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October 18, 2007

エースへの布石@Asian/Africa Challenge Cup 2007 vs エジプト

ずっと待ってた、この時を。

3年越しの初ゴールは、未来への、そしてエースへの布石。

AFC Asia/Africa Challenge Cup 2007

Japan 4-1 Egypt @ Osaka Nagai Stadium,OSAKA
JAPAN:21'&42'Y.Okubo 53'R.Maeda 68'A.Kaji
EGYPT:58'H.Abdrabo

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日本代表スタメン:GK川口能活、DF加地亮、阿部勇樹、中澤佑二、駒野友一、MF鈴木啓太(→73'今野泰幸)、中村憲剛、遠藤保仁(→73'藤本淳吾)、山岸智(→73'橋本英郎)、FW大久保嘉人"錦を飾る祝・代表初ゴール!"、前田遼一"祝・代表初ゴール"

アフリカネーションズカップチャンピオンを迎えての2007年A代表ラストマッチ。今年の強化の総決算として、そして着々と近づいてくるワールドカップ予選に向けて実のあるゲームにしたいところ。てか、公式戦なのこれ?

見所としてはまだまだ定まらないアタッカー達か。信頼厚き高原は別にしても、まだまだ横一線の印象は強いだけに、この一戦でアピールしたいと思う選手は多いはず。この日のスタメンは調子を着々と上げきた前田遼一と現在の日本人トップスコアラー大久保嘉人。個人的にも二人に期待してるだけに頑張って欲しい。対するエジプトは最大のスタープレーヤー、モハメド・ジダンや国内最強クラブと謳われるチームのメンバーの不在など、ベストメンバーではないみたいだけど、はてさて。

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試合展開

前田らしいダイレクトでのきっちりとした落としから嘉人が溜めてスルーパス、そこに山岸が連動してフリーランニングして追い越して行く。この綺麗な攻撃で得たCKのこぼれ球、憲剛がダイレクトで抑えたシュートでゴールを襲う。相手のゾーンを前にしても、落ち着いたポゼッションで機を伺い、崩しのアクションを加えていくなど、攻撃面では悪くない立ち上がりを見せるが、守備面ではエジプトの技術と意識の高さを感じさせるシンプルかつぶ厚い攻撃を前に、人数を揃えきれずにフリーでシュートを許すシーンを作られたりと、少々不安定な部分を感じさせる前半。対等な試合展開を崩したのは、大久保の左足。

相手のブロックから生まれたルーズボールをヤットがうまく中に戻すと、これを受けたのは嘉人。マイボールにすると素早く前を向き、そのまま速いタイミングで左足!ふわっと浮くようなシュートは相手のゴールキーパーのセーブを許さない絶妙のコースへ飛び、これがネットに収まり、嘉人A代表初ゴール!ボールを受けるところからフィニッシュまで、嘉人の中にはイメージが出来ていたと感じさせるゴール。左サイドから積極的に狙ったシーンがあったけれど、フィニッシュへの積極性を失わなかったことが結実したね。それにしても、素晴らしいゴール!

嘉人のゴールでゲームは動いたが、互いに攻撃>守備という図式は変わらず、特に点を加えた日本のボールの動きはかなりスムーズに。特に速いボールスピードかつダイレクトによる縦のボールの出し入れで相手を揺さぶったプレーは、これまでのクオリティを遙かに超えるような質を伴っており、今後の可能性を感じさせた。そして、この図式そのまま、追加点が生まれる。

右からのCKははね返されたモノの、こぼれを拾ってもう一度右サイドへ展開、余裕を持って中を見据えたヤットは素晴らしい精度を伴ったクロスを中に供給、そしてピンポイントクロスは中央に飛び込んだ嘉人の頭にどんぴしゃり!しっかりと叩きつけたヘッドにGKはなすすべなし。ヤットのクロスで勝負有り、と言えるんだけど、何よりも嘉人!一発出て突き抜けたかな?決定機を活かしたという価値はとても大きい。良いリズムの攻撃、そして加点と理想的な展開の前半は2-0で折り返す。

2点ビハインドを負ったエジプトが前掛かりに来ることが予想された後半、しかし目立ったのは日本の高い位置からプレッシャー。かなり精力的かつ勤勉なボールサイドへのアプローチで相手の攻撃の勢いを削ぎ、詰まったところで収縮して囲い込んで、相手の反撃を許さない。そして、この好リズムは攻撃もスムーズにし、更なる追加点を奪う。

憲剛の楔から前田が前を向こうとするも、トラップが少し流れて相手にカットされてしまう。しかし、このこぼれ球が後ろにこぼれると山岸が素早く反応し、カットされるも前への推力を持っていた前田へリターン。このワンツーがうまく嵌って前田は一気に相手ディフェンスラインをすり抜け、前田は冷静に飛び出してきたGKの足元を抜き、前田も代表初ゴール!前半にGKとの1vs1で股を狙ったシュートを阻まれていたけど、今度は冷静に決めたね。ここまでは高い技術とセンスで黒子としては良い仕事をしていたけど、なんと言っても結果でしょう。山岸のリターンをコントロールした技術は彼の真骨頂だと思うよ、うん。

3点リードになったことで、ここまでは集中力の高いプレーを続けていた日本にミスが頻発、その隙を突かれる形で相手に攻勢を許すと、ボックス前のFKからシュートコースに顔を出した選手に当たってコースが変わるという不運な形で失点。失点自体をどうこう言うつもりはないけれど、この失点に繋がるまでの流れが悪すぎた。この辺は大人になりきれない課題と言えるかも。

