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September 03, 2007

真摯に受け止めて@J1 第24節 レイソル vs Fマリノス

夏休みの最後に沢山の宿題をもらいました。

積年の課題、個人の課題、チームの課題、勝っているときには見えなかった事が沢山見えた。それ、全て宿題。

これを一つずつ消化して、又リスタート。

それにしても、悔しいなぁ……。
*僕の理想に近い勝ち方をされちゃったんだよね。劣勢を凌いで凌いで、ハンドとか、オフサイドとか、オウンゴールとか、相手の後悔してもしきれないようなとんでもないゴールで勝つ。ゴールの時間帯だけが理想にそぐわないモノだけど(僕の理想はロスタイムのラストプレー)。どっちにしても、悔しい、きー。

2007 J.League Division1 第24節

レイソル 1-0 Fマリノス @ 国立競技場「真摯に受け止めて」
Reysol:0'OwnGoal

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF田中隼磨、中澤佑二"やっちゃった事は仕方ない。でも謝らないで、お願いだから"、栗原勇蔵"後継者にはほど遠い"、小宮山尊信、MF那須大亮"意地の好パフォーマンス"(→81'上野良治)、吉田孝行(→46'清水範久"ラッキーチャームもこれまでか")、マルケス"守備の分の攻撃力は見せれず"(→68'山瀬幸宏)、山瀬功治"エースの悔恨"、FW坂田大輔、大島秀夫

レイソルスタメン:GK南雄太、DF藏川洋平"圧力に屈さず"、古賀正紘"パーフェクト"、小林祐三"パーフェクト"、大谷秀和、MFアルセウ、山根巌"お目付役として、起点として"、菅沼実、太田圭輔(→84'谷澤達也)、FW李忠成(→70'佐藤由紀彦"2戦連発だけは阻止")、フランサ"ダイレクトコンダクター"(→89'北嶋秀朗)

薄曇りもあってか過ごしやすい気候に秋の気配な国立競技場。日立デーと言う事もあってか、レイソルサポも日立を全面に立てるような演出。そして、スタジアムには多くの日立社員さんが詰めかけたらしく、彼らの手を借りてマスゲーム。うーん、レイソルは演出上手。

そんなゲームのスタメン、Fマリノスは出場停止となってしまった河合に代わり那須がアンカー。その他の変更点は前節好プレーを魅せたマルケスのスタメンが継続され、又前節はベンチで90分過ごした吉田をスタメンに復帰、結果として幸宏が押し出される形に。久々に乾がベンチ入りした事には少々喜び。対するレイソルは、体調不良だったらしい大谷がスタメンに戻り、現状のベストメンバーか。リーグ最少失点の堅牢な守備力は相変わらずで、再開後はFマリノス同様に負けなし。好調なチーム同士の対戦に好ゲームの期待が掛かる。

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試合展開

さらっと。

・ミスとセルフジャッジから李に右サイドを破られると、佑二がクロス処理を誤ってオウンゴール。何と開始40秒。

・このゴールで早々にカウンターモードに移行するレイソル。Fマリノスは迎撃体制を整えたレイソル守備陣を突き崩す事を求められる展開に。

・しかし、そのスタートから苦しむ。バックラインからのビルドアップに対してレイソルアタッカー陣がプレッシング、工夫と決断を欠いたボール回しではそのアプローチをいなす事が出来ず、ノッキング頻発。何とか高い位置にボールを運んでも、エースの功治は山根に完全に警戒されてなかなか攻撃に絡めず、打開を期待されてボールの集まったマルケスは粘り強い相手の対応を前にクロスすらなかなか上げられない。そして水際ではレイソルディフェンスの執念にも似たブロックが冴え渡り、シュートすらまともにゴールに飛ばない。いいようもない閉塞感に包まれる。

・時折繰り出されるカウンターに冷や汗。完全にチームの型として定着しているワイドプレーヤーのダイナミックなスペースランニングをピッチを切り取るようなフィードで使う形、そしてカウンターに出れないときは魔法使いフランサが卓越な技巧と華麗なワンタッチプレーで攻撃を演出する形には恐怖感。ポゼッションを握るFマリノスよりオープンな攻撃を展開するレイソルの方にフィニッシュの機会が多く生まれるのは、皮肉な結果。

・後半に入って、ここの所お決まりとなりつつあるジローを吉田に代えて投入。そのジローが広範囲に渡って精力的に走り回る事で前半に比べて攻撃は活性化されるが、相変わらず集中力高いレイソルディフェンスはボールサイドで厳しいディフェンスは隙を見せず。

