« 僕のアイドルから、みんなのアイドルへ -齋藤学、トップデビューに寄せて- | Main | ワールドカップ最終予選開始に寄せて。 »

August 30, 2008

よかった@J1 第22節 Fマリノス vs コンサドーレ

この勝利が全ての苦難を取り去ってくれるわけではないし、未だ立たされている立場を思えば、安堵する余裕などないのかも知れない。

でも、ホイッスルの瞬間、心の底からほっとした。

眼下の敵を直接蹴落として危機から遠ざかったこと。

座り心地の悪い「16位」から離れることが出来たこと。

とにかく、よかった。

2008 J.League Division1 第22節

Fマリノス 1-0 コンサドーレ @ ニッパツ三ツ沢球技場「よかった」
F.Marinos:54'小宮山尊信!!!

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF小椋祥平"センターバック修行中"、中澤佑二、田中裕介、MF河合竜二"ベテランの味"、松田直樹"俺色"(→80'狩野健太)、田中隼磨、小宮山尊信"遅刻→坊主→贖罪のKoooooomiiiiiii!"、山瀬功治"閉塞を破るのはエース"、兵藤慎剛(→75'齋藤学"僕のアイドルから、みんなのアイドルへ")、FW坂田大輔(→86'大島秀夫)

コンサドーレスタメン:GK高木貴弘、DF平岡康裕(→74'鄭容臺)、箕輪義信、西澤淳二、坪内秀介、MF中山元気(→59'藤田征也)、西嶋弘之、芳賀博信(→67'砂川誠)、クライトン、FWダヴィ、アンデルソン

不安定な気候は横浜も例外にはしてくれないようで雨となってしまった夏休み最後のホームゲーム、三ツ沢。開門30分前、ここのところ来るたびに三ツ沢の列は長くなってるなー、なんて感じてたら、メインの方まで歩いて、更に折り返す、うお。とはいえ、少々寂しい客足か……残念。ホーム自由、アウェー自由と埋まっていたけど、SS/SBは埋まらないなー。

16位と18位、Fマリノスは入替戦圏内脱出のため、コンサドーレは自動降格圏を逃れるため、どちらにとっても重要度の非常に高いゲーム。そして、この一戦に向けて互いに特別な手を打つ。Fマリノスは、跳ね返す力の強いコンサドーレディフェンスの特徴を考え、大島を外して坂田を頂点に功治と兵藤で形成するアタッキングトライアングルに。むーびんぐ。そして、思いついちゃったのか河合・松田のダブルボランチという組み合わせ。外国人アタッカーの対策という側面が強いが、復調傾向の河合と松田のセンス、そして二人の守備における補完性の高さを活かすという意味で彼らの経験と力に期待。不安は当然運動量とトランジッション。対するコンサは、チームの核であるクライトンのポジションに注目が集まる中で獲られた策はクライトンのトップ下。後ろは4-3できっちりブロックを組み、カウンターから3枚のブラジリアンの力で打開という現実的な方策。まあ三浦さんらしい。

-----------------------

試合展開

互いに狙いを持ってゲームに入った中で、序盤押したのはコンサ。試合早々、小椋が軽率なミスをし、急造コンビとも言えるベテランボランチコンビが防波堤となりきれず、と不安を感じさせる守備陣がコンサの攻撃に対してアジャスト出来ず、クライトンが浮く、簡単にトップにボールが入る、そして怖い怖いダヴィが前を向いて仕掛けてくるという状況に晒される。

早々に苦しい時間を過ごすことになったFマリノスだったが、佑二を中心に我慢を重ねて失点を避けると、時間と共にようやく落ち着きが生まれて、ゲームをコントロール。ボランチコンビのボールさばきの傾向からしてテンポのある攻撃とはならないが、これまで苦しみ続けた三浦式ゾーンディフェンスに対して、アタッカーが前を掻き回し、それに呼応する形でサイドに散らしたり楔が入れたりとボールを動かしてディフェンスを揺さぶり、空いてくるスペースからばっこんばっこんミドルを狙う形を何度となく攻撃の形を成立させる。とはいえ、ミドルシュートは不安定な空模様同様あっちゃこっちゃに飛び交い、枠を捉えきれず。終了間際、コミーと功治が絡んで左を崩し、グラウンダーの折り返しに兵藤が前で潰れ、ファーまで流れたところに走り込んだ隼磨が右隅を狙ったシュートが最大の決定機だったが、これも枠を捉えきれず。結局スコアレスで折り返し。

