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March 28, 2008

覚悟@FIFA WORLDCUP A.Qualify vs バーレーン

………言葉が浮かばない。

2010 FIFA WORLDCUP SouthAfrica Asian Qualify 3rdRound

Bahrain 1-0 Japan @ Bahrain National Stadium,BAHRAIN
BAHRAIN:77'A.Hubail

sports navi

日本代表スタメン:GK川口能活、DF阿部勇樹(→82'玉田圭司)、中澤佑二、今野泰幸、MF鈴木啓太、中村憲剛、駒野友一、安田理大(→72'山岸智)、山瀬功治(→56'遠藤保仁)、FW巻誠一郎、大久保嘉人

バーレーンスタメン:GKサイード・ジャファル、DFフセイン、マルズーキ(→87'アルダキール)、モハメド・ハサン、サルマン・イサ(→81'アーイシュ)、MFファタディ、アル・ワダエイ、サルミーン(→77'アル・アネジ)、オマル、FWアラー・フバイル、イスマイル・ハサン

ワールドカップ3次予選の2戦目は不安定な春の陽気の日本とは温度差のあるバーレーン。互いに初戦を勝っているだけに、このグループの主導権を占う上では非常に重要な一戦か。

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試合展開

長いボールで中盤を飛ばしながら互いに相手の出方を伺う立ち上がり、しかし徐々にゲームが落ち着くと両国の色がゲームに反映され出す。リスクを避けながらも、機を見て中盤でボールを動かしながら後ろから押し上げる形で厚みのある攻撃を狙う日本、バーレーンは速いカウンターを意識しながら個々の技術で局面を打開しようとするバーレーンという形。しかし、激しい局面での争いはありながらも雑なプレーによる拙攻も目立ち、互いに打開点が見いだせない序盤だったか。

局面での激しいコンタクトプレーに潰されるシーンが各所で見られるなど、ぶつぶつゲームが切れる中で、そのコンタクトに苦しみなかなかゲームのペースが掴めない日本。裁く選手が憲剛一枚となっていたこともあって、中盤でのボールは流れず、流動性や機動性を活かした変化というのはほとんど表現出来ず。逆にバーレーンのタレント達のスキル、イスマイル・ハサンのスピードであったり、アラー・フバイルのタフなドリブル、サルミーンの懐の深いキープなどの対応に苦慮、なかなか獲りきれずに押し込まれて、最終ラインでの攻防に追い込まれる。安田の怪しいポジショニングや能活のファンブルなど肝を冷やすシーンもあり、終了間際には速い縦の楔から、帰化選手ファタディのミドルシュート(トゥキック!)は枠を外れたからイイモノの、やられていてもおかしくないシーンだった。結局このチームの良さがほとんど表現されることはなく、前半はスコアレスで終わる。

後半に入ると、バーレーンがシフトアップ。アタッカーの多くが押し上げて、アタッキングエリアでダイレクトを絡めて日本守備を攻略し、先制点を奪いに来る。そして、左サイドイスマイル・ハサンがコーナーフラッグ付近でボールを残して、サポートに入ったイサへと繋ぐと中へ低いボールを供給、混戦の中で日本ディフェンス陣は何とか水際で凌ぐが、最後は浅い位置でフリーとなったオマルへとボールが渡りねらい澄ましたシュート!GKもゴールマウスを外れており、やられたかと顔を覆ったが、これはポスト直撃。難を逃れる。しかしこれも日本の目を覚ますには至らず、ゲームをコントロールすることが出来ず、ドタバタとしたゲームの波を変えることが出来ない。

その中で岡ちゃんは手を打つ。チーム発足から中核を為しながら、このゲームではスタメンを外れたヤットが功治に代わってピッチに入る。功治としてはチームとして攻撃の形が作れない状況では前を向いて仕掛けるシーンが作れず、ほとんど存在感を示せなかっただけに致し方ない交代か。そして、早速その効力を発揮。ヤットが様々なところに顔を出して起点を作ることで単調だった攻撃に落ち着きが生まれると、ようやくこのゲームで初めて日本に流れが生まれる。高く強いバーレーンディフェンスを崩すには至らないモノのようやくアタッキングエリアでの可能性のあるプレーが増え始める。そして、素晴らしいカウンターも。ヤット→憲剛と繋がって、憲剛が前に出ると体勢を崩しながらも素晴らしいスルーパスを駒野へ!これで駒野が右サイドを抜け出すとアーリークロス、既に中には嘉人が走り込む!素晴らしい精度・タイミングだったが後一歩合わず。くぅぅう。でも、悪くない、流れも出てきた。相手の疲労も見られる。少しずつ、日本に風が吹いてきたか。

