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September 01, 2007

ロジックを越えて@J1 第23節 Fマリノス vs サンフレッチェ

ロジカルな側面から見れば、「完敗」に近いゲーム。

中盤の数の違いはそのまま数的不利となってピッチ上に現れ、潜在的な弱点が日の目に晒される。顔を背けたくなる程、頭の痛い展開だった。

しかし、それで終わらない。チームは前に進んでる、逞しくなってる。

2007 J.League Division1 第22節

Fマリノス 2-2 サンフレッチェ @ 日産スタジアム「ロジックを越えて」
F.Marinos:19'大島秀夫 71'田中隼磨 Sanfrecce:12'森崎浩司 36'柏木陽介

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"反省は次に"、DF田中隼磨"待たせたな"、中澤佑二"蝕まれるパフォーマンス"、松田直樹"フォア・ザ・チームの忍耐"、小宮山尊信"試練の時"、MF河合竜二、吉田孝行(→46'清水範久"元気のスイッチ")、山瀬幸宏(→62'マルケス"鰻系チャンスメーカー")、山瀬功治、FW坂田大輔(→85'ハーフナー・マイク)、大島秀夫"覚醒のオーシ"

サンフレッチェスタメン:GK木寺浩一、DF森崎和幸、イリアン・ストヤノフ(→82'高柳一誠)、槙野智章、MF戸田和幸、青山敏広、駒野友一、服部公太、柏木陽介(→88'吉弘充志)、森崎浩司(→78'桑田慎一郎)FW佐藤寿人

ダービー以来の日産スタジアムは、いつもの風景。非日常の祭りが終わり、日常が帰ってきた。観客動員を増やすという事の難しさを感じながらも、普段の日産スタジアムに戻ってた事には安堵感も感じたり。そんな日常に戻った日産スタジアムに迎えたのはサンフレッチェ。連勝の勢いを駆り、連勝を伸ばしたいゲーム。

そんな中でのスタメン。サンフレッチェはエース・ウェズレイが出場停止、そして守護神下田も不在とセンターラインの重鎮二人を失う苦しい陣容。しかし、夏のマーケットで獲得したイリアン・ストヤノフがついにスタメンに名を連ね、戸田を本来のボランチに戻す形にマイナーチェンジ、厚みのある中盤6枚に不気味な匂い。対するFマリノスはここ最近のスタメンと変わらず、大分出張に赴いた功治と佑二もスタメン。

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試合展開

功治のミドルが火を噴くなどイイ立ち上がりを見せたかに思われたFマリノスだったが、思わぬミスで出鼻を挫かれる。シンプルに裏を狙うロングフィードに対して、佑二が目測を誤って後ろにそらしてしまったことから生まれたピンチ。そこに相まって哲也のポジションも悪くこのミスをカバーしきれず、佐藤寿人に拾われるとエンドライン際から折り返され、これに森崎浩司が詰めてあっさりと先制点を献上してしまう。久々のビハインドを背負う展開に、嫌なイメージ。

ビハインドをはね返そうと動きが活性化するFマリノスは、連動した動きとダイレクトプレーのリンクしたイイ攻撃を生み出すなど反撃するが、それは一時。サンフレッチェの枚数の多い中盤に出所を消され、常に複数で囲い込まれるなど、なかなかゲームを優位に進めるまでには至らない。しかし、優位は握れなくても培ってきた共通理解とコンビネーションを実に繋げる。クリアされたボールを再びゴール前に送り込むと、オーシがストヤノフに競り勝ち、そこに連動していたのは坂田。オーシの裏に入りディフェンスを背負いながらボールを収め、2タッチで走り込んだオーシへリターン、そしてオーシは軽いファーストタッチでコントロールし素早く押し込んだ!坂田とオーシの高い共通意識が生んだゴール、さすがに長く組んでるだけあるね。ここの所更にそのコンビネーションは良くなってる、いいよいいよー。

このままの勢いで一気に逆転といきたいFマリノスだったが、そんな思いとは裏腹に劣勢に立たされていく。上記のサンフレッチェの組織的ディフェンスがFマリノス攻撃陣を抑制し、守備時は佐藤寿人をディフェンスラインの裏をシンプルに狙うという戦略が嵌り、Fマリノスは自分たちのリズムでゲームが出来ない。そして、受動的な守備を強いられるとイイ距離感と多数の選択肢を持つポゼッションを制御しきれず、引きつけられてはサイドのスペースを突かれるという悪循環。駒野に再三左サイドに生まれるオープンスペースを突かれ、中と外のケアで駒野につききれない幸宏、バイタルを動く柏木・森崎に中に引きつけられるコミーにとっては解決策が見いだせない。

そして、劣勢の中で又も生まれるミス。右サイド、佑二が引っ張り出される状況の中で柏木の溜めてからのパスで佐藤寿人に打開されると、先制点のプレー同様に森崎浩司へとグラウンダーのクロス。コミーが何とか直前でカットするもこのクリアが中途半端、このクリアボールを柏木に決められて再びビハインド。きっちりとしたクリアが出来なかった事が直接的に失点に繋がってしまった訳だけど、中盤での守備が全く機能せず、バックラインも振り回されてしまったとなれば、必然の展開だったのかも知れない。結局、前半はこのまま。

