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November 04, 2007

洗礼@J.League YamazakiNABISCO Cup Final フロンターレ vs ガンバ

結果が全てのビッグマッチだからこそ、勝利のために、何が有効なのか、何が最善なのかを考える。

しかし、そこに罠がある。

成功体験を顧みず、相手を過剰に意識した結果、らしさを出し切れなかったフロンターレ。

相手を意識しながらも、核となる部分は触れずにらしさを押し出したガンバ。

差を分けたのは、こういった要素にあるような気がしてならない。

これが、ビッグマッチ、これが、ファイナル。

2007 J.League YamazakiNABISCO Cup Final

フロンターレ 0-1 ガンバ @ 国立競技場「洗礼」
Gamba:55'安田理大

Super Soccer

フロンターレスタメン:GK川島永嗣、DF森勇介、箕輪義信、寺田周平、佐原秀樹(→74'河村崇大)、伊藤宏樹、MF谷口博之、中村憲剛、大橋正博(→68'久木野聡)、FW鄭大世(→78'黒津勝)、ジュニーニョ"ナイーブなスーパーエース"

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DF加地亮、シジクレイ、山口智、安田理大"一世一代の大仕事"、MF明神智和、橋本英郎、遠藤保仁、二川孝広、FWバレー(→90'播戸竜二)、マグノ・アウベス

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試合展開

マギヌン出場停止で弄らざるをない状況に立たされていたフロンターレ、様々な試行錯誤を経て選択したのが3バック+森・伊藤のスタートポジションを低く定めた5バック気味の布陣。ディフェンスラインに基準を合わせてアプローチの開始位置を下げ、後ろに枚数を揃えることで躊躇なく前へとアプローチを出来る環境を整える。バイタルのスペースを潰しながら人を潰し、良い形でインターセプトなどが出来れば、そのベクトルを一気にカウンターに繋げることを見据えた形だったか。ジュニーニョ・鄭というアタッカー陣の力(相手のラインディフェンスに対して何度も裏を狙った意図は間違いなく正しいモノ、2トップの連動でうまくジュニが前を向いてループを撃ったシーンなど、一発の可能性は常にあった)、そしてセットプレー(大橋のキックの精度、中の高さを考えれば可能性は大きかった。寺田のヘッドが決まっていれば、よりスペクタクルなゲームになった可能性はある)という可能性を有していたことを考えれば、ゲームプランとして、まずはディフェンスをきっちりとすることで失点を避けるという関塚監督の考えはわからないではなかった。実際、序盤は間違いなくフロンターレのゲームで、沢山決定機もあった事を考えても。

しかし、この決定機を何とか凌ぐと、ガンバの選手達の戦術眼が、相手の狙いを察知して自分たちのプレーをアジャストしていく。普段であれば、バイタルの空間を意識した上でポゼッションし、縦の出し入れを絡めて相手を揺さぶっていく。しかし、相手の布陣は堅牢なセンターバックが中央を固め、前を狙っていることを察知したのだろう。そこで愚直に楔を打つのではなく、マグノやバレーをサイドや裏に拡がるスペースに走らせ、相手の狙いの逆を突く。それが最も現れたのが二川が川島に倒されて微妙な判定となったシーン。右サイド、二川の楔を受けるような予備動作に対して鋭く前でインターセプトを狙った寺田、しかしその予備動作がフェイク、これで完全に裏を取った。受け手と出し手の意思が通じ合ったプレーなのだが、相手の意図までもを読み切っていたようなプレーであり、ここに一つの差が出ていたように思う。そして、ゲームの波が変わった。

リズムを掴めば、ガンバは自分たちの攻撃性を前面に出していく。ボールが動く、人が動く、相手は守ること、下がってスペースを潰すことに意識が向いていく。そうなると、スタートポジションが下がる、切り替えが遅くなる、効果的なカウンターへの素地が消えていく。ゲームプランとして失点を避けることに重きを置いていたとはいえ、フロンターレのもう一つの狙いが潰されていた感はあった。

