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July 26, 2008

もがくしかない@J1 第18節 Fマリノス - アントラーズ

これが王者の力なのか、それともまとわりついて離れない負の力なのか……。

やることなすことうまくいかないけれど、それでも、それでも、前を向くしかない、もがくしかない。

苦しいけれど、それが僕らの進む道。

2008 J.League Division1 第18節

Fマリノス 0-2 アントラーズ @ 日産スタジアム「もがくしかない」
Antlers:11'マルキーニョス 29'興梠慎三

SuperSoocer

Fマリノススタメン:GK秋元陽太、DF松田直樹"魂の攻撃、軽い守備"、中澤佑二、河合竜二"悲しいブランク"、MF田中隼磨"やりきれ、思いっきり!"、兵藤慎剛"あと一歩"、長谷川アーリアジャスール"ひとつひとつを積み重ねて"、山瀬幸宏(→69'金井貢史"Debut!")、山瀬功治"足りない物はエースとしてのエゴ"、水沼宏太"A契約の責任"(→61'清水範久)、FW坂田大輔(→76'大島秀夫)

アントラーズスタメン:GK曽ヶ端準、DF内田篤人、岩政大樹、中田浩二"スタメン復帰"(→85'大岩剛)、新井場徹、MF青木剛、小笠原満男"うちには彼が足りない……"、本山雅志(→83'中後雅喜)、ダニーロ(→65'マルシーニョ)、FWマルキーニョス"もうブラジル帰れ!"、興梠慎三"カウンターマジック"

選手構成

Fマリノスはロニロペをメンバーから外し、純日本産のメンバーに。又もドラスティックな変更……。コミーが怪我のためにメンバーを外れたことなど多少プラン通りとはならなかったみたいだが、アーリアが兵藤とコンビを組んでボランチでスタメン、幸宏の左ウイングバック、坂田の1トップなど、目新しさ一杯。神戸戦で絶望的なる機能不全に陥った3-4-2-1システムを継続したことの是非が問われる。

対する鹿島は、表向き疲労蓄積のため大岩をスタメンから外し、中田浩二が復帰後初スタメンでセンターバック。又、不調を囲う野沢や田代がベンチに、ダニーロ、興梠がスタメンに入る形。前節の敗戦のショックを振り払うと言う意味も込めてか、多少メンバーを入れ替えてきたか。新外国人マルシーニョがベンチ入り。

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試合展開

戦術的にも個人能力でも劣勢が予測される鹿島との中盤の争いを避けるように、スペースへのロングボールを多用するプランを携えてゲームに入ったFマリノス。1トップに入った坂田がスペースに流れてボールを引き出したり、又相手がはね返すセカンドボールを分厚い構成となった中盤が拾うことで、陣形を整いきらない鹿島守備陣の間隙を突く狙い。功治のファーストシュートに続き、隼磨がドリブルで中に切れ込み曽ヶ端を慌てさせるミドルシュートを放つなど、その狙いは嵌っていたかに思われた。

しかし、そのゲームプランはいとも簡単に王者の力の前に崩れ去る。中盤での鍔迫り合で後塵を拝すと、ボールはマルキーニョスへ。かなり距離のあるところからだったが前を向くと右足強震。ボールは無回転のまま右ポストに一直線、秋元は虚を突かれたかこのロングシュートに触れずポストに当たってゴールイン。もの凄いシュート……果てしなく運がない。もちろん、マルキへの警戒がルーズになっていた報いではあるが、あの距離で……。

これで一気に空気が変わり、ゲームは鹿島のモノへ。守備組織が整備されていないFマリノスは受けに回ると後手後手となり、ボックス内にまで押し込まれてしまったりと、前掛かりに行きたいはずがなかなか攻勢に出れず。ロングボールを使うゲームプランも後ろに体重を掛けられたことでセカンドボールが拾えなくなり、きっちりとビルドアップせざるを得ない状況に。そして、そのビルドアップ時のミスが自分たちの首を絞める。

