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June 26, 2007

梅雨空のような凡試合@J1 第17節 アルディージャ vs Fマリノス

はやや、一言言わせてくれ……

こっちが腹立たしいわ!

2007 J.League Division1 第17節

アルディージャ 0-0 Fマリノス @ 駒場サッカースタジアム「梅雨空のような凡試合」

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"後光が差してます"、DF田中隼磨"久々の因縁対決"、中澤佑二"きっちり"、松田直樹"影響力に思う"、小宮山尊信"コミー十番勝負 小林大悟編"、MF河合竜二"FWの頬をひっぱたいていいぞ、俺が許す"、吉田孝行、山瀬幸宏"雨に消えた"(→46'那須大亮"久々のイイ那須")、山瀬功治"雨+疲労+責任感=不調"、FW(っぽいポジション)坂田大輔"点の獲らない坂田は単なるそこらのあんちゃんだ"、ハーフナー・マイク"とりあえずワールドユース頑張ってこい、話はそれからだ"(→46'大島秀夫"腰痛はどんな塩梅?")

アルディージャスタメン:GK荒谷弘樹"負傷"(→48'江角浩司)、DF西村卓朗、レアンドロ、冨田大介、波戸康広、MF斉藤雅人、小林大悟(→86'橋本早十)、片岡洋介、小林慶行、藤本主税、FWエニウトン(→69'若林学)

梅雨の気候に祟られ、雨の駒場。試合開始前にちょうど上がった感もあったが、結局試合中にぱらぱらと降り出す。こんな天気に相変わらず埼玉に歓迎されていないナーなんて思ったり(埼スタの時はアホみたいに暑かったし)

そんな中でのスタメン、ディフェンスラインはガンバ戦と同じ、松田直樹も田中隼磨もスタメンの座を譲らず。そして、もう一つ流動的なポジションであるFW、ベンチに戻ってきたとはいえまだ腰の具合に不安があるのかオーシはベンチスタート、その代役としてハーフナー・マイクがリーグ戦スタメン。アルディージャの方は怪我もあって出場が危ぶまれていた小林大悟がスタメンに、吉原宏太が怪我のために出場を回避したが、ブラジルではかなりの実績を誇ったエニウトンのポテンシャルが気になるところ。

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試合展開

オレンジのシャツを見ると気が滅入るのか、それとも湿気を含んだ空気がそうさせるのか、Fマリノスの選手の動きは重く、又反応が鈍い。その結果、チームとしては好守に置いて実効力を欠く。アプローチが遅く、緩いため、相手のポゼッションを抑制するような機能性を示せず、マイボールになってもレシーブアクションが乏しく展開が流れない。

対するアルディージャは緩慢なFマリノスに対して、中盤で自由を与えられたこともあって中央からピッチを広く使う形で自由にボールを受ける藤本や小林大悟を起点にスピーディな攻撃を展開。その中でビッグチャンス、シュートのこぼれを自ら拾った藤本が囲まれながらもうまく距離を獲ると柔らかいボールを中に供給、これがイイポジションを獲ったエニウトンへどんぴしゃり。エニウトンはゴール中央から強烈なヘッド!しかし、これは哲也が足ではじき出す。それでもこのこぼれに反応したのは小林大悟、強烈にニアサイドを抜くシュートでゴールを狙うが、哲也がファーストセーブの後も素早く立ち上がってこのシュートに反応!もう一度小林大悟の元にボールがこぼれるが、2本目のシュートはゴールカバーに入った佑二がブロック。この試合ファーストプレーはFマリノスの守備陣の懸命な守備が勝った。

しかし、このプレーも覚醒の呼び水にはならず。時折散発的にチャンスが生まれるモノの、雨のピッチにアジャストできない選手達はファーストタッチが流れたりとミスも多く、又大宮お家芸のゾーンの術中に又も嵌る形で閉塞感を拭えない。ただ、大宮も吹っ切れない。良い形でボールを動かす形で攻撃構築こそ出来ていたものの、そこから先にアイデアや実効力が伴わず、固い松田・中澤の壁の前に沈黙。ゲーム自体も閉塞的な拮抗状況に陥る。

その中で一発のプレーがゲームを変える。前半も押し迫った中で、松田から飛ばされたロングフィードを冨田の前に入って収めたマイクが、落としたボールを反転しながら強烈に叩く!これは枠を外れたモノの、これまでお世辞にも良いプレーを出来ていたとは言い難いマイクの豪快なプレーがチームに勢いを付ける。しかし、プレーの精度を修正するまでには至らず、相手のクリアミスを拾った功治のミドルも大きく枠を外れるなど、得点の予感が高まるまでには至らない。

前半出来の悪かったことを認めたかのように珍しくハヤヤが早いタイミングで動く。良いプレーも少しあったモノの全般的には低調だったマイクに代えて腰痛から何とか戻ってきたオーシ、好調時のアグレッシブなプレーが影を潜めた幸宏に代えて那須を投入。那須を右サイドバックにして隼磨を一列前に押し上げる。そして、その狙いが実り掛ける。

キックオフ直後、那須大作戦発動。那須がキックオフと同時に相手陣に走り込み、そこ目がけて功治がフィード。那須は競り勝って中に落とすと、オーシが収めて前にランニングしていた那須へ戻す。那須は素晴らしいグラウンダーのクロスをディフェンスラインとGKの間に通し、荒谷も触れない!そして飛び込むのは坂田!しかし、交錯しながら合わせたボールを無情にも枠逸れていく……。

このゴールチャンスは断片でしかないが、チームの機能性もこの交代でかなり改善される。バランスという文字から解放された隼磨が相手を追い回し、那須は激しく藤本に食いついて自由にやらせない。前半自由にやられたところを消すことが出来たこともあって、ゲームペースを引き寄せる。

しかし、ペースは引き寄せてもゴールが遠い。隼磨が右浅い位置からハイボールを供給すると、オーシが体を張ってこのボールを落とし、それに合わせて入ってきた坂田がフリーでシュート!しかし、これは交代で入っていた江角の好反応に凌がれる(コースが甘いんだよ)なかなかモノに出来ない坂田にだったが、3度目の正直とも言うべき決定機が。吉田のスペースパスから右サイドに飛び出した功治が突破に掛かろうかと言うところで選択したのは後ろから走り込んだ坂田への優しいなラストパス、坂田はこれをこれまたフリーインフロントでコースを狙うが、ゴールの枠を越えてしまう……3度目の正直ではなく2度あることは3度あるになってしまった。

決定機をモノに出来ないと嫌な雰囲気も漂いそうになるが、DF陣は危ういシーンこそ合ったモノの集中力を維持。哲也はここ数戦の好調を維持してゴールに鍵を掛け、松田・中澤は若林を徹底して制圧。那須もアグレッシブに奮闘し、コミーも90分間小林大悟を向こうに回しながらも大きく破綻せず。しかし、そんな奮闘にもオフェンス陣は応えきれない。結局、ゲームはこのまま、雨に濡れて燻ったゲームにふさわしくスコアレスドローで、互いに勝ち点1を分け合った。

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煮え切らない、吹っ切れない。梅雨空のようなじめじめとした凡試合。フラストレーションばかりが溜まる90分だった。

濡れたピッチで露わになる選手達のオープンスキルの低さにしても、無駄を惜しむかのように少なすぎる運動量も(水曜日に激しいゲームをしたけど)、何か違うことを考えていたかのような反応の遅さも、アイデアも工夫もなく砂漠で雨乞いするような受動的なプレー姿勢にしても、臆病風に吹かれたように減り続けるリスクチャレンジにしても、全てが足りない。引き分けという結果に不満があるわけではないけれど、このゲームの内容は重く受け止めるべきなのかも知れない。

技術的な問題、サッカーに置ける判断の問題に関しては一朝一夕に行かないので、日々の練習の中で「より高い意識」で取り組んでもらうしかないのだけど、それ以上に気になるのはプレーマインド。リスクを背負ってでもアグレッシブにプレーしようという姿勢は確実に減退しており、非実効的な要素を嫌うが余り無駄になるようなプレーを避ける傾向にある。これらは、このチームが進むべき方向性とは対極でなのではないかなと。

そのきっかけとなってしまったのは戦術的な選択。単純明快なタクティクスである猛烈なハイプレッシングサッカーから相対的・気候的問題で方針転換した事に関しては、致し方なかった部分はあるが、その選択は選手達の怠惰な本質を再び呼び起こしてしまったような気がしてならない。強制的にハードワークを強いられるタクティクスであれば走らざるを得ないけれど、それを柔軟性や抑揚という選択は選手達にサボる口実を与え、その分だけプレーマインドはどんどん減退していく。実際、ここ数試合以前のような猛烈かつ連動したプレッシングは殆ど見られていないし、猛威を振るったショートカウンターからゴールを襲うシーンも皆無。選手達はサボることで楽が出来るという感覚を思い出してしまったのかも知れない。

かといって、もう一度猛烈プレッシング一本で前からサボることなく死ぬ程走れ、相手の2倍走れといった根性論を振り回すつもりはない。しかし、プレーマインドを前向きに、高揚させる必要性があるのは明らか。それはチームのモラルという言葉とも共通と言える。アグレッシブなプレーを求め、リスクチャレンジを奨励し、ベクトルを前に置く。どんなサッカーをするにしても、変わるべきシーズンに置いてこのマインドだけは失ってはいけないと思う。シーズンも折り返し、バンディエラの復帰、リーグ最強攻撃陣の完封と歴史的なアイデンティティは守備があることが示された今、再確認すべきだと思う。

*個人的には勝てた試合だったと思うよ、アグレッシブな姿勢さえ持っていれば。全体的に前からプレスを掛ける姿勢をより高く持っていれば、相手の攻撃を抑制し、攻撃方向を制限する事も可能だった思うし(それにより、片方のサイドに収縮して守備の実効性も高まったはず)、功治が後ろ髪引かれずに高い位置でプレーする意志を持っていれば、プレスの連動を保ち、比較的自由にプレーしてサイドに散らして攻撃のリズムを付けていた斉藤を捕まえることが出来たと思う。ディフェンス陣も前方向の意識を持つことで空くスペースに浮いた藤本・小林大悟を捕まえることが出来た。何よりも自分たちが主体的に動いていれば相手は対応せざるを得ない。それはゾーンを揺さぶる一手となり、大の苦手としている4-1-4ゾーン攻略の足がかりを掴めたかも知れない。それが出来なかった(後半は比較的出来ていた気もするけどね、右サイドの積極的なプレーもあって)ことに問題を感じたので。

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*じゃあ、選手評を簡単に。まず、哲也神、愛してる!ここのところの神降臨率の高さ(ビッグセーブの多さ)、判断ミスも減少(むしろ冷静かつ勇敢な判断が目立つ)と、正守護神にふさわしいパフォーマンスを見せてくれているのは大いに拍手。この辺は達也がいなくなって責任感が増したと言うところもあるのかな。地位が人を変える、って感じ。怪我は心配、無理はしちゃいや。それにしてもあのエニウトンのヘッド、続けざまの大悟のシュートをセーブした超早反応はお見事!

