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May 05, 2008

自失@J1 第10節 ヴェルディ vs Fマリノス

完全に飲まれた。

フッキの、ディエゴの、一挙手一投足に過剰に反応し、びびりまくっていたプレーに、堅守を誇っていた時の雄々しき姿は微塵も感じられなかった。

Fマリノスが誇るべき「Y3」がこんなことになるなんて……悔しい、情けない、腹立たしい。けど、高い授業料として受け止めるよ。

2008 J.League Division1 第10節

ヴェルディ 3-2 Fマリノス @ 国立競技場「自失」
F.Marinos:46'&71'ロニー
Verdy:39'フッキ 51'ディエゴ 60'福西崇史

Super Soccer

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF栗原勇蔵、中澤佑二、田中裕介、MF松田直樹、山瀬功治、田中隼磨(→76'坂田大輔)、小宮山尊信、ロペス(→70'清水範宏)、FWロニー、大島秀夫

ヴェルディスタメン:GK土肥洋一、DF富澤清太郎、土屋征夫、那須大亮、服部年宏、MF福西崇史、菅原智、大野敏隆(→87'福田健介)、ディエゴ、FWレアンドロ(→77'飯尾一慶)、フッキ

3年ぶりに戻ってきた伝統の一戦。両チームがタッグを組みこのゲームを盛り上げようと多種多様の宣伝を打ち、その甲斐もあってか、何とか両チームのゴール裏は緑を青で染め分けられ、「1969シート」のバックスタンドもまーまー埋まるなど、面目を保った。そのムードを更に高めるのが、今シーズン「センターバックやりたいんだから」と移籍していった那須大亮の存在、当然Fマリノスサポは彼のインタビューが流れるだけでブーイング、ヴェルディサポは大きな「5」のゲーフラと白い人文字、そして何度も繰り返されるコールでバックアップ。良い雰囲気。

そんなゲームのスタメン、Fマリノスは前節と替わらないメンバー。コンディション的な問題、構造的な問題、人為的な問題……、様々な不安要素を抱える中でもベストメンバーをごり押しする桑原監督も又、ターンオーバーという言葉を知らないタイプですな、はてさて。対するヴェルディは一時の守備崩壊を立て直した4-3-1-2を継続、攻撃は「5億円」のフッキとディエゴ、そこにこれまた高額なレアンドロとブラジリアントライアングルにある程度一任し、守備は4-3のゾーンを組むという役割をはっきりさせたサッカーと言えるか。福西が出場停止から復帰、ちっ。

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試合展開

序盤から押し気味にゲームを進めたのはFマリノス。最も怖いフッキに対して、バックラインが前を向かせないように厳しくアプローチ、そこにすかさず中盤の選手でパックすることで余裕を全く与えず、得意の突破からのフィニッシュに持ち込ませない。攻撃に置いては、ポゼッションから大きなサイドチェンジを交えたりと、サイドを起点にした形でヴェルディの4-3のゾーンを揺さぶりに掛かるが、ほとんどリスクを冒さずにきっちりと人数を揃え、バイタルを圧縮して厳しくスペースを管理されていたこと、土屋・那須の集中力高いマーキング、そしてサイドの局面での1vs1に置いて優位に立てないことと、なかなか突破口が開けない。唯一と言っていい決定機はFマリノス、右・隼磨のクロスのこぼれをコミーが拾って、ボックス内完全にフリーでシュートを放つシーンがあったが、これは土肥にセーブされた。強いシュートで行ってればロニー・オーシ詰めれたんだけどなー。こぼさない土肥がうまかった。主導権はFマリノスだが、互いに守が攻を上回り、穴を作らない展開。

その中で、ゲームが動いたのは前半終了間際の時間帯、レアンドロからディエゴが左サイドに流れてスペースへのパスを引き出すとそのまま低いクロス、フッキをマークしていた裕介がダイビングヘッドでクリアしようとしたがバウンドしたボールに触れず。このボールがフッキに繋がり、完全のフリーの状態で哲也の動きをよく見て浮かせたコントロールシュートでニア、哲也は完全に逆を突かれ、ヴェルディ先制。盛り上がる緑側。胸と叩いて「どうだ!」と言わんばかりのフッキ、ベンチで柱谷監督と抱き合う。裕介は直前に足を痛めていた影響もあったのかも知れないけれど、ピッチに立っているのであれば絶対にやってはいけないミス。反省。