プレッシャーを掛けられたアーリアの河合への横パスがズレ、これが帰陣していた興梠にカットされると、一気に鹿島はカウンターに移行。左サイドマルキに展開、パスを出した興梠は一気にボックス内へ。リターンとなる優しいパスを受けた興梠は、背後に迫る河合をうまく腰を使ってターン、これで完全にいなすとそのまま空いたファーサイドへ流し込み追加点。アーリアのパスは余りに軽率だった、残念ながら。隙を逃さない鹿島の力、これが王者の力なのか……。

このアドバンテージを得ると、鹿島は粛々とゲームを進めることに移行。4-4のブロックを低いゾーンに敷き、攻撃は3バックの横に拡がるスペースに起点を作ってのカウンター。チームとしての完成度なのか、こういうゲームコントロールをきっちり出来るチームというのは強いはずだ……。しかし、その固められた守備に対して果敢に動く若い選手がチャンスを迎える。左ウイングバックで余り持ち味を出し切れていなかった幸宏のふんわり系のクロスがステップバックしてフリーになった兵藤にどんぴしゃり、兵藤はこのボールを胸で収めると、飛び出してくる曽ヶ端の肩口を抜くフィニッシュ!しかし、トラップ後の身体が後ろに倒れ気味の体勢ではボールを抑えることは出来ず、うーん……惜しい!結局前半のうちにビハインドを縮める事は出来なかった。

後半に入っても、ゲームの趨勢は動かない。ボールを「持たされる」Fマリノス、待ち受ける鹿島、そしてゲームも動かない。かなり前掛かりになり、押し込めていくモノのディティールの足りない攻撃ではなかなか鹿島の守備陣は崩れない。チャンスとなったのは功治の突破、良いタイミングで上がってきた隼磨をうまく使えたときぐらい(隼磨はやりきれずに中途半端になったが)次を作る次を見越したスペースメイクの動き、マークを剥がすようなパス交換など、そして動き直しという動きがないため、徐々に手詰まりになっていくというのは依然と変わらず……。

しかし、その中でベンチが動き、左のウイングバックとして幸宏に代わってピッチに入った金井が自らのセンスを発揮。公式戦初出場、しかも練習では余り試されていないポジションにも関わらず、うわずったような所は見られず。良いタイミングで駆け上がりボディフェイクを交えて右足で良質のクロスを供給したことを皮切りに、起点となって左サイドの攻撃を活性化。元々持ち味はその身体能力とセンスを生かしたディフェンスであり、独力打開という面では余り期待出来ないかなと思ったけれど、周囲のバックアップを得ながら、彼自身もそのセンスを発揮したと言えるか。しかし、それでもゴールは遠い。

最終局面、この閉塞感を突き破ってやるという気迫を全面に押し出した松田がポジションを崩してどんどん前に攻め上がる。最後の抵抗。功治の微妙なボールレシーブアクションを見逃さなかった松田の鋭いスルーパス、功治うまくボールを収めると同時にディフェンスラインを抜け出すと曽ヶ端との1vs1!しかし、曽ヶ端の飛び出しに阻まれてゴールならず。功治が左サイド突破からグラウンダーのクロス、スルスルっと抜けてボックス内に進入してきていた松田に通るもダイレクトシュートはこれまた曽ヶ端に阻まれる。エースと象徴の抵抗でさえゴールに届かず、結局完封負け。再開後まだ功治の直接FK1発、攻撃陣の沈黙は未だに続く。鹿島は中田浩二のフィット度を測りながら「格下」をきっちりと裁き、再び首位奪還。次節、首位攻防戦。

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この日のゲームプランは決して間違いではなかったと思ってる。

チームとしての完成度も、個人としての質も、メンタル的に携えている自信の量も、全てに置いて開きがある中で、真っ向勝負を挑んでも勝算は限りなく低かった。その中で割り切って勝負を挑んだことは正しい判断だったはず。

