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August 30, 2007

マルケスナイト@J1 第23節 Fマリノス vs ジュビロ

三ツ沢が彼に酔った。

卓越した技術と創造力はまさにマジック。彼から攻撃が始まり、彼からチャンスが生まれ、彼に導かれて勝利を手にした。

まさに、マルケスナイト。

2007 J.League Division1 第23節

Fマリノス 4-1 ジュビロ @ 三ツ沢球技場「マルケスナイト」
F.Marinos:43'大島秀夫 55'清水範久 58'山瀬功治 71'坂田大輔
Jubilo:11'加賀健一

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF田中隼磨、栗原勇蔵"ブランクという足枷"、中澤佑二"ご立腹"、小宮山尊信"試練のコミー"(→85'田中裕介"久々っ")、MF河合竜二"ついにツモ"(→85'那須大亮"試し運転")、山瀬幸宏"試練のユッキ"(→33'清水範久"メモリアル・ジロー")、マルケス"ファンタスティック鰻"、山瀬功治"フォア・ザ・チームのご褒美"、FW坂田大輔"ばびゅーん、どかーん"、大島秀夫"はにかみオーシはノリノリオーシ"

ジュビロスタメン:GK川口能活"又ニアなの?くすくす"、DF加賀健一、田中誠(→83'犬塚友輔)、大井健太郎、上田康太(86'一発赤)、MFファブリシオ、エンリケ、マルキーニョス・パラナ、成岡翔(→46'太田吉彰)、FW西紀寛(→64'林丈統)、前田遼一

雨で煙る三ツ沢。平日開催、屋根のないスタジアムでずぶぬれ確定、そんな条件だからかスタジアムに詰めかけたのはフットボールを、マリノスを好きな人ばかり。だからこそ雰囲気も良好、不純物なしという感じがたまらない。

そんな中でのスタメン、Fマリノスは受動的、そして主体的な部分で二つの変更点。マツの長期離脱で穴の空いたセンターバックには勇蔵、そして疲労感もあったのか献身的な吉田からマルケス、連勝が止まった事もあって、変化を求めたか。対するジュビロは、中断期間に加入したエンリケが、既に在籍していたファブリーズとマルキーニョス・パラナと共にブラジリアン・トレスボランチを形成、これが特徴的。アジアカップ日本代表の太田がベンチ、カレンはベンチ外ともったいないお化けが出そうだが、彼らを使わない理由は戦術的な理由か。

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試合展開

序盤から攻勢に出たのはジュビロ。前節集中砲火にあったFマリノスの左サイドを人数を掛けて重点的に突く狙いが奏功して、一気にリズムを掌握。ブラジリアントレスボランチも質の高いプレーでジュビロの攻撃をリード。一気に押し込まれたFマリノスは、なかなか攻撃に移れずいきなり耐える時間。しかし、耐えきれない。左サイドからのCK、スリッピーなピッチコンディションが影響してか勇蔵がコントロールミス、こぼれ球が加賀のもとに転がると、これを豪快に蹴りこまれ先制点を献上。苦しい流れ、ミス絡みの失点、最悪の立ち上がりとなった。

失点後も、ゲームの潮流は変わらない。マルケスという異物が入ったことが影響してか好調の要因とも言えるプレスは一向に機能しそうな気配がなく、ポゼッションを握られて後手後手となってボールサイドへのプレッシャーも掛けられない。自分たちの狙っている事を殆ど表現出来ず、そして相手のやりたい事をまったく制御出来ず。守備意識が低く、サイドでの数的不利を生み出すウィークポイントを生み出してしまっていたマルケスの卓越した技術がチャンスを生み出すが、いずれも散発的で流れを引き戻すには至らず、厳しい時間が続く。

そんな厳しい展開の中で、ベンチが前半から動く。マルケスが左サイドに流れた事で慣れない右サイドでのプレーを強いられ、苦手な受動的な守備に奔走させられていた幸宏からジローへスイッチ。ジローは積極的に動き、仕掛け、この悪い流れを変えようとする。すると、神様のいたずらか散発的な攻撃が実る。右サイドでジローを起点に始まった攻撃、ジローからのパスを引き出したマルケスがグラウンダーの速いクロスを流し込むと、ニアの功治は触れないモノの共に飛び込んできたオーシが倒れ込みながらも押し込んで同点弾!まさに諸刃の剣、守備貢献の低いけど、チャンスは作り出すマルケスがゴールという形で同点弾を導き出した事はチームにとってモラルを保つ意味で大きかったか。

