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May 27, 2008

航路なきポゼッション@J.League YamazakiNABISCO Cup GroupLeague Fマリノス vs アルビレックス

迷子の迷子のFマリノス、今後の行く先どこですか♪

2008 J.League YamzakiNABISCO Cup GroupStage

Matchday4/Fマリノス 0-0 アルビレックス @ ニッパツ三ツ沢球技場「航路なきポゼッション」

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF栗原勇蔵"そろそろ……そろそろ……"、松田直樹、河合竜二"お帰りカピタン"、MF長谷川アーリアジャスール"自信失っちゃダメだ"(→57'小宮山尊信)、兵藤慎剛、田中隼磨、清水範久(→86'山瀬幸宏)、水沼宏太"もっと前で、もっとアタッカーとして"、FWロニー、坂田大輔(→82'大島秀夫)

アルビレックススタメン:GK北野貴之、DF内田潤、千代反田充、永田充、松尾直人、MF千葉和彦、本間勲、寺川能人(→57'田中亜土夢)、松下年宏、FWマルシオ・リシャルデス、河原和寿(→71'川又堅碁/→82'→長谷部彩翔)

雨の予報もありながら、何とか午前中に雨も止んだ三ツ沢。蒸し暑いけど、降らなくて良かった。選手入場時にマスゲーム、三ツ沢がトリコロールに染まる。後は、この思いに選手達がピッチで答えるだけ。

そんなゲームのスタメン、Fマリノスは代表で佑二・功治・裕介が不在の中で、メンバー構成も大きく変化。これまでアンカーとして踏ん張ってきたマツが本職バックライン中央に、復帰したカピタン河合がバックライン左に(これもどうかと思うんだけどね、現段階で最もバランスを取りながら裁ける選手を無駄に使ってる気がするよ、田代もいるのに)、マツが下がったことで空いたボランチの位置に兵藤とアーリア、トップ下は宏太が入る。又、左にコミーではなくジロー、トップはオーシから坂田へとマイナーチェンジ。この一週間、オフを挟みながら何かを変えることが出来たのか。対する、アルビレックスは好調の2トップが不在で鈴木監督は苦肉の策かマルシオ・リシャルデスをトップ起用、相棒に動きの幅の大きい「えなり」河原を据える。

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試合展開

前から追いながら攻撃を制御し、人口密度の高いサイドに追い込む形でボールを奪おうという狙いが垣間見えた守備に変化の兆しこそ感じたが、攻撃に関しては相変わらず目的や狙いが曖昧で最終的には長いボールで裏を狙うというポゼッションの意義を感じられない形に終始、単調な攻撃では偶発的な形でしかチャンスを作れず。逆にアルビレックスの方がポゼッションからサイドを崩す攻撃を成立させ、そのクオリティの差がゲームの趨勢を決める。アレッサンドロ・矢野貴章不在で迫力を欠いていたこと、バックラインが水際で踏ん張ることで致命傷には至らなかったが、若き中盤トライアングルはアプローチに手一杯でバランスを取りきれず、アウトサイドはかなり低い位置に押し込まれ、劣勢をはね返す術が見いだせない。フラストレーションが溜まる前半はスコアレスで折り返す。

後半に入って、前半の流れを引きずる形で相手に攻め入られるモノの、宏太・兵藤・アーリアが積極的に動いてポジションを入れ替わりながらプレーを構成するイメージをより強く持ってプレーすることで、反撃。しかしミスも少なくなく、なかなか波に乗りきれない。特にファーストタッチが大きく、ロストの多かったアーリアはジローに通した素晴らしいスルーパス以外には持ち味を発揮出来ず、結局交代。コミーが入り、4バックにシフトする。

このシステム変更がチームを好転させる。アウトサイドで起点を作り、サイドを崩すベクトルが生まれて、スムーズにプレーが流れ始めると、この試合最大のビッグチャンス!右サイド隼磨・宏太・兵藤で細かくパスを繋ぐことでサイドに引っ張り出し、空いた隙間を兵藤がフリーランニングで突く、そして宏太は見逃さずにスルーパス、これで完全にアルビディフェンスを崩すと、角度のない所ながらそのままシュート!しかし、ここは北野に阻まれ、得点には至らず。うー、惜しい!てか、良いプレーだっただけに成功体験としてゴールに仕上げて欲しかった……。

