« カナダへ、北京へ -U-20ワールドカップ本大会メンバー発表+U-22アジア最終予選グループ決定 | Main | 復活のバンディエラ@J1 第16節 Fマリノス vs ガンバ »

June 19, 2007

抗う力@J1 第15節 エスパルス vs Fマリノス

キープレーヤー不在、高温、ビハインド、数的不利……、ネガティブな条件が揃えば、それ相応の結末が用意されていたはず。しかし、抗った。これが、一つの成果だとしたら、この勝ち点1は悪くない。

2007 J.League Division1 第15節

エスパルス 1-1 Fマリノス @ 日本平スタジアム「抗う力」
S-Pulse:63'岡崎慎司 F.Marinos;87'OwnGoal

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF那須大亮、栗原勇蔵"坊主、絶対坊主"(74'黄×2=赤)、中澤佑二"こういうときに絞めなきゃ、キャプテンなんだから"、小宮山尊信"痛恨"、MF河合竜二、狩野健太"苦々しい凱旋、てか何故セットを蹴らない!"(→70'田中隼磨)、山瀬幸宏(→85'田中裕介"頭脳的?なピンポンゴール")、山瀬功治"何が君をそうさせた"、FW坂田大輔"断髪"、斉藤陽介"スターは決めるからこそスター"(→64'ハーフナー・マイク"mike time 再び")

エスパルススタメン:GK西部洋平、DF市川大祐、高木和道、児玉新、兵働昭弘、MF杉山浩太、伊東輝悦、藤本淳吾"友達なら決めないでよ、次も"(→70'平岡康裕)、フェルナンジーニョ(→75'枝村匠馬)、FW岡崎慎司"絶対やられないと思ったのに"(→89'チョ・ジェジン"JJ")、矢島卓郎

雨の心配など全くない快晴に聖地・日本平。首位ガンバ以外は混戦模様の中位グループ抜け出しを図るためには、どちらも勝ち点3が欲しいゲームか。しかし、バクスタは暑い、焼けちゃうよ。

そんな中でのスタメン。どちらも怪我人・出場停止を抱えており、その穴埋めにどのような選択を取るのかに注目が集まった。まずはホームのエスパ、前節ちょっと先に不安を覚えるような負けを喫した中でJJの負傷はまだ癒えきらず、センターバックの核・青山直晃が出場停止と台所事情は厳しい。その中での選択は岡崎と矢島の若き2トップ。ディフェンスラインは相対的な要素も会ってか兵働を左サイドバックに下げ、これまで左サイドを勤めていた児玉をセンターバックに。JJも負傷を押してベンチに入る。

対するFマリノスは、隼磨が出場停止から戻ってきたモノのDFラインは前節と同じ(隼磨使って欲しかったなぁ)、吉田の出場停止、大島の腰痛、ジローの骨折と再編を求められた攻撃陣は吉田の代役には地元静岡凱旋の静学出身の"裏切り者"狩野健太、トップに"ロケットボーイズ"坂田と陽介。そういや、裕介が久々にベンチ入り。

-----------------------

試合展開

気候もあってか、どちらも非常にスローな立ち上がり。Fマリノスは前線からの激しい追い回すプレッシングではなく、ある程度プレッシャーに行く位置を低く設定してゾーンに入ってきたらアプローチを開始するディフェンススタイルを主に置き、エスパの方はこれまでの対戦でFマリノスのプレスに苦しんだと言うこともあってか長いボールで矢島を狙い、その周辺で岡崎が走り回るというシンプルな攻撃を模索する。

どちらもゲームの狙いははっきりしていたが、ピッチでプレーする選手達がぴりっとしない。ミスが多く、集中力を欠く様なプレーが見られたりと、暑さのためか弛緩したプレーが散見。展開としては互いにスペース管理に危うさが残り、一進一退。そんな中で先にチャンスを迎えたのはFマリノス。相手中盤のスペースが空けたスペースを利用してバイタルまで持ち込んで右から走り込んだ狩野へ展開、狩野はバウンドするミドルシュートを放つと西部がファンブル、陽介が素早く反応するも西部が自らフォローし及ばず。しかし、これで流れを引き寄せると今度は左サイド、コミーが市川との1vs1を制し、柔らかいボールをファーへ、これをフリーで陽介が叩きつけるようなヘッド!しかし、枠に収めきることが出来ず決定機を逃してしまう。相手の切り替えの遅さ、スペース管理、ボックス内でのクロス対応とマーキング、様々な部分で不安要素が見せていた相手を仕留めきれない。