最悪のムードで折り返したFマリノスだったが、後半開始直後、ロニーのスーパーゴールで追いつく。功治が右サイドボックス内で持ったモノの仕掛けられず、一度ロペスに戻す。ロペスはプレッシャー掛けられながら、バイタルでフリーとなったロニーへ送ると、ロニーはそのまま右に流れてコースを見つけて、そのままミドルシュート!これが素晴らしい高さとコースに飛び、土肥の対応を許さず。ネットが揺れ、今度はトリコロールのスタンドが大きく揺れた。相手が少々後ろに体重が掛かっていた中でプレッシャーが掛からず、その隙を突いた形か。ロニーゴー!

同点に追いついたことで、勢いに乗って一気に攻勢に掛けようとするFマリノス、しかし、落とし穴。ロングボール、Fマリノス陣中央でレアンドロと勇蔵の競り合い、この競り合いでこぼれたボールをディエゴが素早くピックアップ、前掛かりになっていたFマリノスは2vs2のショートカウンターという危機に瀕する。横切るように左に流れたフッキへ、ここにボールが出る。裕介が対応に出るもフッキはすぐさまパス&ランで回り込むように中にランニングしたディエゴにダイレクトでリターン。リターンの時点で佑二はディエゴに振り切られ、完全に崩された。哲也も為す術なし。フッキ・ディエゴの素晴らしいコンビネーションを褒めるべきプレーなのかも知れないけれど、少々軽率な姿勢を突かれた形か。これまでほぼ空中戦では無敗だった勇蔵が勝つだろう、という過信がリスクマネジメントを疎かにし、一気に2vs2というカウンターに持ち込まれた。いくらディフェンスラインの対応力が優れていようと、リスクマネジメントが出来なければやられる。昨シーズン嫌という程味わった事、ここ数試合おざなりになりつつあるリスクマネジメントの重要性を改めて感じさせられたプレーだった。

らしいゴールでリードを再び奪ったヴェルディは、一気に乗る。フッキが乗り始めて独力で3枚4枚剥がしていく、ディフェンス陣は常に秩序を保ちFマリノスの攻勢を耐える。攻守がガッチリと噛み合い、又フッキがスタンドを煽って雰囲気を盛り上げたりと、ムードは最高潮。そして、相手のミスを誘発し、ゴールに繋げる。勇蔵が哲也に戻すと、哲也は低いボールで繋ごうとするが、これがチェックに来ていたレアンドロに当たり、一気にピンチ。ディフェンスラインはスクランブル、中のマークを必死で捕まえるが、第2波左サイドをレアンドロとのコンビでフリーとなった服部が中をきっちりと確認した上で速く精度を伴ったクロス。強いFマリノスセンターバック陣は相手のブラジリアンをマークするが、クロスの宛先は旧知知ったるかつてのサックスブルーの23番へ。福西はコミーのマークを問題にせず、中に流れながら高い打点で合わせ、これが素晴らしいコースに飛ぶと哲也もどうにも出来ない、1-3……。余りに軽率なミス、なんだけどディフェンス陣の精神的な恐慌状態がよく見えるプレー。雑すぎる。うちのディフェンス陣はメンタル的にもガタガタにされていたということ。とはいえ服部のクロス、福西のヘッドは素晴らしい攻撃。

2点のビハインド、攻勢に出たい、しかし、精神的にガタガタになったディフェンスラインは、フッキとディエゴの存在にびびって全く余裕がなく、攻撃にまで意識の回らない状態に。冷静にコントロールして繋げばマイボールに出来るタイミングでも、大きくクリア、おざなりでムラのあるフォアチェックに対しても逃げるようにバックパス、これでは攻撃の第一歩になり得ない。又、ジェフ戦の時には出来ていた勇蔵・裕介がウイングバックを支援するような攻撃参加があまり見られず、サイドで多少起点を作ることが出来ても、前半同様なかなか1vs1では抜けない、孤立無援では突破口を開けない。しかし、ロペスに代わりジローがピッチに入った直後、ようやくムードを変える一発。

