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December 31, 2007

迷走、構築、席巻、停滞 -PlayBack F.Marinos 2007 Part 1-

決して順風満帆だった訳じゃない。

それでも不思議と充実感のある一年間だった。

そんな1年をぐっと振り返る。

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・迷走の果てに見つけた「カタチ」 -3月~4月-

盛者必衰の流れを経て、新たな船出を迎えたFマリノスの2007年。新本拠地マリノスタウンが本格稼働、有望新人選手の多数加入など、本来であれば希望に満ちあふれたシーズンイン……となるはずだったが、負の大波がそんな希望をかき消していた。

本来であれば、現場責任者の希望の元に進められていくチームの補強政策が、フロント主導の元に進められていく齟齬。整った戦力を擁しながら2年連続で入れ替え戦へと誘い、果てには降格、チーム崩壊に導くなど「迷将」の名を欲しいままにしていた早野宏史氏を「マリノスタウン本格稼働をOBで」「マリノスタウン作ってお金ないから低年俸」という理由で招聘。補強の方に目を移すと、課題となっていた得点力不足の解消のために獲ってきた選手がその対極とも言える鈴木隆行(しかも5000万という破格の年俸)、外国人補強でも既にピークを過ぎたことが素人目にも明らかだったマルクスをヴェルディから、駒不足も顕著だったボランチではなく、即戦力ルーキー小宮山尊信、昨シーズン経験を積み五輪代表候補にも名を連ねた田中裕介がいる左サイドバックエウチーニョをパラナクラブから獲得するなど、補強ポイントや見識眼など関係ないと言わんばかりの亜空間な動きに終始。ネガティブな想像をするには絶好のネタがポンポン吹きだし、希望を抱くには少々難しい状況にあった。

そんなこんなで迎えた甲府相手のホームでの開幕戦、不安を抱えた中でスタジアムに向かうが、少しだけ希望を抱かせるようなゲームとなる。昨シーズン、ユースで10番を背負い、U-18代表にも名を連ねていた長谷川アーリアジャスールがスタメンでデビュー。そして、その期待に応えるようにエース山瀬功治の華麗なる中央突破をセンス溢れるアウトサイドパスで導き出し、これが決勝点となって開幕戦を飾る。世代交代の必要性を迫られる中で、最も必要なポジションの期待の星が結果を残し、勝利を得たというチームにとっては意味のあることだった。しかし、この淡い期待は長くは続かない。2節、プライドを掛けたJ2チャンピオンとなって初昇格を果たした横浜FCとのダービーマッチ(アウェイ)、浅い時間で負ったビハインドを最後まで返すことが出来ずに満員の三ツ沢で屈辱の零封負け。若手起用という面では飛び級で五輪代表にも選出され大きな期待を背負っていた乾貴士がプロデビュー、鋭いターンと鮮烈な突破でチャンスメイクするなど、一筋の光明となったが、負けが許されない試合での敗戦は、大きな傷を残した。

ダービーでの敗戦、アーリアの骨折など、ショックを抱えたまま迎えたヴィッセル戦、ショックを振り払うためか大きくメンバーを入れ替えて(その一環でユースのエースだった斉藤陽介がデビュー、しかし哲也の退場で不完全燃焼のまま交代のほろ苦デビュー)臨んだモノの、ミスがミスを呼ぶ最悪のゲームで大敗。そして、ナビスコ1節のホームでの大宮戦。その流れを払拭するどころか、いつか見たようなノッキングに次ぐノッキングの嵐で、閉塞感に苛まれ、結局終わってみればいつものように一発(小林大悟のヘッド)に沈む。2試合連続のブーイングには危機感が詰まっていた。

しかし、この屈辱的な3連敗がきっかけとなったのか、ターニングポイントとなるゲームを迎える。ナビスコ第2節、アウェイでのエスパルス戦。キャンプから取り組んできた4-3-3を放棄し、4-4-2に変更(坂田と大島の2トップ、功治を頂点に幸宏を左サイドハーフに抜擢、吉田が右でアンカーに河合というダイヤモンドの中盤)。このメンバーでハードワークを主に置いたアグレッシブなハイプレスを敢行。トップは恐ろしい程の運動量でチェイス、中盤は前への意志を持ち続けてレシーバーを襲う。結果こそドローとなったモノの、チームにはわかりやすいタスクを元にした意思統一が生まれ、チーム状況は一変した。再開されたリーグ戦、サンフレッチェのポゼッションを前にプレスが空転する場面こそ見られたモノの、ハイプレッシングが生んだ副産物か、チーム全体のプレーが活性化。大島の失点直後のテクニカルなヘッドでゲームを引き寄せた後は相手を飲み込むようなハイプレッシングで猛襲、逞しいサッカーを見せて開幕戦以来の勝利を掴んだ。