すると、徐々に流れが変わる。ここまではスペースを使われてもディフェンス陣で無難に守りきっていたが、無駄なファールが自分たちの首を絞めていく。藤本のゴール正面からのFK(枠はずれる)、マークのズレから中央でフリーとなった岡崎にヘッド(ポスト直撃)、と危険なシーンを作られ、そのピンチを何とか凌いでもセカンドボールの処理であったり、カウンター時のスムーズなボールの流れを欠いたことで、なかなか攻撃に移れない。エスパも不調時の流れを引きずっているのかチャンスをモノに出来なかったことで、事なきを得たが、まだまだ修正すべき点があるということが感じさせられる。終盤、Fマリノスにもセットプレーのチャンスは訪れたが、相変わらずゴールの匂いは薄く(幸宏の虚を突いたファーへのインスイングのキックは惜しかったが)、前半はスコアレスで折り返す。

後半になると、ロッカールームで檄を飛ばされたのか、エスパの選手達の動きがよりダイナミックに。しかし、単純なミスであったり、決定機をモノに出来なかったりと、プレーのディティールまでは変化せず。Fマリノスも後半は前から追い込みを掛ける形で流れを奪いに掛かるが、躍動感・連動感・献身性を欠きプレスの実効力は上がらず。低迷感を伴う拮抗の中で、組織守備の脆さに加えて運動量の低下が付随されると時間と共にゲームはオープンな殴り合いに。

そんな展開となれば互いにゴールチャンスが生まれる。後半立ち上がり、功治の前がオープンになった所での仕掛けてのシュートを打ったのを号砲に、セットプレーから佑二と西部の競り合いで生まれた中途半端のクリアを那須が狙うもゴールカバーに凌がれる。これを決めきれないと今度はエスパにゴールチャンス。カウンターの移行に置いてFマリノスよりスムーズさを見せ、2トップのダイナミックな動きがFマリノス守備陣を揺さぶる形が多く見られる中で、ギャップの生まれたディフェンスラインの間隙を突いた岡崎がスルーパスから抜け出したり、ファーをグラウンダーで狙うも枠を僅かに逸れる。しかし、このプレーの後もチャンスを作り続けたエスパはついにチャンスをを活かす。右サイドからのCK、フェルナンジーニョのキックは大きく弧を描きファーサイドへ、(着弾点の目測誤り?)コミーがマークミスからフリーとなった岡崎がファーでフリーで押し込む!バウンドボールは哲也の手、そして狩野のゴールカバーをすり抜けてゴールに収まり、先制点はエスパルスに生まれた。コミーは反省、後、狩野も体で行かないとね。足先でクリア、甘い。

ビハインドを負ったFマリノスは、陽介→マイク、狩野→隼磨とフレッシュな選手を投入し反撃、河合の素晴らしいラストパスがディフェンスの合間に走り込んだマイクへ渡るとGKとの1vs1。しかし、これは打ち切れず(マイク反省超反省)、同点のチャンスを逃すと、更なるディスアドバンテージを背負うことに。センターライン付近でキープした岡崎に対して勇蔵がイライラをぶつけるかのような危険なバックチャージ。これには間髪入れずに黄色が出て、これが2枚目。自制心を欠いた若きセンターバックの退場でチームは窮地に立たされた。

ビハインドを取り返したいが、数的不利では如何ともしがたい。プレッシャーが掛からず自由にボールを回され、とどめを刺しに掛かるエスパの猛攻に晒される。しかし失点の遠因となってしまったコミーの素晴らしい水際対応などもあって追加点を許さずにいると、お家芸・マイクタイム発動。高木和道はまだしも、児玉は余り大きな選手じゃないだけに、マイクは空中戦で大きな脅威となると、時間も押し迫った87分、これまでそっぽ向いていた女神の気まぐれ。隼磨のアーリークロスに対してマイクが触る、その触ってこぼれたボールに飛び込んだのは交代で久々のピッチに立っていた裕介!混戦となる中で、無我夢中(本人談)で触ったボールはゴールと逆方向に飛んだが、幸いにもカバーに戻ろうとした西部に当たってゴールに向かうという幸運。これがゴールに転がり、同点!同点!もの凄い格好悪いゴールだったけど、もの凄い価値のあるゴール。交代選手が全て絡む形であり、早野氏としても痺れるプレーだったか。

この後、少々イケイケにはならず消化不良感は残ったが、結局ゲームはこのまま。共に勝ち点1を積み上げる形となり、次節リーグに君臨する王者(エスパはレッズ、マリはガンバ)に挑むことになった。

