかくよかった、それに尽きる。

結果が全て、そんなゲームで見られた選手達の強き意思、この意思があればきっときっと大丈夫。

2008 J.League Division1 第25節

ジュビロ 0-1 Fマリノス @ 静岡スタジアムエコパ「意志の力」
F.Marinos:47'大島秀夫

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"神・降・臨"、DF栗原勇蔵"栗原式ネックブリーカードロップ"、中澤佑二、小椋祥平"凡ミスなくそう"、MF松田直樹(→67'田中裕介)、兵藤慎剛"待望のゴール、なくとも"、田中隼磨"真骨頂のランニング"、小宮山尊信、狩野健太"舞った!"、FW坂田大輔(→83'金根煥)、大島秀夫"一撃、逃さず"(→63'清水範久)

ジュビロスタメン:GK川口能活、DF加賀健一、田中誠、茶野隆行、MFロドリゴ、犬塚友輔、駒野友一、村井慎二(→68'中山雅史)、カレン・ロバート(→73'上田康太)、FW前田遼一、ジウシーニョ

台風13号に戦々恐々、でしたが早朝に家を出てエコパまでずっと超快晴、なんだか良い気分。ただ、台風一過の強い日差しは厳しいコンディションをもたらした。勝ち点1差で迎えた残留を賭けた直接対決、互いの意地が試される。

そんな中でのスタメン。Fマリノスにとって最も大きなファクターは、事前報道、自身のサイトでも語っていたとおり、エース山瀬功治が負傷により出場を回避。これにより空いた2シャドーの一角には地元凱旋となる狩野が入る。又、カピタン河合の出場停止によりバックラインもマイナーチェンジ、松田直樹をボランチに上げ、小椋祥平を先発起用、大ポカ禁止!対するジュビロは、犬塚、ロドリゴのセントラルコンビが目を引くところか。上田を使ってくると思ってた。ハンス・オフト新監督が自ら指揮を執るのは、実質的にこのゲームが初めて、監督ドーピングの効果はいかに。前節騒動のあったサポは団結を訴えかける。

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試合展開

重要なゲームなだけに、共に慎重にゲームに入るかと思われたが、Fマリノスの選手達は超前傾姿勢でゲームに入る。初っぱな、バイタルでボールを受けた狩野が、ギャップを見いだした坂田へと優しいスルーパスを通すと、これを号砲に神戸戦から見違えるようなパフォーマンスを発露。積極的な局面打開アクション、前進意志に溢れるプレス、非常にタイトで粘り強い玉際ディフェンス……このゲームに賭ける意志を感じるプレーが各所に現れ、またそれがリンクするように繋がっていく。

攻撃に置いて際だったのが流動性。前線の3枚がアクションを起こし、それに呼応するように後方からのランニングがタイミングよく付随することで、スペースメイク&ユーズを実現。又、サイドの使い方も以前とは変わって孤立させない素早いサポートから、コンビネーションが生まれる形でスペースを突く形が何度も見られるなど、人がよく動いてスペクタクルな攻撃を展開。この攻撃で主導権を握ると、セットプレーのチャンスも多く迎え、その中でファーストチャンスを迎える。セットプレーのセカンドボールをマイボールとすると、左サイド深い位置からコミーが局面打開してクロス、オーシが飛ぶ、合わせる、惜しい!良い流れの中でゴールを獲れなかったのは、まだまだなところなのだけど、プレーの内容は非常に充実していた。

守備に関してはほとんど脅威はなし。相手の雑なロングボールに対し、序盤こそ前田にうまく落下点には入れられてフリックされるシーンが見られたモノの隙のないカバーで難を逃れ、時間と共に空中戦の勝率も上がる。最も肝を冷やしたのは小椋のパスミスを前田にさらわれシュートまで持って行かれたシーンか。小椋は1試合に1回こういうプレーが出てしまう……課題。ゲームとして、総じて優勢にゲームを進めたが(栗キャノン惜しかった)、得点は生まれず前半をスコアレスで折り返す。

後半に入っても、Fマリノスの攻勢は収まらず、勢い全開。隼磨のサイドからの虚をついた強烈なシュート、ボックスの中に進入した狩野が相手との距離を測りながらフェイクでコースを開けてフィニッシュで、立て続けに能活を襲う。そして、その勢いが実る。佑二の肝煎りで行ったショートコーナー、戻されたボールを狩野は柔らかいクロスをゴール中央へ!そしてオーシ!テクニカルに頭で合わせると抜群のコース、ポストをかすめるように見事にネットを揺すって待望の先制点!!!ボックスストライカーの真価を発揮したオーシ、大きな期待を掛けられていたセットで存在意義を証明した狩野、二人の質がゴールをこじ開けた。

先制点後も運動量、積極性に勝るFマリノスはペースを明け渡さず。ベンチもそれを維持しようとオーシ→ジロー、マツ(負傷)→裕介で祥平ボランチへとスライド。しかし、日差しは落ちてきたとはいえ暑い気候の中でダイナミズムが徐々に減退していき(指示もあったのかな……ジローが低い位置で兵藤や小椋を助けるようなプレーが多く、その分前線とは距離が開いて自慢の俊足を活かす場面が少なかった)、Fマリノスの攻撃は散発気味、するとビハインドのジュビロが押し込む展開にゲームは移行する。

ジュビロの攻撃は、非常に攻撃構築が拙く、長いボールに頼りすぎ。空中戦ではFマリノスが制空権を握り、怖さは感じなかったのだが、不用意なファールが自らの首を絞める。その時に最も危険な存在となったのが2枚目のカードとして投入された上田康太の左足。投入直後のセットプレーで哲也の際どいセーブを引き出すと鋭いカーブの掛かったキックを見せると、鋭いキックを連発。そして、彼のキックがゴールを引き出した、かに見えた。左サイドからのCK、上田の柔らかい弾道のキックはファーに逃げてマークを外していたエース前田遼一へピンポイント!ドンピシャヘッドでニアにずどん、顔を覆い欠けたが、我らが守護神榎本哲也に神・降・臨!際どいコースのヘッドを掻き出すようにスーパーセーブ、こぼれ球を田中マコに押し込まれそうになるがこれまた超反応、そしてジウシーニョの超近距離からのフィニッシュは気迫か、神通力か、ポストの助けを借りてネットを揺すらせない!スタジアムがこの日一番揺れた瞬間だったが、このピンチを凌ぎきったの余りに大きかった。

