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September 13, 2007

掴んだ!@Beijing Olympic 2008 F.Qualify vs カタール

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掴んだ、北京への道筋も、手応えも。

願わくばこのゲームが殻を破るきっかけとなればいい。逆風も、悪評も、全てはね返せ!

Beijing Olympic 2008 Asian Final Qualify

Japan 1-0 Qatar @ National Stadium,TOKYO
Japan:6'Y.Kajiyama

Sports Navi

U-22日本代表スタメン:GK山本海人"正真正銘のビッグセーブ!"、DF内田篤人、青山直晃"がっつり"、水本裕貴"がっちり"、伊野波雅彦、MF本田拓也"授業料、かな?"(67'黄×2=赤)、梶山陽平"価値ある一発!"(→56'青山敏弘)、水野晃樹(→73'小林祐三)、柏木陽介"アジアユースを思い出す勇気の運動量"、家長昭博"拠り所となる才覚"、FW森島康仁"信頼に値する逞しさ"(→90'+3'李忠成)

ダンマンでのサウジアラビア戦から中3日、今度はホームでカタールとの首位攻防戦に臨むU-22日本代表。厳しいスケジュールではあるが、首位通過だけのレギュレーションを考えれば、ホームゲームは勝利が必須。

そんな中でのスタメン、相手が1トップということもあってこの日は4バック。しかし、イエロー累積で本田圭が出場停止。そのため穴の空いた左サイドにはこれまで3バックの中央を勤めていた伊野波がスライド。トップには前節に引き続き森島康仁が入り、その後ろには水野・柏木・家長が控える形。個人的にはこのチームにあったシステムに思える(才能を無駄にせず、又アタッカー達が高い位置で能力を発揮出来る形なのかなと。システムだけでは語れないけれど)

対するカタールはエースアタッカーが怪我、ベトナムからの移動で思わぬトランジットを強いられるなど、状況は良くないとのこと。ここで叩いておきたい。

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試合展開

このゲームに対する自分達の意志を示すかの如く、試合開始から高い位置から強くプレッシャーを掛け、奪ってから一気の勢いで水野がフィニッシュに繋げる日本代表。しかし、カタールも報道されたようなコンディションの悪さは感じさせず、キレのある動きで対抗。そんなスピーディな展開の中でいきなりゲームが動く。

右サイド、距離のあるところからのFK、水野のアウトスイングのキックは鋭く曲がって走り込んだ梶山にどんぴしゃり!飛び出してきたGKと交錯する寸前でずばっと合わせて、無人のゴールに!先制点!水野のキックが相手GKの予測を上回る変化を見せ、梶山も勇気を持って飛び込んだ、ここまで煮え切らない精神性を見せてきたチームにとって勢いの付くゴールかも。

しかし、先制点後の日本は縦のボールに狙いを定めて非常に鋭いアプローチをしてくるカタールの守備に手を焼き、又相手の速いパスと個人技に対して引きすぎてしまうなど、受けに回るようなプレーが散見。勢いに乗り切れない。特にセンターバックの消極性はチームの姿勢に水を差しているか(ビルドアップにおける速い縦へのアプローチが来るため躊躇してしまうこと、速い相手に対してずるずると引くようなラインコントロールになってしまうこと)それでも、前にボールが入れば(梶山の意表をつくダイレクトでの展開が閉塞感を破る打開のキーに)ダイレクトプレーを絡めた連動感のある攻撃を見せるなど、これまでとは違うスムーズな攻撃を披露。ダイレクトプレー、森島の逞しい身体を活かしたアクセントとなるポストワーク、そして家長・水野の突破が絡んでいく形には可能性を感じさせた。
*今まではどこか迷いのあるプレーが多かったが(サウジ戦の主審がそんなことを語っていた様子@エルゴラ)、その部分に整理がついた印象。楔がスイッチ(森島の逞しいポストが出し手の楔を出す信頼性を保たせた)、サポートアクションをダイレクトで使って、そこに合わせて連動していく。綺麗な国立のピッチ、このチームの選手達が持っている技術の質、そしてそれを理解して表現出来る理解力と従順性。これらが融合し、見事に機能した。

カウンターの危険にさらされながらも、攻めに行くときはアイデアを携えてプレーする感のあるこの日の日本代表、その真骨頂がFKにおけるサインプレー、左サイド直接も狙えるようなポイントから、。一本目、水野が狙ったことをデコイにクイック気味のタイミングで外にズラしてグラウンダーのパスをペナルティアーク付近に供給、そのパスを最もダイレクトプレーのうまい梶山がダイレクトで壁の裏側に流し、そのパスに壁の外に入っていた選手が走り込んでラストパス!最後のフィニッシャーには森島!ラストパスがGKに阻まれた事でこのプレーは実らなかったが、創意工夫のあるプレーマインドは素晴らしい。その後も家長の柔らかいインスイングのクロスがピンポイントで森島に合うというビッグチャンスがあるなど(森島のダイビングヘッドはGKのスーパーセーブにはじき出されてしまう)攻撃の実効性は悪くない。後は追加点という実だけ。しかし、その実を掴みきれず、ゲームは後半へ。