-----------------------

一言で言えば、締まらないゲーム。

夏のような暑さはアイスのように選手の集中力を溶し、そのせいか動きは緩慢、ミスは頻発、そして切り替えの遅さがスペースを生み、隙を与える。互いにチームとしてのメカニズムに問題を抱えていたとは言え、不安要素がゲームを盛り上げるという意味でも、質の高いゲームとは口が裂けても言えない。

Fマリノスにスポットを当てていくと、チームの核となるべき選手達の低パフォーマンスに、見いだし切れていない新たな戦い方の中途半端さが表面化、パフォーマンス的には底と言っても過言ではないような出来であったことは否めない。ハイテンションなプレスは機能性もアグレッシブさも見る影もなく、リトリートしてのディフェンスもスペース管理に甘さが残り(収縮した後のサイドに拡がるスペース、押し上げきれないことで生まれるバイタルのスペース)、結果としてチームとしてのコンセプトはぼやけたまま。その組織を形どる選手達のパフォーマンスとして、ディフェンス陣は集中力を欠いたことによる細かいミスを繰り返し(勇蔵だけじゃない、佑二も那須もコミーも、セットに置いては誰もが何度かミスをしていた)、中盤は判断の悪さが目立ちスムーズな流れを生み出しきれず、トップは相手のディフェンスを揺さぶれずようやく訪れたチャンスも決めきれない。相手の悪さも手伝ってゲームの体を成していただけで、光明を見いだすのが難しいぐらいの出来であった。

そして、繰り返していた過ちを失点という形で被らされ、挙げ句の果てにメンタルバランスをゲームの最初から失っていた選手の退場で数的不利に。勝利の女神も、サッカーの神様も、Fマリノスに背を向けていたに違いない。ただ、それで終わらなかったことがこのゲーム唯一の得れたこと。

今までの過程を考えれば先制点は死の宣告(逆転勝利はたった一度)、数的不利となれば更なる逆境であり、その逆境に屈してきたのが今までのFマリノスだったと思う。しかし、この日は違った。数的不利を境に選手達の集中力と献身性は高まり、なりふり構わない必死な姿勢がプレーに表れていた。そして、それが実った。決して、格好いい形じゃない、素晴らしい形でもない。ただ、これまでの過程にも、ゲームの流れにも、屈せずに抗う事が出来て、それが結果に繋がったと言うことはチームにとってとても大きな事なんじゃないかなと。

内容的には手応えを得れるようなゲームではなかったけど、運命に抗える力を示したことには意味がある。内容と結果が必ずしも比例するモノではないスポーツだからこそ、結果を引き寄せる運命に抗う力の価値は大きい。これからのシーズンを考える意味でも、この先強者への回帰を図ろうとする意味でも、ね。

ま、とにもかくにも勝ち点が取れて良かった。相手の出来を考えたら勝つチャンスもあったと思うけどね。でも、ベターですよ。一歩ずつ、一歩ずつ。

-----------------------

*ここで出来たこと、出来れば継続してほしいな。今やリーグ随一の完成度と破壊力を誇る強者であるガンバ、もう相性と言っていいぐらい苦杯を舐めされられてきたアルディージャ、はっきり言って余りいい印象は抱けない。ただ、ここで見せれた抗う力を発揮出来れば、現状の力関係や如何ともしがたい相性をも越えられるかも知れない。このゲームで掴んだモノを問われるのはすぐそこ、かも知れないね。

*じゃ、選手評。まず戦犯。開始早々の矢島との接触から頭が沸騰、メンタルバランスを失って独りよがりなラインコントロールやチャレンジ、見切りの早さでピンチを招き、最終的に退場。憤りと呆れでしかない。彼の中で何が起こったのかわからないけれど、ここ数試合の精神的な荒れは言い逃れできない。スタメンとして、松田直樹をベンチに差し置いて出ている事を考えれば、こんなプレーは許されないし、今回の軽率なプレーで自分のポジションを失う可能性を引き起こしてしまったことを悔いて欲しい。今回の件を更なる成長の糧にして欲しいな、出来なければこの程度の選手で終わるよ。

*佑二も終盤持ち直したにしても、出来は良いとは言えなかった。勇蔵同様見切りが早すぎたり、浮き球に対しての判断が悪かったりと、集中力を感じないパフォーマンスは、中澤佑二らしからぬモノだったと思う。負担は大きいだろうけど、苦難の道は続く、踏ん張って欲しい。マツの復帰で少し負担が減ればいいんだけど(増えるようでは困るけど)