そして、迎えたレイソル戦。相手はJ2から熟成に熟成を重ねてきたプレッシングサッカーの先駆者、そんな相手を向こうに回しながら、激しいプレッシングの切っ先争いを制し、完全にゲームを掌握。攻撃に置いてもサイドバックの積極的なオーバーラップ、幸宏の積極的なパスレシーブアクション&シンプルなパス交換、狩野のファンタジックなプレー、そして攻撃の核となる功治の迫力ある突破、ここに2トップが絡む形でスタジアムを魅了。結果こそ0-2の敗戦となったが、内容では完全にリーグを席巻していた相手を凌駕。このチームがハイプレッシングフットボールを手中に収めたゲームとなった。そして、ここからFマリノスのハイプレッシングがリーグにインパクトを与えていく。

前半戦、僕の最も印象に残ったゲームは最後のレイソル戦。負け試合ではあったのだけど、悔しさではなく、感動で涙が出そうになった。4年間、ほとんどフットボールのディティールを積み上げて来れなかったチームが数ヶ月、いや、数週間でフットボールを積み上げ、立派なフットボールを展開したことに感動した。

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・席巻、研究、停滞 -5~6月-

レイソル戦のハイパフォーマンスが見せた可能性、これが結果に反映されていく様は余りに痛快だった。ナビ杯雨中の大宮戦(陽介のプロ初ゴール!)、ヤマハでのジュビロ戦(裕介痛恨のマークミス、ポジションを失う)を経て、迎えた大分戦。前節プロ契約後初出場した即戦力ルーキー小宮山尊信が初スタメンを飾ったこのゲーム、幸宏のバースデイゴールを皮切りにゴールラッシュ。ハイプレッシャーが実り、サイド攻撃が実り、第3列目からの飛び出しが実り、最後はエースのミドル、やりたい放題で粉砕。この大勝でチームは乗った。大魔境ビッグスワンでもこの勢い衰えず、幸宏の2節連続ゴールで先制、微妙な判定もあって気落ちした相手を尻目に後半又もスパーク、一気に4点を重ねて6-0の大勝利。幸宏の覚醒、テンションの高いアプローチでプレスを先導した坂田はその勢いそのままに2試合で4発、吉田の献身的な好パフォーマンスも素晴らしかった。

そして、この上昇気流がフロックではないと証明出来たのがフロンターレ戦。前線から高い意識で前から追い続けた大島が相手のバックパスを突き先制点、その後も自信を付けた小宮山が積極的なプレーでチームに勢いを与え、隼磨も負けず劣らず右サイドを駆け上がるなど両サイドが躍動し、完全にゲームを掌握。そして、勝負を決めたのがエースの一発、鋭いFKでニアを強襲、リーグ屈指のGKである川島永嗣を手玉に取った。これでついにフロンターレを撃破、3連勝、最高のゴールデンウィークになった。

ただ、華々しい結果、鮮烈な印象を残し続ければ、対戦相手も手をこまねいてはいない。それを示されたのがグランパス戦。鹿島戦(雨中のゲーム、孝行の素晴らしい切り返しゴールで先制も、オズワルド・オリベイラのミドルパスを駆使したプレス回避対策が嵌る形で勢いに乗れず)で暴かれた対応策をフェルホーセンがアレンジ。ヨンセンと杉本のスペシャルアビリティを駆使したプレス回避の戦術に完全に嵌り、守備に置いては未だ改善出来ないゾーンを崩しきれない悪癖を露呈、まだ深みを持たないFマリノスのハイテンションフットボールは攻略されてしまった。

勢いの止まったチームが迎えるのは停滞、実効性が薄まり、費用対効果の効率が悪くなっていくことでチームのモラルの低下が起こる。相手に研究され、それに対応するためにプレス一辺倒にならないように柔軟性を求めた結果、共有出来ていた意識が乖離していく。そうなると結果が出ないのは必然だった。そして、早野監督の悪癖も出る。FC東京戦がその最たる例。福西の一発に沈んだ訳だけど、リチェーリ対策としての那須のサイドバック起用や持ち味を相殺してしまうようなマイクと乾の同時投入など、裏目となる采配も多く見られた。その後のレッズ戦、ガンバ戦では相手の力を意識した結果、中盤の構成を変更するも、その変更によってプレスの連動性が失われ、培ってきた要素を強豪相手にぶつけるチャンスを逸してしまった。ただ、この停滞はチームに更なる熟成を喚起し、次なる爆発を呼ぶことになる。

*やっぱりこの中ではフロンターレ戦が一番印象に残っているかなー。鋭いカウンター、トップの実効力、理に叶った采配など、一足飛びにJのトップクラスまで駆け上がった姿を見て、悔しくないと言ったら嘘になる。ましてや、直接対決でいつもいつもやられまくって、悪い印象しかなかった。でも、この試合でようやくひとつ借りを返せた。しかも、チームとしての形を表現しての勝利、気持ちよかったなぁー。

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長くなったので一度切ります。伝説となるダービーと夏の快進撃、その中で潜んでいた弱点に苦しんだ秋の連敗、そしてはい上がって何とか締めた冬……、改めて浮き沈み激しいなー、まとまらん(苦笑)

では、ここまでっ。

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