・前半完全に功治を抑え込んでいた山根のマーキングに緩みが見え始めて(人を見るのではなく、ボールサイドへのアプローチに比重を置いたのかな?)、功治がバイタルでフリーとなるシーンが出てくる。サイドで起点を作り、ディフェンスラインがトップに引っ張られるように下がる事で空いたバイタルのスペースで受けて、というパターンからチャンスを見いだすが、相手の裏をかくフェイクからの突破でボックス内に入りフィニッシュに繋げたシーンは南がストップ、何度か訪れたミドルシュートはディフェンスのブロックに合ったり、枠を大きく外れたりとゴールは遠い。

・高い位置に張り付くマルケスから中盤でプレーする幸宏に代わった事でノッキングは多少改善、しかし、ボールサイドでの激しいプレッシャーもあって局面打開もままならず。那須→上野という最後のカードも全くと言っていい程効果を生まず、頼みの綱のセットプレーも火を噴かず。最後までレイソルディフェンスの攻略法は見いだせずにそのままタイムアップ。試合開始と同時に負ったビハインドを最後まで引きずる形で12戦ぶりの勝ち点0となった。

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結果に関してはFマリノスがしてはならないミスを犯し、それをリカバー出来るだけの攻撃の質を持たなかった事、レイソルが集中力を保って高い質のディフェンスをした事が相まってのこと、こればっかりは仕方がないし、早野監督の言葉を借りれば「真摯に受け止める」だけのこと。

そして、「真摯に受け止めた」上で考えるべき事は、このゲームで露見した課題3つ。一つずつ。

・積年の課題

世界共通とも言える悩みだけれど、自由にプレー出来るスペースを消しながら、強固なブロックを形成するディフェンスをいかに崩すのか。これまではある程度スペースのある状況で、スピーディなボールの動きと複数選手によるダイナミックなオフ・ザ・ボールの動きが重なり合った事でイイ攻撃を展開出来ていたけれど、その前提条件として前方向に勢いを出すだけのスペースがあっての事。このゲームではビルドアップの時点でボールの流れを淀まされ、スペースを消された状況では前が詰まってダイナミックなオフ・ザ・ボールの動きも生まれなかった。

ただ、以前と違うのは、相手を崩すための工夫をする(ポストを絡めたダイレクトプレーとかね。相手がついていけない速い流れを生みだそうとしていた)、局面打開を計る(マルケスの左サイドでの奮闘、成果は乏しかったけど相手にとっては怖いプレーだったはず)、相手を引き出す(空いたら、機会が来たらミドルという功治や那須の意識)という意味ではかなり努力をしているように見えたし、決して意図のないプレーではなかった。ただ、結果を見てもわかる通り、それでも結果に繋げるまでには至らなかった。中身を見ても、プレーの精度であったり、頻度という面では物足りなかった。それは真摯に受け止めなければならない。

セオリーはあっても、明確な解決方法などないし、一朝一夕には行かないけれど、この進歩を結果に繋げられるように更なる研鑽が必要かな。個人的には自己犠牲的なスペースメイクであったり、デコイとなる動きがあるとイイかなと思う。

・個人の課題

・勇蔵。このゲームで最も悪かったプレーヤーは勇蔵だと思う。理由は、攻撃の質を求められるゲームで最もブレーキとなり、リズムを失わせる要因となってしまったから。細かい部分でもの凄い怠惰なプレーをしている。それがビルドアップ。とにかく頭が動いてない、次を考えていない。ボールが来てさてどうしようと足をべったり止めて周囲の動きを待っていては効果的なビルドアップなど望めないし、高い位置から仕掛けてくる相手にとっては格好の標的。ボールが来る前の頭と身体の準備(頭は次のイメージ、状況を把握し、予測しておく事で次のプレーが速くなるし、スムーズになる。身体はそのためのポジショニングやボディシェイプを意識して、もらえる位置に主体的に動く。ほんの2~3m動くだけで全然違う)、そしてボールが来てからもより積極的なプレーする、高い意識を持って欲しい。正直意識低すぎ。てか、コースを消されていてもちょっとの工夫と自信があれば通す事は可能。「あ、だめだ」でやり直す事はセーフティだけど(必ずしも間違ってはいないよ、もちろんね)、その躊躇が一つのチャンスを潰してる。低い位置のプレーヤーだから軽率なミスもダメなんだけど、決断のないプレーも同価値で良くない。チームで狙っている事は何?リスクを冒して攻撃的に攻める事でしょ?その意識はセンターバックも同様。とにもかくにも頭が動かせ。守る事は出来るんだから、次のステップに進もう。じゃなきゃ、単なる強い選手で終わっちゃう。マツの後継者なら、こういう部分でも進化して欲しいな