*気になるのは功治。前節は気負いすぎてボールを離すタイミングが悪かったり、プレーセレクトが遅かったりと、独りよがりな傾向が見られたけど、その辺は少し改善の跡。ただ、とにもかくにもポジショニングが低い。押され気味だったけど、功治がポジションを下げたことで底の選手を自由にさせてしまったと思う。全体的なプレーディティールも低調、疲労もあるだろうし、コントロールを失わせる雨も悪影響、やはり替えの効かない唯一無二の存在だからこそ、コンディション共々立て直して欲しいな。セットは要改善。

*坂田は外してへらへら笑ってんな、城みたいになっちゃうぞ。ワシントンみたいに自らの不甲斐なさを呪い怒るぐらいゴールチャンスへの執着を持ちなさい。参ったナーで済ませてたらいつまで経っても決定機をモノにする強さをモノに出来ないよ。もう期待の若手じゃない、結果が求められる存在なんだから。それと、自分がやりたいプレー、やりやすいゾーンでプレーするのではなく、相手が嫌がるゾーン、相手が嫌がるプレーというのを心がけるべき。坂田よりもエニウトンが怖さをあったのはその差だと思う。なんだかんだ言って現状に置いては坂田以外にいないわけだから、結果出してくれ、頼む。ファーストタッチが相変わらずなのも我慢するからさ(技術も低いし、その意識も低い。だからミスる)

*ディフェンス陣は守ることに関しては、非常に高いレベルを保ってるね。マツはまだ本調子じゃないにしても、エニウトンとのリアルファイトは見応えたっぷり。ラインコントロールも勇蔵に比べれば一日の長。周囲に動きを求めてより早い球離れになると尚いいね。松田直樹のプレータイミングにチームが染まってしまうと困るけど(これは良くないこと)佑二も安定、安心してみてられる。ヘッドは決めて欲しかったかナー。那須も良かった。調子が良く、起点となっていた藤本に対してかなり積極的にアプローチに行った効果はかなり出ていたし、その積極性は攻撃にも良いプレーが出来ていた。那須大作戦も初めて嵌ったね。惜しかった。コミーは小林大悟の調子が良くなかったことはあるにしても、ルーキーとは思えない安定感。ま、センセーショナルなプレーは影を潜めたけど、いいよいいよー。

*一つの発見は隼磨の一列前かな。チームのプレーマインドのことを書いたけど、チームが停滞しつつある中で運動量に全く不安がなくアグレッシブにプレーする事を信条とする隼磨の存在はチームを活性化させたと思う。もっと張っても良かったし、縦に仕掛けて、波戸に現状の力の差を見せて欲しかったけど……。ま、一つのオプションとしては悪くない。那須が良いプレーをするという条件付だけどね。

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と言うことで、ここまで。大分戦が終わるとリーグは少しお休みかー。マリノスのサッカーを見ることを楽しみにしている僕にとっては切ない気もするけど(ナビもユースもあるから、そうでもないか)、選手達はこれまでのシーズンの疲労を癒すイイインターバルになるかな?とりあえずお願いだから、河合と功治は次のゲームでカードもらわないでね。それこそ休ませたってイイぐらい。ダービーにいないなんて許さないんだから。ということでここまで。

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*駒場の2階席での観戦で久々に雨に打たれました。ま、雨装備万全だったので全然気にしないけど。これで勝ててればキモチイイスコールと感じたかも知れないけど、不完全燃焼のゲームじゃ気持ち悪い梅雨にしか感じられないね。

*で、駒場脱出は大失敗。すでに行きで往復分の回数券を買っていたのでバスの待機列に並んだのだけど、何のインフォメーションもなく、列の整備もなく、無駄に並ばされたような気がしてならないんですけど(いつもああなの?)結局40分近く並ばされて余計ぐったり……歩いて帰れば全然早かったので、すげー腹立ちました(ただ、僕はかなりの方向音痴なので心配ではある。人波に着いていけば大丈夫だっただろうけど)結論、埼玉が更に嫌いになりました←単純

*交代策は嵌ったけど、ベンチメンバーの選択には疑問。勇蔵と那須を同時に入れる意味がよくわからない。那須と勇蔵を同時に使うタイミングなんてあり得ないだろうから、無駄だったんじゃないかなー。裕介は前で使われる可能性もあるからまだいいにしても、どちらかを外して狩野か乾を連れて行って欲しかったな。狩野と乾は頑張れ、超頑張れ。君たちは出来る子。足りないモノはあるけど、光るモノもあるのだから、自分の能力を発揮する術を見いだして欲しいな。そして相手が怖がるプレーを。チームが攻撃力不足にあえいでいる今、君たちの才能がチームには必要だよ。もう一度書いておく、頑張れ、超頑張れ。

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June 23, 2007

復活のバンディエラ@J1 第16節 Fマリノス vs ガンバ

この日の三ツ沢は紛れもなく、彼のためにあった。それが全てを物語る。
改めて、バンディエラの存在の大きさを感じた一日だった。

2007 J.League Division1 第16節

Fマリノス 0-0 ガンバ @ 三ツ沢球技場「復活のバンディエラ」

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF田中隼磨、中澤佑二"間違いなくアジア最強"、松田直樹"思いの丈は全てピッチで"、小宮山尊信"代表様との対峙"、MF河合竜二"戦い抜くチームの良心"、上野良治、山瀬功治"下降線"、山瀬幸宏(→46'ハーフナー・マイク"バテたね、まだまだ")、FW坂田大輔"チームタスクと遠いゴール"(→78'斉藤陽介)、吉田孝行"2列目こそ活き場所"

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DF加地亮、シジクレイ"ちょっと、将軍様を刺激しないで"、山口智"クレバー"、安田理大、MF明神智和、橋本英郎、遠藤保仁"欠いた精度"、二川孝広"心臓止める気ですか?"、FW播戸竜二"挑発だけなら格好悪い"(→46'マグノ・アウベス"久々に0で抑えた気がする……")、バレー

平日開催ながら非常に出足の速い観客達は早々に長蛇の列を成し、次々とスタンドを埋めていく。結局キャパぎりぎりの14000人を吸い込む。このゲームを最後にリーグ戦のホームゲームが遠ざかるからか、首位ガンバの魅力的なフットボールに対峙するFマリノスを見たかったからか、もちろんそれもあるだろう。しかし、最もその理由にそぐうのは、彼が再びピッチに帰ってきた、と言うことなのかも知れない。

その理由こそが、Fマリノスの象徴、バンディエラ、松田直樹。勇蔵の出場停止を受けて久々に本職のセンターバックのポジションで盟友・中澤佑二と共にピッチに並び立つことが予測されていたからだろう。

それ以外の所の変更点に目を移すと、J屈指の中盤構成力を持つガンバへの対抗策としてレッズ戦以来のボックス型の中盤に、後ろは良治たんと河合、前は功治と幸宏。又右サイドバックには隼磨が復帰して、久々に隼磨&コミーという両サイドのバランスの取れた形となった。もう一つ目新しさがあったのはトップ。大島の怪我がまだ癒えない中でこの日は動きの量と質に好調さを感じさせる吉田を最前線で起用した。対するガンバは、なかなか調子の上がらないマグノ・アウベスをベンチスタートにし、質の高い動きと意欲を維持していたバンドを先発起用。その他は現状のベストメンバーと言えるスタメンで勝ち点3を獲りに来た。

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試合展開

前半通じて目立ったのは、ガンバの完璧と称してもイイぐらいの中盤での流麗なる繋ぎだった。遠藤・二川・明神・橋本が状況を把握した上でボールホルダーの気持ちを完全に理解したかのようなレシーブアクションでパスの連鎖を起こす。そこにトップ、サイドバックが絡むことで美しい流れが鋭いアタックへと変換され、相手のバランスを崩して生んだスペースの利用が攻撃に怖さが生む。

そんなガンバの波のような攻撃に対し、Fマリノスは後手に回る。選手達の動きは悪くなく、機敏な反応も見せていたが、それでもほとんど相手を捕まえられず、バランスを崩して奪いにいこうとすると、もれなくその崩したツケを使われるという悪循環。何とかマイボールにしても、切り替えでも後手を踏んでいて、そこに厳しくプレッシャーを掛けられていたこともあって、なかなか攻撃の形を見いだせない。

相手の美しい攻撃構築に底知れぬ絶望感を感じてさせられるが、そんな絶望感を前に松田直樹と中澤佑二を核にしたディフェンス陣が奮闘する。マツは序盤細かなミスが目に付き、相手に決定機を献上するなど安定感こそ欠いていたモノの、独特の感覚と優れた読みが活きるアタックは相変わらずの鋭さ。佑二はそんなマツに自由を与えながら、自らは安定感のある仕事で相手の攻撃をはね返し、スペースカバーにも奔走。コミー、隼磨もしっかりと自らの役割をこなし、そのディフェンス陣の奮闘に応える形で本丸を守る哲也が、それでも生まれる決定機を凌ぐ形で失点を許さない。ほぼ全ての時間帯と言っていいぐらい、ガンバのペースで進んだゲームだったが、前半はスコアレスで折り返す。

どちらも前半の出来に納得していなかったようで、後半キックオフのタイミングで両監督ともカードを切る。Fマリノスは機転を作れなかったトップにマイクを入れ、吉田を一列下げる(交代は幸宏)。対するガンバは、攻撃に更なる脅威を付随させようと播戸に代えてマグノ、安田に代えて家長を投入。中盤の構成も明神・遠藤・二川・家長という形に(橋本がサイドバックに、明神と時折ポジションを変えていた感も)