右サイド功治からのCK、アウトスイングのボールに対して、佑二が飛ぶ!完全に頭一つ抜けだし、ネットが揺れる!ボンバーヘッドキタコレ!と思ったけれど、映像で確認すると僕の見ていた角度では佑二の手前にはロニーがすっぽりと収まっていたらしく、冷静に流し込んでたのね……てっきり佑二が……ごめんね、ロニー。ストライカーらしいバックステップからのナイスポジショニングなゴール!これで1点差!気運高まり、臆病風も吹き飛ばす。

しかし、この後ヴェルディは起点となっていた左サイドを埋めるためにレアンドロに代えて飯尾、ディエゴ・フッキを前に残した4-4-2フラットな形にシフト。これでスペースを更に消し、最後の攻勢に備える。Fマリノスはサイドを起点に攻勢を仕掛けようとし、桑原監督もサイドから上げろと指示を送るが、起点となっていたコミーは中へのこだわりが強く数少ないクロスは手前に引っかかり、ロニーが外に流れてあげることが数本があったが、的確なクロスはほとんど上がらず、結局フィニッシュはほとんどなし。ゲームはそのまま、3-2、ヴェルディに凱歌。Fマリノスは又もアウェーで苦杯、サポーターからはブーイング。

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今のFマリノスは、「Y3」によって支えられてる。

研鑽したコンセプトを機能美として表現することも、高質なコンビネーションを発揮することも、高い個人技をチームとして有機的に活かすようなことも出来ない中で、リスクマネジメントしきれない苦しい状況に晒されながら、耐えて耐えて、スコアを維持し続けて、その非効率的な攻撃が実るのを待つ。それを実現していたのが、「Y3」。

だからこそ、この一戦で醜態を晒したからと言って、彼らを責めたくはない。

でも、この借りは返さないといけない、絶対に。

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*攻撃面、ビルドアップに対してのプレッシャーはそんなになかったこともあり、基本的には4-3ブロックを崩すことだけが求められてた。基本的にこの日アウトサイドを何とか……という感じだったと思うのだけど、コンビネーションで崩す形、独力打開で突破する形、それぞれに何度か良い形もあったにしても、サイドに展開される数に比べてクロスの上がる回数、フィニッシュに繋がる形が余りに少ない。当然のことだけど、展開>クロス>ゴールの不等号は決して覆すことは出来ないもの。でも、>を≧に、≧を限りなく=にする努力をしていかないと、いつまで経っても質の高いモノにはなっていかない。クロスの精度はもちろんのこと、縦への突破アクション、オーバーラップを含めたコンビネーション、空いたスペースを狙うスペースランニングと、もっと高い意識を持ってやっていくことが必要だと思う。うちにはオーシという優れたボックスストライカーがいて、ボックスでイイポジションを獲ればニアに飛び込む意識のあるロニーもいる、坂田もヘッドは決して弱くない。クロスからもきっと点は獲れる、隼磨やコミーは自分の仕事がなんなのか今一度思い出して欲しい。縦があるから、中が活きる。中だけじゃダメ。個人的には、サイドが機能すれば、サイドを警戒せざるを得ない、サイドを警戒すれば中が空く、中が空けば功治が活きる。こんな感じの好循環を生み出して欲しい。グループとして個を活かす術が曖昧な今、サイドは今後生命線となっていくと思うから。

*てかね、もし個の良さ云々言うなら、連携を主にしたグループ戦術としてもっと整備して欲しいと思うのよ。つか、エースは誰なのか、誰が点を獲るのか、そういうところをはっきりさせて欲しい。現状では功治であり、オーシだと思うのだけど、彼らを活かすためにどうするのか……選手任せではいつまで経っても偶発的で行き当たりばったりの感じにしかならないと思うけど……、ねぇ?桑原さん。言うだけじゃダメだから一例。例えば功治の場合、ミドルエリアの連携(開幕戦で数度あった下がって受けたロペスが相手を引きつけ、空いたスペースを功治が突いてスピードアップしていく形)、バックライン突破の連携(オーシ・ロニーのポストをスイッチに、功治がサポートアクションからそのまま突破に繋げる形。前を向いてボールを受ける状態+ドリブルで突き進む道を功治に与えることが出来る)、この二つはこれまでの試合で何度か見られた。でも出来ない試合では全く出来ない。今回の試合でもほとんど0。この辺のムラは選手達の感覚が合ったときしか出来ない「偶然」の産物でしかない証明。でも、これが形として構築され、偶発的ではなく恒常的に出来るようになったとしたら?チームにとって間違いなく大きな武器になる。他にも、スペースメイク&ダイナミズムによる崩し、サイドで引きつけて中を突く崩し、アタッカーであるからこそパターンは豊富にあるはず。もちろん功治でなくても構わないけれど、軸を決めた上で形を作っていくことも必要なんじゃないかなーと。全員が全員を活かす事は、まず一人の個を活かせてから吐く言葉だよ?