ただ、フットボールはゲームプランだけで勝負を決まる程浅くない。常態化してしまった悪しきディティールも、組織としての体を成していない守備組織も、甘さが常に残るプレーへの姿勢も……王者相手に勝利を得れる程のクオリティがあったとは思えない。

正直言って、問題の根は深く、八方塞がりの状況、泥沼だ。でも、その泥沼から這い出すためには一つ一つの問題を整理し、解決していくしかないと思う。泥臭かろうと、苦しかろうと、這い出すために必死でもがかない限り、泥沼は抜け出せない。

だったら、もがくしかない。泥にまみれても、心が折れそうになっても、もがくしかない。

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*「俺はまだ2連敗だから」という強気の木村監督ですが、僕はとりあえず7月まで静観。とりあえず木村監督が何をしたいのか、どういう事を考えているのかというのが全然見えてこないし、今やっていることはメンバーを入れ替えて競争意識を煽り、光明なきチームに火を入れることぐらいだと思うので、FC東京戦が終わってある程度時間を取った後にどのようなことを表現するのかというのが見てみたいかなと。とはいえ、かなりドラスティックに変えていくので、選手達に戸惑いがでているのも事実。チームのベクトルが定まっておらず、芯が通っていない状況でメンバーをがちゃがちゃ入れ替えればそりゃ戸惑う部分も出てくる。とはいえ、今できることは起用された選手達に頑張ってもらうことだけ。それで良いのか……という感じもするけど、実際そうなんだからしょうがない。周囲とコミュニケーションを取りながら、やりたいことを整理して、思い切ってやる、ってことぐらいかな。もちろん今日も。

*これは以前から思うことなんだけど、このチームはターゲットを定め、同じ方向を向き、テンションのあったときは強い。そういう意味で監督がやらなければならないことは、選手達の適性に見定めた上で戦術的なベクトルをきっちりと定め、その上でそれに必要なディティールを一つ一つ整備していくこと。高度なことは時間的な余裕、今の選手達の戦術理解力的には難しいと言うことも加味すれば、本当にシンプルなタスクを与えるのが吉のような気もする。それこそ、去年のサッカーでも………。坂田・オーシの2トップ、功治トップ下、右に兵藤(ジロー)、左に幸宏(走力強化版)、ボランチに河合(小椋)、右サイドバック隼磨、左コミー、センターバックは佑二と勇蔵、GKはどっちでもいいや、僕は哲也が良い。蓄積・共有している部分もあると思うし、感覚的にも勘さえ取り戻せればある程度の機能性は取り戻せるはず……まあそう簡単じゃないか……。練習もしてないし、追い込み方や全体のアグレッシブなプレー姿勢、ハードワークに置ける選手達のモラルを維持することも簡単な事じゃない。今やぬるま湯に浸ってぼけてるしね。

*って、試合のこと。ゲームプランはさておき、守備に関しても攻撃に関しても、まだまだピッチの中で迷いがある気がする。引くなら引く、行くなら行く、それを徹底することから始めないといつまで経っても中途半端なままになってしまう気もする。まー、そう単純なモノじゃないんだけど、そっちの方がはっきりしてて良いような気が。「攻めさせられているのに」後半内容が良かったとか又言っているのは凄い嫌なんだけど、攻めるしかないという吹っ切れた部分があると選手達もある程度吹っ切れていいパフォーマンスが出来ると思うので……監督の仕事は選手達に迷いのない状況でピッチに立たせてあげること……。

*後は気になることメモ。守備面、トップを簡単に離してしまうこと。せっかくの3バックの利点が出てない。チャレンジ&カバー。裕介や勇蔵の時はなんだかんだいって出来てたけど、この3人だとどうも出来てなくて、トップに起点を作られてる。それとカバーエリアが狭く、3人で50mをカバーし切れてない。ストッパーとしてはマツも河合も現状は厳しい。現状なら4枚の方が良いのかも。