そんな交代策で始まった後半、目が表に出たのはFマリノスだった。マイクの存在がシジクレイを引きつけ、引きつけたことでマイクは触れなくても(マイクの着弾点の判断の悪さは直らねーな)、セカンドボールが生まれる。そのセカンドを坂田、そして吉田が絡んでいくことで攻撃の形を形取っていく。その中で数多く生まれたセットプレーのチャンスからマイクがボレーを放ったり、吉田が素晴らしくテクニカルな突破で中央を破りフィニッシュに繋げるシーンなど、この試合初めてと言ってイイぐらい得点の匂いを感じれた時間帯だった、しかし、決めきれない。

スコアが動かないまま、試合は進む。徐々にオープンな展開に移行する中でスピーディな攻防が繰り広げられるが、精度や怖さという部分ではやはりガンバが1枚も2枚も上手、速い攻撃でも丁寧さはなくならず、より個人技に優れた選手達の実効力は例外なく怖さがあった。しかし、時間と共にパフォーマンスが向上した我らが将軍様と相変わらずの固さを見せる中澤のバックラインは揺るがず。拮抗が続くまま、ゲームは最終局面に。

過ごしやすい気候とはいえ、激しくアグレッシブなゲームをこなしてきた選手達には疲労の色が。しかし、ベンチもこの拮抗した中でバランスを崩すのを嫌ってかカードを切れない。ピッチの22人に勝敗が委ねられる中で、勝負の女神はガンバにほほえみかけていた。インターセプトからトリコロールの将軍様さながらに中央から攻撃参加を見せるシジクレイが最後は二川とのワンツーで最終ラインを突破して流し込むように狙うが、僅かに枠を逸れる。そして終了間際、左から右へとボールが流れる展開にFマリノス守備陣は相手アタッカーを捕まえきれず、最後はフリーとなった二川が右足を振り抜く。強烈なシュートはゴールに向かうが、これはポスト。結局互いにゴールが生まれることなくタイムアップ。ガンバは39戦ぶりの無得点試合、Fマリノスはマツの復帰を祝う勝ち点3とはならなかったものの、リーグ最高峰のフットボールを相手に無失点で凌ぎきっての勝ち点1を掴み取り、そして三ツ沢に直樹コールがこだました。

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サッカーは一人のプレーヤーだけでは成立しないし、このゲームに置いても彼だけの力でこの結果を導き出したわけではないから、彼だけを特別に賞賛するのは、自分の哲学に反するのだけど、それでも書かずにはいられない。

キックオフ前、決戦に赴く後ろ姿。ピッチにキス。

周囲を恫喝するかの如くコーチングする手振り。

周囲の動き出しを強制する松田色に染まったビルドアップ。

相手の挑発にまんまと乗り、審判のジャッジへの不満を隠そうともしない奔放な振る舞い。

読みと経験に裏打ちされているにしても、動物的な感性にしか見えない彼のタイミングでのアプローチ。

厳しくなったらディレイで何とかその場をやり過ごそうとする狡さ。

真骨頂とも言える決断力に溢れたラインコントロール。

そして、戦いの後。これまでの沈黙を破るかのように歓声に答え、そして自らと共に苦しんでいる仲間達を忘れない男気。

将軍様、やっぱりあなたは僕たちの心を掴むのですね。

実際、ポジション柄一つのミスが命取りになるだけに、前半の不安定さは正直怖かった。あれが失点にならないことが彼にとっては救いだったかも知れない(特に播戸の1vs1かなー、哲也が良く止めた。FKに関してはヤットの日じゃなかったことに感謝)ただ、この日はマツで良かったと心から思った。ガンバのアタックは変幻自在かつ強烈、決断出来ずに手をこまねいているだけでは死を待つのみ。そういう中で独特の感とも言うべき嗅覚で獲り所を定めて奪いに出れる勇気であったり、決断力を持っている選手がいたからこそ凌げたのかなーと。

とにもかくにも、彼の復帰がチームをなにかをもたらしていくのは間違いないだろう。もちろん、負の側面があるかも知れないけどね。

それでも、帰ってきてくれて嬉しい。

おかえり、Fマリノスのバンディエラ。

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で、ゲームのことは簡単に。

感想としては、はっきりとした力の差があっただけに、ドローとしては御の字だと思う。もちろん、勝ちを浚えなかったかと言えばそんなこともない気がするけど、それでも引き分けで負われて良かったという気持ちが正直なところ。

それだけ前半のガンバは素晴らしかった。個と周辺把握、察知能力、判断力、技術力……これらがグループの質に昇華されたポゼッションフットボールは至高の域。結果として失点は免れたが、いつやられてもおかしくない状況にあったことは紛れもない事実。西野監督としては、あそこに更にスペシャルなプレーヤーの局面打開力を付随させようとしたのだろうけど、そんなことが必要じゃないぐらい、抜群の質を備えていたと思う。

ただ、後半に前半の質が保たれなかった。Fマリノスは最後まで耐え切れたのも、その要因は限りなく大きかったのかなと。

その理由としては……

・交代が起こした弊害、中盤の選択肢の減少による構成力の低下

より脅威を増すために起用したマグノと家長、彼ららしいプレーがあったモノの、前半の出来を考えれば、西野監督は少し欲をかきすぎたのかも知れない。

前線で引き出す動きを豊富にしていた播戸から逃げるようにフリーでボールを持てるポイントを探すマグノに代わったことで、前に入れる選択肢としてはバレーだけになりがちに。絞られれば、ある程度狙いを付けられるし、カバーも出来るから怖さは減る。

そして家長の起用。彼は流れに乗るのではなく、自らが流れを生み出すプレーヤー。家長のポジショニングがワイドに開く形が多いこともあって、中盤は二川・遠藤・明神の3人で作ることになりがちに。そうなると、気の利くフォローで展開を繋げた橋本がいない分パスを流す選択肢は減ってしまった。ましてや家長はボールは欲しがっていたが、受動的な側面は否めず展開の渦に入っていこうとしなかったこともあって、橋本と比べると中盤構成に関しては貢献度は雲泥の差があったことは否めず。

上記の面からガンバの中盤構成のクオリティは下がったと言わざるを得ない。相手が対応できない程のパススピードと流麗な流れは確かに素晴らしかったが、そのクオリティが落ちれば捕まえられないことはなかった。

・時間を与えられ、整理されたディフェンス。

前半を考えると、殆ど回される展開で追い回す選手達も獲り所を定めきれずに身体的にも精神的にもかなり疲労させられた感があった。しかし、後半になってから、相手の波状攻撃を喰らわなくなった。それは、Fマリノスに攻撃のリズムが出てきたからだった。マイクは競り勝てないにしても、相手を引きつけセカンドボールを生んだ。これが相手の攻撃を受け続けていたディフェンスに一息入れる余裕を与え、又整備する時間を与えたと言う見方も出来る(ま、マイクの着弾点の悪さは、山口には明らかにばれていたが)

そして、その中で整理されたのが中盤の役割分担。吉田が広範囲をカバーすることで、河合・上野のボランチのバランスが良くなり、バイタルがぽっかり空くことはかなり減った。全体のバランスが取れることになったことで相手が責めにくくなっていたと言うことも言えるか。

もちろん、他にも遠藤の負傷、運動量の低下なども影響していると思うのだけど、続かなかったことは本当にありがたかった。ま、それでも充分怖かったし、負けていても仕方がないと思ってしまうような力の差があったことも加えて書いておく。やはり強者は伊達ではなかった。

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*後は雑感。攻撃面に関しては、殆ど見せ場が作れなかったかな。ショートカウンターが減ったことで、サイドアタックしか明確なやり方がない状況にあり、それも余りやらせてはもらえていなかった。うまくダイナミズムを利用できるような形であったり、切り替えを早くして攻めきる形などが欲しいところだけど、現状では一歩一歩と言うところかな。ま、この試合で多くを求めるのは難しいゲームだった

*その中で一番アタッカー陣で良かったのは吉田。見事な突破はほれぼれ(決めて欲しかったけどね)、前半は余り機能しているように見えなかったけど、一列下がってある程度自由に動けるようになったことで躍動感を増したかな。功治のキックにキレがない今、セットも見たいかな。マツのお目付役としても良い仕事。

*その功治は疲れが来てる頃かな。キックのブレは相変わらず、判断もドリブルのキレもイマイチ、それでもチームに問われるタスクはしっかりこなしているし、是までの過程を考えれば攻められないけど。ま、コンディションの立て直しがこれからの課題かな(怪我もいやよ)幸宏に関しても少しプレーイメージや意欲に減退傾向が見えるかな。もっと動いていたし、もっと積極的だった。色々考える時期にあるのかな?

*トップに関しては前回同様一概には言えない。坂田はシュート沸くはずしすぎだけど、守備は頑張ってたし、ポストも頑張ってた。マイクは相変わらず着弾点悪すぎ、ただダイレクトでポストを裁こうとする意識、躍動的になりつつある意識は◎。陽介はこれからかなー。

*ディフェンス陣はいいや。よくやった、みんな。隼磨復帰おめ、今度こそ固定で。コミーは加地さん相手によくやった。哲也もナイスセーブ。佑二は神と呼ぶことにする。

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しかし、ミッドウィークに試合がある週はあわただしいね。でも、沢山見れて嬉しい。ホームの試合はもうないけど、日曜日の駒場は横浜人としては近場だし、土曜日は他のゲーム(てか、等々力だけど)も見に行ける。何かサッカー禁断症状が最近酷くなっている気がするよー。とにもかくにも、首位とのドロー、悪くない。と言うことでここまでっす。

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June 19, 2007

抗う力@J1 第15節 エスパルス vs Fマリノス

キープレーヤー不在、高温、ビハインド、数的不利……、ネガティブな条件が揃えば、それ相応の結末が用意されていたはず。しかし、抗った。これが、一つの成果だとしたら、この勝ち点1は悪くない。

2007 J.League Division1 第15節

エスパルス 1-1 Fマリノス @ 日本平スタジアム「抗う力」
S-Pulse:63'岡崎慎司 F.Marinos;87'OwnGoal

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也、DF那須大亮、栗原勇蔵"坊主、絶対坊主"(74'黄×2=赤)、中澤佑二"こういうときに絞めなきゃ、キャプテンなんだから"、小宮山尊信"痛恨"、MF河合竜二、狩野健太"苦々しい凱旋、てか何故セットを蹴らない!"(→70'田中隼磨)、山瀬幸宏(→85'田中裕介"頭脳的?なピンポンゴール")、山瀬功治"何が君をそうさせた"、FW坂田大輔"断髪"、斉藤陽介"スターは決めるからこそスター"(→64'ハーフナー・マイク"mike time 再び")