*功治も余り良くなかった、はっきり書けば悪かった。何よりも判断がもの凄い悪かった。シンプルにはたけば良いところで持ちすぎてボールをロストしたり、無理矢理突破に掛かってボールを失ってみたりと、冷静な判断力を持ち得る選手にしては珍しい頭の悪いプレーが多かった。チームがうまく回らない焦燥感がそうさせるのか、不甲斐なさがそうさせるのか、でも、クレバーさを失ってしまったら功治の良さは半減してしまう。自分の技術の使い所を間違えないように。それと、セットのキック、15試合もしてCKからのゴールが生まれていないことを納得してしまうようなキックに終始。健太が蹴りに行かなかったことも納得いかないのだけど、一枚目の壁は越えて下さい。

*健太も地元凱旋という割にはお粗末な出来。消極的で自分を出し切れていなかった。小手先だけの技術ではゲームは動かせないよ。藤本の動きの幅の小ささが健太にスペースを与えてくれていたのだから、それを反面教師に守備面では自分の役割をしっかりこなして欲しかった。又、ボールを呼ぶシーンでより本気度が欲しい。上記の通りスペースでフリーとなっていたシーンは多かった。「何故出さない!」と怒るぐらいの迫力があれば、もっと良い攻撃が作れたはず。ボールレシーブアクション含めて、もっと本気度を。健太の出来が良ければ、僕はこのゲーム取れたと思う。期待しているんだから、思い出せ、去年を!

*トップ。坂田は慣れない仕事をよく頑張っていたと思うのだけど、彼の得点機会は皆無。雑務をこなせばゴールを獲らなくていいなんてことはない。もっと裏を狙うような動き出しであったり、ニアに飛び込むようなプレーであったりと、ゴールへの意欲をプレーに表す姿勢が欲しい。陽介は動き自体は良かった。ただ、気負い過ぎもあったかな。もっと状況をよく見て、冷静な動き出しが出来るはずだし、直線的すぎた。そして何より決定機逸。坂田がゴールから遠ざかる今、決めれば自分の存在を大きくアピールできたのだから、痛いミスだったかな。次は絶対決めて欲しい。決めれば、自信になるから。

*交代選手は結果を出したけど、これで更にどん欲になってくれたら。マイクは良くやったけど、河合の素晴らしいパスに応えて欲しかった。決めないとね、あれは。裕介はなれないポジションながら、あそこに入ってきたことに価値。盛り返しの大きなアピール。どんどん競争。隼磨も久々にイイクロスを入れた。那須は戦術的な側面で使われているわけだから、絶対的なパフォーマンスを見せてポジション取り替えして欲しいな。那須も慣れては来ているよ、まだイイとは思わないけど。

-----------------------

少しずつ逞しくなっている。後は中身を充実させないとね。戦術はもとより、個々のより質の高いプレーセレクト、判断、技術……、一人一人課題はある。ま、強者との、相性最悪との敵との対峙で又何かを見いだし、掴んでくれたらと。とにもかくにも、勝ち点1、悪くない。ということでここまで。

-----------------------

*日本平は良いところだったー。パルちゃんのスポンサー紹介は最高、雰囲気も良いしね。来年も行くよー、河岸の市行きたいし(それ?)

*エスパはすぐダイアモンドの中盤からフラットに戻した方が良いと思う。攻撃的にやりたいのだろうし、マンネリを避けるためというのあるのだけど、バランス悪いし、スペースマネジメントが悪い。あんなにスペース与えてたら、いつかやられちゃうし、ゲームのリズムもすぐに奪われてしまう。戻る場所があるのだから、回帰するのも一手だと思う。杉山が本格化してきたし、伊東テルも周囲の機能性が戻れば渋いプレーが効いてくるはず、枝村だって良いときのプレーが戻ってくるかも知れない(飛び出しにこだわり過ぎかな。裁きも守備もこなせるオールラウンダーなんだから)。何より、シンプルな役割になれば藤本が生き返る。フェルを使いたければトップに入れればいいだけの話。エスパの良さは、攻撃性ではなく、機能性。機能性のないエスパはただのうまいチームになっちゃうかなーと。違うチームのお節介をしている場合じゃないけどね。

|

« カナダへ、北京へ -U-20ワールドカップ本大会メンバー発表+U-22アジア最終予選グループ決定 | Main | 復活のバンディエラ@J1 第16節 Fマリノス vs ガンバ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/15485141

Listed below are links to weblogs that reference 抗う力@J1 第15節 エスパルス vs Fマリノス:

« カナダへ、北京へ -U-20ワールドカップ本大会メンバー発表+U-22アジア最終予選グループ決定 | Main | 復活のバンディエラ@J1 第16節 Fマリノス vs ガンバ »