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November 21, 2007

Over The Crisis@J1 第32節 ジェフ vs Fマリノス

届いただろうか。

佑二の抜群の読みでシュートを根元から抑えた完璧なシュートブロック。

羽生の執念とも言えるラインすれすれからスライディングで上げた素晴らしいクロス。

ジローのイズムを体現するかのような奔放かつ献身的姿勢を感じる運動量。

斉藤や中島の攻撃参加による数的優位局面の構築。

隼磨のこれぞダイナミズムと言える長距離ランニングからの逆転弾。

内容的に最高のゲームではなかったかも知れない。ただ、あなたが喜びそうなプレーがいくつもあった。両チームサポーターの叫びに乗せて、それがあなたに届かんことを。

SVABO!OSTANI!

2007 J.League Division1 第32節

ジェフ 2-3 Fマリノス @ フクダ電子アリーナ"フクアリ"「Over The Crisis」
JEFUNITED:67'pレイナウド 79'工藤浩平
F.Marinos:20'中澤佑二 80'大島秀夫 84'田中隼磨

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF田中隼磨"吹いた疾風"、栗原勇蔵"痛すぎる終焉"(66'一発赤)、中澤佑二"ゴールよりも輝かしい水際ディフェンス"、田中裕介、MF河合竜二、狩野健太"波の中で出来ること"(→68'那須大亮)、山瀬功治"エース復帰"、清水範久"繊細かつ怒濤のスーペルジロー"、FW坂田大輔(→81'山瀬幸宏)、大島秀夫"捉えた日本人得点王"

ジェフスタメン:GK立石智紀、DF斉藤大輔、中島浩司、ネナド・ジョルジェビッチ(→83'青木孝太)、MF伊藤淳嗣"冴えた高質ミドルパス"、佐藤勇人、羽生直剛"意地と執念のクロス"、山岸智(→89'米倉恒貴)、工藤浩平"鮮烈ボレーに股抜きドリブル、テクニシャン本領発揮"、FW新居辰基、巻誠一郎"ふがいなさに涙"(→59'レイナウド"なぁ、正直に言えよ、おてて当たったろ?")

昼間の陽気はどこへやら、強風で震える程の寒さのフクアリ。最高の観戦ロケーション、ドイツ式の選手紹介など、フットボールの雰囲気に浸りたいところだが、このゲームを考える上では避けて通れないのがイビチャ・オシム氏の悲しいニュース。互いのサポーターが彼の無事と回復を願って彼の母国語でメッセージを張り、又実子アマル・オシム氏の紹介時には万雷の拍手が起こった。

そんなゲームのスタメン、ジェフの方はオリンピック予選のため水野・水本が離脱中で欠場、又回復したと見られていた下村もメンバーに名を連ねることは出来ず、ベストのメンバーが組めない状況。対するFマリノスはここ数戦のゲームとほぼ同じ形だが多少の変更。週中発熱のために練習を休むこともあったオーシが元気にスタメンで坂田と2トップ。中盤は功治が復帰、しかし健太と河合のダブルボランチは継続。ディフェンスラインには出場停止の明けた勇蔵がスタメンに。マツ、那須がベンチスタート。コミーベンチ外(´・ω・`)

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試合展開

互いにアグレッシブな姿勢を感じる立ち上がり、攻勢に出たのはFマリノス。オーシの高さがストロングポイントとなり、そのセカンドを拾う形から攻撃が機能、仕掛けの部分では、ここ数戦消極的なプレーが目についた隼磨が積極的な突破アクションを見せてチャンスを作ると、その流れに乗る形でFマリノスが先制点を奪う。

左サイドからのCK、狩野が速いインスイングのキックを中に流し込むと、飛び出したはじき出そうとした立石が佑二・巻と交錯して触れず、このボールをジェフディフェンスがクリアしきれずゴール中央にこぼれると、最後は佑二が門番なきゴールへ当たり損ないのシュートを流し込んで、先制。ジェフの選手達はキーパーチャージをアピールするも受け入れられず。微妙な判定だったが、ゴールはゴール。二試合連続で先制点を奪った。

しかし、このビハインドで火が付いたのかジェフの攻勢に晒され、ゲームの主導権が移る。両サイドバックが攻撃参加に出ると、ワイドに張り出す羽生・山岸を見切れないFマリノスディフェンスの穴を伊藤や工藤が精度を伴ったミドルパスで使い、オープンの状況での攻撃機会を多く演出。又、裏のスペースを新居が付け狙い、間一髪間に合ったモノのかなり際どいシーンも。しかし、ことごとくフィニッシュが哲也の正面を突いたりとゴールに繋げる部分での質が伴わず、スコアを動かすことは出来ず。Fマリノスとしては良く耐えた。結局前半は、0-1で折り返す。