エスパルススタメン:GK西部洋平、DF市川大祐、高木和道、児玉新、兵働昭弘、MF杉山浩太、伊東輝悦、藤本淳吾"友達なら決めないでよ、次も"(→70'平岡康裕)、フェルナンジーニョ(→75'枝村匠馬)、FW岡崎慎司"絶対やられないと思ったのに"(→89'チョ・ジェジン"JJ")、矢島卓郎

雨の心配など全くない快晴に聖地・日本平。首位ガンバ以外は混戦模様の中位グループ抜け出しを図るためには、どちらも勝ち点3が欲しいゲームか。しかし、バクスタは暑い、焼けちゃうよ。

そんな中でのスタメン。どちらも怪我人・出場停止を抱えており、その穴埋めにどのような選択を取るのかに注目が集まった。まずはホームのエスパ、前節ちょっと先に不安を覚えるような負けを喫した中でJJの負傷はまだ癒えきらず、センターバックの核・青山直晃が出場停止と台所事情は厳しい。その中での選択は岡崎と矢島の若き2トップ。ディフェンスラインは相対的な要素も会ってか兵働を左サイドバックに下げ、これまで左サイドを勤めていた児玉をセンターバックに。JJも負傷を押してベンチに入る。

対するFマリノスは、隼磨が出場停止から戻ってきたモノのDFラインは前節と同じ(隼磨使って欲しかったなぁ)、吉田の出場停止、大島の腰痛、ジローの骨折と再編を求められた攻撃陣は吉田の代役には地元静岡凱旋の静学出身の"裏切り者"狩野健太、トップに"ロケットボーイズ"坂田と陽介。そういや、裕介が久々にベンチ入り。

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試合展開

気候もあってか、どちらも非常にスローな立ち上がり。Fマリノスは前線からの激しい追い回すプレッシングではなく、ある程度プレッシャーに行く位置を低く設定してゾーンに入ってきたらアプローチを開始するディフェンススタイルを主に置き、エスパの方はこれまでの対戦でFマリノスのプレスに苦しんだと言うこともあってか長いボールで矢島を狙い、その周辺で岡崎が走り回るというシンプルな攻撃を模索する。

どちらもゲームの狙いははっきりしていたが、ピッチでプレーする選手達がぴりっとしない。ミスが多く、集中力を欠く様なプレーが見られたりと、暑さのためか弛緩したプレーが散見。展開としては互いにスペース管理に危うさが残り、一進一退。そんな中で先にチャンスを迎えたのはFマリノス。相手中盤のスペースが空けたスペースを利用してバイタルまで持ち込んで右から走り込んだ狩野へ展開、狩野はバウンドするミドルシュートを放つと西部がファンブル、陽介が素早く反応するも西部が自らフォローし及ばず。しかし、これで流れを引き寄せると今度は左サイド、コミーが市川との1vs1を制し、柔らかいボールをファーへ、これをフリーで陽介が叩きつけるようなヘッド!しかし、枠に収めきることが出来ず決定機を逃してしまう。相手の切り替えの遅さ、スペース管理、ボックス内でのクロス対応とマーキング、様々な部分で不安要素が見せていた相手を仕留めきれない。

すると、徐々に流れが変わる。ここまではスペースを使われてもディフェンス陣で無難に守りきっていたが、無駄なファールが自分たちの首を絞めていく。藤本のゴール正面からのFK(枠はずれる)、マークのズレから中央でフリーとなった岡崎にヘッド(ポスト直撃)、と危険なシーンを作られ、そのピンチを何とか凌いでもセカンドボールの処理であったり、カウンター時のスムーズなボールの流れを欠いたことで、なかなか攻撃に移れない。エスパも不調時の流れを引きずっているのかチャンスをモノに出来なかったことで、事なきを得たが、まだまだ修正すべき点があるということが感じさせられる。終盤、Fマリノスにもセットプレーのチャンスは訪れたが、相変わらずゴールの匂いは薄く(幸宏の虚を突いたファーへのインスイングのキックは惜しかったが)、前半はスコアレスで折り返す。

後半になると、ロッカールームで檄を飛ばされたのか、エスパの選手達の動きがよりダイナミックに。しかし、単純なミスであったり、決定機をモノに出来なかったりと、プレーのディティールまでは変化せず。Fマリノスも後半は前から追い込みを掛ける形で流れを奪いに掛かるが、躍動感・連動感・献身性を欠きプレスの実効力は上がらず。低迷感を伴う拮抗の中で、組織守備の脆さに加えて運動量の低下が付随されると時間と共にゲームはオープンな殴り合いに。

そんな展開となれば互いにゴールチャンスが生まれる。後半立ち上がり、功治の前がオープンになった所での仕掛けてのシュートを打ったのを号砲に、セットプレーから佑二と西部の競り合いで生まれた中途半端のクリアを那須が狙うもゴールカバーに凌がれる。これを決めきれないと今度はエスパにゴールチャンス。カウンターの移行に置いてFマリノスよりスムーズさを見せ、2トップのダイナミックな動きがFマリノス守備陣を揺さぶる形が多く見られる中で、ギャップの生まれたディフェンスラインの間隙を突いた岡崎がスルーパスから抜け出したり、ファーをグラウンダーで狙うも枠を僅かに逸れる。しかし、このプレーの後もチャンスを作り続けたエスパはついにチャンスをを活かす。右サイドからのCK、フェルナンジーニョのキックは大きく弧を描きファーサイドへ、(着弾点の目測誤り?)コミーがマークミスからフリーとなった岡崎がファーでフリーで押し込む!バウンドボールは哲也の手、そして狩野のゴールカバーをすり抜けてゴールに収まり、先制点はエスパルスに生まれた。コミーは反省、後、狩野も体で行かないとね。足先でクリア、甘い。

ビハインドを負ったFマリノスは、陽介→マイク、狩野→隼磨とフレッシュな選手を投入し反撃、河合の素晴らしいラストパスがディフェンスの合間に走り込んだマイクへ渡るとGKとの1vs1。しかし、これは打ち切れず(マイク反省超反省)、同点のチャンスを逃すと、更なるディスアドバンテージを背負うことに。センターライン付近でキープした岡崎に対して勇蔵がイライラをぶつけるかのような危険なバックチャージ。これには間髪入れずに黄色が出て、これが2枚目。自制心を欠いた若きセンターバックの退場でチームは窮地に立たされた。

ビハインドを取り返したいが、数的不利では如何ともしがたい。プレッシャーが掛からず自由にボールを回され、とどめを刺しに掛かるエスパの猛攻に晒される。しかし失点の遠因となってしまったコミーの素晴らしい水際対応などもあって追加点を許さずにいると、お家芸・マイクタイム発動。高木和道はまだしも、児玉は余り大きな選手じゃないだけに、マイクは空中戦で大きな脅威となると、時間も押し迫った87分、これまでそっぽ向いていた女神の気まぐれ。隼磨のアーリークロスに対してマイクが触る、その触ってこぼれたボールに飛び込んだのは交代で久々のピッチに立っていた裕介!混戦となる中で、無我夢中(本人談)で触ったボールはゴールと逆方向に飛んだが、幸いにもカバーに戻ろうとした西部に当たってゴールに向かうという幸運。これがゴールに転がり、同点!同点!もの凄い格好悪いゴールだったけど、もの凄い価値のあるゴール。交代選手が全て絡む形であり、早野氏としても痺れるプレーだったか。

この後、少々イケイケにはならず消化不良感は残ったが、結局ゲームはこのまま。共に勝ち点1を積み上げる形となり、次節リーグに君臨する王者(エスパはレッズ、マリはガンバ)に挑むことになった。

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一言で言えば、締まらないゲーム。

夏のような暑さはアイスのように選手の集中力を溶し、そのせいか動きは緩慢、ミスは頻発、そして切り替えの遅さがスペースを生み、隙を与える。互いにチームとしてのメカニズムに問題を抱えていたとは言え、不安要素がゲームを盛り上げるという意味でも、質の高いゲームとは口が裂けても言えない。

Fマリノスにスポットを当てていくと、チームの核となるべき選手達の低パフォーマンスに、見いだし切れていない新たな戦い方の中途半端さが表面化、パフォーマンス的には底と言っても過言ではないような出来であったことは否めない。ハイテンションなプレスは機能性もアグレッシブさも見る影もなく、リトリートしてのディフェンスもスペース管理に甘さが残り(収縮した後のサイドに拡がるスペース、押し上げきれないことで生まれるバイタルのスペース)、結果としてチームとしてのコンセプトはぼやけたまま。その組織を形どる選手達のパフォーマンスとして、ディフェンス陣は集中力を欠いたことによる細かいミスを繰り返し(勇蔵だけじゃない、佑二も那須もコミーも、セットに置いては誰もが何度かミスをしていた)、中盤は判断の悪さが目立ちスムーズな流れを生み出しきれず、トップは相手のディフェンスを揺さぶれずようやく訪れたチャンスも決めきれない。相手の悪さも手伝ってゲームの体を成していただけで、光明を見いだすのが難しいぐらいの出来であった。

そして、繰り返していた過ちを失点という形で被らされ、挙げ句の果てにメンタルバランスをゲームの最初から失っていた選手の退場で数的不利に。勝利の女神も、サッカーの神様も、Fマリノスに背を向けていたに違いない。ただ、それで終わらなかったことがこのゲーム唯一の得れたこと。

今までの過程を考えれば先制点は死の宣告(逆転勝利はたった一度)、数的不利となれば更なる逆境であり、その逆境に屈してきたのが今までのFマリノスだったと思う。しかし、この日は違った。数的不利を境に選手達の集中力と献身性は高まり、なりふり構わない必死な姿勢がプレーに表れていた。そして、それが実った。決して、格好いい形じゃない、素晴らしい形でもない。ただ、これまでの過程にも、ゲームの流れにも、屈せずに抗う事が出来て、それが結果に繋がったと言うことはチームにとってとても大きな事なんじゃないかなと。

内容的には手応えを得れるようなゲームではなかったけど、運命に抗える力を示したことには意味がある。内容と結果が必ずしも比例するモノではないスポーツだからこそ、結果を引き寄せる運命に抗う力の価値は大きい。これからのシーズンを考える意味でも、この先強者への回帰を図ろうとする意味でも、ね。