・隼磨とコミー。前に行く事は構わないし、彼らのオーバーラップは大きなFマリノスの武器。ただ、チームがどういう状況なのかというのを考えてポジションを獲って欲しいかな。ディフェンスラインがビルドアップで苦しんでいる事を考えたら、もっと低い位置でゲームを作る貢献が欲しい。那須が下がって、佑二と勇蔵がワイドに開く形で押し上げてもらっているけれど、それでダメならボールの流れを演出するためにもっとボールに絡んだほうがイイ。ましてや何人も抜ききる程のスペースがないから、前が詰まっている状況では、空いてくるタイミングを見計らってのランニングの方がチャンスを作れた可能性は高い。何本も上下動出来るプレーヤーだからこそ、その距離を惜しまずに状況を考えてプレーして欲しいかな、高い位置に上がるだけが脳じゃない。ポゼッションに置いて比較的自由にボールが持ちやすいサイドバックは重要な起点。チームのバスで流れているらしいリーガを見てもそうでしょ?隼磨。

・坂田にとっては自分の活かせない展開、といったらそれまで。何度も書いてるけど小さいスペースでいかに自分の瞬発力を活かすスキルとイメージを持つか。こういう厳しいゲームで点を獲ってこそストライカー。オーシが厳しいところでゴールを獲ってるのはタイプだけの問題じゃない。技術は練習でしかないけど、イメージは今すぐにでも出来る。狙いを持って動き出す事で、チームにとってももたらす効果は大きいはず。それこそ坂田が今身を粉にして頑張ってくれているプレッシング同様にね。この課題を解決すればもう一段上のFWになれる。だからこそ、スペース消されたらフリーズはもう卒業して欲しい。

・那須。ディフェンスに関しては花丸あげたくなるぐらい良かった。フランサへの強烈なアプローチを含めたボール奪取の回数の多さは、河合にも勝るとも劣らない影響力だったと思う。鬼気迫ると言ったら言い過ぎかも知れないけど、このチャンスに那須の意地みたいなモノを感じられた。ただ、まだ差はある。それが攻撃を組み立てる意識。河合はもっとダイナミックにボールを動かす。精度を欠くシーンも少なくないけど、とにかく思い切って決断してチャレンジするパスを出す。那須はどうだったかな?その辺は河合も最初そうだったから、現時点で劣っているというのは酷かも知れないけど、ね。相変わらずボールホールドの場面でドタバタするなど、彼の中にまだ恐怖感は残っている感じもあるけれど、意識して欲しいのはこのポジションでより質の高い攻撃構築をする事がチームにとってとても重要な意味を持ってるという事(功治を下がらせずに高い位置に押し上げる)充分対抗出来る質を持っているというのは示せた。後は那須の意識次第。向上心の塊なら、やってくれるよね?

ま、かなり書いたけれど(しかも好き放題)他の選手含めてまだまだあると思う。でも、それだけまだまだうまくなる可能性があるという事。これも又一朝一夕に克服できるモノではないと思うけど、選手達が成長したらそれだけチーム力が上がるのは間違いない。あんなにパスの繋げなかった、攻撃のダメなチームが今こうなっている事を考えたら(この試合は……だったけど)、そんなに夢物語じゃないと思ってる。頑張れ、みんな、超頑張れ。

・チームの課題

もの凄い曖昧なくくりだけど、これはチームとして取り組む課題として。引かれる云々は別にして、今の攻撃はスペースを勢いと連動で突き破れる時やうまく攻撃構築出来たにスムーズに流れた時の攻撃に関しては余り注文がない。それだけ質の高い攻撃だし、着実に積み上げてきた成果として良いプレーが表現出来ていると思う。ただ、流れを止められてしまったときに、前に行ったは良いけどさてどうしよう……という感じになってる事が目につくようになった。特に相手ディフェンスラインの前にアタッカー大半が並んでるみたいな感じになって、展開閉塞というのは結構多い。