後半、互いにより強く先制点を狙う中で、まずフロンターレに風が吹いた。うまく左サイドにポジションを獲った大橋にボールが収まり、溜めることで憲剛が上がる時間を作るとその憲剛へパス、そして中村憲剛の精度あるスペースパスが膨らむようにパスを引き出したジュニーニョへと通る……見事なカウンターが嵌った瞬間だった。しかし、このチャンス、角度のないところから放ったジュニーニョのシュートは沸くに向かったモノの藤ヶ谷の良い反応に凌がれる。千載一遇のチャンスが得点にならないとなれば、次にチャンスを迎えるのは言わずもがな。そして、最も運のある男がこの機を活かす。ヤットから展開されて、バレーが左サイドからグラウンダーのボールを流し込む、二川が飛び込んでシュートに入るもフィットせず、少し角度の変わったボールに飛び込んだのは安田、マークの森よりもボールサイドに入り、後数センチを自らの足で押し込んだ。西野監督がリスクを感じていながらこのニューヒーローの起用に踏み切り、後半彼のポジションを上げたことが功を奏した訳で、そこはガンバの攻撃への強い意識というのが現れていたのかな。フロンターレはちょっと曖昧な対応と不運な角度の変わりが重なって、対応しきるのは難しかったかな。ただ、ここで森は内側に入れさせちゃいけなかった。

ビハインドを負い、このままではいられないフロンターレ。しかし、ローリスクの布陣を切り替える選択がなかなか出来なかった。最初の交代カードは大橋→久木野、寺田をアンカーにし、憲剛をより前に上げることで攻撃を動かそうとしたが、久木野がゲームに乗れなかったこともあり、攻撃に勢いは生まれず。二枚目、佐原→河村で寺田を最終ラインに戻し、河村をアンカーに、久木野をより高い位置にとしたものの、憲剛をすでに前に上げていたので攻撃に置いては余り意図を感じない交代。そして、ラストカード、鄭→黒津。疲労感を考えての交代カードも、黒津のスピードやキレが活きる展開ではなく、彼も何も出来ず。それでも中村憲剛の右サイドからのCKに、ニアに飛び込んだ山脈をブラインドにジュニーニョがゴール中央フリーでヘッドという大好機を迎えるが、決めきれず。ガンバは現実的に守備に意識を裂きながらも矛は収めず、相手の攻撃を裁ききって、ゲームを締めた。0-1、ビッグマッチらしい堅いゲームは、経験値に勝るガンバがフロンターレを押し切り、ナビスコ初制覇を果たした。

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タイトルを獲ることの難しさ、どのチームも味わってきた洗礼をフロンターレが受けたということになるのだろう。レッズも、ガンバも通ってきた道で、それだけタイトルが尊きモノだと言うことを感じた一戦だった。

もちろん、フロンターレがらしさを出さなかった訳じゃない。ジュニーニョのスピードは相変わらず弾丸のように速く、鄭も所々では強さを発揮し、寺田は強く高く、森は避けずに丁々発止の勝負を仕掛け、象徴である憲剛も機を見て上がり鋭いパスで攻撃を演出した。でも、個人が個人として自分のプレーが出来ていただけに、それをチームパフォーマンスとして昇華出来ていれば……という後悔が残るのではないかと思ってしまう。それぐらい今日のフロンターレはいつものフロンターレではなかった。ジュニはいつも以上にナイーブだったし、ファーストプレッシャーの開始列を一列下げ、意識は前にあっても後ろに体重が掛かっている矛盾があった。8/25の成功体験、青が水色に変わる「アタック25日!」な前傾姿勢のパフォーマンス、それを思い出せば思い出す程、ね。

それに対して、ガンバは大きくチームを弄ることはしなかった。彼らは「このメンバー」で一度失敗していて、改めてタイトルマッチだからと言って、策こそ準備していたにしても、あくまでもコアは弄らなかった。そして、自分たちの培ってきたモノをきっちりとこのゲームで発揮してゲームをしっかりとモノにした。レッズ、アントラーズという強者を次々に破ってきたことと強者が勝つカップウイナーのタイトル、彼らが勝つ事に一つの矛盾も感じない。

