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January 27, 2008

初陣@KIRIN CHALLENGE CUP 2008 vs ペルー

初陣。

本来であれば、垣間見える光に未来と希望を馳せられるぐらい淡いものでもいい。

でも、今はそうはいかない。このチームの置かれた状況がそれを許さない。それってちょっと不幸なことだけどね。

KIRIN CHALLENGE CUP 2008

Japan 0-0 Chile @ National Stadium,TOKYO

sports navi

日本代表スタメン:GK川口能活、DF内田篤人"祝・デビューもちょっとビター"(→71'加地亮)、中澤佑二、阿部勇樹、駒野友一、MF鈴木啓太、中村憲剛(→80'山瀬功治)、遠藤保仁"オレの時代?"、山岸智(→57'羽生直剛)、FW高原直泰(→62'大久保嘉人"決めないと!")、巻誠一郎(→80'矢野貴章)

岡田新監督率いる日本代表の初陣。このゲームで岡ちゃんがどのようなサッカーを作ろうとしているのか、そして本番が控える中でその完成度が現時点でどのくらいのモノなのかに興味が集中する。

対するは南米の雄チリ。しかし、欧州でプレーするクラウディオ・ピサーロ、ルイス・ヒメネス、ダビド・ピサーロなどトッププレーヤーは不在で、国内の若手を集めた2軍とも言える陣容。それでも、早い時期から日本入りしてコンディションを調整し、対戦相手も分析を進めるなど、知将ハビエル・ビエルサはこのアジア遠征に向け準備に余念がない様子。初陣にはちょうど良い相手か。

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試合展開

互いにアグレッシブに動き回り、攻守が激しく移り変わる立ち上がり、新しい日本代表は距離感を近づけながらタッチ数少ないショートパスを中心に「カオス」を意図的に作り上げる形が目に付く。まだまだパスがずれたり、タイミングが合わなかったりと、完成の域にはほど遠いが、選手達の中にはしっかりとした意識付けがされたことが伺えるか。しかし、チリ代表もそのスタイルを察知してか、ボールサイドへの寄せを速く、人を集めて対抗。結果、ピッチ上ではせわしないサッカーが展開されることに。

ゲームを進む中で、徐々にこのチームの良さと悪さが見えてくる。いい距離感が構成され、その中でパスがうまく繋がると、開始8分に表現されたように(中村憲剛から高原への楔→ダイレクトでヤットに落とし、ヤット再び前に走った高原へ→高原もう一度少し前に出たヤットへリターン→このボールの動きの間に、スペースを見つけて回り込むような引き出す動きを見せた巻、これを見逃さずにヤットは槙野脚に吸い込まれるような優しいパス→これが通るも槙野コントロールが足元に入り過ぎ、又相手の速いタックルに阻まれる形で打ち切れず……)、相手を翻弄しフリーマンを生むことも出来るが、それが悪い形でのロストとなると、選手間の距離感が近いだけに中盤のスペースを埋めきれず、相手の速い展開に対処しきれずカウンターへの移行を阻止しづらい形に陥る。コンセプトの光と影か。

試合展開としては徐々にチリが流れを掴む。攻撃におけるコンセプトの構築を優先的にやってきたからか、守備に置ける共通理解の浸透はまだまだ未成熟。アプローチの掛け方、ボールの獲り所の設定などが曖昧で足並み揃わずいなされてしまう。そうなると、後ろの選手がその負担を負うことになり、どうしても受動的な守備に苦しむことになる。チリはそれを見定めてか、カウンターでも、ポゼッションでも、日本の穴を突く形で攻撃構築し、アウトサイドを崩す形がよく見られるようになる。技術的にもミスが少なく、うまい。日本はチリの攻撃を何とか凌ぎながらもコンセプトの表現への努力は続けるが、押し込まれた後に近い距離感を作り出すのはそう簡単ではなく、前線で起点が作れないこともあって、終盤はなかなかイイ攻撃を構築することは出来ず。前半はスコアレス。