ま、とにもかくにも勝ち点が取れて良かった。相手の出来を考えたら勝つチャンスもあったと思うけどね。でも、ベターですよ。一歩ずつ、一歩ずつ。

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*ここで出来たこと、出来れば継続してほしいな。今やリーグ随一の完成度と破壊力を誇る強者であるガンバ、もう相性と言っていいぐらい苦杯を舐めされられてきたアルディージャ、はっきり言って余りいい印象は抱けない。ただ、ここで見せれた抗う力を発揮出来れば、現状の力関係や如何ともしがたい相性をも越えられるかも知れない。このゲームで掴んだモノを問われるのはすぐそこ、かも知れないね。

*じゃ、選手評。まず戦犯。開始早々の矢島との接触から頭が沸騰、メンタルバランスを失って独りよがりなラインコントロールやチャレンジ、見切りの早さでピンチを招き、最終的に退場。憤りと呆れでしかない。彼の中で何が起こったのかわからないけれど、ここ数試合の精神的な荒れは言い逃れできない。スタメンとして、松田直樹をベンチに差し置いて出ている事を考えれば、こんなプレーは許されないし、今回の軽率なプレーで自分のポジションを失う可能性を引き起こしてしまったことを悔いて欲しい。今回の件を更なる成長の糧にして欲しいな、出来なければこの程度の選手で終わるよ。

*佑二も終盤持ち直したにしても、出来は良いとは言えなかった。勇蔵同様見切りが早すぎたり、浮き球に対しての判断が悪かったりと、集中力を感じないパフォーマンスは、中澤佑二らしからぬモノだったと思う。負担は大きいだろうけど、苦難の道は続く、踏ん張って欲しい。マツの復帰で少し負担が減ればいいんだけど(増えるようでは困るけど)

*功治も余り良くなかった、はっきり書けば悪かった。何よりも判断がもの凄い悪かった。シンプルにはたけば良いところで持ちすぎてボールをロストしたり、無理矢理突破に掛かってボールを失ってみたりと、冷静な判断力を持ち得る選手にしては珍しい頭の悪いプレーが多かった。チームがうまく回らない焦燥感がそうさせるのか、不甲斐なさがそうさせるのか、でも、クレバーさを失ってしまったら功治の良さは半減してしまう。自分の技術の使い所を間違えないように。それと、セットのキック、15試合もしてCKからのゴールが生まれていないことを納得してしまうようなキックに終始。健太が蹴りに行かなかったことも納得いかないのだけど、一枚目の壁は越えて下さい。

*健太も地元凱旋という割にはお粗末な出来。消極的で自分を出し切れていなかった。小手先だけの技術ではゲームは動かせないよ。藤本の動きの幅の小ささが健太にスペースを与えてくれていたのだから、それを反面教師に守備面では自分の役割をしっかりこなして欲しかった。又、ボールを呼ぶシーンでより本気度が欲しい。上記の通りスペースでフリーとなっていたシーンは多かった。「何故出さない!」と怒るぐらいの迫力があれば、もっと良い攻撃が作れたはず。ボールレシーブアクション含めて、もっと本気度を。健太の出来が良ければ、僕はこのゲーム取れたと思う。期待しているんだから、思い出せ、去年を!

*トップ。坂田は慣れない仕事をよく頑張っていたと思うのだけど、彼の得点機会は皆無。雑務をこなせばゴールを獲らなくていいなんてことはない。もっと裏を狙うような動き出しであったり、ニアに飛び込むようなプレーであったりと、ゴールへの意欲をプレーに表す姿勢が欲しい。陽介は動き自体は良かった。ただ、気負い過ぎもあったかな。もっと状況をよく見て、冷静な動き出しが出来るはずだし、直線的すぎた。そして何より決定機逸。坂田がゴールから遠ざかる今、決めれば自分の存在を大きくアピールできたのだから、痛いミスだったかな。次は絶対決めて欲しい。決めれば、自信になるから。

*交代選手は結果を出したけど、これで更にどん欲になってくれたら。マイクは良くやったけど、河合の素晴らしいパスに応えて欲しかった。決めないとね、あれは。裕介はなれないポジションながら、あそこに入ってきたことに価値。盛り返しの大きなアピール。どんどん競争。隼磨も久々にイイクロスを入れた。那須は戦術的な側面で使われているわけだから、絶対的なパフォーマンスを見せてポジション取り替えして欲しいな。那須も慣れては来ているよ、まだイイとは思わないけど。

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少しずつ逞しくなっている。後は中身を充実させないとね。戦術はもとより、個々のより質の高いプレーセレクト、判断、技術……、一人一人課題はある。ま、強者との、相性最悪との敵との対峙で又何かを見いだし、掴んでくれたらと。とにもかくにも、勝ち点1、悪くない。ということでここまで。

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*日本平は良いところだったー。パルちゃんのスポンサー紹介は最高、雰囲気も良いしね。来年も行くよー、河岸の市行きたいし(それ?)

*エスパはすぐダイアモンドの中盤からフラットに戻した方が良いと思う。攻撃的にやりたいのだろうし、マンネリを避けるためというのあるのだけど、バランス悪いし、スペースマネジメントが悪い。あんなにスペース与えてたら、いつかやられちゃうし、ゲームのリズムもすぐに奪われてしまう。戻る場所があるのだから、回帰するのも一手だと思う。杉山が本格化してきたし、伊東テルも周囲の機能性が戻れば渋いプレーが効いてくるはず、枝村だって良いときのプレーが戻ってくるかも知れない(飛び出しにこだわり過ぎかな。裁きも守備もこなせるオールラウンダーなんだから)。何より、シンプルな役割になれば藤本が生き返る。フェルを使いたければトップに入れればいいだけの話。エスパの良さは、攻撃性ではなく、機能性。機能性のないエスパはただのうまいチームになっちゃうかなーと。違うチームのお節介をしている場合じゃないけどね。

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June 16, 2007

カナダへ、北京へ -U-20ワールドカップ本大会メンバー発表+U-22アジア最終予選グループ決定

オリンピック代表は最終予選のドロー、そしてユース代表はワールドユースのメンバー発表、各年代の今年最大のイベントに向けて色々動き、出てきてますね。さすがにスルーするわけにはいかないのでさらっと触れちゃいます。まずはユース代表のメンバー発表。

・感じる違和感 -ワールドユースメンバー発表-

FIFA U-20 World Cup Canada2007 Japan National Team

監督:吉田靖
コーチ:森保一
GKコーチ:慶越雄二

GK:
林彰宏(流通経済大)
武田洋平(エスパルス)
権田修一(FC東京)

DF:
福元洋平(トリニータ)
柳川雅樹(ヴィッセル)
槙野智章(サンフレッチェ)
安田理大(ガンバ)
内田篤人(アントラーズ)
香川真司(セレッソ)

MF:
柏木陽介(サンフレッチェ)
青山隼(グランパス)
森重真人(トリニータ)
太田宏介(横浜FC)
藤田征也(コンサドーレ)
田中亜土夢(アルビレックス)
梅崎司(トリニータ)
平繁龍一(サンフレッチェ)

FW:
河原和寿(アルビレックス)
青木孝太(ジェフ)
森島康仁(セレッソ)
ハーフナー・マイク(Fマリノス)

Style:
Pattern1           Pattern2
   森島  河原         平繁 マイク
田中        梅崎   青木        藤田
   柏木  青山         森重  太田
安田        内田   香川        内田
   福元  槙野         福元  柳川
     林              武田(権田)

Schedule:
7/1(sun) 14:15 vs U-20 Scotland @ Royal Athletic Park
7/4(wed) 17:00 vs U-20 CostaRica @ Royal Athletic Park
7/7(sat) 17:00 vs U-20 Nigeria (Royal Athletic Park) 
7/11(wed) or 12(thu) Round of 16
7/14(sat) or 15(sun) Quarter Final
7/18(wed) or 19(thu) Semi Final
7/22(sat) 3rd Place Match & Final

JFA

激闘のアジアユースのあと、数々のトレーニングキャンプやトゥーロンをはじめとした数度の海外遠征を経てセレクションされたメンバーがこれ。ま、まごう事なきコアメンバーはほとんどいじらず、過程の中で発見した新たなオプションとなり得る選手を付け加えるというスタンダードな選出劇だったのかな。

ただ、もの凄い違和感を感じるメンバーでもある。もちろん、周辺事情を把握し切れていない部分もあるし、トレーニングキャンプや遠征の中で適性判断をされたと言うこともあるのかも知れないけど、「何故この選手がいないの?」という選手が何人かいる。

例えば、グランパスの吉田麻也。方策と言われた今年のグランパスユース昇格組の一人として大きな期待を背負う。怪我人続出の間隙を縫って本職(は中盤の底)ではないながらもセンターバックのポジションを掴むと、完成されたフィジカルと卓越した戦術眼、そして沈着冷静なメンタルで安定したプレーを披露している。前節のフロンターレ戦でも高い位置でのボール奪取からのアシストと結果も残し、彼自身今とても良い状態にあるのかなと感じていた。でも、彼は漏れた。

例えば、トリニータの金崎夢生。高円宮杯チャンピオンチームのエースプレーヤーは、プロになっても存在感。技術の質、視野の広さ、得点能力と才覚を感じさせるプレーで、名将ペリクレス・シャムスカの信頼を勝ち取り1年目から多くの出場時間を得ており、メンタル面でもルーキーであることを感じさせない立派なモノ。しかし、彼も漏れた。

例えば、カターニャの森本貴行。今シーズンからセリエAに移籍を果たすと、プリメーラで結果を残してトップチームにステップアップ、そしてデビュー戦で屈強なるセリエAの中で結果を残すというプレーを見せつけた。その後、靱帯断裂という大怪我を負ったためこの大会には厳しいと思われたが、やはりメンバーからは漏れた。

森本はしょうがないにしても、今シーズンの過程を考えると彼らは選んであげて欲しかったなーと。ましてや、現状に置いて日本ではこの年代は育成年代。ポテンシャルの高い子は優先的にでも連れて行くと言うことをしてあげて欲しかったかなと。ま、今選ばれている選手が低いとは言わないけど。

ま、小言はイイとして、このチームに期待することは、結果ありきではなくて、内容を伴ったサッカーをすること、いや言い方を変えよう。グループリーグ突破とか、そういうお題目をプレーに反映させないこと。

前回大会では結果重視の臆病者のサッカーでグループリーグこそ突破したモノの、結果を意識しすぎて何も出来なかった印象も強い。はっきり言って得たものはそんなに大きくなかったと思う。でも、そんな砂を噛むようなサッカーをしていたチームの中で異彩を放った果敢に挑む選手は順調な成長を遂げている。経験にも様々な種類があるけれど、よりこれからの栄養になるのは自分たちの力を最大限発揮する、そういう意志を持ってプレーする中で得る経験だと思う。だからこそ、結果を恐れることなく果敢にプレーして、「質」の高い経験を積んできて欲しいなと。

とにもかくにも、勇気を持って臆することなく戦ってきてほしい。結果は後から付いてくるし、付いてこなくても、全力出せればそれだけで尊い。大熊JAPANの二の舞だけは勘弁な。

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*マイクおめ!ま、妥当な選手だと思うけど、とりあえずはよかったよかった。現状ではベンチスタートかも知れないけど、チャンスは絶対にあるはずだから、果敢に狙え!てか、細かいことは気にせずゴールだけ狙ってこい!相手もがちで潰しに来るシビアなゾーンで戦ってこい!頑張れ、超頑張れ、あ、違う。Vamos!超Vamos!マイク!