後半に入ると、ジェフの攻勢は更に勢いを増す。大きなサイドを使うフィードでサイドに起点を作り、センターバックを引っ張り出すことでバランスを崩す形が機能。特に山岸や巻の決定機などは完全にそれが実った形だったが、山岸のヘッドは哲也の正面、スルーパスに抜け出した巻はフリーのシュートを枠に飛ばせず。命拾いしたFマリノスだったが、攻撃に関しては完全に機能停止。相手の攻勢に押し込まれた後のビルドアップは皆無、風の影響もあってか飛ばされたロングボールもほとんどオーシの頭に合うことはなく、攻撃に出れなくなってしまう。

そして、訪れた66分、大きく飛ばされたCKはファーの斉藤の頭へどんぴしゃり、このヘッドに対して勇蔵がブロックに入るも手ではたき落とすような形となってしまい、これが得点機会阻止となって一発退場。執拗な抗議も実らず。このPKをレイナウドがきっちりと決め(哲也惜しかった)、掴んでいたアドバンテージを失うばかりか、数的不利というディスアドバンテージを握らされた。

この非常事態に早野監督の決断は、狩野に代えて那須でセンターバックの穴を埋める。しかし、火を消しきれず、逆に油を注いでしまう。交代で入った那須の縦パスが相手に渡ると、すぐさまレイナウドへ。バイタルに前を向かれると、何とか凌ごうとディレイするも後ろから走り込んできた羽生へ綺麗なスルーパスが通り、これで完全に崩されてしまった。羽生はエンドぎりぎりのタイミングをスライディングのクロス、レイナウド・新居がニアに走ったことでディフェンスは完全にこの二人に釣られ、ファーサイドの工藤はドフリー。綺麗なボレーを叩き込まれ、一気に逆転されてしまった。敵ながらあっぱれ、執念とも言える素晴らしいクロスとそのクロスを無にしない工藤のボレー。レイナウドと新居のランも大きくモノを言ったし、マリとしては致し方ない形か。ミスからの失点だけど。

これで勝負は決まったかに思われたが、Fマリノスは素晴らしいビハインドメンタリティを発揮、カウンターから右サイド深くでのスローインを得ると、うまく身体を使ってターンしたジローが相手につかまれながらも速く、精度の伴ったクロスを供給。マークからうまく離れたオーシがカラダをひねるようにコントロールしたヘッドを沈めて、すぐさま同点!ジローのターン&クロスで勝負有り、狙ってないとはいうものの、その感覚に巧み。オーシのヘディングテクニックもこれまた巧み。これで勢いが出ると、一気呵成に逆転ゴールを生む。

今度は左サイドでボールを持ったジロー、様々な選択肢がある中で、選択したのは相手が同じサイドに引き寄せられていたことで空いた右サイドのスペースに走り込む隼磨!隼磨は柔らかく優しいループパスに応えるように素晴らしいファーストタッチ、そして右足一閃!矢のようなシュートは飛び出した立石を抜き、相手カバーも及ばなず、サイドネットに突き刺さり、逆転。くぅぅぅぅぅぅぅ!素晴らしい!ジローの溜めと素晴らしいクロス!そして隼磨のダイナミックなランニングと精緻な技術!素晴らしすぎた。ジェフは直前にジョルジェビッチに代えて青木を投入して攻勢に出ようとしたところでバランスが崩れたかな。青木はかなり指示していたけど……。

これで勝負は決した、長いロスタイム含めた時間を現実的に凌ぎきり、久々過ぎるリーグ戦勝利!(引き分け挟んだ)連敗もストップし、ホーム最終戦に弾みを付けた。

そして………、

試合後、喜びもそこそこに巻き起こったのはオシムコール。ジェフサポに呼応するようにFマリノスサポも応える。試合前からジェフ側には一杯のメッセージが入った(ように見えた)長い母国語による横断幕、Fマリノスサポも「SVABO!OSTANI!(ドイツ野郎、残れ!)」と言う横断幕が試合前から張られていたことなど(最後は手に持っていた)、皆祈ることは同じ、オシム監督がこの危機を乗り越え、一日も早い快方に向かうことを願ってこのゲームが締められた。

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切り替えてっと

勝った!勝った!勝った~!