こういう悔しい経験がチームを変える、糧となるのは前述の通り。洗礼を受け、再び登ってきたとき、彼らは今回のような失敗を繰り返すとは思わない。今度こそ、タイトルに手を掛けるために主体的なプレーをするのではないかと思う。だからこそ、この経験はフロンターレを更に強く、逞しくするモノだと思う。

そんなことを感じた一戦だった。

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*総合的に充実したゲームだったとは思う。技術も高いし、大きなミスも少ない。両チームの特性を考えるともっとスペクタクルな攻め合いが見たかった気もするけど、集中力の高いゲームはやっぱり見ていて楽しい(疲れるけど)それに、個人のマッチアップは本当に見応えがあった。特に安田と森のマッチアップは本当に充実した凌ぎ合いは本当に面白かった。森の鋭い突破が序盤こそ凌駕していたけど、安田も引かなかったし、それを西野監督も推進した起用法含めて、盛り返して、そして決勝点に繋がった。森はリーグでもトップクラスの1vs1の強さを誇るプレーヤーなのだけど、安田が今日魅せたプレーを考えると彼もまたその階段を上り始めているのかなーと。ま、こいつ嫌いだから、森に頑張って欲しかったんだけど(本音)

*個人的に一番感慨深かったのは、まーくんがこのピッチで「スタメンで!」プレーしてくれたこと。出来としてはそれなりというか、一発狙いすぎて余りイイとは言えなかったけど、まーくんのまーくんらしいプレーもしたわけで、その辺はプレーヤーの特性として、仕事が出来てればなーと。てか、寺田が決めてれば、寺田が……。てか、セッキーフルで出してくれよー。ゲームの内容云々じゃなく、一発で何かを変えれるプレーヤーを簡単に下げるべきじゃないでしょ……。

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ま、最も強く思ったのはマリがこの舞台でゲームをしてることを見たかった。やっぱりこういうでかい舞台で試合をすることは、チームにとって恐ろしく大きくて、尊いモノだと思うから。以前はこういうゲームを沢山してたと言っても、そういう場から離れれば離れる程その感覚も薄れて、どんどん落ちていってしまうわけで。改めて(てか、毎回だけど)行きたいなぁと。真の強者が勝つカップウイナーの舞台、この舞台に手が届いてないということはもっと強くなっていくしかなんだろうけど、ね。

ということで、ここまで。ガンバ、ナビ初優勝おめでとう。

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*国立の雰囲気も良かったね、ファイナルは違うよ、やっぱり。J'sGoalの写真見てもらえばわかるけど、両チームがスタンドの色を染めて、素晴らしいフットボール空間だった。特にふろん太な人はとても多くて、バイバイン効果あったのかなーなんてぼんやりと思った。てか、こういう人たちも普段リーグを見に来て欲しいなー。この雰囲気が毎回って訳にはいかないけど、フットボール的にはもっと面白いゲームがあるわけだし(はずれもあるけど)

*明日は天皇杯、佐川戦。何かやらかしそうな雰囲気満載ですが、ま、なるようにしかならないので、スタジアムに行くだけです。健太スタメンでお願いします。チャンスだぞ!頑張れ、超頑張れ。

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Comments

いつも楽しみに読んでます。
国立行きました。フロンタファンの多さにびっくり。
でも、面白かったですね。最後まで期待してみてました。

さて、大橋君のブログの宣伝です。
是非見てみてください。頻繁に更新されてます。相変わらず奥ゆかしいですが(笑)
http://ameblo.jp/ohashi-masahiro/

Posted by: ばび | November 04, 2007 at 10:59 PM

ばびさん、こんにちわ。2度目のコメントですよね?再びコメント頂けて嬉しいです。

そうですねー、タイトルマッチらしく非常に緊張感溢れる良いゲームで、見に行って良かったなーと。ふろん太な人たちには残念な結果でしたが、あれだけの人に期待や希望を与えたというのも又素晴らしいこと何じゃないかなーと思いました。

で、まーくん、ブログ始めてたんですか!ファンなのに知らなかった!ありがとうございます、本当にありがとうございます。とりあえず過去ログ漁ってきます!

ではでは、又よろしくお願いしまーす。

Posted by: いた | November 06, 2007 at 10:12 PM

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