この大ピンチ以外にも勇蔵やクリアミスやら小椋の繋ぎのミス、際どいファールから奪われたセットプレーなどでゴールを脅かされるが、最後まで身体を張り、集中力を維持することで失点を許さず。耐え続けて迎えたロスタイム3分、待望のホイッスル。アウェースタンドにはトリパラの華が咲く。この勝利で、入替戦圏から一歩離れ、中位も捉えるだけの場所まで浮上した。

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一人一人が、非常に高い意志を持ち、それを表現することがハイパフォーマンスに繋がっていく。意志の力の勝利、だと僕は感じた。

直接対決へのモチベーションか、エース不在の危機感か、それとも監督のメンタルマネジメントか、突然変異のように表れたパフォーマンスの発生源はわからない。けれど、この重要なゲームで、これだけのプレーをして、勝ち点3と少しの安堵、そして代え難い喜びをもたらしてくれた事実、選手達は称えられて然るべきプレーをしてくれた。

しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れている、では意味がない。まだ危機は去っていない。この意識を先に、次に、繋げていくこと。それもまた、意志の力によって成し遂げて欲しい。

とにかく、よかった………。

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*浮かれすぎていたので自らを戒める意味でも少々厳しめに書きましたが、とにかくよかったよぉぉぉぉという感じ。まだまだ試合は続くからこれで全てが決まるわけではないけれど、このゲームの重要性は火を見るより明らか。負けていたらと思うとぞっとする。順位的な要素はもちろんのこと、メンタル面でも平静を保つのは難しくなり、疑心暗鬼になってチームに更なる暗い影を落としかねない。当然、ライバルとなる相手に勢いを与えることにも繋がる。そんな意義を持つゲームに勝ったというのはとても大きい、うん。しかも、素晴らしいパフォーマンスでの勝利、自信にならない訳がない。

*「意志の力」と表現したけど、選手の個々のプレーに表れる姿勢、これがこのゲームの全てだと思う。あれだけタイトに、粘り強く玉際で戦っている姿は普段ではほとんど見られない。あれほど積極的に一人一人がロストを恐れずに自ら仕掛けて局面打開するプレーも、ほとんど見たことない。てか、功治がいたら預けて任せていたかもしれない。流動的に動いて絡んでスペースへとダイナミズムをどんどん作り出していく、こんなの前節の停滞ぶりからは考えられない。でも、この変化が現実に起こった。そして、高いレベルでリンクしたことで高いパフォーマンスに昇華された。チームは11人の個の集合体、まずは個がいいパフォーマンスをする。大切なこと。それが出来たのが何よりも喜ばしい。

*その中でも特筆すべき存在だったのが狩野だよねー。飄々として人の逆を創造性溢れるプレーで紡いでいく姿は相変わらずなんだけど、前線へのランニングであったり、周囲の動きに呼応する動きだし、チェイス、強引な突破に至る全てのプレーに高い意識を感じたし、モチベーションの高さを感じた。正直、ジュビロの守備がひどかったのもあるんだけど(前から押さえようとボランチやサイドがポジションを捨ててチェイスにきていたけど、これがやりっぱなし。バイタルすかすかで、狩野としてはものすごいやりやすい環境があったはず)、彼のハイパフォーマンスの価値が落ちる訳じゃない。とにかく、これを続けること、覚醒傾向にありながらブレイクに至らなかったこと2回、今度こそ、覚醒して!このゲームの象徴、もちろんMOM。

*狩野に負けず劣らず、他の選手もよかったけどね。例えば兵藤、普段通りよく動いていて、かなりの走行距離だと思うけど、その中でもミスは少なく、積極的な姿勢がオン・ザ・ボール、オフ・ザ・ボール問わず表れ、、目を覆いたくなるようなサボりもなく、中盤のプレーヤーとしては充分合格点。ゴールが遠いことだけが残念だけど、兵藤の巻き起こすダイナミズムアクションは、効果絶大。よく見てるよ、展開を。間違いない。

*それと隼磨ー、久々に素晴らしい隼磨を見た。対面の村井が早々に交代させられたのは、隼磨がこのサイドでの攻防戦において完全に優位に立っていた証明、それぐらい隼磨はよかった。スペースへのランニングの意識、ワンツーなどの仕掛けのアイデア、外と中のバランスも悪くないし思い切ったこともやっていた。サイドの崩し自体もうまくリンクしていただけに、アシストとか見せてくれると嬉しかったけどねー。でも隼磨はよかった、これは間違いない。

*まー、今後も選手達のパフォーマンスの善し悪しに委ねられる部分が他のチームよりも大きく、チームタクティクスが熟成されたわけでもないので、まだまだ出たとこ勝負の側面が強い、安定して結果を出せるチームにはなっていないとも思う。イコールまだまだ苦労しそうだね。それにジュビロが余りに酷かったし(アプローチ&カバーの関係のない単発的なプレスは自ら墓穴を掘っていたようなもの、規律も論理もなく最後は引くけど、簡単にスペースが空いてくるディフェンスじゃ守れない。攻撃はアイデンティティを感じないロングボール一辺倒でしかもハイタワーなし、幸運と偶然を待つだけ。こんな相手に負けてたら、本当に絶望してた。もう少しよかった印象あったんだけどね、僕の見た試合がよかっただけだったのかなぁ……)

