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October 28, 2007

宏太、デビュー@J1 第30節 ヴァンフォーレ vs Fマリノス

どちらがJ2降格の危機にさらされているのかわからなくなるぐらい、プレーのクオリティには差があった。

そのクオリティの差は、目的のためにすべき事への意識の差。色々な意味で、まだまだすべき事はあるし、根本的にやり直さなければならないことがある。そして、それを避け続ける限り、現状は変わらない。

そんな現実を見つめながらも、期待の星・水沼宏太がプロデビュー。彼の輝かしい未来の第一歩のその場にいれたことは本当に嬉しかった。

そんなことを思った強風・豪雨の甲府の夜。

2007 J.League Division1 第30節

ヴァンフォーレ 1-1 Fマリノス @ 小瀬スポーツ公園陸上競技場「宏太、デビュー」
F.Marinos:20'大島秀夫 Vanforet:38'アルベルト

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"復権への第一歩"、DF田中隼磨"ゆりかごよかったな"、中澤佑二、栗原勇蔵"不発のキャノン"、小宮山尊信"悩み深きルーキー"、MF河合竜二"翻弄"、山瀬幸宏(→82'水沼宏太"デビュー!!!")、那須大亮"鮮やかクロスと拙いセンス"、山瀬功治"相手の華麗なサッカーに何を思う"、FW大島秀夫"久々のヒデゴール"、坂田大輔"快足はそのためにある"

ヴァンフォーレスタメン:GK鶴田達也、DF杉山新、池端陽介、秋本倫孝、井上雄機(75'黄×2=赤)、MF林健太郎、藤田健、石原克哉(→87'ラドンチッチ)、宇留野純、FW茂原岳人、アルベルト"まぐれなのに……"(→77'山本英臣)

台風一過の影響をもろに受け、試合前から強烈な雨に晒される小瀬。コンコースに非難してみたはいいけど、試合開始前でもそんなに弱まらず、恐ろしく寒かったねぇ。ただ、かなりの雨にも関わらず、ピッチが良い状態を保っていたのは不幸中の幸い。

そんなゲームのスタメン、ヴァンフォーレの方は出場停止明けの選手が戻り、ほぼベストメンバーか。小机の王・木村勝太はベンチスタート、てか、大木さんのイジワル、見たかったのにー。対するFマリノスは久々に陽介がベンチ入り、昨年のFマリノスユースをゴールで引っ張った二人がベンチにいると思うと感慨深い。そして何より水沼宏太がベンチ入り!サテでの好パフォーマンスによるアピールが奏功した形か、イヤー、嬉しい。スタメンに目を移すと、センターバックは佑二・勇蔵、那須の左サイドハーフとかなりの変更点が。

僕はこれを真っ向から否定する。人を入れ替えてどうにか問題解決の糸口としたいのだろうけど、それは恒常的に抱えている課題に向き合っていないのと一緒。ま、それは後で。これは早野監督の悪い癖。

試合展開

雨に濡れたピッチをもろともせずに冴え渡るヴァンフォーレのファンタジックなパスサッカー。豊富なパスレシーブアクション、素早く正確な読みと判断、そしてキックフェイクやボディシェイプなどの奪われない技術、これらが基盤となって小気味よくパスが繋がる。Fマリノスの守備陣はこのパスサッカーに完全に翻弄された。相手の判断の速さに上回られることでプレスは空転、狙って縦のボールをインターセプトにいくもダイレクトやうまい身体の使い方にいなされ、アタッキング・サードで連動した形で崩されそうになること多数。水際の所で何とか凌いだことで失点は免れたが、どっちが降格争いしてるんだかわからない展開。

ただ、それでもこういうところに今の順位が現れるのか先制するのはFマリノス。左サイドハーフに起用された那須のインスイングのクロスにファーでオーシがうまく合わせてサイドネットに決まって先制。雨中のゆりかごで隼磨を祝福。那須の起用が当たった形。しかし、前半終了間際アルベルトにリフレクションを拾われると下がってしまったディフェンスラインの前からアルベルトの素晴らしいループ、哲也の頭上を越えてしまい同点に。