後半に入り、ゲームが落ち着くと、Fマリノスの攻撃も閉塞感を伴うことに。我慢比べとなるような展開の中で、ディフェンス陣は集中を切らさず前に残るブラジリアンをきっちり捕まえて仕事をさせず。とはいえ、必要なのはゴール、その閉塞感を破ったのがここのところ不調を叫ばれていたNo.10。サイドから仕掛けられるタイミングを掴むと、抜群のボディバランスとコンタクトの強さで突破を計り、これが札幌ディフェンスの脅威に。少しずつ風穴が拡げ始めた中で、ようやく、待ち望んだ瞬間が訪れる。自らの突破&フィニッシュで得た右からのCK、これはディフェンスに弾かれるがリフレクションをコミーがピックアップしすると、そのまま右足強震!微妙にアウトに掛かった弾道は高木の判断を惑わし、ポジションのずれた場所ではボールに触れない!バーをかすめゴールが決まる!三ツ沢熱狂!コミーは堂々と両手を拡げる!群がるチームメイト、青々しくなったコミーの頭をはたいてはたいてはたいてと、歓喜の祝福。Kooooooooooooomi!!!

反撃に出たいコンサドーレだったが、Fマリノス守備陣は集中切らさず。点を獲ったコミーがゴール直後にバックパスをミスって、厳しいカウンター局面に追い込まれた時は完全に覚悟したが(裕介怒ってたね、それでいい)、ほとんど決定機を与えなかった。ハードマーク、そして押し上げの少なさにダヴィは苛立ち隠せず。ゲームリズムを明け渡さないFマリノスは、更に攻勢を強めようとベンチが動く。ウォーミングアップルームから駆け足で登ってくる学くん、リードがあり攻勢とはいえ、この緊迫したゲームにまだプロのピッチを経験していない選手を入れるのはいくら何でも……と思ったが、浩吉監督は迷わず最初のカードに学くんを選び、残り15分のところでピッチに送り出す。兵藤との交代でピッチに入る学くん、ファーストタッチは右サイドでボールを引き出し、とりあえず戻す。一度ボールに触って落ち着くと、自分らしさを発揮する。右サイドからディフェンスラインを横切るようにドリブル発進、シュートコースをを見いだして左足でシュート!ファーストシュートは学くんスペシャル。そして、次には決定的なチャンス、右サイドのグラウンダーのクロス、マイナス気味で後ろ向きで受けることになるが、柔らかいコントロールで自分のボールにすると反転しながら小さな振りで右隅へ………高木セーブ!惜しい!そして終了間際、カウンターから得意の高速ドリブルでボックス内に突入していくと併走していた大島へと虚を突くスイッチ的なヒールパスを流し、決定機を演出。追加点はならなかったモノの、受けに回りがちな残り数分の所で攻撃意識を保った積極的なプレーはゲームにとって意義のあるプレーだった。最終局面では、ガス欠となったマツに変わって入った狩野が不思議に、そして優雅にゲームをコントロールし、ロスタイムにはきっちりとサイドでボールキープ、ゲームをクローズする働きを全うし勝ち点3を確定させた、ホイッスル。この勝利で磐田を抜いて15位に昇り、ようやく降格圏を抜けた。

-----------------------

とにかくよかった。

この試合はなにがなんでもものにしなきゃいけなかった。「16位」という順位が選手達の精神に支障を来してからじゃ遅い、「降格」という文字に恐れを抱いてからじゃ遅い、だからこそこの試合は絶対にものにしなきゃいけなかった。

だから、この試合で勝ててよかった。自動降格圏から大きく遠ざった、入替戦圏内からも脱出できた、その事実がこのゲームで勝った意義をよく表している。だからとにかくよかった。

そして、学くんデビュー!これもよかった、心から。

-----------------------

*正直言って、不安でしたよ?天敵・三浦俊也のチームに2連勝なんて大それた事が出来るのか、とか、エルゴラで煽られてたアンデルソン凄かったらどうしよう、とか、佑二・勇蔵でも苦労してたダヴィを小椋で止めれんのか、とか、おっさんボランチコンビの運動量と意欲、とか、そもそも点獲れんのか、とか、先制点獲られたらどうしよう、とか………もう色々考えて頭の中バターになりそうでしたから。

