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May 10, 2008

コントラスト@J1 第11節 Fマリノス vs アルディージャ

もしかして、分水嶺になるゲームなのかな。

2008 J.League Division1 第11節

Fマリノス 1-1 アルディージャ @ 日産スタジアム「コントラスト」
F.Marinos:51'大島秀夫 Ardija:16'デニス・マルケス

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF栗原勇蔵、中澤佑二、田中裕介、MF松田直樹、山瀬功治、田中隼磨、小宮山尊信、ロペス(→46'兵藤慎剛)FWロニー(→85'清水範久)、大島秀夫(→84'坂田大輔)

アルディージャスタメン:GK江角浩司、DF村山祐介、冨田大介、レアンドロ、波戸康広、MF小林大悟、小林慶行、片岡洋介、金澤慎(→67'土岐田洸平)、FW藤本主税(→81'森田浩史)、デニス・マルケス(→88'佐伯直哉)

快晴、連休、キャンペーン。フロントの営業努力が報われるかのように、大きく解放したホーム自由席はあらかた埋まるなど、沢山の人が詰めかけた日産スタジアム。多くの家族連れの姿が見られるなど、新たなファン獲得のためにも、何とか良いゲームをと願うばかり。もちろん、クラシコの敗戦を吹き飛ばす意味でも、大事なゲーム。

そんな中でのスタメン、Fマリノスは懲りずにスタメンは固定。連戦の中でメンバーを動かすリスクを避けたと言えば聞こえはイイが、本当にこれがベストチョイスなのか、よりよき選択肢がないのか、コンディションの問題はないのか、監督の選択に疑問の念。対する大宮は、怪我なのかなんなのか、ペドロ・ジュニオール、吉原宏太がベンチからも外れ、トップに藤本を使わざるを得ないスクランブル布陣。とはいえ、既存のイメージを打ち破り積極的なサッカーを展開する樋口大宮、ナビスコとは違う本気の大宮には不気味な空気。

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試合展開

綺麗なショートパスでの繋ぎからロペスの糸を引くようなスルーパス、そのパスに反応して裏を取った功治が江角と1vs1になるシーンから幕を明けたこのゲーム、しかし、レアンドロの素晴らしいカバーに凌がれて先制点を獲り逃すと、ゲームは時間と共にFマリノスの組織的な欠陥が浮き彫りになる展開に。全く意思統一されておらず、奪い所などの狙いを感じられないアプローチでは、周囲がきっちりと次の選択肢を作り出す大宮の選手達をなかなか捕まえられず。振り回され、後手後手になる中でバランスを崩してはバイタルエリアに穴を空けてしまったりと目を覆いたくなるような状況がピッチに拡がる。そして守勢の中で、失点。首を振らされるような流れの中でエンドライン際でボールを拾った藤本がコミーをフェイクで剥がしてクロス、哲也が弾くも、浮き上がったこぼれ球をデニス・マルケスにヘッドで押し込まれた。微妙な判定が絡んだとはいえ、ポゼッションで振り回されて深い位置まで持ち込まれ、完全に崩されたあげく、要所の1vs1で持ちこたえられなかったことを考えれば必然の失点。

ビハインドを負ったFマリノスは反撃に出たいが、運動量少なくアグレッシブさを欠いた低調なパフォーマンスではそうもいかない。大宮のポゼッションに翻弄されてなかなかボールを奪えず、ボールを持ってもバックラインからのクオリティの低い雑なビルドアップではリズムは生むどころか停滞する一方。良いコンビネーションとポジションチェンジの絡んだ崩しからのコミーの中央からのミドルシュート、CKで生まれた混戦の中で待つがプッシュしてゴールを脅かしたシーンなど散発的には得点機もあったが、ゲームの展開としてみれば妥当なスコア。愕然とするような前半のパフォーマンスに、ホーム側からこの時点でブーイング。

そんな声を聞いてか、いつもは交代の遅い桑原監督もハーフタイムのタイミングで一枚目のカードを切る。怪我らしいロペスに代えて、兵藤を投入。兵藤がセグンドボランチ、功治がトップ下という形にシフト、するとチームが息を吹き返す。アグレッシブに前線から追い、その動きに引っ張られるようにチーム全体が前への姿勢が高まって、即席ながら少しずつ連動したプレスが生まれ始める。2トップのポストワークと功治のサポートがリンクして、功治の前を向いての突破という武器が日の目を見る。兵藤が幅広く動いてボールに触ることで攻守を繋ぐ。リズムが好転し始めた中で、幸運も味方する。