*守備面、何故にフッキが息を吹き返してしまったかについてちょっとした分析を。失点するまでは厳しいアプローチとそれに連動してパッキングで、前を向く時間とスペースを与えず、絶大なる個の能力を発揮させなかった。これはほぼパーフェクト。でも、その後はやられた。どこに差異があったのかと考えた時、二つのポイントが。一つはヴェルディが攻め方を変えたこと。フッキの足元だけではなく、ディエゴやレアンドロがサイドに流れて起点を作ってディフェンスラインを後ろに引っ張られ、フッキだけを見ていることが出来なくなった。そして、もう一つが精神的に気圧されてしまい、アタックに行けていたシーンで行ききれずに空間を作り、前を向ける状態になってしまった。強さを発揮されれば、どんどん推進力を発揮、パックはおろか受動的な対応になってしまうのは摂理。相手がうまく対応したことは将がないにしても、メンタル的に気圧されたことは非常に残念だった。

*守備に関しても、再整備とは言わないまでも、色々と考えるべき部分はあると思う。うちのディフェンスは基本的に前に強い、前に行けば良さが出る。ただ、受動的な対応を強いられたときには脆さが出る。だからこそ、いかに前を向いて良さを出すディフェンスが出来るようにしていくのかというのを考えていくべき。前線から追う、パスコースを制限し前に行けるだけの状態を作り出す、前に行ってOKというカバーを常にしてあげる。こういう事をしてあげて初めて、彼らが前に行かなかったことを責められるんじゃないかなーと。準備なき要求は愚の骨頂。

*まー、他にも色々言いたいことはあるけれど(まだあるのか……)、明日試合だし、そんなに修正出来るだけの時間もないだろうから、この辺にしておくか。あ、最後に裕介にメッセージ。今シーズンスタメンに定着してから、大きな失敗もなく右肩上がりにパフォーマンスを上げていたけれど、ついに大きな失敗をしてしまった。でも、来るべき時が来た、と捉えて欲しい。勇蔵もワシントンにこっぴどくやられて大きくなった。コミーも壁にぶつかり、悩んでもがいて吹っ切れたからこそ今がある。裕介もベンチ生活が長く続いたりと、苦しんできたけれど、それとは違う、一段上の「トッププレーヤー」としての壁にぶつかったと言うことを自覚して欲しい。これを何かのせいにせず(怪我とか)、受け止めて、乗り越えて、一人前になって欲しい。僕は、この試合がその媒介になるのだとしたら、この屈辱に耐えられる。裕介、ここからが勝負だよ。

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それにしても、悔しいなぁ……。未だに悔しいモノ。でも、切り替えないとね。又、連敗阻止のための大事なゲーム。ここまでは何度か阻止して来れたけど、阻止して来たからこそ、連敗したらガタッと来そうな気がする。大宮戦後はアウェー連戦だし、大した土台も出来てないし……。ここは又もや正念場!気合い入れていきましょう。

ということでここまでー。

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*ユースも負けちゃった(´・ω・`)原口かよちくしょう。あぁ、去年のGWは楽しかったなぁ(遠い目)でも、過去振り返ったら負けだと思うんだ。前を向こう、前。

*大宮戦、坂田を裏バシバシ走らせて、サイド突きまくる方が懸命。もちろん、相手はその弱点を何とか修正してこようとするだろうけど、その修正はコンセプトをも揺るがしかねないナイーブな問題。そんなに簡単には解決出来ない。実際、ナクスタでは相手のサイドをつつきまくって実効的な攻撃を作りまくってたわけで、それを踏襲することは悪い事じゃないと思う。坂田スタメン、疲れたら陽介、先制されて引かれたらオーシでイイじゃない。難しく考えなくていーから。

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Comments

私も、坂田くんのスピードでかき回すのが、大宮戦には必要、勝つ、有効な作戦と思います。

桑原さん、どうしますかね。

Posted by: とりこ | May 05, 2008 at 10:47 PM

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