*さて、ようやく大勝負が終わったわけですが、明日には川崎戦、なんだかもったいないなー、余韻を味わいたい。でも、こうしてゲームを味わえるというのは素敵なこと、あー幸せ。

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本当によかった。今でも負けてたと思うとぞっとする。ま、次も大事、この勝利の価値も続けて勝ってこそ。もう切り替えないとね。

ユースも勝ったし、今週は素敵なFマリノスデー、って感じだね。てか、どうしよう、わかっちゃいたけど、迷ってます。まあこれも幸せな悩みか。ということでここまでー。

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*僕は応援のことはよくわかんないけど、エコパのFマリノスの応援は、選手を支え、称え、奮い立たせるような感じを受けました。良いプレーにすぐにその良いプレーをした選手のコールが飛ぶ、しかも素晴らしいランニングをしたり、良いカバーを見せた選手にコールが飛んだりと、見えづらいわかりづらいプレーも評価してあげて、次に又こういうプレーをしてやろうという気にさせるような感じが素敵だった。サポももの凄い頑張ってる、選手ももちろん頑張る、良い循環。僕も頑張らなきゃ、更新とか(苦笑)

*今回もBlueCardバスにお世話になりました。僕にとっては3回目、相変わらず、スムーズかつ素敵な運営で、ノーストレスで行って帰ってこれました!てか、毎回毎回凄いうまく行き過ぎ!って感じでかえってこれちゃうのは凄いよねー、しかも無敗!(1勝2分だけど)今度は新潟……と思ってたらもう予約は埋まっちゃったみたいで……宣伝意味なし。とはいえ、おすすめです、アウェイ初心者の僕にとって強い味方。お世話になりました。

*最近、勝った試合しか、更新してないわけですが、それは僕がダメな大人になっているからです。ユースもあってなかなか更新にまで手が回らない、というのが本当のところかな。印象更新にしようかしらん。それも又難しいんだけど。わざわざ見に来て下さっている方にはご迷惑おかけしてます。頑張ります、ダメな大人なままでしょうがww

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September 09, 2008

過緊張の果てに@第19回 高円宮杯 Fマリノスユース vs レッズユース

過緊張という足枷が、身体を硬くさせる。判断力が鈍り、ボールタッチは粗く、慎重なプレーセレクトに終始する……。

全クラの失敗の影響なのか、メンタルマネジメントの失敗なのか、原因はわからない。改めて、フットボールの難しさを感じたゲームだった。

でも、これから、全てが終わった訳じゃない。

高円宮杯 第19回全日本ユースサッカー選手権大会 1次ラウンド

Group A/レッズユース 2-1 Fマリノスユース @ 駒場スタジアム「過緊張の果てに」
REDS.Y:36'阪野豊史 76'高橋峻希
F,Marinos.Y:68'端戸仁

F.Marinos Official

Fマリノスユーススタメン:GK松内貴成、DF曽我敬紀、臼井翔吾、甲斐公博、岡直樹"未来の糧に"、MF佐藤優平、荒井翔太(→82'松本翔)、松尾康佑"悪い方のまっちょ"(→55'塩田光"盟友との邂逅")、関原凌河、FW小野悠斗(→69'榎本大希)、端戸仁"意地の一発"

レッズユーススタメン:GK柴田大地、DF岡本拓也、山地翔、菅井順平、永田拓也、MF浜田水輝、山田直輝、田仲智紀、FW高橋峻希、原口元気、阪野豊史
※交代わからない……終盤、田仲と高橋が交代

埼玉=大雨という刷り込みが入っていたからか、どうも身構えてしまったけれど、そんな杞憂を吹き飛ばす晴天に恵まれた高円宮杯緒戦!関東プリンスで鎬を削ったレッズユースが相手。山田直樹、高橋峻希、原口元気、浜田水輝と全国でもトップクラスのタレントを揃え実力的には全国でも5本の指に入るであろう強豪相手に、全クラでの惨敗を受けて修正を重ねてきた真価が問われる。

そんなゲームのスタメン、もっとも注目が集まったであろうこのチームのエース齋藤学の動向。登録こそされていたものの、トップチームの戦力として御殿場キャンプに帯同していたこともあって、不出場。スタンドからこのゲームを見守る。エース抜きでの戦いを強いられた和田監督が選択したメンバー構成は、トップに仁と悠斗、オフェンシブにはまっちょと凌河という選択、ボランチは荒井・優平で不動、バックラインもほぼ固定、右から曽我、甲斐、臼井、岡、曽我くんの復帰が大きい。GKがサプライズ、ここまで公式戦に出場していなかった松内くんが抜擢された。対するレッズユースはU-19代表に招集されていた高橋峻希もスタメンに名を連ね、現状のベストメンバーといえる陣容か。

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試合展開

互いに緊張感がボールタッチや判断にありありと表れる序盤、非常に慎重な立ち上がりとなったが、Fマリノスユースはなかなかボールを動かせない。練習試合ではサイドバックとボランチを核に攻撃構築する意図を持ってプレーしていたが、その核となるべきサイドバックが対面する相手にプレッシャーに屈する形で安易にロングボールを蹴ってしまうなど、飲まれてしまっている感じがありあり。そうなると、緊張感はありながらもゆったりとボールを回すレッズユースが主導権を握るのは摂理。山田直樹を中心に攻撃を展開、その山田のミドルシュートを皮切りに猛攻。時計が進むのと共に最も怖いドリブラー原口が中などにポジションを変えてボールタッチを増やし始め、彼のドリブルがFマリノスディフェンス陣を襲う。変幻自在でキレのあるドリブルワークで複数人を翻弄し、簡単にディフェンスをはがしてチャンスメイク。耐える展開が続く。

