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December 18, 2007

堪能の夜@CWC 2007 Final ACミラン vs ボカ・ジュニアーズ

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ピッポの得点の匂いを嗅ぎつけて鋭くマークから離れる動き出し。

パラシオの上体を揺すりながら揺さぶってすり抜けていくドリブル。

ピルロのマークを外したアタッカーを見逃さない視野の広さとピンポイントに的を射抜くような柔らかいパス。

バネガの先が楽しみになるような独特のテクニックとパスセンス。

ネスタの超高質のポジショニングと陸空問わない高い守備能力、ネリ・カルドソのアタッカーとしての感覚、ジダの反応の早さと高いセービング能力、イバーラのクロス精度、ガットゥーゾの寄せの速さと激しさ、マルディーニの経験に裏打ちされた守備技術、セードルフの全てを可能にするセンスと技術……etc

そして、メインディッシュはカカの一瞬でトップギアに入る加速能力、抜群の技術と感性、クラックとしての存在感。

トッププレーヤーの技術の粋、これがプレーの質を高めていく。

改めて、堪能させてもらいました。

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*改めて、ミランの選手もボカの選手もうまい。戦術とか、チームとしての完成度云々の前に、一人一人の質が高い。だから、中身の詰まった見所の多いゲームになったのかなと。結果として差がついたのは、全てに置いて如何ともしがたい力の差が表面に出てきてしまったとしか言いようがないけれど(カカがいるかいないかと言う面も含めた選手の質もそうなんだし、戦術理解の質、目的意識の質とかも差があった。ボカも高いレベルのチームだと思うけど、このチームに必要なピースが一つ足りなかった、このチームに方向性と創造性を与える唯一無二の存在がね)、選手一人一人のプレーを見ているだけで充分エンターテイメントだった。

*ただ、カカはやっぱり別格だったなー。怪我の影響もあってか、前半はボールが足についていない感じもあったし、抜ききれない部分が随分あったけど、バイタルで前を向いて加速して置き去りにしていく彼の「形」で、一発解答。これを結果に反映し、その後はもうどうにも止まらない存在になっちゃった。とにかくダイナミックで、速くて、うまい。ロナウジーニョのような度肝を抜く足技的なうまさじゃなくて、スペースを突く事であったり、必要なときに必要なプレーを選択出来る実効的なうまさ、と言う感じかなー。てか、ゴールはスタジアムでは何が起こったのかわからなかった。駆け引き、相手の対応、タイミングの問題だとは思うのだけど、前を向いて縦に突破を計っただけなのにそれで振り切って決めたのは、参った。足が揃ったところを狙ったのか、フェイクで張り巡らせていた伏線を利用したのか、凄い気になったんだけど、ああいうことが出来てしまうのがスペシャルって事なんだろうね。とにかくカカ凄いよカカ。

*ミランのチームとして感じたことは、はっきりした芯はぶれないけど、状況であったり選手起用など、目的に応じて様々なタクティクスを柔軟に使い分けられること。一つ一つのディティールとしての練度の高さも素晴らしいんだけど、それが選手達の高い戦術眼やインテリジェンスによってその時々にあった戦術が切り替わっていく感があった。プレーセレクト、とも言えるのだろうけど、この辺はもの凄い洗練されているなーと。老朽化、停滞、マンネリ、と言う面も実際あるけど、、こういう部分を見て時間が積み重なった分だけの質というのを感じさせられた。個人的には個を活かす組織というのを目の当たりに出来たのはとても勉強になった(カカというスーパークラックの力をいかにして引き出すのか、これがミランの攻撃の目的の大きなファクターだったと思う)

*他にも言及したい選手は沢山いるんだけど、とりとめなくなるので、ボカ。ボカに関しては、序盤の立ち上がりとか、テクニックとリズムを感じるプレーは南米っぽくてとても良かった。パラシオも見直した。守備も序盤は集中力高く、カカを抑えられていたことでリスクも管理出来ていたんだけど、カカを走らせてから……ま、しょうがないけど。正直な感想として、リベルタドーレスを見ちゃってるから物足りなさあったかなー。リケルメいて欲しかった。

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こういう試合を見た後に常に考えることなのだけど、このレベルに近づいていくためにどうするべきか。もうテレビの中だけの雲の上の存在じゃない、実際に戦う相手。現実として小さくない差があるのも確かなんだけど、この差を埋めていつか勝つために、考えていく時期が来ているのかなと。同じスタジアム、同じピッチで見るからこそ、感じられる差は沢山あった。

個人的にはチーム云々の前に選手個々のプレーディティールの差、プレーへの意識の差というのを感じたかな。サッカーはミスゲームだけど、ミスをしないためにどれだけ高い意識を持ってプレー出来ているか、、どのようなコントロールが正しいのか、どちらの方向にボールをコントロールするか、どのようなパスを出すのか、ボールを扱う上で細部にまで意識の行き届いたプレーをファイナルで戦った2チームの選手達はやっていたと思う。彼らがミスをしないのは単純に技術が高いからだけじゃない、より丁寧に、繊細に、プレーしているからだと感じた。

それに比べてJはどうだろう。選手達のクローズド・スキルに関しては、トップレベルの選手達にも近づいてきていると思う。ただ、ゲームの中でのオープン・スキルに関しては雲泥とまでは言わないまでも、大きな差がある。それはゲームの中でのミスの数、ミスの質に反映されている。低い意識が無駄にボールを浮かしたり、トラップを流してみたり、状況把握をしないままターンして奪われてみたり……、意識の低いプレーがミスに繋がり、ゲームの質を下げている。

実際、昨晩のアーセナルvsチェルシーでもそうだったけど、ボディシェイプやトラップ、パスなど一つの細かなディティールのミスで一気に失点に繋がってしまうぐらいシビアなゲームが最高峰の舞台では行われているのに対し、Jの場合は一つのミスが起きても、ミスの応酬になってその一つのミスが致命傷になるかといえばそうでもなかったりと、置かれた状況が違うことがあるのかも知れない。でも、そんな状況下の問題ではないのは言わずもがな。意識さえ変われば絶対に変わるはず。それだけの技術は持っているのだから。

もう、手の届かない存在じゃない、倒すべき相手なんだから。だからこそ、もっと、もっと。

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毎年のことだけど、刺激を受けましたよ、うん。正直、恐ろしく寒くて、1試合目と2試合目の間に意識が遠のいたりしてたけど、ね。高いお金の価値はあったと思う。出来れば日本での開催が続くとイイのだけど、それは神のみぞ知るって感じかな。てか、出たいです。

ということでとりあえずここまで。レッズのことは次。

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FIFA Club WORLDCUP Japan 2007 FINAL

Match 7/AC Milan 4-2 Boca Juniors @Yokohama International Stadium,YOKOHAMA
MILAN:21'&70'F.Inzaghi 50'A.Nesta 61'Kaka
BOCA:22'R.Palacio 85'OwnGoal

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ミランスタメン:GKジダ、DFボネーラ、ネスタ、カラーゼ(77'一発赤)、マルディーニ、MFガットゥーゾ(→65'エメルソン)、ピルロ、アンブロシーニ、セードルフ(→87'ブロッキ)、カカ、FW F.インザーギ(→76'カフー)

ボカスタメン:GKカランタ、DFイバーラ、パレッタ、マイダナ、モレル、MFバタグリア、ゴンザレス(→67'レデスマ[88'一発赤])、ネリ・カルドソ(→68'グラシアン)、バネガ、FWパレルモ、パラシオ

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