流れが来ている中で、日本は安田に代えて山岸と投入。バーレーンの選手は疲労が貯まっているのか、足を釣らせる選手が出てくるなど、より風が吹いてくるように感じさせた。しかし、その中で日本が逆境に立たされる。イスマイル・ハサンが大きなスペースを抜群のスピードで走り抜け、スペースパスを受けると鋭いボールを中に供給。能活が前に出てこのクロスに触るが、これが中途半端。触って角度の変わったボールは中に詰めてきていたアラー・フバイルの元へ!アラー・フバイルは身体を投げ出して何とか頭に当てる!これがループ気味に日本のゴールへと向かい、ネットが揺れた……バーレーン先制、やられた……。警戒していたカウンター、流れが良くなっていた仲でのリスクマネジメント、アラー・フバイルへのマーキング含めて一瞬の隙を突かれた。残り10分の所での失点、引いてくるバーレーンを相手にゴールを求められる。

この状況下、獲れる策は一つ、アタッカーを増やす。一枚カードをもらっていた阿部を下げて、玉ちゃん投入。しかし、焦りからか効果的な攻撃を作れず、伝家の宝刀セットプレーも火を噴かず、憲剛→巻はスルーパスもオフサイド、ヤットのFKもGKの手の中に収まり、そしてホイッスル。改めてアジアの厳しさを体感する形で、初黒星を喫した。

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「絶対に負けられない」という強迫観念に、チーム全体が飲まれてしまったように見えて仕方がない。

「強迫観念」は、「恐怖感」へと変わり、「積極性」を失わせ、「自我」を見失わせる。

予選は結果が全て、それは否定しない。でも、結果だけを見て、結果を恐れるだけでは、何も生み出せない。その結果に恐れおののいているのは誰よりも岡ちゃんなんじゃないかな。

必要なのは「覚悟」。そろそろ腹を括ろうぜ。いつまでびびってんだよ。

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*もう既に日本とアジアの新興勢力の戦力差はこれまで程ないことはわかっていたし、真剣勝負の中では何が起きても不思議じゃない。ましてやアウェイ。そういう意味で負けたことに対しては大きな驚きもないし、ショックもない。でも、この負けが内容的に劣った上での必然の負けであるということがショックだ。「接近・展開・継続」の旗印の下、日本人の技術と機動性を活かしたショートパスでの攻撃構築と素早い切り替えからのセカンドブレイクを核にしたフットボールが表現された時間はほぼ0。相手のプレッシャーを前に、狙いの統一されていない雑なロングボールでの攻撃構築は、偶然の幸運を待つだけで何も生み出すことが出来なかった。しかも、リスクを避けるがために目指すべき舞台では厳しいと言わざるを得ない個の能力による打開を求めてしまう悪手。ゲームを見ていて、失望が拡がっていくのがとてもよくわかった。

*選手間の距離を狭め、細かくパスを紡いで相手を引きつける「接近」、その引きつけた後のスペースを使う「展開」、これらには大きなリスクがつきまとう。でも、それは最初からわかっていたはず。そのリスクを負うだけの効果があるからこそ、そして構築された先に見える希望があるからこそ、掲げたコンセプトのはず。それをこうも簡単に放棄してしまう。こういうのを見ると「ワールドカップ3位」とか、「世界を驚かせるサッカー」とか、自ら口にしたことに対する「覚悟」が足りないんじゃないかと思う。プレッシャーは大きい、その怖さを知っている、そんな人間だからこその「守り」の姿勢。でも、それを打破しないと未来は開けない。そう感じたゲームだった。

*ま、岡ちゃんの考えはとても良く理解出来るし、岡ちゃんらしいなとも思う。中盤の枚数を減らし(しかも接近・展開のキーを担う一人である遠藤保仁を外した)バックラインの数を増やしたこと、序盤はリスクを避けてある程度相手の出方を見て、プレッシャーの弱まったところで自分たちのサッカーをしようというゲームの入り方、これらの準備は慎重かつ現実的、そして周到。こういった要素は重要なゲームだからこそ重要で、間違った選択ではない。常套手段。しかし、選手のメンタルマネジメントとしてはネガティブに出た。慎重、現実、周到、これらの言葉が引き出す要素は決して積極性を促すモノでも、選手達の背中を押すものでもない。それを選手達が敏感に感じ取ったからこそ、試合を通じて消極的なプレーが横行してしまったのではないのかな。もちろん、実際にプレーするのは選手達で、彼らにも責任はある。命を賭してまで日本を強くしようとした名将の教えを身を以て学んだはずの選手達にも関わらず、主体的な思考をせず、リスクから逃げ回り、安易なプレーに終始してしまったわけだから。でも、モチベーターである監督が現実と相手ばかりを見て、味方にまで気を配れなかったこと、これは監督として批判されても致し方ない部分であり、受け止めなければならない部分でもあると思う。

*正直言って胸が痛む。今でも尚尊敬して止まない人を叩く、しかも、落ちた犬を叩くように。でも、まだ何も終わっていないことも事実。このゲームは絶対に忘れちゃいけない。このゲームで学んだことを6月に持っていって、過ちを繰り返さないようにしてほしい。次の過ちは死を意味するんだから。

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*本当はもっとロジカルにゲームを振り返るべきなんだろうけど、そういう気持ちになれない。てか、タクティカルな要素では見るべき所のないゲームだったしね。とにもかくにも、前を向くしかない、失敗はもう許されない。さあ、次!

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