時間が立つ事に……というのを期待していたが、時間が経ってもなかなか緊張感が抜けず、イージーなミスや判断ミスによるロストがなくならない。特に岡、まっちょの左サイドは全くと言っていいほど、緊張感が抜けず、左サイドが機能不全となる状態ではリズムを引き戻すには至らず。チャンスというとそのまっちょが独力打開したシーンぐらいか(しかし、心と体のバランスがとれていないのか足がもつれ、結局ラストパスも合わず……)厳しい展開の中でディフェンス陣はなんとかこらえていたが、これだけの猛攻、無傷では追われず。左サイドを高橋峻希に破られるとグラウンダーのクロスが中へ、ファーストシュートは必死のディフェンスで阻止するが、混戦から阪野にフィニッシュを許すと、これは阻止できず。これが決まってレッズユースが先制、ディフェンス陣は止めきれなかったショックを受けたか……スタンドからはFマリノスコール。

この失点で少し目が覚めると良かったが、レッズユースの勢いは止まらず。相手の攻撃に耐える展開は変わらない。終盤ようやく少しずつボールが動くようになり、曽我がドリブルシュートを放ってようやくファーストシュートを記録、しかし、松内の信じられない判断ミスからあわや失点というひやっとするシーンがあったりと、チームとしてほとんど自分たちのサッカーが表現できないまま、前半を終えてしまった。

後半に入り、ようやく仁・悠斗がボールを引き出して起点となることでようやく攻撃が回り始めることでリズムを掴み始めると、まっちょに代わって塩田が登場。そして彼の突破でスピード感が生まれ、チームとして勢いが出てくると待望の同点ゴールが生まれる。左サイド、凌河の浅い位置へのショートクロス、ニアで悠斗が潰れて中央の仁までボールが届くと、仁らしいテクニカルなインサイドボレーをファーサイドに沈めて同点、やれば出来る、前半の一方的な展開ほどの力の差はない、そう感じていた中でチームを勇気づけたゴールだった。しかし、過緊張の足枷が取れていなかったプレーヤーのミスがこのゲームの趨勢を決めてしまった。

給水を挟み、大希投入で一気に逆転を狙うFマリノス、しかし、レッズも再び攻勢に出ようと巻き直してきた中、飛ばされた左サイドへのロングボール、岡と高橋が併走、そこで処理できるタイミングを逃し身体を入れられてしまう。高橋は一気にボックス内に突入、そのままニアに沈められて再びリードを許してしまう。岡だけに限らないことだけど、このゲーム通じて、ディフェンス陣は浮き球の処理に不安定さが表れており、その中での失点につながるミス。このレベルではこういったミスを逃してくれない、ということか。岡はショックを隠せない。

最終局面、荒井に代え松本翔を投入し、凌河をトップ下に置いたダイヤモンド型の中盤に移行。攻勢の圧力を強めたいところだったが、バランスを失った中盤ではレッズユースの攻撃を押さえきることは出来ず、なかなかボールが奪えない。数少ないチャンスも運なく枠を逸れたり、微妙なオフサイド裁定に泣き、結局このビハインドを跳ね返すことは出来なかった。昨シーズン同様、今シーズンも黒星スタート。

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フットボールも、他のスポーツに違わず「メンタル」がパフォーマンスに大きな影響を与える。それを改めて思い知らされたゲームだった。

なかなか取れない足枷をはめてプレーする姿を見るのは余りに歯痒い。もっと出来る、普段通りにやれば……なんて思いが頭をもたげる。

しかし、終わったことは仕方がない。この失敗をいかに活かすのか、それが今後の運命を決める。次のゲームからは「負けたら終わり」というプレッシャーが選手達の双肩にのしかかるのは間違いない。

未来を切り開くために、この失敗、繰り返すわけにはいかない。

頑張れ、超頑張れ。

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*本当に歯痒かった。ま、組織力でも個人能力でも実力差がなかったかと言ったらそういうわけでもないけど(レッズユースはボールを動かしながら柔軟にポジションを入れ替えて相手を揺さぶったりするのがうまかった。ダイレクトを時折入れてスピードアップしたりするのもうまい。守備に関してはスタンダードな守り方をするチームだけど、中は堅い)、勝負出来ない相手じゃなかった。後半ある程度硬さが取れ、ボールが繋がるようになった中でのゲームの趨勢はある程度フラットだったし、互角とまでは言わないまでも(相手が受けていた感はあるからね)、対抗出来る相手だった。だからこそ、普段通り、フラットなメンタルでプレー出来ていれば、という思いがもの凄い強い。プレー以前の問題、ということかなー。

*その影響をもろに受けたのがビルドアップ。もともと、うちのチームはトップに大きい選手がいないから、長いボールを蹴って起点を作ろうとしても、なかなか厳しいものがある。だからこそ、バックラインからのビルドアップで彼らの足元にボールを入れていくことがこのチームの生命線で、その部分にこだわって修正を重ねてたはず(1週間前の産能大のゲームもメインテーマとして、かなり細かくプレーディティールに踏み込んでボランチやサイドバックに指示が出てた)でも、サイドバックが冷静な精神性を保てずに、高橋・原口のプレッシャーに屈する形で「蹴らされた」。相手が3トップだと常に蓋をされるような形になるから、普段以上に閉塞感を感じ、プレッシャーを受ける形となってしまったのだろうけど、技術のない選手ではないし、ビジョンを持ってる選手だから、精神的な余裕さえあれば、もっと繋げたはず。これが余りに大きかった。

*後は、「ボールを奪う」という部分の脆弱性か。オリジナルポジションに戻り、4-4のブロックを付くって相手の攻撃を制御することを基本コンセプトにやっているけれど、その先がない。「アプローチを掛けてパスコースを限定して、次の選手が狙う」みたいなものがないから、相手のボールに対してついていくといった受動的な対応の連続になってしまい、なかなかボールが奪えない。この辺はやっぱり時間が足りなかったかな……。