後半、浅いラインを敷いてくる裏をカウンターから坂田が狙うことで何度かチャンスを作るも打ち切れず。ヴァンフォーレも最後の所での迫力不足は否めず、互いに決め手を欠く展開。そんな中で井上がセンターアーク付近でのスライディングタックルでカウンターに出ようとした展開をファールで止め2枚目のイエローで退場。数的優位に立ったFマリノスが俄然有利な展開に……ならなかった。

ヴァンフォーレはアルベルトをベンチに下げて山本を投入しディフェンスラインの枚数こそ整えるモノの、非常に精力的なプレーで一人減ったディスアドバンテージを感じさせない堂々としたサッカーで主導権を持ってゲームを運ぶ。逆にFマリノスは、数的優位を活かすような形をなかなか生み出せず、スペースがあっても走り込まない消化不良的なプレーが散見。決め手を欠いたままゲームは最終局面に。

残り10分の所でFマリノスは最初の交代で今節初めてベンチ入りした水沼宏太を投入。宏太頑張れ超頑張れ。その宏太の投入が契機になったか、縦方向にスピード感が生まれるが、左サイドのクロスに宏太のボレー、宏太のスルーパスからオーシの飛び込みとチャンスを迎えるもゴールには繋がらず。結局ヴァンフォーレの巧みなポゼッションに悩まされる状況は最後まで改善されず、結局ゲームは引き分け。Fマリノスにとっては不調を払拭するようなゲームには出来ず、ヴァンフォーレにとっては降格が現実味を帯びる痛み分けとなった。

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まず、宏太プロデビューおめでとう!先週のサテで非常に意欲的かつ積極的なプレーでイイパフォーマンスが出来ていたからあるかな?と思っていたから(それにジローが怪我で、同じ試合に出てた狩野・乾が良くなかったこともある)、驚きこそしなかったけど、やっぱり嬉しいねぇ。思いっきりコールしちゃった。アグレッシブにプレーする「らしい」プレーを出来ていたという意味では物怖じも緊張もしてなかったと言う言葉に嘘はないはず。二つのチャンスに絡んだプレーと右サイドでのランニングはチームを活性化すると言う意味では充分なモノだったと思うので、デビュー戦としては上々なのは間違いなく、次もチャンスはあると思う(ただ、代表で長期離脱なんだよねー)ま、少し先になるけど、次はもっと宏太らしさを出して欲しい、サイドだけじゃなく、流動的に中に入ってきて、積極的にゴールを狙う宏太をね。

本当におめでとう!パパもクールぶったコメントを出していたけど、喜んで良いんだぜ?

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で、チームの方。連敗が止まったことは良かったとは思う、例え引き分けでも。でも、これから勝ち続けられるかと言ったらそれは難しいと思う。今やっていることは、急場凌ぎの応急処置に過ぎず、病巣はそのまま残っているからね。

一番大きな問題として、連敗の要因となったサイドバックが上がった後のスペースを使われてのカウンターからの失点が多い事。チームとしてサイドバックの攻撃参加を推奨・武器にしている事を考えれば、その問題は本来チームで消化すべき事だと思うのだけど、その責任がまるで選手にあるかのように、サイドバックのプレーヤーが猫の目の如く変わっていく。当然、問題解決には至らない。そして、今もこの病巣は放置されたままになってる。

例えば、相手のチームにこんな指示を与えて戦ったら、うちはかなり苦しいゲームになると思う。

「ボックス前でしっかりとブロック組んで相手の攻撃を受け止めよう。FWは相手のビルドアップ時に抜かれないように前を塞いでノッキングさせよう。どんどん前に入ってくるけど、入った後の動きは緩慢だからそんなに怖わがりすぎないように。ノッキングしたら長いボールを大島に当ててくるけど、その後の坂田に気を付けよう、裏入ってくる、次々を意識してプレーしよう。しっかり競ってセカンドボールに拾おう。奪い所定めて、しっかりとプレッシャーを掛けてボール奪おう。山瀬功は前向かせないように。アプローチ&カバーでドリブルのコースを塞ごう。無理に獲りに行かず、コースを埋めていけ。