実際、一人一人が動き出して前方向でボールを引き出そうとした結果、出てこなくてそうなってしまったという感じなんだろうけど、そうなったことは仕方ないとして(てか、動き出すのはいいこと、絶対継続、なくなったら逆戻り)、その先が必要かなーと。前方向ではない形でも選手達が動き出して、攻撃を組み立てられる様になって欲しいかなと。チームとしてのベクトルが逆になるし、より柔軟性とイメージの共有が大事になるのでより難易度は高くなると思うのだけど、一方通行だけではいずれ限界が来る。自分達がやりたいことを出来るとは限らないというのをこのゲームで味わされたばかりだからね。

ま、その具体的な言葉にすると難しいけれど、引き出す動きでスペースメイキングとなる動きをすること、その中で縦のギャップを作ること、引く動きと連動して後ろから押し上げるプレーヤーが出てくること、そういうプレーを組み合わせる事で一度詰まった状況からチャンスを作るというプレーが出来るかなーと。幸いFマリノスには優秀なポストワーカーもいるし、選手達には積極性が溢れてる。だからこそ、こういう応用も可能になってくるのかなと。

ま、幅を求めるには少々早い気もするけれど、先鋭化すればする程こういう形が生まれてくることは考えられるので、先を見据える上での一例として、なんて。もちろん、地に足を着けて、一つの方向性を見定めた上で進んでいくことが大前提、だよね、早野監督。(←最近監督と呼ぶことにした)

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色々書きましたが、負けゲームを糧にして、更にイイチームになって欲しいと強く思ったので、書いてみました。それぐらい悔しいゲームだったし、無駄にしちゃいけないゲームだと思うからね。ま、あり得ないオウンゴールに相手のディフェンスのパーフェクトっぷり、余りに神様がそっぽ向かれた日だから、さらっと忘れて気分転換して、又次頑張ろう!でもいいけどさ(←台無し)

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ということで、久々の負けだけど、悔しくはあっても凹んじゃいないよ。なんだこのポジティブっぷり、よくわからん。とにもかくにも中断期間、選手達はしっかり身体のケアしてビッグ2連戦に控えて欲しいな。一番休んで欲しかった功治と佑二はずる休みじゃなくて、せっかく行くんだから代表で良い経験してきてな。怪我だけは注意!ということで今日はここまで。

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*ちょっとだけレイソルのこと。やっぱりイイチームだなー。彼らの言葉を借りると「押し込まれすぎた」と言うことだけど、押し込まれてても組織は最後まで崩れることはなかったし、何よりも水際の読みとポジショニング、そしてそれを最大限まで研ぎ澄ませる集中力はまさに「参りました」のレベル。本当に素晴らしかった。特に古賀・小林祐三のセンターバックコンビ、そして山根ね。アルセウはいらないミスもあったから、ちょっと落ちるけど、このスクエアの危機察知能力の高さはもうお手上げ、このクオリティのグループディフェンスを維持されると厳しい。藏川も玉際凄かったし、穴が空かなかったなー。アタッカーがちょっと元気なかったけど、それでもあのアウトサイドを一発のフィードで使うカウンターは鋭すぎ。隼磨もコミーもああいうフィードに対しての守備はあんまりうまくないから(ましてやMFの対応は怖すぎる)マリにとっては辛い攻撃だったなー。頻度が少なかったから良かったけど、もし沢山やられたら日立台の二の舞になってたかも知れん。どちらにしても、相手のゲームプランに嵌め込まれたということだよね。完敗、しゃーないわ。

*フランサは那須が頑張ってくれたから前回のリーグ同様ある程度は効果を薄めることが出来たけど、それでもうまいなー。本当にうまい。あれだけ周囲をシンプルに使えたら、回りは動き出さざるを得ないよね。ボールを動かすことをこれだけクリエイティブに出来るというのは凄いこと。ちょっとだけ妄想、ガンバでやってみて欲しいなー、フランサ。もの凄いファンタスティックなプレーが見れそう。直接的な脅威は減っちゃうかも知れないけど。って、西野の次にフランサじゃレイソルの人が怒るか。

*レイソル戦は何故か嫌がらせを受けるんだよなー。両方ともバックのアウェイ側だったんだけど、日立台でも、今回国立でも最前列。嬉しい人には嬉しいんだろうけど、僕には良い迷惑ー。結局自由席の一番高いところから見ましたよ。今度から席選んで買おうっと。ちなみにポスターは持って帰ったよ。つか、アルセウも鈴木達也も南もいらない、フランサの1ショットで良かったのにー←魅了されてる

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