後半に入ると、その諸刃の剣が与えるダメージは相手の方に大きくなる。守備には戻らないけれど、その分ボール奪取後の反撃の起点となるマルケスは、流れるようなカウンター攻撃を演出。成岡に代わって太田を入れて、Fマリノスのウイークポイントを更に突こうとしたジュビロがリズムを崩した事もあったが、前への勢いがプレスを成立させ、又ボールサイドのプレッシャーも前半に比べると圧力となっていた事を考えれば、勢いがロジックを越えたと言えるか。そして、勢いはゴールを呼ぶ。

右サイド、功治がスペースに飛ばしたボールを坂田が快足を飛ばして追いつきそのままクロス、これは精度を欠いてクリアされてしまうが、これが中途半端に。そのこぼれ球を拾ったのはジロー、拾った勢いを空いていたスペースを突き、一気にフィニッシュ!"適当に"蹴ったらしいシュートは能活の泣き所であるニアを破って逆転!相手のミスではあるけれど、ジローの技術と思い切りの良さも褒めてあげたい。走るだけじゃない、元々ジュビロ育ちで技術は持ってる選手。うんうん、ジローはこのサッカーにフィットすると思ってたよ。何よりもメモリアル弾!スタジアムにはFマリノスのチャントで僕が最も好きな「しみずー、ゲットゴール!しみずー・オー・しみずー!」が何度も響き渡った。

雨は弱まったが、逆にFマリノスの攻勢は強まるばかり。マルケスのくねくね感がファールを引き出し、左サイドからのFKを得ると、又もニア!功治の鋭く低いボールは一枚の壁をすり抜け、能活も抑えきれず、そのままゴールラインを越えた!ごちゃごちゃしてて最後にどうなったのかはわからなかったけど、映像で見ると綺麗にコースを突いてたねー、相手に当たってラッキーではあるけど、イイスピードとイイコース、決まって然るべき。見事。

逆転に成功した後も、もっともっと、と前に掛かっていくFマリノス(少々この辺は現実的な僕には心配になってしまう部分もあるのだけど)、クリエイティブかつファンタスティックなマルケスを起点に、選手間の狙いがシンクロした連動したパスとスペースランニングでジュビロを振り回し、スタジアムは興奮と感嘆のるつぼ。そして、今度はこの試合よく走った坂田が坂田らしいゴールを突き刺す。隼磨のダイヤゴナルなグラウンダーのパスにマルケスがディフェンスの前に走り込んで受けると、倒されながらも粘って後ろから走り込んできた坂田へと繋ぎ、坂田は前を開けた状況で豪快に鋭いシュートで能活を破る!見事見事、スムーズな流れとそれを可能にする選手達の躍動感、そして坂田らしい豪快なフィニッシュ、気持ちよすぎ。マルケスはこの日のゴールを全て演出するガルソンっぷり、真価を発揮した。

この後も、勢いノリノリのFマリノスは更なるゴールを狙って素晴らしい攻撃を展開。その中で存在感を強めるのは尽きない得点意識を持つエース。マルケスの美しいアーリークロスにビューティフルなジャンピングトラップからボレー!楔に対して小さなフェイクを交えたターンで相手を置き去りにして局面打開してファーを狙うグラウンダーのシュート!惜しくも決まらなかったが、功治の卓越した技術と旺盛な得点意欲には感服。

終了間際についに累積4枚となってしまった河合の代役と目される那須、久々の出場となった裕介がピッチに入って見せ場を作るなど、最後まで見所満載、前半の不出来が嘘のような開放的なパフォーマンスで、ここの所苦杯を舐めさせ続けられたジュビロを叩きのめした。