*かいつまんだ個人評。仁くん、彼のパフォーマンスが高いことは大きな拠り所となるかな。ハイボールの競り合いに関しては如何ともしがたい部分はあるけれど、顔を出してボールを引き出し、独特の足技で相手のタイミングをズラして時間を作ることであったり、奇抜なアイデアによるダイレクトプレーを見せて、起点となってた。プレーの成功率、と言う面で考えると少々物足りない部分はあるけど(まあ受け手との問題でもあるけど)レッズの選手達をも惑わせていたし、前に起点さえ出来ればチームも前に掛かれる。ボールを運べる学くんのいない現状では仁くんに課される部分は大きい。次の試合もこの調子を保って欲しい。

*悠斗くん、トップ起用が仇となったかなー。厳しいプレッシャーの前になかなかボールが収まらず、ボールタッチ自体も非常に少なかった。足元の技術とパスセンスに長けたモノがあるだけに、もっとボールタッチを増やしてリズムを掴みたかったところだろうけど、いかんせんあの状況ではリズムに乗るのは難しかったかな。セットのキックの精度も悪かった。一列下の方が良いと思うんだよねー、起点になるし。

*優平くん、運動量豊富でファイトオーバーでチームを鼓舞するようなプレーも多かった。後半に入ってボールタッチも増えていって徐々に自分のリズムを取り戻していた感はあったし、後はサイドバックと連携密にリズムを作ることだけ。出し手に問題があるとはいえ、周囲がもっと顔を出していれば問題は回避出来たかも知れないし。

*岡くん、過緊張の中で、ミスを引きずり、対面する相手に蹂躙され、立ち直るチャンスがほとんどないまま負のスパイラルに飲み込まれてしまった。そして、あのミス。まあ、終わってしまったことはしょうがない。気にするな、と言っても無理だろうけど、何故こうなったのか、そういうことを自己分析して、繰り返さないように。後はセーフティファーストでOK、難しいことはいらないよ。これはプレッシャーになるかも知れないけど、今のユースの生命線は岡くんと曽我くんが握ってる、それぐらい重要な役割なんだから。頑張れ、超頑張れ。

*次はグランパスユース、半分寝てたけど、去年とは印象の違うチームになってた。面影はあるけど、あんなに長いボールを使ってくるとは思わなかった。それだけに、ディフェンス陣のロングボールの処理の対応が大事になってくる。このゲームのように落下点を見誤るプレーが続くとピンチになるので、この辺は修正して欲しいな。プレッシャーはきつくなかったけど、名古屋も両サイドがかなり高い位置に張り出して、サイドバックにプレッシャー掛けてくるから、同じ轍を踏まないように。後はサイドのスペースをうまくランニングで使いたいね。山田程蹴らなくて良いけど。ということで次回ゲームは9/13です。

高円宮杯 第19回全日本ユースサッカー選手権大会 1次ラウンド
9/13(sat) 13:20KickOff/Fマリノスユース v グランパスユース @ NACK5スタジアム大宮
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ということで、ちょっぴり凹んではおりますが、まあ次だわね。どうやってははしごしようか考えておりますが、やはり大人の力を使うしかないのか……はてさて。

と言うことで、次回NACK5です。これを見に行くと神戸戦を高確率で見に行けないという罠がありますが、よろしかったら。ということでここまでー。

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September 07, 2008

らしく、一歩前進@FIFA WORLDCUP Asian Final Qualification vs バーレーン

勝った!よかった!もうそれだけ!

2010 FIFA WORLDCUP SouthAfirica Asian Final Qualification Matchday1

Bahrain - Japan @ Bahrain National Stadium,MANAMA
JPN:18'S.Nakamura! 44'pY.Endo 85'K.Nakamura
BHR:87'S.Isa 88'OwnGoal(Turio.M.T)

FIFA.com

日本代表スタメン:GK楢崎正剛、DF内田篤人"集中力という宿題"、中澤佑二"パーフェクトディフェンス"、田中マルクス闘莉王"次は敵のゴールに、それで贖罪を"、阿部勇樹、MF遠藤保仁"芸術のリズムとPK"、長谷部誠"成長の守備と我慢"(→85'今野泰幸)、中村俊輔"切り開く伝家の宝刀"、松井大輔"充分!次はお休み"(→70'中村憲剛"得意のミドル!")、FW田中達也"新たなる戦術兵器"、玉田圭司"今や軸"(→78'佐藤寿人)

バーレーン代表スタメン:GKサイード・ジャファル、DFモハメド・ハサン、アブドラ・マルズーキ、モハメド・フセイン、サルマン・イサ、MFアル・ワダエイ、モハメド・サルミーン(→82'ラシェド・ユーセフ)、ファウジ・アーイシュ、アブドラ・オマル、FWアラー・フバイル(→62'アブドゥル・ラフマン)、イスマイル・ハサン(→62'ジョン)

ワールドカップに繋がる最終予選は、中東の小さな島国からスタート。3次予選では苦杯を舐めさせられたアウェイの地マナマでこの借りを返し、落ちたプライドと失われた情熱を取り戻すことで、ワールドカップへの道を切り開きたい。気候・芝はナイーブになることはなさそう。

そのゲームに臨む日本代表のスタメン、欧州から呼び寄せた俊輔、松井、長谷部をスタメン起用、注目されたトップには田中達也と玉田、左サイドバックには阿部勇樹が入る。今回復帰し、スタメンも予想された大黒がベンチ外になったのが驚きか。対するバーレーンは、この予選に向けて長期の合宿や遠征を経て、この最終予選に準備してきた様子。かなりの確率でやられている今やアジアのエースとなりつつあるアラー・フバイルをいかに抑えるのか、苦労させられ続けてきたモハメドやマルズーキの長身ディフェンダーをいかにこじ開けるのか、日本代表にとっては積年の課題が問われるゲームと言えるかも。