サイドからのクロスは実らず、相手がクリア……と、ここで主審にクリアボールが当たり、こぼれ球をコミーが拾うとシンプルにロニへ。棚からぼた餅のショートカウンターのチャンスにロニは陣形を整えきれない大宮ディフェンスの隙の逃さず、ペナルティアーク付近にポジションを獲っていたオーシへとこれまたシンプルに繋ぐ。このボールを受けたオーシはレアンドロがカットしようとする前にうまく足を入れていなすと、完全にフリー!前もオープン!このチャンスを逃さず、冷静にGKの逆を突くコントロールシュートを左隅に決めて同点!オーシキター!はっきり言ってラッキー、もの凄いラッキー、だけど、コミーの繋ぎからロニのラストパス、オーシの身体を使ったターン、そしてフィニッシュ、突然訪れたチャンスを冷静に掴んだことは特筆すべき事。そして、昨シーズンのトップスコアラーに久々のゴールが生まれたことに一安心。

このゴールの後も、Fマリノスの勢いは衰えない。相手のミスを突いたロニーがマイボールにすると一気にゴールへ突き進み、対峙するディフェンスをいなしてコースを空けてミドルシュート!これが素晴らしいコースに飛び、決まった!かに思われたがポスト直撃!そのリフレクションに反応してもう一度シュート!しかし、これはゴールカバーに帰ってきたディフェンスに凌がれた……惜しい!でも、前から行く姿勢が実った攻撃、いいよいいよ。兵藤もどんどんプレーに絡み、細かいパス交換の中で最前線に出てボールを引き出し、テクニカルな落としを見せて功治のフィニッシュシーンを演出するなど、ゴールの匂いは以前消えてない。完全にFマリペースの中、この試合を象徴するようなシーンがFマリノスに訪れる。

相手のチャンスであるセットプレー、何とかブロックに入って凌ぐと最前線に張っていたロニーが左サイドラインで拾う。そこで一気に駆け上がってきたのがそのブロックをした兵藤、一気にロニーを追い越しスペースに出ていくと、そこにロニーからその動きを活かすボールが出る!左サイドを完全に打開した兵藤は、共に長い距離を走って中に入ってきた功治を見逃さない、DFとGKの間、そして功治のランニングスピードを殺さない絶妙のグラウンダーパスを流し込む!そして、飛び出してきた功治がアウトサイドでフィニッシュ!しかし飛び出してきた江角……くぅぅぅぅぅぅぅ!惜しい!惜しい!惜しい!とはいえ、素晴らしいプレー!停滞した時間帯にはほとんどなかなか見られなかった「ダイナミズム」を素晴らしいランニングで表現し、なおかつ功治の動き、相手の状況を冷静に見極めた上での精度の伴った素晴らしいラストパス、兵藤のプレーには感涙。江角の飛び出しも躊躇なく、イイ判断だったとはいえ、功治にはこれを決めてこのプレーをゴールで結実して欲しかったなぁ……。

最大のチャンスを逃して迎えた最終局面、アルディージャが土岐田に続いて森田を投入するモノの劣勢の中でそれを押し返す術にはならず、Fマリノスは残り数分の所で、坂田・ジローという2トップに変更したモノの既に押し込んだ状態で彼らが活きるスペースはなし。結局、互いの交代策が実ることはなく、スコアは1-1のまま。互いに勝ち点1を分け合うことになった。相変わらずオレンジのユニフォームを前に勝ち点3は遠い……。

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象徴的なシーンがあった。

カウンターの機会、周囲は全力でゴール前へと全力のスピードで目指していたにも関わらず、一人全力のランニングを行わずパスレシーバーとしての役割を果たせなかったロペス。

自陣からおおよそ70m、全力疾走でダイナミックに追い越してスペースへと走ってパスレシーバーとなり、エースのゴールシーンを引き出すような素晴らしいラストパスを送って、チャンスを演出した兵藤慎剛。

