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August 24, 2008

新しい江戸の華に -東京ダービーに寄せて-

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小雨が降りしきる中、モヤがかかるスタジアムはカクテル光線に照らされ、幻想的な雰囲気すらあった。

しかし、ピッチではそんな雰囲気とは正反対の「戦闘」が繰り広げられる。剥き出しになる感情、激しくなる玉際、爆発寸前のテンションはゲームを過熱し、コントロールを失い欠けた。

これぞダービー。火事と喧嘩に変わる江戸の華、東京ダービーの歴史が積み上げられた気がした。

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*東京ダービー、見に行ってきましたー。やっぱり熱のあるゲームはいいなー。ナオと那須を見に行ったつもりがゲームの熱気に引き込まれて、存分に堪能しちゃってました。なんでも今シーズンはナビスコ含めてFC東京の3連勝、虐げられていたヴェルディの意地が見えたゲームだったのかな。決勝ゴールはいつか見た光景のようなロスタイムでの那須の直立不動(じゃないけど)ヘッド!那須のヘッドがもたらしたモノは最高の美酒とまずいやけ酒……ではなく、これから続くであろう因縁のダービーの記憶として両チームのサポーターに深く刻みつけたことなんじゃないかなーと。そう思うと、那須は凄い事したんじゃないかなーと、ちょっと嬉しくなったり。

*ちょっとだけふり返り。濡れたピッチの中でミスゲームの様相を呈した序盤を抜けてからは持ち味を出し合うようなオープンな展開。3人目を意識したスペースメイクとボールの動きを感じるFC東京の攻撃、ディエゴの推進力を核に大黒と飯尾の鋭敏な動き出しとダイレクトプレーで崩しに掛かるヴェルディの攻撃、互いに可能性を感じるようなプレーを見せる。成立のために高い難易度のプレーを必要とするヴェルディの方に呼吸の齟齬が出てミスが増えていたので苦しいかなーなんて思ったのだけど、そんなのはお構いなしにゲームが動く。カボレのスーパドライブーシュート!羽生の非常にクレバーな動き出しでヴェルディの痛いところを突き(ヴェルディの右サイドを担っていた和田・福西が二人とも前に掛かった所でボールを奪った瞬間、ケアするべき選手が不在となったスペースを見事にフリーランニングで活かした)、カボレが見事すぎる仕上げ、プロセスと結果、共に揃ったスーパーゴール。ホーム側大熱狂。これを見れただけでも今日の収穫、とすら思った。羽生の動き出しは素晴らしい。ずっと「ヴェルディだけには負けられない~」とやってたのが、かぼれかぼれそうかぼれ♪に変わった。

*その後はFC東京ペース、チームとしての総合力の差、勢い、流れすらFC東京に味方しているような感じだったのだけど(ディエゴが同じように距離のあるところから素晴らしいミドル!でも、ポスト……勝負を分けるとしたらここ?なんて事を思った)、富澤→レアンドロの交代策がリズムを変えたか。ディエゴ頼みの側面が非常に強い中でもう一人攻撃に絡めるプレーヤーが増えて幅が拡がる。そして大仕事、レアンドロが機を逃さないスルーパス、大黒が抜群の動き出しでラインを抜け出す、塩田の飛び出しを冷静に見据えて鼻先でチップキック!お見事。綺麗なスルーパスからのゴールって久々。大黒はストライカーらしいプレー。今度はアウェイ側が熱狂、再びホーム側は「ヴェルディだけには負けられない~」

*この後のゲーム展開は熱かった。長友の強烈なミドルがゴールに突き刺さるもオフサイド、その後もFC東京にとって神経を逆なでするようなレフェリングが続く中で、エメルソン→浅利、羽生→ナオと前半ムービングを生む、活かすプレーをしていた選手を次々と替えて個人とサイドを意識する形に。実際、カボレキレキレ、独力突破は強烈なインパクト。だけど、羽生、エメルソン共にもう少し引っ張っても良かった気が。対するヴェルディはとにかくディエゴディエゴディエゴ。楔の落とし先はディエゴ、ラストパスもディエゴから、彼が前を向いて何かをする、そこは徹底されてた。ディエゴも又簡単にロストはしないし、強いし、推進力のあるプレーで応えてた。そして、ロスタイム、CKと獲ってスポットに向かうディエゴがアウェイスタンドを煽る、ボルテージ上がってたアウェイスタンドは更にボリュームアップ、そしてそのCK、ディエゴ良いボール、那須マーク外した、叩きつけたー!……こんな事が起こるんだなー。出来すぎ。FC東京は天から地。これぞダービーというドラマティックな展開でした。