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試合展開

互いに速いタイミングでの仕掛けの意識を感じさせる序盤、予測された通りバーレーンはアウトサイドをシンプルに長いボールで使ってくる展開を見せ、日本も雑な長いボールが多少目に付くモノの細かい繋ぎでアタッキングエリアに入って、フィニッシュで終わる意識を持ってゲームに入ってきたか。その中でペースを握ったのは日本。6月シリーズで岡田日本代表のコンセプトの一つとして輝きを見せたロスト後の素早い切り替えからの厳しいアプローチが功を奏し、相手のカウンターを制御。そして、高い位置で奪ってからショートカウンター、細かくボールを紡ぎながらバイタルで浮く田中達也、左サイド高い位置に入る松井がボールポートとなって攻勢。そして、決定機を生み出す。この試合始めてオーバーラップを掛けた内田篤人を使う形で右サイドを局面打開、浅い位置からグラウンダーで中央へと繋ぐと田中達也が折り返しを収めて、反転しながら右足でシュート!これはGKの正面を突いたが、良い攻撃。そして、好リズムの中で日本の伝家の宝刀が抜かれる。

玉田の仕掛けで得た中央右寄り20mぐらいの直接FK、スポットには俊輔とヤット。ヤットは跨いで蹴るのは俊輔、振り抜かれた左足から放たれた低く鋭い弾道!壁の横、壁がブラインドとなってGKの対応許さず!ファーサイドネット揺れた!俊輔キター!壁で止めたいという強い意識の裏をかく駆け引きで決まりのFK、お見事。先制点は大きい、果てしなく。

しかし、ビハインドを背負ったバーレーンは失点後すぐさま反撃。ロングボールだけではなく、スピーディに繋ぐプレーが増え始め、プッシュアップしてくることでセカンドボールに対しての意識を高める。その中でセカンドボールをいい出足で拾ったサルマン・イサが距離のあるところから突破を計って強烈なミドルを放つ!何とか楢崎がはじき出して失点こそ免れたが、セカンドボールの攻防はやはり鍵を握るか。バーレーンの攻勢を凌ぎながらリズムが来るのを待つ日本はお家芸で反撃、トップを経由してファーサイド佑二へ、折り返しを玉ちゃんが受けシュートを放とうというところではね返されるもこぼれ球を強烈に阿部がミドルで狙う!これは惜しくも決まらなかったが、最初のCKに変化を加える、この辺も駆け引きか。

その後、軽率なロストなどからゲームのリズムを落ち着かせることは出来ず、押し込まれて断続的に攻勢を受けることはあったが、何とか最終ラインが凌ぎ、田中達也・玉ちゃんという2トップがキレのあるドリブルでバーレーンディフェンスに圧力を与えることでチャンスメイク。そして、又もセットプレーからビッグチャンスを作る!玉ちゃんが左サイドで倒されて得たFK、ヤットがスポット、選択したのはスイープ!中央の密集を避けてぐるっと回り込んだ俊輔へとグラウンダーのパス、俊輔インサイドでシュート!これが相手ディフェンスのハンドを誘い、PK!そしてこのPKはもちろん遠藤保仁の職人芸、必殺コロコロでGKの逆を突いて大きな大きな追加点!芸術品。

怪我が心配された松井も元気にピッチに出てきて同じメンバーで臨む後半、バーレーンはプッシュアップして圧力を掛けてくるが、大きな脅威には繋がらず。どちらかと言えば自分たちの判断ミスが怖い。後半最初のチャンスはそのミスからバーレーンに。浮き球の処理の判断が遅れ、プレッシャーを掛けられたところで何でもないボールをCKにしてしまった。そんなこんなで、バーレーンにセットプレーが増えると、大きなピンチも。右サイドからのインスイングのボールがゴール前を抜けファーで押し込まれる、俊輔のカバー、楢崎の落ち着いたセーブで凌いだが、ヒヤッとしたシーン。

しかし、コンセプトを継続する選手達のモラルがリズムを引き戻す。遠藤の右サイド遠そうとしたスルーパスは通らなかったが、そのまま走り込んだ松井がカットしたディフェンスに対してプレッシャーを掛けてボールを奪い返すと、うまくスペースに入り込んだ玉ちゃんへと繋ぎ、角度のないところからフィニッシュ、これは枠を捉えきれなかったが、そのこぼれ球を直前のプレーで倒されていたんだ田中達也が長距離を走ってプレッシャーを掛けたことでファールをもらう。日本のコンセプトが活きたシーンだった。なかなかゴールの奪えないバーレーンはアラー・フバイルを含めた2トップを入替、押さえて何もさせなかった証拠か。そして、この試合素晴らしい動きでチームに大きな貢献をしていた田中達也が大きな仕事。中盤で奪ったボールを田中達也が拾うと、独力でボールを運び、前を塞ぐフセインがいてもそのままキレのある切り返しで前に出る。それに対して後ろから引き倒す形でファール、これに対してイエローカード!これが2枚目、退場……押し込まれる展開もあった中で数的有利、大きいね。岡ちゃんはこれを見て一枚カードをもらっていた松井に代えて中村憲剛を投入、バランス裁定をケアか。

数的優位となった日本は完全にポゼッションを掌握。とはいえ、リードの展開で無理に攻めに行くことはせず、あくまでも時計を進めるようなポゼッションで続ける。その中で3点目のビッグチャンス、中村憲剛のスルーパスから田中達也が右サイドを突破、グラウンダーの折り返しは合わなかったが長谷部が素晴らしいディフェンスで相手ボックス内でボールを奪うと、そのままゴールを強襲。強烈なシュートはバーを直撃、そのリフレクションを今度は田中達也が拾ってドリブルからシュート!しかしこれもバー、うー。それでも完全にゲームを掌握して離さない日本は、勝負を決める。中盤プレッシャー掛からないところで、憲剛が左足でミドル!これがディフェンスに当たってそのまま突き刺さり、3-0。理想的。