後半開始のタイミングでは交代はなし。チリの選手が長い距離をドリブル出来てしまうことにバランスの悪さが表れているか。捕まえきれず、何とか奪えても全体が後ろに体重を掛けされられているため攻撃の移行が鈍い。チリペースは変わらず。ハーフタイムでの修正の跡が少々見えない。

なかなかリズムを戻せず、セットプレーやアウトサイドからの攻撃に苦しめられる中でベンチが動く。山岸に代え羽生、高原に代えて大久保を投入し、前線の活性化を図る。すると、嘉人が流れを変える。裏へのスペースパスから抜け出すと、飛び出してきたGKより速くボールにタッチし、こぼれたボールを思い切りよくシュート。これは枠を逸れたが、嘉人の良さが出た。又、その後もテンポ良く縦にボールが繋がって前を向いた羽生のスペースパスから抜けだし、ボックス前でDFとの1on1、相手を外してそのまま巻くようなコントロールシュート!僅かに枠を逸れるが、嘉人のプレーで日本は再び精気を取り戻す。
*チリの動きが落ち、比較的スペースが生まれるようになったこともあるか。

リズムを取り戻したことで、選手達の動きも少しずつ積極性が出てきたか。ビルドアップ時、パスでの攻撃構築に固執しすぎていた余り、パスターゲットが出来ないと詰まってしまう事が何度も見られたが、個々が前が空いたらボールを運んで引きつけることで次の状況を優位に運ぶと言うことが出来るように。そうなれば、動きの落ちたチリを相手に良い形も出てくる。積極的な上下動を繰り返す駒野が左サイドを破って鋭いクロスを供給し、ニアに巻が飛び込むシーンは惜しくも合わず。

試合も最終局面に、日本はベンチの動きを活性化。羽生、嘉人の投入に続いて代表初スタメンの内田に代えて加地、残り十数分と言うところで巻に代えて矢野貴章、そして憲剛に代えて功治を投入。選手の見極めやコンディションも考慮してメンバーを動かしていく。その中で最も光ったのはやはり嘉人か。CKから矢野の前に入ってピンポイントで合わせたヘッド、身体でうまく押し出してイーブンボールを制し、ボックス内でフリーで打ったシュートと決まらなかったモノの決定機に顔を出して、ゴールに迫る。しかし、結局最後まで両チームのゴールネットは揺れることなくホイッスル。岡ちゃんの再びの初陣はスコアレスドローで終えることになった。

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初試合と言うことを考えれば、多くは望めない……

と言いたいのは山々なんですが、本番が迫る中で少々不安の残るゲーム。コンディション的な問題もあると思うのだけど、もう少しやって欲しいかなーというのが正直な感想。

確かにチームとしてどういうプレーをイメージしてるのか、そういう部分は見えたと思う。選手間の距離を縮め、ショートパスでボールをどんどん動かして、相手をずらすことで穴を空け、それを突く形で攻撃を形取っていく。ただ、まだまだイメージだけの状態で質は伴っていない。バックラインからのビルドアップ時に顕著なパスコースメイク(アングルの作り方、レシーブアクションの頻度)、攻撃構築と崩しのメリハリ、パススピード、アタッキング・サードでのイメージ共有、そしてプレッシャーが掛かる中でのプレー精度……こういうサッカーをするのであれば、もっともっと質を高めていかないといけない。ただ、これは短い時間ではそうそう改善していくのは難しいかも知れない。これは長期的な課題。

ただ、上記の問題よりも突貫での整備が必要なのは守備面。まず、アプローチの意思統一が全く整っておらず、。後ろが我慢していたからイイモノの、あれだけ中盤の守備が軽い状態だと、耐えられないシーンが出てきてもおかしくない。前から獲りに行くと言うコンセプトであれば、中盤の選手がトップの選手に連動しなきゃいけないし、バックラインももっと押し上げてコンパクトな陣形を獲る意識を持たないと(佑二も阿部っちもリスクを避けたい気持ちが強いから……)