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マルケスに始まり、マルケスに終わる。まさに、マルケスナイト。前半の劣勢の一端となった守備をサボりまくった事、裏をかくくねくねっとした動きや柔らかすぎる足元のテクニックが相手を翻弄した事、そして攻撃構築からゴールまでまさに"演出"した事、マルケスに悩まされ、マルケスに驚嘆・感嘆し、マルケスに歓喜をもたらされた、マルケスマルケスマルケスマルケスマルケスマルケス……サイコー。

なんだけど……少し考えなきゃいけないゲームでもあるかなぁ。勝てば官軍、ではないけれど、「組織と個人」というテーマで考えれば、マルケスというタレントは組織の機能という観点から見れば難しい選手。このゲームやナビスコ準々決勝2ndLegのFC東京戦はマルケスのパフォーマンスが際だって勝利に導かれた感のあるゲームなんだけど、チームで表現しようとしているサッカーを機能させるためにはフォア・ザ・チームのハードワークや周囲との連動、最低限の守備意識が必要で、それがないとこの日の前半のようになってしまう。結果として、勝てばいいわけだけど、チームが目指す方向性にブレが出てしまう危険性もあるし、彼のさぼりは他の選手のハードワークに置けるモラルの低下に繋がる可能性もある。そう考えると、どちらに重きを置くのかという部分でプライオリティが問われる部分でもあるのかなと。

根本的な解決として彼にチームタスクへの意識を持たせる事しかないと思う。実際、モチベーションやモラルを彼の中に生み出す事が出来れば、彼は守備も出来るし、チームのためにも走ってくれる、僕は彼はチームに順応出来る選手だと思う。でも、彼の中にそういうモノがないと、このゲームのようなプレーになってしまう。その辺では彼にその必要性をわかってもらう努力を色々な方面でしていかなきゃいけないのかなーとは思う。

でも、出来ないのであれば、彼を外す、もしくは彼を組み込んだ上で機能させる方策を考える必要が出てくる。彼程のプレーヤーを活かさない手はないし、こんなゲームを見せられたら、もっともっと魅せて欲しいと思っちゃう。その辺はチームが更なる高みに登る上での宿題が一つ出来たといえるのかなと。

ま、そんな事も含めて、やはりこの日はマルケスが主役だった。ジローも最高だったけどね。

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*後は細やかな事。まずチームの機能性の話。上記の件も含めて前半ぐだぐだで、後半スパーク。どうしてこんなに変わるのかと思わされると、ロジックって何だろうと思わされるんだけど、共通点を見いだすとしたら、「前への意識」なのかも知れない。後ろに引っ張られるとどうしても受動的なサッカーをせざるを得ない。そうなると、幸宏にしても、コミーにしても余り良さが出てこない。でも、前に前に行くと、チームがうまく回っていく。連動した動きに関してもほぼ前方向への動きが中心だしね。そう考えると、機能しないときにいかに前に勢いを付けていくのか、これがこれからの課題かも。テーマはハードワークへのモラルと勇気かな。前半のおざなりなボールサイドへのプレッシャーはもう繰り返しちゃいけないよ

*コミーとマルケスは相変わらず相性悪いなー。ボールが出てこないからか、前を塞がれてしまうからか、色々理由があるのだろうけど、コミーのダイナミズムが死にがち。この辺は信頼関係としかいいようがないけど、コミーとしてはデコイを厭わずどんどん回っていく、走っていくという事を続けた方が良いかな。見て止まってしまってもダメだと思うから。

*隼磨は出ていくタイミングが良いし、守備も頑張る。だからカウンターに絡める。隼磨イイよ、本当にイイよ。150試合おめ、ジローと一緒におめ。

*マツの負傷でお鉢の回ってきた勇蔵だけど、安定感失ってるなー。緩いし、ミスも多い。勇気を持って、アプローチをもっと強く、思い切りよくやって欲しいな、第一期プレス全盛期のように。そうしないと勇蔵の良さは出てこない。自信持て。