しかし、これで少し緩んだか、日本はおかしくなる。内田の緩慢な対応が仇となりロングクロスがファーまで通ってしまうと、これをサルマン・イサが素早く沈めて3-1。コミュニケーションミスから闘莉王のバックヘッドが楢崎の横を通り抜けてオウンゴールで3-2。うわっちゃー。息を吹き返すバーレーン、凌ぐ日本、長いロスタイム……、ホイッスル。ふぅぅぅぅぅぅぅぅ。こんなにヒヤヒヤしなきゃいけないゲームじゃなかったのに……後味悪い……とはいえ、内容面の手応えとアウェーでの勝ち点3、そして終了間際の教訓を手みやげに日本へと帰れることを喜びたい。

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らしいゲームは出来たはず。

アグレッシブなディフェンスで出鼻を挫き、敏捷性溢れるアタッカー達が急襲、そして伝家の宝刀でゴールを奪う。

終了間際の「教訓」と言うべき2失点に掻き消されてしまうかもしれないけれど、この環境の中でこのチームらしいパフォーマンスが出せたこと、そして何より勝ち点3を得れたこと、一歩前進だ。

一歩ずつ、前に進む先にはきっとワールドカップがある。そう信じて、次のゲームへ。

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*とにかく、よかった。灼熱の気候やピッチ状態、双方のコンディション、様々な要素を考えれば決して簡単になるとは思わなかったけれど、意識しすぎず、自分たちのサッカーを展開して、相手を凌駕出来たこと、日本の力を証明出来たのかなーと。このチームのメインタスクであるロスト後のファーストアプローチが冴えを見せたこと、そして研究されても止めさせない武器であるセットプレーで得点を叩き出したこと、これは誇るべき日本の武器。今後の予選を考えても、この2つが主な部分となるのは間違いない。

*チームに浸透したこのアプローチタスクに関しては、選手達のモラルの維持という部分に託される部分が非常に大きい。そういう意味で、この日の田中達也や玉ちゃん、松井、長谷部、俊輔含めて非常に高い意識を保てていたことがこの日のパフォーマンスに繋がった。特に田中達也・玉ちゃんの切り替えの速さへの意識は特筆すべきモノ。あの位置で奪えることの意義は見ての通り、カウンターの制御、すぐさまの決定機、相手に与える精神的プレッシャー含めて、非常に大きな効果があった。フィジカル的に厳しい部分もあるけれど、そこをチームとして、保てるようにしていくことが今後への課題かな。日本らしい、気もするしね。次は嘉人が復帰で、松井が出場停止、はてさて……

*守備に関しては基本的に破綻もなく、うまく守れていたかな。ファーストアプローチが機能すれば、早々精度の高いフィードは飛ばないから佑二と闘莉王で対応出来る。多少引っ張り出された後の中の枚数、セカンドボールのピックアップ(前にアプローチした後に帰陣するのは中盤の選手達にとって厳しいことなんだけど)には課題が残ったけれど、もう少し運動量が上がって、意識が裂ければもう少しよくなるかな。監督としては、維持させるための努力と切り替え・ファーストアプローチが出来なくなった時の守備手法、二つの準備が必要かなーとは思う。

*選手評は帰ってきたら、高円宮杯行ってきます。

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はー、とにかくよかった。これが醍醐味、流石に今日はちゃんと締めて欲しかったけどね。まー勝てば官軍、でも勝って兜の緒を締めよ、だけどね。

ということでここまで。

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September 06, 2008

ワールドカップ最終予選開始に寄せて。

いよいよ、ワールドカップを賭けた決戦の幕開け。

そのスタートは、屈辱にまみれた灼熱の地、バーレーン。

問われるのはぶれない意思と勝利への希求。

地に落ちたプライドと失われた熱をここで取り戻せ。

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2010 FIFA WORLDCUP SouthAfirica Asian Final Qualification Matchday1
9/6 27:30/Bahrain v Japan @ Bahrain National Stadium,MANAMA

ワールドカップ最終予選バーレーン戦 日本代表メンバー

監督:岡田武史
コーチ:大木武
コーチ:大熊清
コーチ:小倉勉
GKコーチ:加藤好男(全て日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ)

GK
川口能活(ジュビロ)
楢崎正剛(グランパス)
西川周作(トリニータ)

DF
内田篤人(アントラーズ)
駒野友一(ジュビロ)
中澤佑二(Fマリノス)
田中マルクス闘莉王(レッズ)
阿部勇樹(レッズ)
高木和道(エスパルス)
水本裕貴(サンガ)
長友佑都(FC東京)

MF
今野泰幸(FC東京)
稲本潤一(アイントラハト・フランクフルト/GER)
長谷部誠(VfLヴォルフスブルク)
中村憲剛(フロンターレ)
遠藤保仁(ガンバ)
松井大輔(サンテティエンヌ/FRA)
中村俊輔(セルティック・グラズゴー/SCO)

FW
玉田圭司(グランパス)
巻誠一郎(ジェフ)
佐藤寿人(サンフレッチェ)
田中達也(レッズ)
大黒将志(ヴェルディ)

最近代表のゲームを見逃したりと、「日常」に傾倒しがちな日々を送っておりましたが、最終予選ともなるとそうも言ってられません。失われたアジア諸国との差、長い移動や違いすぎる気候、迷いとブレが重なって進まない強化……絶対に簡単じゃない戦いになるはず。

とはいえ、少々現状の雰囲気には違和感も。日本サッカー界が斜陽とは言わないまでも、右肩上がりの成長が止まって、閉塞感を感じ始めている中で、代表チームへの興味であったり、熱というものが落ちていっているのも事実。ドイツでの敗北から、アジアカップの苦杯、続いた3次予選の「拙」戦、そして北京の失望……、民衆の期待を裏切り続ければその熱が失われたとしても致し方ない。事情を理解する人にとって見れば、横たわる現実であったり、エクスキューズであったりと、理解を示すべき事象もあるけれど、「メダル」が大好きで、お祭り的で煽動されやすい人種が多き国の民衆にとってみれば、失敗続きの現状に業を煮やし、離れていったとしても不思議じゃない。