そして、狭い位置でパスを繋ぐと言うことを志向しているだけに、その中に潜むリスクをいかにマネジメントしていくのかという部分。確かに佑二や阿部っちの対応能力もあって、0で凌ぐことは出来たけれど、あれだけスペースマネジメント出来ていない状況を見ると危機感を感じて修正してもらわないと、いつか痛い目を見る。特にロストの後の頭と身体の切り替えを速くしないと(アプローチしてカウンターへの移行を遅らせる。パスコースを限定することでレシーバーを限定し、強いプレッシャーを掛けることが出来るようにする)

泣いても笑っても後1週間、置かれた状況は厳しかったとはいえ、出来る限りの準備をして欲しいなと。
*もし、4年間与えられてのスタート、だったとしたら、もっと甘くてもイイかなーと思ったけど、ね。

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*選手評は簡単に。まずFW陣。高原は細かいスキルもあるし、こういうサッカーにも充分順応してくれると思う。ただ、コンディションという面ではまだまだなのかなーと。良いときはもっと速いし、積極的に自分でも仕掛けるはず。その辺はあと一週間でどれくらい上げてくるか……。巻は巻らしさは出ていたと思う。ただ、このサッカーへの適性という面ではどうなのかな?理想面から考えれば彼や矢野も含めてポストワーカーに頼らなくてもいいような状況になっていかなくちゃいけない気がする。で、光ったのは嘉人。裏という選択肢をダイナミックなランニングで作り出し、得点機に何度も絡んだ。細かいパスと最後の崩しという部分で、彼のように最後の部分で自分のプレーで他の選手のイメージを引っ張れるような事が出来るのはとても大事なこと。自分の特徴を出せる、出せないというのがあるけど、嘉人みたいな選手はそういう心配がないのかなーと。現時点で最もゴールの匂いのする選手といえるのかな。

*中盤に関しては、まだ見えない。最もイメージリーディングすべきプレーヤーがヤットであり、彼のプレースタイルと最も重なるプレーヤーでもあると思う。とりあえずは軸かな。ただ、そんなヤットと絡むプレーヤーはどのような選手達がいいのかというと、難しいかも。「攻撃構築」という面で最も必要なのはパスを紡ぐための技術、パスを受けるためのレシーブアクションの技術、このふたつは必須要素。憲剛とかは結構適性があるけど、持ち味が出てるかと言えばそうでもない。彼の素晴らしい部分であるロングパスとか「変調」として出てくると良いかなー。山岸はダイヤゴナルな動き出しで「崩し」の部分でイイ動きがあったけれど、繋ぎの部分は余り絡めず良くなかった。逆に羽生は繋ぎの部分で良いプレーが何度もあり、「崩し」の部分でも良い部分が出て、イイアピールになったかな。鈴木啓太は守備面でもっと周囲に要求しないといけないかな。啓太一人でマネジメント出来る範囲を超えてる。岡ちゃんは1ボランチで何とかカバー出来るようなアンカーを探してるみたいだけど、一人じゃ無理。数を増やすという選択肢を削るとすれば、周囲がもっとサポートしないとね。どちらにしても、ここは試行錯誤していくことになるのかな。タレントも沢山いるし……。

*ディフェンスに関しては個々の評価は何とも……内田のポジショニングと上がりのタイミングが良くなかった……ぐらいかな。とにかくよく我慢したと思うけど、もっと前線・中盤とコミュニケーションを密にビルドアップの質を上げること、もっとプッシュアップしてスペースを消していくこと。チームが一体となる上でディフェンスラインが負う責は大きいよ。佑二は怪我しちゃダメよ。闘莉王とか山口辺りが必要なんじゃないかなー。

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ま、トライ&エラーを繰り返すことでしか、チームは研鑽されないから、必要な過程。とにもかくにも、全てはとりあえず10日後のために。このゲームが糧となればそれでいい、うん。

ということでここまでー。

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*新ユニ……微妙……。赤でイイじゃない……。てか、あの放射状のあれは何?慣れるんだろうけど、あんまり好きじゃないなー。

*明日はMTでファン感。寒いから皆様防寒!と言いたいところだけど、防寒よりも呼びかけたいことが。人工芝に入ったりするだろうだから、なるべくスニーカーで。ブーツとか、ヒールとかはやめてね。こないだ入ったら一年間使用してかなり痛んできてるのがわかったからこそ、皆様にはお願い。

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