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June 01, 2008

キリンカップを見て思うこと。

チームらしくなってきた。これが素直な感想。

ということで遅いですが、キリンカップを見て感じたこと、まとめー。

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Kirin Cup 2008 -All for 2010-

Day2/Japan 1-0 Cote d'Ivoire @ Toyata Stadium,AICHI
JAPAN:21'K.Tamada

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Day3/Japan 0-0 Paraguay @ Saitama Stadium 2002,SAITAMA

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ふたつの顔とひとつの共通項

コートジボワール戦で見せた縦に勢いのあるアグレッシブなサッカー、パラグアイ戦で見せたハイレベルなポゼッションサッカー、メンバー構成が大きく変わった二つのゲームで日本代表は異なるプレーをして見せた。出場していたタレントの指向性の問題、パラグアイとコートジボワールのプレースタイルの違いとしての相対的な問題もあるとはいえ、これだけの違いが出ると言うことは、まだまだチームとしての方向性が定まりきっていない、又個々の考え方にバラツキがあり、狙いを共有したり、個々が持つ武器を活かすには至っていないことが感じられた。

しかし、チームにきっちりと浸透した要素も見られた。それがボールロスト後の速い切り替えからファーストアプローチに行くディフェンス。相手が攻撃の移ろうとするところに素早く本気度の高いアプローチを掛けていくことで、相手の攻撃の第一歩目を制御し、カウンターに対するリスクをマネジメントして危機的な状況に陥ることを避ける。又、プレッシングの始動点として、一つのアプローチをスイッチに周囲が連動していくことで組織的に追い込んで相手のボールを奪える状況を作り出す。好例としてあげられるのが、パラグアイ戦で見られた鈴木啓太のオリジナルポジションを捨てて敵陣奥深くで仕掛けたファーストアプローチ。本来であればオリジナルポジションに戻り、スペースを埋めることに重きを置く役割を負う彼が、敵陣奥深くのポイントながら素早く反応して厳しく速いアプローチをボールホルダーに掛けにいき、流れを切った。一見、なんて事はないシーンだったが、このプレーが持つ意義は小さくなく(相手のカウンターチャンスを切り、バランスを整える時間を与えた)、チームとしてのコンセプトを感じさせた1シーンに見えた。

攻撃に置ける見えた二つの顔は残り少ない期間ですり合わせていくことが求められるが、守備から再構築を目指そうとする岡田監督の施術は、着実な成果をもたらしており、選手達もモラル高く取り組んでおり、チームとして共通理解としてのベクトルを生んでいる。失意のバーレーン戦から考えれば、一歩前進と言えるのではないだろうか。

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噛み合わない二人の救世主

方や、柔らかいボールタッチから繰り出されるドリブルと前衛的なアイデアを武器に自らの力で局面を切り開き、リーグ・アンでのステップアップを勝ち取ったアタッカー。

方や、天性の左足とゲームコントロール能力を携えスコティッシュプレミア王者へ導き、そして欧州最高峰の舞台でも足跡を残したパサー。

松井大輔と中村俊輔、二人の天才の合流が特に攻撃に置いて悩みを抱える日本代表にとって一筋の光になる。岡田監督は間違いなくそんなことを期待して、彼らを呼び戻したのだと思う。そして、その片鱗は少なからず示された。松井大輔は、らしいファンタジックなワンタッチパスやターン、そしてアグレッシブなドリブルは、自己主張の強い選手の揃うリーグで戦い抜けるだけの強い意思を感じさせ、中村俊輔も、ゲームを俯瞰的に捉えてミスなくコントロールしながらも、超高精度の左足で得点機会を作り出した。

間違いなく、この二人が噛み合えば、この苦境を乗り越えてられる。とはいえ、その「噛み合えば」ここに大きな問題があるように見えてしまった。それは二人が持つ根本的な「ベクトル」の違い……。