徐々に両チームに疲労の色が見え始め、オープンな展開に移行、互いに交代を交えながらゴールを狙う。アルビレックスは空いたバイタルに顔を出すマルシオ・リシャルデスが柔らかいパスでチャンスを演出(Fマリノス的には彼さえ抑えれば……という感じだったが、リトリート気味にブロックを作るFマリノスディフェンス陣から浮くように離れたため捕まえきれなかった)、対するFマリノスはアウトサイドのスペースを意識しながら時折カウンターで相手を脅かす。しかし、互いに均衡を突き崩すには至らず。結局ゲームはこのまま、スコアレス。グループリーグ首位を守り、次戦勝ち点3で石川行きが確定する。

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ポゼッションフットボール。

マイボールの時間を長くすることで主体的にゲームをコントロールし、能動的なアクションを起こしながらパスを紡ぐことで相手の守備陣形を揺さぶり、相手を崩すサッカー。

今シーズン、土台を築いたはずのモダンフットボールを捨て、ポゼッションフットボールに取り組み、スペクタクルなプレーを目指しているチームがある。しかし、コンセプトこそ打ち出すモノの、プロセスとディティールの抜け落ちたフットボールは、閉塞感に包まれている。

航路の示されないポゼッションでは、何も生み出せない。この先に未来があるんだろうか……。

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*閉塞感溢れるフットボールを見せられると、本当にぐったりします。後ろでボールを回したあげく、結局ロングボールでスペースに蹴りだしてポゼッションを放棄する。どのようなルートを辿り、どこに起点を作り、どのようなイメージを持って相手を揺さぶるのか、チームとしての狙いや目的意識がないから、結局長いボールに頼らざるを得ない。ボールへの関与意識も薄く、動き出しも散発的、ポジショニングも距離感も悪く、最後は結局個人技に依存してる。これでポゼッションサッカー?笑わせるなよ。

*もちろん、「どのようにして」という部分はプレーしている選手達に委ねられているわけだから、選手達にも責任がある。実際、どうして良いのかわからないとはいえ、動き出しや顔出しをサボるシーンが結構あったし、可能性を探らずに安易なプレーに走る事も何度もあった、技術的なミスも少なくないし、プレーディティールに関しても余り考えていない感じを受ける。ただ、コンビネーションや意思疎通、そして個人戦術だけでは限界があるのも事実。ある程度の方向性や道筋があれば、それをガイドラインに選手間でイメージの共有が出来るだろうし、ベクトルも自ずと揃っていくはず。それがないからこそ、行き先を失って、現状のような閉塞感の伴うフットボールになってる。実際、この試合の中で素晴らしい意思疎通を感じさせるコンビネーションプレーを表現出来たのは片手で足りる程。余りにも発生確率が低すぎる。

*守備組織が年々発達していく現代フットボールに置いて、ボール保持者が持てる時間というのは限りなく小さく、次の選択肢を作る速度を早めていかなければ、すぐにボール保持者は余裕を奪われ、可能性を消されていく。だからこそ、選手達にはより速い判断や正確な技術が問われていく。しかし、その技術の質もオフ・ザ・ボールの意識も判断スピードも持たないチームにとっては、個人のクオリティだけでは対抗出来ない。それを助けるのが戦術の役割になってくる。選手間のイメージをすり合わせ、次のプレーへのガイドラインとなることでプレーの移行速度を早めていく。俗に言う「オートマティズム」と言われる要素は、進化する守備組織に対抗する上で必要不可欠な要素。もちろん、それだけで全てが解決される訳ではないけれど、オートマティズムを武装しない丸腰の状態では無惨にモダンフットボールに食いつぶされてしまう。それが現代フットボールの掟、ロマンティシズムだけでは現代フットボールは立ちゆかない。

*と、思うわけです。まー、海外のトップクラブのように個々がもの凄い高い個人戦術を持っていたり、高次元でイメージを共有出来ているチームなら、オートマティズムを必要としないのかも知れないけど、それを持つ彼らだってプレーセレクトであったりオフ・ザ・ボールの動きに置いてタクティカルなガイドラインを持つことで、より高度なサッカーをしようとしてる。だからこそ、あれだけスピーディにプレーを動かすことが出来る訳で。エスパーじゃないんだから、何もないところから同じ画は描けない。

*守備に関しては一応、共有意識を持ってプレーしてた感あり。前から追うことでビルドアップを制御し、片方のサイドに寄せて、収縮することでスペースを消し、数的優位を作ってボールを奪う。うまくいったかというと微妙だし、穴だらけで整備することが必要になるとは思うけど(もっとボールホルダーに対して本気度の伴うアプローチをしないと、簡単にサイド変えられて、危険な状況に追い込まれる。人数がいる割に近距離にいるボールレシーバー(次の選択肢)を消し切れてない。全体的にもっとコンパクトにしないと中盤の負担が大きい、バイタルも結構空いてる)これは一歩前進。てか、何ヶ月経ってるんだって感じなんですけどね、えぇ。