ただ、それに加えてサッカーファンからも代表が見放されつつあるのも事実。共に歩むクラブとの日常生活に比重が置かれ、その分だけ非日常となる代表のプライオリティは落ちていく傾向の中で、成績が残らずプライドは地に落ち、「日常生活」に支障を与えるような影響(招集による出場不能はもとより、怪我や蓄積疲労、自信喪失、精神的消耗)が積み重なれば、ブルーのシャツに寄せられるものは熱い期待ではなく冷ややかな視線に変わってしまうのも無理はない。これも又現状として受け入れるべき事実。

民衆も、身内であるファンも、はたまたメディアも、代表に対しての熱が醒めつつある昨今、ここで又失敗するようだと、日本のサッカーは取り返しの付かないダメージを受けかねない。「サッカー」という大きなカテゴリの中で考えれば、日本サッカーの看板を背負うナショナルチームの影響力はまだまだ果てしなく大きいから。サッカーが好きな僕としてはそれは絶対に避けるべきだと思うし、日本が最終予選を通じて、強く逞しく予選を乗り越えることを望みたい。他人事じゃないんだよ。

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長々と書いたけれど、試合のこと何も触れてないや、試合の事を。中東の気候や知将ミラン・マチャラの緻密な分析と長年の経験によって導き出された戦略などに意識を裂きすぎて自壊した3次予選と同じ過ちを繰り返さないことが全て。そのためにも全てに置いてまず一本筋を通すべき。様々なエクスキューズ(気候、バーレーンの戦略、選手達のコンディション、チームの構築状況etc…)を念頭に置いた上で、どのようなサッカーをするのか。それを定めたら、それに沿ったゲームプラン、その方針に適するメンバー構成、徹底させるべき約束事、そこに整合性が欲しい。

個人的には相手のサッカーに「付き合わず」、自分たちのサッカーを貫くべきだと思う。ロスト後にきつくアプローチして良い状況で蹴らせない、闘莉王と佑二ならきっとはね返す、中盤がセカンドボールを拾って攻撃に繋げる、そして日本の才能とも言うべきMF陣と「意図的」に揃えたであろう地上戦に特化したアクティブなアタッカー陣が呼応することで相手ディフェンスを崩す。これが出来れば、優位にゲームを進められるはず。普段通りに継続して90分、というのは難しいからある程度コントロールする必要はあると思うけど、ね。ちなみに、逃げ腰になってロングボールを蹴り合うような展開は、本当にやめた方が良い。トップの選手達をいたずらに消耗させるだけだし、間延びして走行距離が伸びれば不利になるのは間違いなくアウェイチーム。そして、リスクを避け勝負を引き延ばしたところで、相手の土俵では相手も強い。

展開として、バーレーンは日本にボールを持たせてカウンターチャンスを狙う、自ずと日本のポゼッションの時間は増え陣形を整えたバーレーン守備陣を崩しにかかる……という形になるはず(ならなかったら、ラッキー)このような展開になったとしたら、キーとなるのはゴールを導き出す術とリスクマネジメント(カウンターケア)。正直、セットプレーでいい。崩してとか、流れの中で、とかそんな贅沢は言わない。ヤットと俊輔なら3本に1本は良いキックを蹴る、闘莉王と佑二ならそこらの選手には負けない。大きな武器であることは間違いない。セットプレーのゴールにとって最も重要なのは母数を増やすこと、アタッカーはアタッキングエリアに入ったら積極的に仕掛けて欲しいし、サイドバックには積極的に追い越してエンドライン際まで行って欲しいなと。その中でのリスクマネジメント。基礎的な事だけど、カウンターに繋がるようなロストをしないことが第一。横パスはもちろん、縦パスもタイミングと精度を大事に。仕掛ける選手は状況判断だけはしっかりと。スペースケア出来る選手がいない状況でのロストは危険。リスクマネジメントとして、必ず蹴ってくる選手に対してアプローチを掛ける。精度を奪う、遅らせる、そういう目的を持ってモラル高く。センターバックが対応出来る状況になればはね返せる、そのセカンドボールを中盤やサイドバックが拾ってマイボールにする。相手が狙って来るであろうサイドのスペースに出されたら、まずはボールのアプローチ、センターバックが引き出されてもいい、抜かれない、上げさせない。その代わりにボランチが一列落ちるなり、サイドバックが絞るなりして、中の枚数を必ず揃える。そして同じようにセカンドボールを拾う。集中力の欠如、サボりは即失点、これもきついだろうけど。個人的には阿部勇樹をボランチ起用して欲しい。

そして、最後に岡ちゃんへ。ひよらない、ぶれない、逃げない。監督がぶれたら、選手達は迷う。色々なアイデアとか理想を大きな風呂敷に拡げて迷ってるのかも知れないけど、とにかく試合の時だけはびしっと腹決めて、選手達を迷いがない状態でピッチに立たせてほしい。正直、今の岡ちゃんが「あの時」の岡ちゃんとだぶる……。2006年の夏、概念的な要素ばかりが口をつき、追いつめられ悲壮感ばかりが漂っていたあの時。でも、あの時はあの時、岡ちゃんがあの時よりも人間として、監督としてでかくなってるところを見せて欲しい。日本代表監督として相応しいのか問われるゲーム、きっちりと結果に繋げて欲しいな。最後にもう一度、ひよるな、ぶれるな、逃げるな!

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何だか、自分に言い聞かせてるみたいになってますが、それぐらい試合を見るのが怖かったりします。まー、なるようにしかならないし、全てがこのゲームで決まるわけではないけれど、このゲームに負けると悲観ムードが更に高まって、負の空気に包まれちゃう。景気よく、行って欲しいな。

ということでここまで。僕はそろそろ寝ます。

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