松井大輔はロストの危険性を背負ってでも、仕掛けられるところでは躊躇なく仕掛けて、相手の守備陣を突き崩すという意思を強く持っている。それは、彼の持ち味でもあるし、彼自身もそこを譲るつもりはないだろう。しかし、中村俊輔は仕掛けるアクションを全て否定こそしないモノの、展開に応じてサイドチェンジであったり、ボールの動きとパスの流れが連動することで崩すことに光を見いだそうとしている。このプレーに置ける指向性の決定的な違いが、プレーの中で齟齬となって表れてしまっているのが現状だ。

結論から言ってしまえば、どちらも正解ではあるし、両方とも必要になる。プレーを構築していく上では、無闇なロストを避け、相手を揺さぶって突破出来る箇所を作り出していく事の方が効率的、ましてや結果だけが求められる中で大きなリスクを負うことは決して得策ではない。しかし、薄いところを作り出そうと、最後の最後に必要となるのはゴール。そのゴールを導き出すために、連動性やコンビネーションだけで充分かと言ったら、決して確率が高いとは言えないのは前例(昨年のアジアカップやパラグアイ戦の前半)を通してわかっているはず。そう考えれば、ある程度強引な個に依る独力打開という選択肢に懸ける事も必要になる。チームコンセプトであるファーストアプローチに激しく行く事でもたらされると予測されるショートカウンターのチャンスに置いても、個人での打開が問われるシーンは来るはず。チームコンセプトとしても、こういったプレーも又排除されるべきではない。

時間的に余裕があれば、練習や試合を重ねていくことで互いの指向性を理解し、最良のバランスを探すことは可能だと思うが、いかんせん時間がない。その中で、海外で成功者として帰ってきた自負がある二人が短い時間で分かり合えるのか、落としどころを見つけ出せるのかといった部分は非常に不安でもある。

間違いなく、この3次予選でキーとなるのは「いかにゴールを獲るのか」という事に掛かってくる。二人の救世主の「調和」がどこまで進んだのか、その成果によって日本の行く末は掛かっているような気がしてならない。

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必要なる「陣地回復」のススメ

相手の猛攻によって自陣に押し込まれると、攻撃構築の機能性は一気に落ち、流れを絶つことが出来ずに劣勢をはね返せない。言うなれば「劣勢無限ループ状態」。A代表だけでなく、各年代の代表でもよく見られることだが、多分に漏れずこのキリンカップでもそんなシーンが見られてしまった。

守備の概念が浸透してきたこともあってこの2戦は何とか無失点に凌いだが、相手の猛攻を受け続けることは非常にリスクがあり、事実かなり危ないシーンも散見された。その結果に甘んじていても意味がない、見えてきた課題に関しては改善のために尽力する必要が出てくるのではないのかなと。

必要なことを書けばきりはないのだけど(セーフティファーストの一段上を行く「次に繋がる」クリア、ファーストアプローチをいなす技術、動じない精神力、より速い動き出し、ロングボールが繋がった後のサポートを実現する機動力、繋ぐ意思、冷静な状況判断……etc)、出来ることと言えば、切り替えの意識の向上や冷静な状況判断というシンプルな意識的な部分かも知れない。奪った後、パスレシーバーとなるために、ロングフィードのはいる選手へのサポートのために、目的意識を持ちながら、素早く切り替えて長い距離を走れば、攻撃に繋げて一時的に相手を押し返す事が可能になる。冷静な状況判断が出来れば、状況によっては無為なクリアではなく、次を考えた選択も出来るはず。

結果が全てのゲームに置いて、リスキーなセレクトは限りなく少ない方が良いとは思う。守り倒せるのであれば、それが一番正しいセレクトと言えるのかも知れない。とはいえ、攻められ続けることも又リスキーであり、何が起こるかわからない。無限ループは極めて危険、そして何より相手の攻撃を増長させる。今は必要ないかも知れないが、今後を見据えた上では守勢に回った状況の中でも、攻撃を成立させる方法を見いだすという課題に取り組んで欲しい。