*後、気になるのは相対的な要素を軽視して、「自分たちのサッカー」に固執すること。もちろん、それで勝てれば格好いいけれど、勝負はそんなに甘いモノじゃない。この試合であれば、相手の攻撃はほぼマルシオ・リシャルデスがキーを握ってた。彼は最前線に張るタイプじゃないから捕まえづらい所はあったにしても、この日はサイドハーフではなくトップだったからある程度マンマーキング気味に監視下に置くことは可能だったと思う。潰せれば、相手は手詰まりになっていたと思うし、より優位にゲームを進めることも可能だった。でも、それをせず、終盤空いてきたバイタルで彼にチャンスメイクされてあわやと言うシーンを何度も作られていた。なんか彼の中での正義があるみたいだけど、ロマンティシズムだけじゃ勝ち点は獲れないよ。

*すいませんね、ネガティブで。選手評はなし。この状況で選手にあーだこーだいうのは可哀想。願わくば、こういう状況で放り出されるように起用されてダメなパフォーマンスで自信を失う、みたいにならないで欲しい。この状況で活躍出来る選手なんてそういない。とりあえず、自分の無能を棚に上げて、選手批判なんて良い度胸だ。プレーしやすい環境も作れないくせに。な、アーリア。

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結論、このサッカー、苦痛です、つまらん。てか、試合後の拍手、僕には理解出来なかった。判定に対する不満とチームのパフォーマンスは繋がらない。本当にこのままでいいのかな?

なんだか心がささくれ立ってるので、この辺で。あーもう、もやもや。

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*ニュートリパラ、なんかすげー。目回りそう。でも、ちゃんと声を聞いてくれているのか、グリップの所が「J」型ではなく、「I」型になってて、回しやすそう。こういうところではちゃんとやってるのに、一番大事なピッチはどうして(ぐちぐち)

*良かったこと、雨が降らなかったこと。マスゲームが綺麗だったこと。いじょ。

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Comments

こんにちは。
いつも読んでます。
#コメントしてなくてスイマセン。

閉塞感どっぷりって感じですよね。試合後の拍手は違和感ありました。「これがポゼッションサッカー?」って感じでした。若手を多く入れていたので、ブーイングはためらわれたのですが。

アウェーよりのホーム自由席で観ていましたが、前半、目の前に広大なスペースがあるにもかかわらず出て行かない清水を見て、前に座ったオジサンが声を荒げていました。04年のチャンピオンシップでは2トップの一角だったのに、あんな低い位置で・・・。アーリアと宏太はボールが足につかず。相手キーパーの好セーブもあってチャンスを決められず。正直、勝てそうな雰囲気がまったくなかったですし、内容的にも押せ押せって感じではなく残念。やっぱりこのチームの攻撃は功治ありきなのでしょうか?それだけではないチームを若い才能や、空いている外国人枠で作り出すのが監督の仕事ではないのか!とモヤモヤした気持ちで帰りました。

次に見に行けるのは中断明けなので、この期間を利用して、目指すサッカーがあるのならそれを具現化できるように、練習からしっかり細部をつめて、新しい形の可能性を見せて欲しいです。

Posted by: ヨコ | May 27, 2008 at 12:45 PM

ヨコさん、ご無沙汰です~。いつも読んで頂いてありがとうございますー。

若い選手達にその業を背負わせるのは理不尽とは思いながらも、違和感を感じてしまいました。まあ、それは良いとして……

>功治ありき

彼の存在はとても大きいですし、彼の不在は早々に埋めれるモノではないと思います。とはいえ、それだけの武器を活かすという術を見いだせていないし、その意識もチームとして持っているのかどうかは怪しいです。うまく嵌るときは嵌っていたので、出来ないことはないと思いますが、まだまだ感覚的でそれを形としてチームが自分たちのモノには出来ていないのかなーと。

まあ、誰を軸にするにしても、どんなサッカーを標榜するにしても、選手達がクリアな頭で、迷いなくプレー出来る環境を整えることが監督の仕事だと思います。若い選手は特にそういう状況を整えてあげないと彼らが持ち得るポテンシャルを発揮させてあげることは難しいです。もちろん、見ている側にも、ヨコさんが感じたようなもやもやを感じさせてはいけないと思いますし……。

僕も中断明けまで選手達のプレーを見る機会はなさそうです……。日々の練習、ナビスコカップを通じて少しでも好転していることを願ってます。そうでなければ厳しい夏が怖いですから……

ではでは、又よろしくお願い致します。

Posted by: いた | May 27, 2008 at 11:49 PM

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