マイボールになったら相手よりも切り替え早く、どんどんカウンター狙おう。ボールのないサイドアタッカーは常にマイボールになった後の次のボールレシーバーになるイメージで動き出そう、サイドバックが上がった後、特に。スライドしてくるけどそうなれば中が空く、柔軟性大事に。それと、ドリブル得意な選手はどんどん仕掛けろ、仕掛けると優位な状況での1vs1なら早々簡単には止められない、イメージに気圧されるな。後半、相手の動きが落ちれば中盤に大きなスペースが出来てくるから、そこでイイカウンターで攻撃を仕上げよう。トップは連動しながらマークを外す形を意識しよう。」

構造的な欠陥の前では、誰が入ろうと同じ事。構造的に抱えている問題を解決出来るプレーヤーなんて早々いない。それなのに、性懲りもなく人を入れ替えて安易な解決の道を辿る現状を見ていると愚かで仕方ない。そろそろ気付いてもイイ頃なんじゃないかな?小手先だけでは何も変わらない。

*サイドバックの上がった裏のスペースを使われてカウンターで失点するという問題の解決に関しては、色々解決策はあるけど、カウンターを受けるに当たって出来ることに絞る(それこそ、シュートで終わる、とか、サイドバック上がるな、にすればそれでおしまいだし)出来ることは出所へのプレッシャー、スライド、カバーしかない。まずは奪われた後、いけない部分も出てくるけど、奪われた後にすぐに切り替えてボールサイドに強くプレッシャーを掛けてカウンターを制御する努力をしないと。プレスのためのフォアチェックではなく、カウンターケアのためのフォアチェック。目的を持てば、下降傾向にあるモラルは高まるはず。そしてもう一つ、基本として、誰かが上がったら誰かは下がる。今は誰かが上がったら上がりっぱなし、開けっ放し。河合が何とか埋めてくれようと頑張ってくれるけど、一人じゃ無理があるし、彼が埋めれば、彼のポジションは空く。チームとしてバランスを取る意識をチームで持たないと。誰が獲るかは、サイドハーフ。ボールサイドの選手は攻めに入るとしたら、逆サイドの選手は常にカウンターがあると思って、中に絞って河合のポジションぐらいに埋める意識が欲しい。そうしたら河合はもっとスライドを自由に出来るようになる。サイドハーフはかなりの運動量を求められるけど……でもこういう作業をしていかないと。

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で、他にもある。試合で感じる他チームとの差。負けたことには理由があるのは当然のこと。何の策も対策も術も持たずに選手に丸投げし、相手のやってきていることを理解してピッチでのパフォーマンスにフィードバックする柔軟性を持てないプレーヤーが並ぶチームと、しっかりと対策を練って、それを理解してピッチ上できっちりと表現することが出来る高い戦術理解力を持つ選手が並ぶチーム、その差が現れたナビスコカップのセミファイナル・フロンターレ戦。状況判断乏しく全てリスクをフルスロットルで掛けていきながらも技術の質の低いチームと、展開を読んでリスクをコントロールしながらここぞと言うところでしっかりとした精度を伴う高い技術を発揮出来るチームの差が現れたエスパルス戦、側近の試合を見ても明らかにうちには足りない部分があった。

そして、この試合でも差はあった。ヴァンフォーレの選手はチームのスタイルを具現化するために多大なる労力と頭脳を使っている。次の選択肢を作るためにプレーへの関与意識と運動量を保ち、刻々と変わる状況を常に察知した上で必要なプレーを選択し、ボールを持ったとき様々な工夫を加える。このパスムーブに翻弄され、攻撃の第一歩となるパスを何も考えないまま無為にロストしていたチームとでは、どちらが勝ちに近いかは明白だと思う。敗戦に至らなかったのは、あくまでも試合の中での「ハンデ」があったからに過ぎない。