久々の勝利がこんな劇的な勝利とは!そりゃ気持ちよくてたまらん。もうそれ以外に言うことないよ。

チームとしても、危機的な状況を乗り越えられたというのは失われた自信を回復する意味でも小さくない。勝利こそが最大の良薬、だと思うからね。

内容とかは確かにあれだったんだけど……、まあね、勝ったからね、それでいいじゃない(うかれすぎ)

それにしても、長かった……、本当によかった……。

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*少し冷静になります……そう、内容に関しては褒められたモノではなかった。特に攻撃構築。前半はまだオーシが空中戦に置いて優位性を握っていたからイイモノの、後半風の影響もあってかロングボールがオーシの頭に合わず、ほとんどはね返されて攻撃の起点となり得なかったのに、それでも考えなしにぼっこんぼっこんハイボールを飛ばしまくってた事はもの凄く問題。精度が低いといったらそれまでだけど、無為に蹴り上げて繋げというのははっきり言って無理がある。全部相手ボールになれば、相手のペースになるのは必然でしょ。無理しろとは言わないけど、繋げる部分では繋がないと。前も苦しくなるし、押し上げる選手達にも大きな負担が掛かっているんだから。確かに相手もかなり来ていたからリスクはあると思うけどね(実際那須がミスして失点したし)もちろん蹴る方だけじゃなくてボールを引き出す側にも責任がある。特に健太は、自分が何故に起用されてるのか、こういうときこそ存在感を発揮しないとね。ま、次の課題にしましょう。

*あとはアウトサイドのケア、徹底して両サイドのスペースを突かれた中で選手達がどう考えるのか。実際ピッチ全域をケアするのは難しいわけで、人数が足りなければそれはもっと困難になる。そこで何をしなければならないのかと言うことを考えないと。オリジナルポジションを埋めるために切り替え早く戻る、上がった選手のポジションをスライドして人数を揃える、と言った意識が必要なんじゃないかなと。上がることは否定しないし(バランスを見た上で……だけどね)、隼磨のゴールは積極性の賜。だけど、4バックでセンターバックがあれだけ持ち場を離れざるを得ない状況というのは危険以外の何者でもない。あれだけやられていてそれを無為に見過ごしていてはいつまで経っても安定して勝ち星は重ねられない。看過せずに課題を選手達で解決していくことは来期に繋がると思うから、頑張って欲しいな。

*小言はここまで、とりあえずジロー最高。佐川戦でも流れの悪い中で彼のスピードと運動量がチームの福音となったけれど、この試合のジローも凄かった。スペースを見いだせば一人でボールを持ち込んでくれるし、守備の意識も高く一人少ない中で縦横無尽と走り回ってくれる。こういう状況の中で攻守を繋ぎ止めてくれるグループレーヤーの存在は非常に大きかった。そして、あのアシスト二つ。一本目のクロスのスピードと精度(感覚的に、って言ってたけど、それは大事なこと)、二本目の冷静に空いたスペースと走り込む隼磨を見据えた柔らかいパス、本当に素晴らしかった。ありがとうジロー。

*隼磨は守備に関してここの所サボったりするシーンが目につくのだけど……、でもあのゴールは凄かったなー。最高の超距離ダイナミズムアクション、最高のファーストタッチ、最高のシュート、全ての揃った素晴らしいプレーだった。積極性も戻りつつあるし、攻撃面での高リズムが守備に繋がってくれれば。隼磨ありがとう。

*あとはライフワークとなりつつある健太ウォッチ。守備も頑張ったし、セットのキックからも一つゴールを導き出したりと、ダメじゃないんだけど、この日はあんまりボールを引き出せなかったことが反省点。河合がなんだかんだ言ってボールタッチが多かったことを考えれば(そして、機転の利いたパスも結構あった)、健太はもっとやらないと。でも、パフォーマンスは徐々に底上げされていると思うので、これを継続だね。

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内容の良かった鹿島戦では勝てなくて、内容の悪かったジェフ戦で勝つもんなんだなー、そんなもんなんだろうけど不思議。しかし、勝った後ってこんなに嬉しかったっけ?と思う程嬉しかった。次も喜びたいねー、出来れば残り二つ両方とも、うん。ということでここまで。

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*フクアリはやっぱりイイねー。初めてバクスタの高いところから見たけれど(SA自由)、本当に素晴らしい眺め。選手のテクニックも、局面での攻防も(手を使ったりとかね)、チームのタクティクスも全てが見られる。トイレと出口が……というのはあるけど、やっぱり好きだわー。今年はサハラでは来れなそうなのが残念。あと、あの選手紹介はいいなー、どっかのドイツのチームでやってるというのは覚えてるけど(ど忘れ)、参加型スタジアムって感じで馴染みやすい気がする。うちでは無理かも知れないけどなー。

*ジェフのサッカーはやっぱり段々変化して行ってるんだなーと感じたり。水野が活躍する理由がわかった気がする。もちろん、イズムは感じるのよ、センターバックや佐藤勇人の攻撃参加による数的優位を作る形とか、ショートパスの巧さとかね。ただ、1vs1になるシーンが多くなって、そこで仕掛けることを求められる形になったかなーと。そうなると、水野みたいな選手が存在感を発揮するのは道理だよね。いなかったことはラッキーこの上なし。ただ、それを可能にしてる伊藤のフィードは◎。非常に高精度のパスで両サイドにそういう機会を作っていたので、今後注目したいかな。ルーキーではないよね?

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