後半に入るタイミングでグランパス戦ゲームが好転するきっかけとなったジローの投入を今節も踏襲。アグレッシブにプレーするメッセージをチームに発信すると、選手達がそれに応える。ロジカルな面で良くなったという事はないし、打開するような変化があったわけではない。しかし、よりアグレッシブに、より前への意識が高まる事でチームに勢いが生まれ、その迫力がサンフレッチェからリズムと優位を奪い去った。
*これは本当に不思議。同じ事をやろうとしているのに、選手達の意識が変わる事でチームがぐるぐる回る。自然と高いラインが形成されるし、全体の距離はコンパクトになる。これでふわふわ浮いて惑わされる遠因となっていた森崎浩と柏木をディフェンスラインが捕まえて、中盤がプレスを掛ける上での援護射撃となる。条件が整い、選手達の意識も前に行くとなれば、プレスも掛かるし、サイドアックもキレと厚みを増す。ロジカルな修正ではないから、狙い通り、とは言い切れない。でも、これがこのチームにとって最も大事な事なのかも知れない。そして、現状に置いてそのスイッチとなっているのがジロー、なんだよね。

ゲームとしてはかなりオープンな流れ。時折サンフレッチェにカウンターからヒヤッとするシーンを作られるが、Fマリノスも勢いよく攻め込む。マルケスの投入が呼び水となりフィニッシュも増えていくと(佑二の宇宙開発などもあったから一概にも言えないけど)、ついに待ち望んだ瞬間が!深い位置でマルケスが大きくサイドチェンジで後ろから上がってきていた隼磨へ、隼磨は縦へではなく、中に切れ込んでいくと焦らすようにタイミングを計って左足でミドルシュート!これがディフェンスを縫って素晴らしいコースに、木寺も何とか手に当てるモノの勢いを止めきれずポストに当たってゴールに吸い込まれた!隼磨今シーズン初ゴール!の同点弾!タイミングを計っている時に詰まったかな?と思ったけど、よく打ちきったし、よく決めた。

同点に飽きたらず攻撃意欲の衰えないFマリノスは、プレスを掛けて長いボールを蹴らせてマイボールにし、人数を掛けて一気に攻め込む形でサンフレッチェを強襲。終盤にはCKのタイミングでマイクを投入し、そのマイクを狙ったパワープレーでいつぞやの再現を狙う。しかし、その再現はならず。終了間際には逆にヒヤッとするような寿人のシュートを喰らうなど、勝ちきるだけの差は付けられず。結局ゲームは2-2、10試合負けなしこそ継続したモノの、連勝もストップ。

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今までであれば、考えられないゲームなのかも。先制されるとはね返せない習性の染みついたチーム、ましてや戦術的なディスアドバンテージも握らされて、楽観視など出来る状況ではなかった。でも、そんな状況を覆して2度のビハインドをはね返し、更には勝ち越し点を目指して勝ち点3へと邁進する。その変貌ぶりは逞しいモノだったし、このチームが前に進んでいるという事を改めて感じられたゲームだったのかなと。

先制されると勝てないと習性に関しては、「引かれて崩せない」と同義だと思うのだけど、連動した動きと攻撃構築の質、より積極的かつアグレッシブなランニング、選手間の相互理解の向上など、引いた相手にもチャンスを作る、崩せるようになったという事は進歩。もちろん相対的な要素もあるから一概には言い切れないけれど、まだまだチームとしてステップアップを目指してくれているし、こういう課題も乗り越え始めてるのかなーと。特に連動したパスと動きで相手を揺さぶるプレーが恒常的に出てくる様になった事は、非常に嬉しい。ワクワクする量が以前とは段違いだしね。

ま、ここまでが良かった部分。前半完全にタクティカルな要素で後手を踏み、そこにミスが絡んでしまって、そして結果として2失点したことは反省しなきゃいけない部分。タクティカルな要素では、嵌る相手嵌らない相手があるし、全知全能のタクティクスはこの世に存在しないから致し方ない部分があるから仕方ないけれど、理想論からいえば同じような自己修正が出来るようになって欲しいかな。ま、この試合はそうするにも答えを導き出すのは難しかったと思うけどね(結局ロジカルじゃないところに答えがあったわけだし)

で、ミスに関してはとにかく集中力、そしてプレーの判断をよりはっきりする事。もうこれは細かく書く必要はないはず。2失点は、ミスがなければ獲られる事はなかったと個人的には思ってる(相手の攻撃のクオリティが伴っていなかった事もあるかな、寿人の裏狙いは戦術的な実効度はあったけれど、怖さはそんなになかった)繰り返して欲しくないけど、ま、勇蔵がやらかしたし、サッカーはミスゲームだからね。とにかく、失点に繋がるミスはなくす。当然の事ね。

とにもかくにも、中身のあるゲームだったし、決して意義の薄いゲームじゃない。苦戦はチームが更にステップアップするためのヒントも詰まっていると思うからね(相手の研究材料にもなっちゃうけど)

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選手評はなし。

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と言う事で、ここまでかなー。それにしても、Fマリノスがちゃんと中身のあるサッカーをするようになって、色々なヒトがサッカーの中身をしゃべる様になった気がするのが嬉しい今日この頃。こういうのがどんどん高まると、戦術眼が高くなって、より要求も鋭く、質の高いモノになってきて、相乗効果でどんどんチームも良くなって……なーんて妄想も膨らみます。ま、いいや。ということでここまで。

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*どうしようもなく更新が遅くて申し訳ないっす。グランパス戦?それはもう良いでしょ……前半ぐだぐだもジローさんのおかげです。松田さん初ゴールおめ。坂田のボレーは凄かった。コミーがキレキレで楽しかった。いけなかったけどな。

*次は多分U-17かな。予定は未定、何もまだ準備してないし。

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