*中盤、前に入って入りっぱなしはだめ、蓋になるだけ、行くのは良いけど出てこなかったら必ず動き直せ。中途半端でアリバイ的なランニングならやらない方がいい。やるなら俺に来いぐらいの気持ちが伴わないとデコイにならん。中盤パック出来るところはきっちり獲りきる。その際、周囲の選手はサボらず回りの選択肢を消す、当たり前のこと。その際のスライド、一番外は捨てて良いから、バイタル空けるな。

*アタッカーはとにかく連動連動連動、先を見越して動いていく、正直チームとしての約束事がないから個人の感覚しかないけど、とにかくやるべきことやる。ポスト&サポート、スペースメイク&ユーズ、ドリブル突破に伴うサポート、サイドに出たらニアとファーと浅い位置ぐらいにポジション、当たり前のことだけど、嵌れば一発ぐらい出るかも知れない。1トップか2トップかは今のところ難しいかなー。ただ、アタッキングエリアで能動的に崩すより、ショートカウンター的に中盤厚めでセカンド拾って攻めきる方がよさげ。

*総じて、何とかグループとして、何とかチームとして協調して一つの方向を向いてサッカーして欲しい。祈・バーベキュー効果。

*選手評。アーリア。アーリア、やっちゃったなー。失点に繋がったミスはもうどうしようもない……ミス云々は仕方ないのだけど、もの凄い難易度の高い選択を選んでしまっていて、それがミスに繋がってるという気がしなくもない。凄い綺麗なグラウンダーのパスを出せるし、ダイレクトも上手(うちで一番かも知れない、綺麗に速いパスが出せる)、センスもあると思うけど、過信になっちゃってる気もする。もちろん状況にもよるけど、周囲を簡単に使うことで伏線を作って、相手をずらすなり、警戒を削ぐなり、という工夫が欲しい。今は自分のパスの質を信じすぎて遊びがなく、力押しに走りすぎ。クリエイティブなパスは相手の逆を、虚を突いてこそ、そのための伏線は必要。プレーセレクトもっとシンプル、判断スピード速く、オフ・ザ・ボールの動きの時はやりきる(途中でやめない)、守備時の足を出すだけの守備はだめ。とにかく、まだまだ発展途上、でも焦らない。冷静に、冷静に。

*金井デビューおめ!そして良かった!最初のプレーがいきなりスクランブルかつダイナミックに中に切れ込んでスルーパスを引き出そうとする思い切り!あれで吹っ切れたのか緊張感もなく出来ていたね。左サイドのプレーもなかなか、上がるタイミングと持ったときの落ち着き、ある程度周囲が気を遣って早めにサポートに来てくれたこともあるけど、周囲と絡んでで良いプレーが沢山あった。出来ることをやりきる、という事はかなり大事。他の若い選手達もまず自分の出来ることをやりきることから始めたらいいのかも知れない。

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はい、まー、次ですな、失った勝ち点は戻らないし。又どうなるかわからないけど、とにかく願うことはただ一つですよ。

ということで、ここまで。味スタ行ってくる。

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*鹿島強かったなぁ……。中盤飛ばすことで機能性・連動性備えるプレッシングという武器を消したかと思ったけど、一発の飛び道具でアドバンテージを握り、良い奪い方から2トップだけで崩しきって追加点、完全に戦い方切り替えて最後まで集中切らさず完封。派手さはないけど、盤石。ゲームの状況を捉えて自主的にゲームプランを切り替えられる戦術的柔軟性の高さは間違いなくJ最高峰。選手間での共有・徹底も素晴らしい。ゾーンの機能性としては多少緩かった感もあるけど、中田・小笠原・青木の気の利いたスペースを潰す動きでケア。奪った後のカウンターの切り替えの速さ・連動性(サイド、少し低い位置に降りてくるマルキを捉えて高い精度のパスで使い、起点作って押し上げる)は目に付いた。サボる選手がいないし、チームとして正常に機能している証拠かな。強い。うん。

*何でも今日はタオマフ使って応援するらしいので、これから出発する人はタオマフを何本か持っていくと良いらしいですよ。

*ユース負けちゃった(´・ω・`)

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