僕はひとつのプレーに大きな賞賛と拍手を送り、ひとつのプレーには落胆した。

それでなくてもハーフタイムを境にしたコントラストが物語る。停滞しつつあるチームにとって、現状で求められている存在はどちらなのか、判断すべきは今。

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*前半の酷いパフォーマンス、後半持ち直して攻勢に転じたパフォーマンス。これまで無理矢理嵌め込めたような雰囲気から、ぴたっとピースが嵌ったような感覚を受けたのは僕だけかな。運動量が増え、前傾のベクトルが示されたことで、選手達に即席の意思統一が生まれる。チームが主導権を握って好リズムでプレー出来るようになったことで、両サイドが高い位置に上がることで選択肢が増える、選手間のプレーを相互に活かすような形が生まれる。あくまでも偶然、だけど、この成功体験はチームにとって非常に有益なモノなんじゃないかなーと。

*ただ、このコントラストによって、スケープゴートにされてしまいそうなロペスのことは気になる。二つの素晴らしいパス以外は、存在感は希薄で運動量不足は否めず。あんまり走らず頑張らずと言うことで残念な感じだった訳で(実際、怪我云々があったらしいのだけど)このゲームのパフォーマンスに関してはどうしようもない。ただ、これでじゃあ後はさよならという形にはなって欲しくないかなーと。現状では兵藤を使った方が良い、それは自明の理、というか、チーム作りの観点から言っても、彼の存在感が必要だと思う。ただ、Fマリノスが恒常的に抱えている「引いた相手を崩せない」という課題を今後解消するためには、ロペスのアイデア、技術、強さは必要なことだと思う。もちろん、今のように独りよがりなプレーばかりではなく、チームのためにプレーする事も考えて欲しいし、なかなか高まらない周囲との相互理解を深めていくことも必要だけどね。みんな同じ事考えているだろうけど、鹿島のダニーロのようにスペースのある終盤に途中交代で存在感を示してもらうような使い方をすることで、成功体験を積み重ねるというのも選択肢の一つ。てか、現状ではそれがベターな気がする。まーそれを桑原さんが納得させられるかというのが大きな問題ではあるんだけど・・。

*とはいえ、戦術的に曖昧な所が多すぎる。守備に置いて、組織的にボールを奪う術が確立されていないため、ボールを奪う位置は非常に低くなってしまう。しかもその術としては、楔に対してのストッパー達のハードアプローチのみ。低い位置からの攻撃にならざるを得ない状態の中で、明確な方向性が定められておらず、後方からのビルドアップはクオリティが伴わず展開を停滞させる。土台となる部分がないから、選手達のパフォーマンスの善し悪しや相手との相性がもろに出てしまうし、出たとこ勝負の側面は否めない。こういう要素を放置していくのは危険極まりない。桑原監督が何を考えているのか、何を見据えているのか、もう少し明確にしていくべきなのではないかとも思う。そして、選手達はもっとより高い意識を持って、プレーすることが必要かなと。

*選手評は、兵藤。いつぞや、「今後重要な意味を持つ選手になるかも」なんて書いちゃったけど、本当にそうなるとは思ってなかった。まーそれだけチームの状況が「悪い」と言えるんだよね。彼のようにプレーとプレーを繋ぐ「糊」となれる選手に頼らざるを得ないというのはチームが動いていない証拠でもあるから……。とはいえ、気を利かせる、バランスを取る、繋ぐ、飛び出す、全てが「チームのために」というところに繋がってる。それは非常に好感が持てるし、チームを活性化させる一因となってる。後は、彼自身がその役割に満足せず、よりどん欲になって結果を求めていって欲しい。良いプレーは何度もあるし、結果を引き出せるだけのクオリティを何度か示してるからね。次はチャンス、ポジションモノにして欲しい。

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と言うことで、ゴールデンウィークはちょい消化不良というか、残念な感じだったなー。去年は素敵なゴールデンウィークだったような気が……まあ、キニシナイ、キニシナイよー。

と言うことでここまで、何とか食らい付こう。

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*結局、ゴールデンウィークはトップ三昧でした。ユースも見たかったんだけど、ユースは今週来週で堪能します。半分半分ね。ということで、大阪は欠席。

*新横浜(近辺)でスカパー!見れるところないかなー。15:30試合終了、16:00キックオフ、30分じゃ家には帰れない!でもパーフェクトチョイスだから厳しいかなー。トリコポイントなくなったのはやっぱり痛いわね……。

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