*正直言って、試合前はダービーっぽくないなーと思ったりもした。雨とはいえ1時間前に席についても回りに全然人がいなくて、選手出てきても多くの人はコンコースに引っ込んだまま。試合の直前に人が出てきて席は埋まったけどダービーなのに18000、寂しい数字……って思ったのは事実。でも、試合は違った。特に後半、主審がコントロールを失ったとはいえ、どんどん激しさを増して、つぶし合いのような様相を呈してきた時に、スタジアムも敵対心剥き出しになって、これぞダービーという雰囲気になっていた。やっぱりダービーはこういう感じだよね。絶対に負けられない、それがぶつかり合うとどうしても激しくなるし、抑えが効かなくなる。でも、その熱がダービーの華、東京の華なんじゃないかなーと。ゲームとしても(結果は置いておいて)非常エキサイティングで魅力的だったと思うし、こういうゲームを続けていくことによって、新時代は火事と喧嘩ではなく、「東京ダービーこそ江戸の華」と呼ばれる要になっていくんじゃないかなーと。面白いゲームでした。

*個人的に印象に残った選手(那須&ナオ以外)。FC東京側は羽生さん。ムービングフットボールの急先鋒、と言う感じかな。ファーストアクションが速く、そのアクションがスペースを生み、第3の動きを促して、流動的な攻撃を引き起こす。使われるアクションも良かったけど、回りの動きを見据えた上でのプレーも効果的。カボレが外を回って引きつけられたところで斜めにカットインして打ったシュートなどはその象徴。柔軟性に溢れ、城福サッカーの象徴であることを改めて示した。しつこいけど、城福さんはもう少し羽生を信頼して、引っ張るぐらいのことはした方が良いと思う。彼がピッチから消えてから、FC東京の質の低下は火を見るより明らかだった。

*ヴェルディ側はやはりディエゴ。フッキがいなくても、ディエゴがいる、と言っていいぐらいの大きな大きな存在感。常にプレーに絡んで消えず、ヴェルディの攻撃の核となり続けたプレーはまさに大黒柱。楔の落としを受け発揮される推進力、効果的な溜めから生み出すラストパス、そして強烈なパワーを放散するフィニッシュ、ピッチ上で唯一「潰せない」存在だった。あれだけ一人で攻撃をオーガナイズ出来たら、周囲は信頼してボールを預けるだろうし、出してくれるという信頼が攻撃を好転させるはず。しかもアクティブなところが良いね。てか、ディエゴ欲しい、くれよ、ディエゴ。

*那須、おめでとう!良いゴールだった!スタジアムを熱狂させたあのゴールは価値があるよ。で、少しうまくなったかな。うちにいるときより頼もしい感じがしたし、自信を持ってプレーしている感じがした。うちにいると跳ね返す力であったり、強さというのは勇蔵や佑二という比較対象もあってか物足りない感じはあったけど、粘り強く、良いポジションを取ることで対処出来ていたし、ヴェルディディフェンス陣の中では一番の安定度。後半ちょいちょいミスってたのはご愛敬か。何となくだけど、信頼を受け、責任を感じてプレーすることは那須にとって良かったのかも、こっちとしては寂しいけど。ま、もっとうまくなるよ。でもうちの試合の時は勘弁な。てか、今那須がいればなぁ……と思ったよ。

*ナオは髪伸びすぎ、というのは冗談として、なんだかつまんなかった。仕掛けないし、やりきらないし。相対する相手が常にオリジナルポジションを獲っていたこともあって、前にスペースがある状況で受けて味スタ熱狂(国立だけど)みたいなシーンが見れなかったのはしょうがないんだけど、足元で受けた時に常に回りを活かすことが先に出てた感じがしてならない。長友が良いタイミングで上がってきたというのもあるんだけど、ナオらしいプレーも見たかったかな。まー、展開に向かなかったと言うことなんだろう。

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正直、やっぱりちょっと羨ましい訳です。痺れるぐらい緊張する「絶対に負けられない」ゲームってそうないわけで、醍醐味の一つが失われている気がするわけですよ。優勝争いをしてたりすれば、緊張感は味わえるけど……現状では難しいし、プライドを賭けた一戦の味わいは又違う。そういう意味で味わえないのは残念かなーと。まー、クラブがああして銘打っちゃってるから大っぴらには言えないけど。

ま、とてもいいゲームで雨だけど見に行けて良かったと言うことです。でも本番は今日なんだな。剣が峰。ということでここまでー。

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2008 J.League Division1 第22節

FC東京 1-2 ヴェルディ @ 国立競技場「積み上げられた歴史」
FCTOKYO:28'カボレ Verdy:61'大黒将志 90'+2'那須大亮!

super soccer

FC東京スタメン:GK塩田仁史、DF長友佑都、茂庭照幸、佐原秀樹、金沢浄、MF今野泰幸、梶山陽平、羽生直剛(→78'石川直宏)、エメルソン(→63'浅利悟)、FWカボレ、赤嶺真吾

ヴェルディスタメン:GK土肥洋一、DF和田拓三、土屋征夫、那須大亮、服部年宏、MF菅原智、福西崇史(→73'福田健介)、富澤清太郎(→59'レアンドロ)、ディエゴ、FW飯尾一慶(→79'平本一樹)、大黒将志

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