この失点で我を取り戻したか、プレーに精度とスピード感が戻ってきた日本が再び攻勢。そして、綺麗な形で更なる加点。自陣からのロングフィードを前田が頭で後ろにすらせる形でスペースへ流し、大久保がスペースでボールをキープ。ここで起点を作って相手ディフェンス陣を左サイドに引き寄せると、後ろに入った啓太へ一度戻し、啓太は更に後ろの駒野へ、駒野がヤットに楔を入れ、ヤットが溜めたところにその駒野がオーバーラップ、ここまで左サイドでのプレー。駒野が柔らかいクロスを一連の流れで空いた右サイドに送り込むと、ここに走り込んだのは加地!そしてここで加地が抜群のファーストタッチで相手を揺さぶり、流し込むようにファーサイドにグラウンダーのシュート!見事見事見事!左サイドでの攻撃構築とダイナミズム、そして加地さんの美しいファーストタッチからフィニッシュ。しかもラストはサイドバックからサイドバックというオシムのチームらしい形。ただ、形だけじゃない、選手の技術、加地さんのトラップ、これはファンタスティックと言わずに何という!本当に素晴らしい。これで4-1。

この得点後、一気に交代枠を使い切る3枚交代。山岸・鈴木啓太・遠藤に代えて、今野・橋本・藤本淳吾を投入し、4-3-1-2のような形に。ただ、急造感は否めず、役割分担がスタメンに比べて曖昧に。ここまで核となってきたヤット夜景他の不在時のチェックとしては意味のあるテストだったけど、成果は薄かったか。それでも、きっちりとゲームは締めて、スコアはこのまま。2007年ラストゲームを良い形で締めくくった。

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とりあえず、一応タイトルが掛かってたらしいので、戴冠おめ。ただ、こんなちっぽけなタイトルよりも、このゲームで掴んだモノの方が大きいよね。期待すべきアタッカー達が結果を出したこと、パススピードやプレーの精度など全般的にプレーのクオリティが高かったこと、そして(コンディションや戦力的なエクスキューズは抜きにしても)悪くないチームだったエジプト相手にここまで圧倒的なスコアでの快勝に繋がったこと、全てに意味があったかなと。

特にこの日注目していた嘉人と前田はそれぞれ持ち味を出し、結果も出したことは人材枯渇が声高に叫ばれる日本アタッカー陣にとって福音とも言える出来事。得点力はもちろんのこと(彼らはJでもきっちりと成績を出している訳でそれが国際舞台でも出来るというのを証明してくれた)前田の流れを生み出す柔らかいダイレクトプレー、嘉人のゴールへの匂いを高める突破やフィニッシュ、これはチームにプラスαとなり得る要素だと思う。もちろん、このゲームが全てを決めるわけではなく、これから高原や田中達也、そしてこの試合に出れなかった巻、矢野、播戸などと競争して出場機会を得ていかないといけない訳だけど、健全な形による競争は歓迎すべき要素。才覚溢れるプレーヤー達が切磋琢磨する以外に道はないと思うからね。

とにもかくにも、全ては一本の線。これで終わっちゃ意味はない。ポジティブな要素が沢山あったからこそ、先に、未来に繋げて欲しいな。

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*後は細かい要素とか、思った事とか。まず攻撃構築やら、パススピードや精度などプレークオリティが上がってきた事。左サイドに起点を作り、引きつけ、オープンスペースを使うという形は、人が変わってもチームの形として定着した感がある(これは例えば俊輔がいて、松井がいて、となっても変わらないはず)こういう事が出来てくることによって、更にプレースピードは上がるし、動きの連動も更にスムーズになっていく。このチームは型に嵌るチームじゃないと思うので(しっかりと組み立てられる選手がいるし、硬直しないと思う)、形が出来たことはポジティブなはず。そして、そこにプレークオリティの向上が伴えば、チームのクオリティは更に高まっていくはず。守備に関しては後半開始時の高い位置からのアプローチを核にした守備と受けざるを得ないときの守備、それぞれの質を高める必要があると思うけど、ね。

*プレーヤーとしてはやっぱり嘉人でしょ!アグレッシブに動き回りとチームに勢いを付けるプレーも多かったけど、かといってセルフィッシュなプレーが多かった訳じゃない(同じカテゴリに属する田中達也との違いはそこかな。達也はセルフィッシュで強引さも目立つ、それが怖さにも繋がっているわけだけど。嘉人は自分でも行けるけど、周囲もよく見えていてセンス良く使える柔軟さがある)そういうことが出来るだけの才能を持っているからこそ、期待していたし、やって欲しかった。そういう意味でここで結果を残してくれて本当に良かった。彼が舞台の中央に戻ってきたことはチームにとっては間違いなくプラスになる。高原やら俊輔、そしてリンパ兄弟オリンピック代表の盟友松井との競演が待ち遠しいよ。てか、これで吹っ切れてくれれば。

*功治が又使われなかった……相変わらずだな、畜生。でも、いっか。今は疲れ気味でパフォーマンスも落ちてるし、怪我されても困るし。佑二はそれなりかなー。失点に繋がるようなミスがなくて良かった、楽しそうだったし。佑二が調子取り戻してくれれば少しはましになるかな。これくらいの質のプレーをマリでやってくれよ。

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ま、実はこの試合に対しては余り執着してなくて、この後に行われたオリンピック代表の試合をとてもとても楽しみにしていたわけですが……あーもう。とにもかくにも来年も更なるチームとしてのレベルアップはもちろん、色々考えさせて欲しいな。ただ、ということでここまで。

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*とりあえずナビスコはもう少し待って、まだ整理が付かないというか、罵詈雑言みたいになっちゃうから。本当に悔しかったし、泣きそうになった。マツがGKやったこととかセンセーショナルだったけど、そんなの正直どうでもいい。あーまたボルテージが上がっちゃった。あのゲームのこと考えるだけで血圧上がるのよ。悔しいなぁ………。

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