*そして河合が出場停止で次は那須に出番。FC東京戦の時はスペースもらってシンプルなアタックが多かったから繋ぎを求められなかったけど、切り替えの速い相手だから遅攻になって繋ぎを問われる可能性もある。那須にとっては正念場だし、苦手なんていってないで覚醒して欲しいな。てか、動きすぎには注意。バイタルをケアしていくことが何よりしなきゃいけない事だよ。フォアリベロ的な動きだね。

*ジローと坂田の走力は素晴らしいね。よく走るし、速いし、ジュビロのディフェンスは全く対応出来てなかったもんなー。しかも、連動して絡んでいったシーンは鳥肌モノ。走り方もうまくなってるかも。オーシのポストに絡んでいってほしいな。もうやってるけど(坂田とオーシの絡みはイイよ、続けて。)

*功治は本当に求める事ない。マルケスの分も守備に奔走し、後半最後まで攻撃にも出てく。もう頭が上がらない。連戦で疲労も心配だけど、功治のいないチームが今は考えられない。今日の巧はトラップの巧さと身体を使ったターン、そして飛び出しと使われる巧さが出たプレーかな。

*ハヤヤもジローの起用でチームを活性化させる術を意識してるのはイイね。マルケスのスーパー化、孝行の休暇含めて起用法に幅が拡がってきたから、後は選択かな。若い選手にもチャンス与えて欲しいかな。

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しかし、こんな試合だと雨も楽しいっ!何となく雨でテンションが上がってていつもと違う感じだったけど、これはこれで楽しいね。ま、もちろん勝ったからこそだけど!とにもかくにもここでまた再点火!これから求めたいのは若手の奮起!アーリア、陽介、乾、マイクに狩野!おっさんどもに負けるなー!と言う事でここまで。

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*順番あべこべになったけど、サンフレ戦も上げます。このゲームも面白かった、サッカー的な観点で。最近、スタジアムでサッカーの話をしている人が多い。ゲームの展開であったり、相対的な要素であったり、戦術であったり、凄い嬉しいこと。それだけ語り合えるサッカーをしてると言う証明のような気もする。

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Comments

お久しぶりです。いやー快勝でしたね。自分がプレーしていた頃にも経験がありますが、雨の中の試合というのはやっている方もテンションが上がります。それが特に後半、いい方向に転がったゲームという感じでした。

マルケスは本当に巧いですね。確かに連動した守備という面では少々問題がありますが、彼が守備をしない分、小宮山が守備に専念することになり、結果的に前半突かれていた左サイドが抑えられるようになったと思います。攻撃と守備は表裏一体なものなので、彼の攻撃能力を殺さない程度にチームタスクを遂行することを求められるか、ですね。そのあたり早野監督の手腕に今後は期待したいです。

山瀬のスーパートラップからのシュートは、決まっていれば今年のベストゴールランキング上位に入っていたでしょうね(笑)。残念。

Posted by: mone | August 31, 2007 at 10:53 AM

moneさんこんにちわー、レス遅くなって申し訳ありません。

仰る通り、雨に濡れるとテンション上がりますよね。僕は余りキック力がなかったので、雨を吸って重くなるボールが少々辛かったですが……ってこれはいいか。

それにしても衰えるどころか、高いテンションのまま相手を飲み込む迫力は本当にワクワクしますね。選手達がイキイキとダイナミックに走り、イイ流れがプレーのクオリティを高めて、素晴らしいプレーを沢山してくれます。本文中にも書きましたが、リードしたのだからもう少しセーフティーに……と思ったりするのですが、そんなの勢いの前には必要ないのかも知れませんね。ま、今年のスタイル、でしょう。

>マルケス

あれだけマルケスが起点になってくれて、ゴールを導き出してくれるとあれば、チームの機能性を犠牲にしても起用する価値はありますね。コミーを中心に守備時に我慢を強いてしまいますが、肉を切らせて骨を断つ的なサッカーも、収支がプラスになればそれはそれでありなのかなと。今後の課題としては、仰られる通りチームに融合させて欲しいし、融合出来なくても攻撃モードという感じで使い分けられたらいいですね。最近交代策が当たる事も多い早野さんにうまいことやってほしいです。

ではでは、今日はレイソル戦、良いゲームになると良いなー。

Posted by: いた | September 02, 2007 at 10:40 AM

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