開始直後、長いボールに対してボックス手前で森島が相手を背負ってファールをもらうといういきなりチャンスから始まった後半、ロストしそうな所でも各選手が粘ってロストを避けるなど、玉際でも戦う姿勢を見せるなど、浮き足だったところは見られない。しかし、ビハインドのカタールもアグレッシブに前を狙って圧力を掛けたり、高い位置にポジションを獲るアタッカーを増やしたり、かなり積極的にアウトサイドのプレーヤーが上がってくるなど、攻勢を掛けてくる。そんな中でアクシデントが日本を襲う。先制点を獲るだけでなく、中盤での高質なダイレクトプレーで攻撃のリズムを作り出していた梶山が競り合いの際の着地時に膝を痛めてピッチを去る事態に。青山敏がピッチに入る。

しかし、日本のプレーに翳りは見えない。柏木の糸を引くようなスルーパスが内田の勢いのあるオーバーラップを活かし、ファールでしか止められないような形を作り出し、いい位置でのセットを得ると、今度は前に入っていく選手をデコイにグラウンダーのボールに水野がフリーでシュート!綺麗にスイープセットが嵌ったが、これはブロックにあってしまう。すると、今度はカタールにチャンス、低い位置でファール気味に家長の突破を止めると右サイドをスピーディに突き、寄せられて空いた逆サイドのプレーヤーへサイドチェンジ。これで完全に揺さぶられると、最後はニアに入ってきた選手へグラウンダーのクロスを通されるという大ピンチ!しかし、何とか青山がボール際で身体を張り、こぼれ球も身体を張ることでこのピンチを凌いだ。冷や汗。

互いにせめぎ合う後半の中盤戦、青山がミドルを狙ったかと思えば、カタールにうまくサイドを使われてミドルを撃たれるなど、一進一退。しかし、徐々に流れはカタールか。セカンドボールを拾われることが多くなり、又アウトサイドを局面打開される頻度も高くなる。そして、ゲームを揺さぶる出来事。相手のFKに対し、少しタイミング速くブロックに飛び出した本田拓に対してイエローカード、この試合既に一枚もらっていたため、退場……。残り20分強を数的不利での戦いを強いられることに。ベンチもすぐさま動き、リーグ最少失点を誇るチームのセンターバックとして好パフォーマンスをマルチプレーヤー小林祐三を準備。水野と代わって入る。小林祐三はボランチの位置に入り、危険な存在であった10番の選手を中心に見る形、4バックは崩さず。
*本田拓也は累積と退場で2試合停止かな……このチームは中盤の駒が少ないし(反さんのお眼鏡に適うプレーヤー、と言い換えた方が良いか)、少ないファイター型の選手なだけに、ちょっと痛い。ましてやアウェーゲーム二つ。

数的不利となって、攻撃面では可能性が薄くなるが、その中で拠り所となったのが家長。卓越した技術でキープし、前にボールを運び、チャンスメイクまでする大車輪ぶり。しかし、攻められる時間も増えるだけにピンチも来る。相手アタッカーに引っ張られて生まれたスペースをスルーパスで突かれ、何とかサンドで挟むがこぼれたボールが空いてアタッカーの前に!超近距離での超絶決定機がカタールに訪れるが、ここで山本がスーパーセーブ!近距離のシュートを足ではじき出した!ミラクル!

厳しい時間が続く、しかしディフェンス陣は慌てず騒がず。もの凄い危ないピンチもドタバタせずにしっかりとコースを消し身体を寄せてシュートを打たせず、セカンドボールをはじき出す。中盤の選手達も高い位置からアプローチを掛け、スペースに走り、カバーにまで走り回ってと運動量豊富に最後まで走り回る。そして、長い長いロスタイム5分も最後まで集中力を切らさずに守りきって、勝ちきった!1-0!本当に厳しいゲームになったが、これを勝ちきったのは予選突破を見据える上でも、そしてこのチームが殻を破る上でも、きっかけとなるゲームとなることを切に願う。とにかく、ナイスゲーム。

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試合終了の瞬間、ぐっとガッツポーズして、拍手した。

本田拓也の出場停止、梶山の怪我など、大きな代償も支払ったけれど、その分だけの成果もあったゲーム。何よりも北京に近づく結果を得れたことは本当に尊い。これだけでも本当に良かったと思えるのだけど、それ以外にも掴むモノの沢山あったゲームだったのではないでしょうか。