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*と言うことでチームを見てのテーマ3つでしたー。どうでしょうかー。今後を見据えた上で……とか書いてますが、勝たないと先はないので、その辺は危機感が足りないですな。で、個人の部分は簡単に。前・中・後。

*前、高原がコンディション不良でクラブに戻る、嘉人が風邪、巻も怪我明け……と気になるところだけど、玉ちゃんの調子が良さそうなことは朗報かな。技術的には問題のない選手だし、キレがあれば、彼はそう簡単に止めれる選手じゃない。コートジボワール戦のゴールも嘉人のデコイ含めて素晴らしかった。中盤でかなり組み立てられることを考えれば、よりセルフィッシュに相手を崩すこと、点を獲ることに集中してもらいたいところ。アタッキングエリアでのプレーと言えばいいかな。それは他の選手でも同じ事。巻・功治の縦関係がもの凄い悪かった(巻は動きすぎて本来のポジションにいない、ターゲットの役割を果たせなかった。功治も下がりすぎて巻を孤立させてしまった。功治は自らの能力を発揮するには絶好の機会だと思ったけど、慣れてなかったかな。中盤の仕事ではなく、アタッカーの仕事だけやってるというのはクラブとは正反対だもんねぇ。ごめんねぇ)事を考えれば、2トップが良いような気がする。高原早くコンディション整えて帰ってこい。

*中、誰と誰を組み合わせるかが、ポイントかな。まー、パフォーマンスを見ただけで並べるとしたら、右から俊輔、長谷部、啓太、松井なんだけど、憲剛は入った方が良いね、ゲームを作る選手として。ヤットまで入るとポゼッションが強調されすぎて、直接的な脅威が減るから、一人は仕掛けられる選手の方が良いかな。ヤットはあんまり調子良いように見えないし。まー、これはさじ加減次第。個人で見ると、長谷部の変貌ぶりに驚き。より強くなって、より戦えるようになった。技術は元々しっかりしてるし、推進力もある。レジスタと言うより、セントラル、と言う感じで個人的に非常に見てみたい選手。長谷部の推進力は3つ目のファクターとして書いた「劣勢無限ループ」脱却のポイントになるかなーなんて事は考えた。あとは、啓太の出来がそれなりに良かったことに一安心。今ちゃんも隙だけど、色々な側面(闘莉王のカバー、広いケアエリア、繋ぎなど)を考えるとやっぱり啓太がいい。最近雰囲気までガットゥーゾになってきた……。

*後、なんといっても長友、ということになるのかな。アグレッシブなプレー姿勢はチームの武器となり得るし、守備もいい。身体強くて、1vs1が粘り強い。万能で、働き蜂、求めてタイプと言えるのかも。あれだけ前に出させてもらえるなら、うちのコミーや安田辺りでも面白いかな?と一瞬思ったけど、彼の良さは良いタイミングで走れる、しかもダイナミックに。コミーや安田は足元で受けたがるからタイプが違う。大きなヒットだね。それと寺田、本職とは違うストッパーとして少々怪しいところがあったけど、破綻は見られなかった。インターセプトへの意識の高さ、そしてその後の繋ぎの質はとても良かった。繋ぎの質という面だけを捉えれば佑二よりも上。闘莉王2枚という感じは面白い(岡ちゃんは嫌がりそうだけど)初出場と言うことを考えれば、精神的にもタフということかな。闘莉王の怪我が試合中一番心配だったけど、今のところ大丈夫なのかな?何とか今月までは耐えてもらいたい。右は……阿部ちゃんしかないかー。

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とにもかくにも全てはワールドカップ予選のために、うん。日産のゲームは見に行く。とうことでここまでー。

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*ナビスコは何とか引き分けー。ユッキキャノン凄かったー!勇蔵FKもついにキター!生で見たかったー!前半は選手コメントを見ても駄目駄目だったのかな……内容はどうだったんだろう?

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