*イヌーイと秋元ちゃんは残念。ま、こっちも仕方ないかな。二人ともチームで、と言うことなんだけど、乾に関してはプレーの意味と意図を考えて欲しいかな。技術の質、センスとかは申し分ない。だからこそ、どこでその力を発揮するのか、どのような形で発揮するのかと言う感じかな。ミッドフィールドではなく、アタッキングサードで、そして周囲との連携含めての崩しの質、より怖いプレーヤーになって欲しい。今は屈む時期よ。

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じゃあ、次。五輪代表の最終予選のドロー。ま、簡単じゃないね、てか、サウジと一緒はついてない。

・通過儀礼 -北京オリンピック最終予選組み合わせ決定-

BeijingOlympic 2008 Asian Qualify Final Round Draw

GroupA: Iraq/Lebanon/Korea.DPR/Australia

GroupB:
Korea.Rep/Bahrain/Syria/Uzbekistan

GroupC
Japan/Saudi Arabia/Qatar/Vietnam

Schedule:
8/22(wed) Japan vs Vietnam @ Home
9/8(sat)  Saudi Arabia vs Japan @ Away
9/12(wed) Japan vs Qatar @ Home
10/17(sat) Qatar vs Japan @ Away
11/17(wed) Vietnam vs Japan @ Away
11/21(wed) Japan vs Saudi Arabia @ Home

JFA

総合力、ポテンシャルを考えればやっぱりアジアでトップに立てるだけの選手達ではあると思うのだけど、チームの進捗状況やかなり上下のある不安定なパフォーマンス、そして様々なシチュエーションへの対応力を考えると、日本にとっては厳しいドローになったのかなと。

まずはベトナム。中東の雄オマーンを蹴落とし、レバノンの先を行った事を考えれば非常に不気味。アジアで良くある急成長を遂げる新興国というイメージかな?実力差はそれなりにあると思う。ただ、気になるのはピッチの状況。東南アジアのピッチはお世辞にも良い状況とは言えないだけに、ここに苦しむかも。ピッチへのアジャストという面ではどの国にも言えるのだけど。

そしてカタール。中東3カ国(バーレーン、カタール、クウェート)が鎬を削ったグループを得失点差で2位通過したようで、やっぱり侮れない。湯水のようにお金を使える国で、帰化選手を多くチームに組み込んでいるらしいので、最終予選前にウルトラCがあるかも。そういう意味では本当に怖いチーム。結構派手な試合が多いから攻撃陣には質の高い選手がいるのかも。

そして、サウジ。正直、一番当たりたくなかったチーム。あの白く染め上げられる異様な雰囲気のホームでの強さ、選手のポテンシャルが非常に高さ、行うサッカーの手堅さなど、シードを除けばやっぱり一番強いチームだと思う。死のD組(サウジ、オーストラリア、イラン、ヨルダン)で5勝1敗と圧倒的な成績で抜けている事を見てもね。もしかしたら、現時点ではサウジの方が一枚上手かも知れない。

ま、結構ネガティブです。ただ、煮え切らないチームがこの戦いを通じて一皮剥けるにはちょうど良い洗礼かも知れない。何となくだけど、反さんはまだ迷いがありそうなんだけど、そんな迷いがあったらこの最終予選は抜けられない。選手達にしても同じ、よりシビアに、より高い集中力をもってプレーしないと。明らかに手を抜いたり、戦わない試合を見せたりするチームだから、その辺は非常に心配だったりします。ま、強い相手にはやってくれると思うけど。

とにもかくにも、反さん頑張れ、勇気持って超頑張れ。

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*そういや、マレーシア戦はやってなかったナー。裕介は試合勘がナー、もっと出来る子なんだけどナー。で、あの試合に関しては本当に意味のない試合だったと思う。大学生二人?この上のレベルでは使えない。何が言いたいかというと、あれだけゆっくりとトレーニングできる期間を無駄にしたことが気になった。ゲームで試すのは構わないけど、合宿期間はチーム力を高めるための時間として使ってもらいたかった。ただでさえ、時間がないのに……。そういう部分で反さんもマネジメント下手かも知れない。代表大好きな人はマネジメントにうるさいからね。

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こんなところかな?そろそろじかんがやばいのでここで〆ます。みんな頑張れー。ということでここまで。

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June 14, 2007

意義ある収束、尊き結束@J1 第14節 Fマリノス vs ジェフ

更新遅くて申し訳ないです……、でも、やらないわけにはいかないでしょ。湾岸完全制圧!再びここから、一つになって。

2007 J.League Division1 第14節

Fマリノス 1-0 ジェフ @ 日産スタジアム「意義ある収束、尊き結束」
F.Marinos:68'吉田孝行

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"名実共に守護神へ"、DF那須大亮"ふっきれ"、栗原勇蔵"失った自我"、中澤佑二"アジアの壁は伊達じゃない"、小宮山尊信"日々是成長"、MF河合竜二"鬼神"、吉田孝行"入ったスイッチ"、山瀬幸宏、山瀬功治、FW坂田大輔(←87'斉藤陽介"3分間の全力疾走の意味")、大島秀夫(←80'上野良治)

ジェフスタメン:GK立石智紀、DF斉藤大輔(→83'朴宗真)、イリアン・ストヤノフ"復帰"、水本裕貴、MF下村東美、中島浩司、水野晃樹、山岸智、羽生直剛(→69'工藤浩平)、FW巻誠一郎、新居辰基(→62'黒部光昭)

梅雨に近づき、試合前から雨に濡れる日産スタジアム。同日にJとプロ野球で横浜vs千葉が行われると言うこともあって「湾岸対決」と銘打たれ、横浜スタジアムでトリパラが回ったり、ベイスターズのユニフォームを着た人、あるいはマリーンズのユニフォームを着た人などが日産スタジアムにちらほら見えるなど、このコラボレーションを楽しんだ人も多かった様子。

そんなお祭り雰囲気だけど、そんな雰囲気を楽しむ余裕がない両チームの状況、Fマリノスは1ヶ月以上勝利がなく、ジェフに至っては降格がちらつき始めるほどの低迷に苦しんでいる。どちらも低迷の足がかりが欲しいところか。そんな中でのスタメン、Fマリノスは前節出場停止だった小宮山がスタメン復帰したモノの、今度は右サイドの軸である田中隼磨が出場停止。なかなか二人のコンビが見られないのは寂しいところ、那須が穴を埋める。又、中盤はレッズ対策であったボックス型からダイヤモンドに回帰し、幸宏がスタメン復帰。対するジェフは、前節からこれまでの1トップ2シャドーではなく2トップに手応えのあるプレーが出来ていたこともあってか、これを継続。ミッドウィークに代表戦があったモノの5人ともがスタメンに名を連ね、ストヤノフも復帰と、怪我の佐藤勇人を除いてはベストメンバーか。

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試合展開

開始早々、いきなりゲームが動いた。勢いよくゲームに入ったFマリノスは、バイタルにボールを持ち込み坂田へボールが渡るところ、水野が足を出すと、これがオフサイドエリアにいた大島へのプレゼントパスとなり、これを大島がありがたく頂戴したが、何故か大島がオフサイドとなってゴールが取り消される。勢いのあるプレーは良かったが、後味の悪い立ち上がり。

そんなゲームの中身、選手達はゲームの流れに沿ってプレッシングの緩急を付けるが、そのプレッシングの機能がイマイチ良くない。幸宏・吉田が水野・山岸に付いたことで相手のボランチとバックライン合わせて5枚に対して坂田・大島・功治でプレッシャーを掛けにいく形となったため、簡単にいなされて相手に回される形に。後方に控える堅陣がしっかりと相手の攻撃を抑えたこともあって事なきを得たが(うまく展開されて、山岸がボックス角で1vs1となるような形は怖かったが……イイシュートだったし)、チームを勢いに乗せるような流れを作りきれなかった。

プレッシングが断片的にしか機能しなかったこともあり、ショートカウンターを発動することがなかなか出来なかったが、それでも攻撃は回る。右サイドのスペースを有効に使い切れない感はあったモノの、ポストは安定して高い位置に起点を作り、ダイナミックなランニングは非常に精力的で、そこに功治・幸宏・コミーが積極的な姿勢で個人によるアクセントを付随する。結局、この崩しが結実することこそなかったが、閉塞感も感じさせなかった。

どちらも打開のキーを見いだせないまま時間が進み、このままスコアレスかと思われた前半、最大のチャンスはFマリノスに訪れた。左サイド山瀬の鋭いインスイングのキックに、中のストロングヘッダー達が走り込むとうまく逃げながら軌道上に入ったオーシがうまく合わせる!しかし、このシュートはバー、こぼれ球を押し込もうとしたもののゴールは奪いきれず。勇蔵と那須がピッチ内で一触即発になるなど、突き抜けきらない前半は0-0で折り返す。

膠着した感のあった前半から、後半は一気にゲームの様相が変わる。積極的に狙いに行った幸宏のシュートを皮切りに、Fマリノスはギアを一段上げたようにオフェンシブなプレーを展開。しかし、前掛かりになったことで中盤に大きなスペースが生まれ、そこを速い切り替えから使われるなど、ジェフにもカウンターのチャンスが生まれる。互いにシュートチャンスを作りあうスリリングな展開となる。吉田の強烈ミドルはバーに阻まれ、新居、黒部(勇蔵の見極めミス)に生まれたシュートチャンスは哲也がセーブ、互いに決めきれなかったが、ゴールの匂いが徐々に強く立ちこめる。