・共通理解が生まれてスムーズさを増した攻撃構築[前半]

得点こそ、セットプレーの一点。覚醒とまでは言えないかも知れない。しかし、迷いと躊躇の中で個人能力によることしかできなかったチームの攻撃は、間違いなく前に進んだ。楔というテーマのもと、選手達の頭は整理され、先の展開をイメージを出来るように見えた。その結果、判断が速くなり、更にはこの世代の選手達の特徴や技術が活かされるなど、非常にポジティブな効果を生んだと思う。

もちろん、課題がない訳じゃない。上記の通り結果に繋がらなかったこと、ディフェンスラインのビルドアップ、少なくないカウンターに繋がるミスなどなど。でも、この方向性で研鑽を重ねていけば、チームとして魅力的なフットボールの礎になるだけの可能性を示していたと思う。ようやく見つけたこのチームのキー、簡単に手放して欲しくない。

・数的不利に陥った中での魂の集中力と運動量[後半]

よく耐えた!その言葉だけ済んでしまいそうな部分だけど、この守りきった部分にも進歩が見られた。これまでは集中力の途切れたようなミスが生まれたり、最後の部分で身体を張りきれずに淡泊になってしまったり、頑張りきれなかったりという部分が見えたのだけど、この試合では試合通じて高い集中を保ち続け、勝利への意欲が運動量に変換されていた。

結果を得る上で、戦術面や技術だけでは勝ちきれない部分がある。ましてや相手も勝ちたい気持ちを強く持っているし、ゲームの状況によってはこの試合のように果てしない劣勢に立たされる場面も出てくる。でも、この日のような質のプレーが出来れば、最低限の結果は引き出せる。常に高いレベルでの集中力を保つのは難しいけれど、ね。

こういった内容面での進歩、そして試合後お祭りのように騒いで喜んでいる選手達の姿を見ると、このチームが少しずつ変容し始めているように感じられる。後はこれを一過性のモノにしないこと。継続してポジティブな進化を続けて欲しい。そうすれば自ずと北京も、そして南アフリカも見えてくるんじゃないかな。とにもかくにも、良かった……。

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*選手評、まずはやっぱりデカモリシだね。家長のヘッドはどうにかして決めて欲しかったけど、彼の貢献度は楔を受けることに尽きる。今回このチームがイイパフォーマンスが出来たという理由は楔がしっかりと収まる、ダイレクトで裁かれるからだと思うのだけど、その楔を入れる上でデカモリシがしっかりと顔を出して、身体を張って、楔をしっかりと引き出しては落とすという作業をしていたからこそ。守備も頑張ってやっていたし、気迫を出したパフォーマンスはチームに勢いを付ける。今の平山にはない求心力を持っているのかも知れない。平山の反撃にも期待したいのだけど、チームの機能性を考える上では彼の存在は貴重。

*梶山、決勝点!いいヘッドだったねー、勇気あるプレーだったし、彼が10番としての仕事をしてくれたのは嬉しい限り。チームの核だしね。で、中身の方はというと、ミスとなってしまう部分も目につくけれど、相手の意表をつくパスは攻撃のアクセントとなっていたし、技術的な高さは目を見張る。周囲とのイメージの共有が出来てくれば彼の才覚は更に生きる。とにかく、怪我だけが心配、次に間に合うと良いな。

*家長も素晴らしかった。チームが苦しいときにボールを持てる、前に運べる、時間を作れるプレーをしてチームを助けてくれた。久々にキレのあるドリブルを沢山見せてくれたし、復活の予兆かな?水野や内田とのコンビに多少ズレがあったりしたから、もう少しタイミングを共有出来ると良いかな。でも、この日は本当に良い仕事をした。

柏木!お疲れ!よく走ったなー、アジアユースを思い出すような献身的な運動量は存在感満載。中盤でのリンクプレーヤ的な繋ぎ、飛び出しを見せと広範囲に良い仕事。このチームで完全に地位を確立したかな。体調不良も大丈夫みたいだったし、次も期待。特に直接ゴールに絡む仕事。

*センターバックはビルドアップ以外では、本当にタフでミスのない良い仕事をしたと思う。危ないシーンもあったけど、非常に落ち着いて局面に対処していたし、精神的にぶれなかったこともとても良かったと思う。何よりも3試合連続無失点は本当に素晴らしい。山本も同様かな。ただ、ベトナム戦のFKを好セーブと評するのはいかがなモノか……。

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とにもかくにも、本当に勝って良かった。うんうん、ということでここまで。ふぃぃぃ、緊張して疲れた……。

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