*まー、こういうゲームは勝つことが全てで内容云々を求めるのは野暮かなーと思ったりします。結果が全て。とはいえ、何も言わないんだったらこのエントリ書く必要が……ということでひとつだけ。相手の守備の崩し方。自ら少し緩めてくれたけど、三浦式ゾーンに対して結局ミドルシュート一発のみに終わったこと。そこに対して問題意識を持たないと、同系統の相手に必ず苦しむことになる。てか、大宮に勝てない大きな原因としてもここにある。

*現状に置いてはバカ正直に、力任せに、というのが素直な印象。独力打開、2~3人の関係でのコンビネーションによるサイドの突破、サイドに引きつけ空いたバイタルからのミドルシュート、主なパターンとしてはこの二つ。時折テンポのあるパス交換があったりはしたものの、基本的には閉塞気味で、相手のゾーンを揺さぶるには至らなかった。でも、もしアイデアや工夫があれば、この試合の札幌のディフェンスラインなら崩せたというのが僕の感覚。デコイランなどが絡んで、一人が受け持つゾーンに二人の攻撃者が入ると必ず一人浮く、傾向としてランニングの方に付いていき、出来れば受け渡しをするという感じだけど、その受け渡しが非常にルーズで、よくディフェンスラインの合間にぽっかりフリーみたいな選手が出てきていた。試合を見てると、連動した動きであったり、アイデアを含む攻撃練習をしているとはあんまり思えないので、どうしても即興的になるのは仕方ないけれど、ディフェンスラインにアタッカーがべったりと張り付いて高さのギャップがなかったり、アタッカー同士でグループとして崩す志向を持っていなかったりする部分は、改善の必要があると思う。兵藤は気付いてたのかなぁ、ダイヤゴナルランが有効だったことを……何度かやっていたのだけど……もったいない。

*何でこういうディティール的な話をしたかというのは、次の試合をもう見た後なので。相手が受けを意識してくるチームというのは難しいねぇ。ま、細かくは大宮戦にて。

*そしておっさんボランチコンビ。及第点、そして問題点という感じかな。守備における玉際での強さ含めたボール奪取力、センターバックのカバー含めた互換性、守備に置いてはかなり良かった。最初はポジショニングがふわふわしてたから酷かったけどね。ただ、攻撃面だね。ボールは動かせる、二人とも動かすのは下手じゃない。ただ、テンポが非常に遅い。実際、無為なロストを避ける、という意味もあると思うし、ゲームをコントロールするという側面から考えれば出来ているということになるんだけど、もっとテンポを上げるべき時もあると思うし、カウンターへの移行チャンスなど速く攻める時のメリハリが欲しい。それと運動量ね。自ら走る、と言うプレーが少なすぎて、切り替えが遅い。そして、ガス欠が速い。この辺は個人の問題。功罪は表裏一体、って感じかな。

*選手評は、コミー!!!遅刻して坊主(&罰金)の洗礼を浴びた後のゲームで気合いが入っていたのか、左サイドはキーエリアに。仕掛け含めてプレーは切れていたと思うし、積極性もあった。多少切り替えと集中力に難はあった気がするけど、まーね、あのミドルが決まればね。うん。これぞ値千金!「仕事の出来るハゲ」ほど格好いいハゲはいない。でもさわやかコミーに戻って欲しい自分がいる。

*後は佑二かなー。この日も安定、ダヴィに振り回される裕介と小椋をよくフォローして前半のきつい時間を乗り越えてくれた。基本的にミスが減ってきて集中力が高まっている印象。プッシュアップして、インターセプトして、と言うプレーが出来てるし、コンディションは良さそうだね。代表で崩れないと良いけど。

-----------------------

とにかくよかった……、まー、次の試合を見ちゃってるから、浮かれてもないわけですが。はいつぎー。

|

« 僕のアイドルから、みんなのアイドルへ -齋藤学、トップデビューに寄せて- | Main | ワールドカップ最終予選開始に寄せて。 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/42324498

Listed below are links to weblogs that reference よかった@J1 第22節 Fマリノス vs コンサドーレ:

« 僕のアイドルから、みんなのアイドルへ -齋藤学、トップデビューに寄せて- | Main | ワールドカップ最終予選開始に寄せて。 »