そして、その雰囲気を掴んだのはFマリノスだった。坂田の展開からオーバーラップしてきたコミーが左サイドを縦に打開、エンドライン際からふわっとしたクロスを上げると、立石の手をかすめてファーサイドへ流れ、ここに入ってきたのは大外から走り込んできた吉田!浮き球をしっかりと捉えて押し込み、ゴール!そこにサイドから定石とも言うべき形でチャンスメイクし、相手のお株を奪うようなアウトサイドからのゴール前への進出ランニングで勝負有り。Fマリノスの変貌を物語るダイナミックなディティールの詰まったゴールだった。ジェフは、マンマークにおける脆さが仇となったか。破られてはいけない部分を破られ、走り負けた事でフリーマンにゴール前への進出を許したこと、失点に繋がるには充分な原因と言えるかも知れない。

しかし、ゲームはこのままでは終わらない。好プレーを続けていた吉田がナイーブなジャッジングの犠牲となり、対して危険なプレーとは思えなかったがあっさりと2枚目のイエローで退場となることで、ジェフが数的優位に。これでジェフは一気にゲームペースを握り、人数を掛けてビハインドを返しに行くという一方的な展開に。

しかし、開き直って完全にリトリートディフェンスに切り替えたFマリノスは、ゴールに鍵を掛ける。勇蔵が苛立ちから集中を欠くプレーを見せたりしたモノの、哲也は鋭い水野のシュートを好セーブで凌ぎ、佑二が全盛期を彷彿とさせる強さで相手の攻撃をはね返し、功治が守備から攻撃まで最後まで走り回る。そして采配面でも狙いははっきり、上野を入れてバイタルケアを更に厳重にし、陽介が必死の形相でフォアチェックを掛けて余裕のある攻撃構築を許さない。ロスタイムにストヤノフの角度のあるクロスから黒部のヘッドでネットを揺すられたモノの、怪しげなバランス裁定に救われて、救いのホイッスル。Fマリノスはフロンターレ戦以来一ヶ月ぶりの勝利となった。

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一人一人のベクトルが一つに収束していく、チームとして結束していく。それが見据えるべき未来には繋がりにくい「守りきる」というタスクのためだとしても、非常に尊い。

一ヶ月前の快勝の波に乗ったときの相手を飲み込むような過剰なまでのハイプレッシング、ビハインド時の背の高いターゲットマンを最前線に置いたパワープレー、これらに共通して言えるのはチームに意思統一が生まれていたこと。そしてそれが出来ているときのFマリノスは逞しく、そして強い。

一つの方向を向き、それに向かって突き進む。チームスポーツに置ける摂理、強く、逞しいのも当然のこと。ただ、乖離しては混迷に飲み込まれる事の多かったFマリノスにとっては「ベクトルへの収束」「チームの結束」は今後を占う意味での「バロメーター」となりえる要素なのかも知れない。

そして、今回のリードを守るために取られた「マリナチオ」にも、その「収束」「結束」がはっきりと感じ取れた訳で、こういった経験を積み重ねることに、このゲームに意味があり、尊いゲームであったのではないかと感じました。

ただ、今チームは柔軟性や幅を求めているだけに、11人が同じ方向を向き、意思統一してサッカーをすることは今までにも増して難しくなってきている。プレッシングとブロッキングの使い分け、リスクテイクとリスクマネジメント、サイドアタックと中央切り崩しetc……選択肢がある分だけ、選手達がピッチの中で意思統一できる可能性は減っていく。その中で、いかに意思統一が出来るかどうか、これからのチームにとっての鍵なのかも知れない。

そして、僕の希望として。

チームのベクトルが収束され、パフォーマンスが向上していく過程は痛快で、爽快。そして何よりぐっと来る。もちろん、常に出来るようになればこれ以上ないことだけど、すべき時、出来る時に常にチームが一つにまとまり、それを高いパフォーマンスに昇華出来るようになって欲しい。それが、守り切るにしても、パワープレーにしても。

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ま、戯れ言でした。で、少しだけタクティカルな観点から。正直、少々辛い採点をせざるを得ない。もちろん相手が会ってのスポーツであり、相対的な戦術変更というのは正しいことでもある。ただ、中途半端になっていないか、幅を広げる事で一つ一つのクオリティは下がっていないか、というのが気になった。

それを感じたのが、ここまでこのチームの核となっていたプレッシング。今は全て前から取りに行くと言うことをせず、バランスを取りながらある程度相手を迎え撃つ様な守備も組み込んでいる訳だけど、その幅が選手達の迷いにもなっている。FWが前から行った時、本来であれば中盤の選手が押し上げて次の選択肢を消し、そのタイミングで囲い込む形を作りたいのだけど、ここのところそういったプレッシングの機能した形は披露できていない。確かにバランスを取ることで安定はしてきた、でも脅威もなくなり、武器も消え去りつつある。

より細かく掘り下げれば、マッチアップに置ける数的優位の作り方において、リスクテイクがなくなった。相手の最も怖いポイントであるアウトサイドに対して、幸宏・吉田のサイドハーフが付き、サイドバックと2vs1の数的優位を作れていた。そしてそれは相手のアウトサイドを抑えるのに効力を発揮し、意味のあるマーキングだったと言える。しかし、前からのプレッシングという意味を考えると、坂田・大島・功治の3人に対して、相手の3バック+2ボランチの5人に対峙しなければならず、数的不利の状況ではフォアチェックの機能性を辞するのは難しい状況でもあった(もちろん、相対的な要素としてストヤノフを始めとした技術的に質と、ポゼッションを作るアイデンティティを持ち得るチームだったから、より難しかった)

ま、プレスが全てではないし、前に出ることが正しいわけではない。ただ、2トップ、そして功治が前に行く姿勢を見せていただけに、ここだと思った瞬間、相手のサイドアタッカーを捨てて、前と連動して加勢していく形というのはもっとあっても良かったのかなとも思う。その辺はまだチームとして改善の余地があるのではないかと思う。

って、前は柔軟性を求めたじゃないかーと思う人もいるかも……。ま、柔軟性が機能性を維持しつつ……というのが本音かな。求めることは高く、瞬間、心重ねて、ね。

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選手評は今回はなし。こないだ少し書いたしね。でも一人だけ、勇蔵。もう若いからなんて言わせない、既にリーグでもトップクラスのCDFに成長して、松田直樹をベンチに追いやっているのだから。メンタルのブレがパフォーマンスに反映されるのはディフェンダーとして愚の骨頂。被った着弾点の判断ミス、セルフジャッジから突破されるという愚行、そして喧嘩まがいのスライディングタックル(凄かったけど、素晴らしかったけど、ストレスをぶつけるようなプレーは良くない)。反省点は沢山ある。意見をぶつけ合うことは構わない、イイ傾向。頑張れ、超頑張れ、勇蔵。

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本当に今更ですよね、申し訳ないです。現在スランプ中です。全然文章が浮かんでこなくて、キーボードに砂が撒かれたような状況。ユースとかも見てるのに、文章にすると全然だめで……情けないです、そして改めて申し訳ないです。スランプを早く脱して、又皆様に色々と呼んで頂けるように頑張ります。じゃあ、最後にまとめ。勝って良かったー!やっぱり嬉しー。ということでここまで。

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June 10, 2007

6/9のキモチイイ雑感。

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相手のお株を奪うような先制点と数的不利に陥ったことで迎えた苦境、そして苦行にも似た20分。

耐えて耐えて耐えきっての勝利、その喜びに加わるのは鬱積と忍耐とストレスというスパイス。

キモチイイ、サイコーに。

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これぞフットボールの真髄、守備の醍醐味。

久々にマリノスの守備のアイデンティティを感じたゲーム、こういう勝ち方が大好きな自分にとっては久々にキモチイイ疲労感。うん、最高だね。相手は悔しいだろうナーなんて想像すると、何度も、何度も、ニヤニヤしてしまう。

ただ、内容的には手放しで喜べないのも事実。

相対的な要素に置いてプレッシングのディティールを整えきれず断片的にしか機能させれなかったこと、鋭い切り替えに後手を踏み続けたこと、イライラしてキレて完全に我を忘れてパフォーマンスを崩した勇蔵の若さ、そしてスペースを有効活用できなかったハユマ不在の右サイド……、正直歯痒かった。

それでも、これだけ不安な要素を抱えていながらガタガタと崩れず、瀬戸際で踏みとどまれたことに進歩があったという見方も出来る。

レッズ戦に続き、安定したゴールキーピング、そしてビッグセーブでゴールマウスに鍵を掛けた哲也。

後手に陥ることも多い中、大きく厚い壁となって立ちはだかり続けた佑二。

抜群の危機察知能力と局地戦での強さ、そして進化を遂げるパスディバイドでチームを支えた河合。

対面のJ屈指のアウトサイドアタッカーを抑え、更には失点の危機を救い、それでも飽き足らず勝利につながるアシストと幅広い活躍を見せたコミー。

ゴールはならずとも、頭が下がる献身的守備と起点となるポストワークで頼れるところを見せてくれたオーシ。

そして、退場となったものの勝利への執念をアグレッシブなプレーと決勝ゴールに変えて、チームを鼓舞し続けた孝行。

もちろん、ここに列挙していない選手も含めて、一人一人のパフォーマンスが機能性を補い、チームを支える力となっていた。

チームが機能することでいい思いをしたこともあって、グループとして戦術を機能させることに主眼がいってしまうけれど、サッカーは組織と個人のふたつで成立するもの。片方の不出来を相互に補完するようなことが出来れば、チームはより負けなくなる、強くなる。そしたら、もっと気持ちよい思いがたくさん出来るようになるかも。

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考えてみたら、リーグに置いてはゴールデンウィークのふろん太戦以来の勝ち点3だったんだねぇ、ナビでは勝ってたけど。やっぱり勝ちはキモチイイ。とにもかくにもこの流れ、乗りたいね。ということで簡単だけど。

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June 09, 2007

No more 3.10,Therefore We paint Tricolor with Our Stadium!