うちの選手達はもっと出来ると思うし、やるべきだと思う。何で相手の選手に出来ることがうちの選手に出来ないのか、トレーニングや指導者の差も十二分にあると思うけど、何よりも選手達の意識の差が大きいと思う。うちは頭の悪い選手がとても多い、しかも怠惰ですぐサボる。でも、連勝時にはああいうことも出来た。多分全ては意識次第なんだと思う。高く意識を持って、向上心を持って取り組んでいくしかないけれど、そういうことをしていかないと、チームは成熟していかない。

厳しいことを書いてると思う。でも、それだけ6連敗という事実は重い。引き分けで連敗こそ止まったけれど、それは気休めでしかない。繰り返さないためにもこの事実から学べる要素は全て学んでほしい。この経験も又、財産。チームがこういうときだからこそ、ね。

*正直言って、何でもイイから勝ちたい、勝って欲しいと言うのが本音。でも、こういうときこそ、変わるチャンスになるんじゃないかと思ったりもする。それが、未来に繋がると思うから。てか、今のままじゃ未来はないし、未来を潰すよ。コミーや乾が自信を失っていることとかは特にそう感じる。彼ら自身が抱えている課題との葛藤でもあるけれど、それはチームが押しつけた部分もあるんだから。

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チームがこういう状態で、負けて気持ちが荒むことがわかっていながら、懲りずに足を運んでいるんだから、自分もバカだなぁと思ったりするんだけど、それでもこれも又フットボール。悪いことだけじゃないと思うし、一緒に歩むってこういう事なんじゃないかと、最近達観したりしてます。ま、しっかり屈んで、高く飛べる準備になればそれでいいさ。

とにもかくにも、ハイ次、天皇杯、佐川怖いよ佐川。と言うことでここまでー。

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*それにしても今回の雨は凄かった……。余り服を濡らしたくなかったから、ポンチョの下はユニ一枚だったんだけど、バカな洗濯過ぎた。寒すぎて死にました。ただ、僕はまだバクスタだったからコンコースに非難出来たけど(ちなみに試合中に非難なんてそんなことはしてないよ!自慢になんてならないけど……)、ゴル裏の人はそうも行かなかったみたいで……風邪引いたりしてないでしょうか。お疲れ様です、改めて。

*今回甲府には「BlueCardバスツアー」で行ってきましたー。初めてのサポバスだったんで多少緊張してたのだけど、怖い思いもせず、リラックスして過ごせましたよー。しかもとてもスムーズで時間内に到着。早すぎるぐらい(笑)なのに、値段安いし(笑)凄い楽ちんに遠征できました。改めて、関係者の皆様お世話になりました。又機会がありましたらよろしくお願い致します。って、かてぇ。

*ブログでは全く触れてないけど、サテであったり、ユースも行ってるよー。行ってるから更新しないという噂もあるけど(その後飲みに行ったりしてるのが良くない)、ここの所マリストーキングの度合い酷くなってる気がー。楽しいけどね。ただ、更新が遠のいて申し訳ないです。又平日は細かいネタで細々更新しますので……(自信なし)

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Comments

毎回なるほど~とか思いつつ拝読させて頂いてマス
後半読んでいて何だか涙がにじみました
ホント次に繋がる引き分けでなかったことに非常に危機感を感じると共に、人を動かすこと・育てること難しさや大切さをもっとしっかり学んで欲しいと思わずにはいられません
とはいえ・・・大きなジャンプの前の準備と信じて!!・・・リーグ残り3試合(最終戦はムリ)スタジアムに足を運びます。もちろん天皇杯も!

Posted by: kanamoro | October 30, 2007 at 12:51 AM

kanamoroさん、こんにちわ。お褒め(?)頂いて嬉しいです、ありがとうございます。

やっぱり選手達がイキイキとプレーする姿を見たいからこそ、その礎として今しっかりとした形でプレーして欲しいですね。何事も積み上げてこそで、何もないところからは大きな飛躍など望めないというのはここ数年学んだことですし。

ま、そうなろうと、そうならなかろうと、スタジアムには足を運びます。それが僕に出来る唯一のことだと思いますから。こういう苦しい体験も又フットボールだと思いますし。

それでは、これからもよろしくお願い致します。

Posted by: いた | October 31, 2007 at 10:30 PM

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