3.10。

マリノスに関わる人の誰もが、屈辱にまみれた。

もう二度と味わいたくない、もう二度と繰り返しちゃいけない。

そんな思いが、大本営から狼煙が上がる。

Banar

この敗戦の悔しさ、重さをフロントも感じ取ってくれている。そして、繰り返したくないと思っている。その結果、経営も、プライドも脇に置いて、このゲームに勝つということに真摯に向き合ってくれた。その結果が年間チケットホルダー・トリコロールメンバーズ保有者に限り、このゲームのチケットを半額で提供するというキャンペーンに表れた。

そして、力を貸してくれと言われた僕たちが出来ること、その気概を汲み取って、スタジアムを埋めること、トリコロールに染めること。

あなたの力も貸してくれませんか?

そのために協力は惜しまないですから。

年チケホルダーじゃなくても、トリコロールメンバーズの会員じゃなくても、半額でこのゲームのチケットを買えますから。

2007.8.11 横浜を変えてやろう。

■共同購入方法■
1.スタジアム入場後、【E15ゲート付近】(地図画像)にお集まりください。
※座席を決めた後で構いません。
※販売場所は「東ファンクラブブース(バックスタンド側)付近」です

2.ボクらとアナタが友達になります。
※アナタの友達は、ボクらの「友達の友達」になります(笑

3.「8/11チケット販売ブース」で希望枚数を購入、お渡しします。
※代金を一時的にお預かりして購入します。

■注意点■
1.再度オフィシャルのリリースを読んで頂き、趣旨を理解、賛同いただける方

2.チケットを2枚以上購入する方。1枚がアナタの分、もう1枚以上が「アナタの友達」の分となります。

3.開門時間~18:20(KO40分前)までとさせていただきます。

4.スタジアム内では、「自由席」「Sブロック席」のみ販売されています。

間違いを繰り返さないために、あんな屈辱を二度としないために。

We will make it up!

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で、これは僕の気持ち

冷静な視点から言えば、観客の数ではフットボールの勝敗は決まらない。あくまでも勝負が決まるのはピッチ上での優劣、ゴールの数。

でも、そのピッチで戦う選手に影響を与えることが出来るのがスタジアムに集う人。

相手にプレッシャーを掛け、味方にモチベーションと勇気を与える。その雰囲気が勝負を揺るがすことも、ある。

意味がないことなんてない、サッカーと一緒だから。だから、企画には意味がある。そして、一緒にスタジアムを染める色になってほしいなと。

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他のブロガーさんの記事もご紹介。ムーブメント、拡がる。

続・811トリコ宣言(横浜刹那主義)←バナーはこちらからお借りしました。

【緊急告知】 年チケ・トリコメンバーズでは無い方々へ(横浜・凛)

【いまならチケット半額?】 8.11横浜ダービー行きませんか?(narilog)

8・11 サポの力が試される時(●蹴球狂の戯言●)

8・11 日産スタジアム トリコロール宣言(マリログ)

[鴎]「8.11 横浜FC戦・フレフレサポート企画」(*Bootleg05*)

8月11日は特別な日@日スタ・トリコロール宣言(50カラットのひとりごと。)

8.11 トリコロール宣言(marinos-marublog)

まだあると思うのだけど……とりあえず

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あんまり柄じゃないけどさ、やっぱりあの思いはもう絶対にしたくないんだよね。
でも、それと同時にワクワクするんだよね。60000人を越える日産スタジアム。あの雰囲気は本当に素敵だから。

と言うことで取り急ぎ。

Banar2_1

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June 07, 2007

「作為」への疑念@KIRIN CUP 2007 vs コロンビア

もしかしたら、純粋にロマンティシズムを追い求めているのかも知れない。でも、賢者の存在が、裏を勘ぐらせる。質の高いゲームなのに、「作為」への疑念が僕の中にしこりを残した。

KIRIN CUP 2007

Japan 0-0 Colombia @ Saitama Stadium 2002,SAITAMA「「作為」への疑念」

sports navi

日本スタメン:GK川口能活"101"、DF駒野友一"ライバルへ"、中澤佑二"凌ぐ力"、阿部勇樹"「勇気」の守備"、中田浩二"本領発揮、ならず"(→46'今野泰幸)、MF鈴木啓太、稲本潤一(→46'羽生直剛"爆発ランニングというカンフル剤")、中村憲剛"消えない男"、遠藤保仁(→80'巻誠一郎)、中村俊輔"見つからない価値の示す場所"(→88'藤本淳吾)、FW高原直泰"欧州クオリティは彼にあり"(→90'播戸竜二)

コロンビアスタメン:GKフリオ、DFバジェホ、イェペス、L.ペレア、アリサラ、MFバルガス、アンチコ"鶴"(→42'バンゲーロ)、マリン(→57'カストリジョン)、フェレイラ(→69'エスコバル)、FWエレラ(→62'ロダジェガ)、E.ペレア(→80'ガルシア)

コアメンバーの現在地を確認したエコパでのモンテネグロ戦から中3日、今度の相手は南米の雄コロンビアを埼玉に迎えたオシムジャパン。欧州で逞しく戦う海外組を全てスタメンに並べ、更なるチームのポテンシャルアップとブラッシュアップを見据える。一応キリンカップのタイトルも掛かる一戦。

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試合展開

高い能力や経験を持ち得る選手達が顔を揃えたとはいえ、初めての組み合わせということもあってか、皆が探り合いながらプレーしているように見えた立ち上がり。数回スムーズなボールの流れからの攻撃構築があったものの(左サイド遠藤のランニングを活かす形、憲剛のボール奪取から俊輔とのワンツーを絡めて高原へのスルーパスを狙った形、憲剛が縦の楔から動きを切らずにダイレクトプレーで戻されたボールをそのままミドルに持ち込んだ形など)、なかなか隙を見せず、又厳しいアプローチをどうもチームとしての戦い方が見いだせない。

そんな日本を尻目に、コロンビアの早いタイミングでの楔からのアタックを中心にゲームペースを握る。なかなか中盤ディフェンスが相手の速いボールムーブと一人一人の技術の高さを前に獲り所を見いだせず、楔を許してはそこから後手に回されて危険なシーンを生み出されてしまうなど、守備面では詰め切れていないシーンが頻発し、急造チームっぽい脆さを露呈。何とか挽回したい所だったが、なかなか前線に起点が作れず、劣勢をはね返えす答えが見つからない。

時折、個人のひらめきや技術がコロンビアを揺さぶるが、全体的なリズムは変わらずディフェンス陣にとっては厳しい時間が続く。南米の選手が全般的に持っているオン・ザ・ボールのテクニックやテンポを生み出すポゼッションの巧さに翻弄されて中盤守備は殆ど機能せず混乱気味。終盤、選手間のイメージが少しずつ重なり始め、テンポのあるボールの動きからの攻撃を表現するモノの、ミスを突かれて決定機を作られるなど、消化不良感は否めず。結局チームとしての手応えは薄い前半はスコアレスで折り返すことに。

前半の機能不全を重く見たか、オシムたんは後半開始のタイミングで稲本→羽生、中田浩二→今野にスイッチ。コアメンバーの投入でこの状況打破を模索する。その狙い通りか、羽生の幅広い動きがチームを活性化し、又グルーとなることでプレーが流れが生まれ始める。しかし、コロンビアの激しいディフェンスも又前半にも増してハード高原に襲いかかるなど、より激しい攻防が繰り広げられることに。

日本の守備も前半に比べたら機能性を取り戻し、相手に自由な攻撃を許さなくなっていた中でゲームとしては閉塞感が生まれ始めるが、その中で激しいプレーに晒されてきた高原の意地が決定機を作り出す。左サイドライン際のイーブンボールに対して玉際で勝ってマイボールとすると、良いタイミングでDFの間に顔を出した羽生へ、そしてここから日本の中盤のプレーヤーが一気に連動。羽生はダイレクトでそのまま中に流すと、共にボックスの中に入り込んできた俊輔へ、俊輔もこれまた良いタイミングでサポートに入ってきたヤットへ落とし、そしてこのボールを受けたヤットは一拍溜めて爆発的フリーランニングでボックス内に走り込んだ中村憲剛へ優しいラストパスが通される!そして中村憲剛は強烈に近距離からシュート!しかし、これは枠に収めきれず。ゲームの流れを考えれば何とかモノにしたかったシーンであり、美しい形をゴールに昇華したかったところだったが、最後の所では決定機を欠いてしまった。ただ、言わずもがな素晴らしい攻撃構築だった。

拮抗した流れだったが、徐々にチームとしての戦い方を見いだした感のある日本。ポジションチェンジやダイナミックなランニングを絡めた流動的な攻撃で飛ばし気味に激しくプレーし続けて疲れの見えるコロンビアを御し始めるが、最後の所ではやはりコロンビアも激しく強く、最後まではやらせてはもらえない。逆に時折危ないシーンもあったが、阿部や憲剛の好守もあって凌いだ中でゲームは最終局面へ。

羽生の素晴らしいランニングから生まれたチャンスもモノにしきれず、スコアレスの匂いも漂い始めた終盤、引き分けでもタイトルを手に出来るとはいえホームで勝ちを狙いに行くオシムたんはヤットに代えて巻を投入し、2トップへ移行。チーム全体も前への意識が激しいプレッシングからのショートカウンターや前線への飛び出しから勝利に繋がるゴールを狙うが、それでもスコアボードは凍り付いたまま。終了間際、俊輔に代え藤本、高原に代え播戸を投入し、最後の波状攻撃も実らず……、結局ゲームはスコアレスのままホイッスル。ドローと言うことで得失点差により、一応3年ぶりのキリンカップ制覇、オシムジャパンにとって初のタイトルとなった。

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オシムたんからしてみれば、このゲームは想定通りのゲームだったかも知れない。前半の停滞、後半の躍動、このコントラストが選手達に「動き」の重要性を突きつける。そんなゲームだった。

確かにこういったマネジメントは、老獪な選手掌握術であり、フットボールへの思慮深さを欠いて浅はかな報道ばかりを続けるメディアへの警鐘をも伴う有効な手段。ただ、僕はこの行動を疑問に思う。

中村俊輔、遠藤保仁、中村憲剛、彼らが生み出すクオリティは非常に高い。しかし、オン・ザ・ボールに特徴を持つ選手を揃えれば、その分だけ流れは淀み、躍動感が消えていく。こういうメンバーの組み合わせが彼のアイデンティティにそぐうパフォーマンスを見せれないのはペルー戦で証明済みだったはず。それをわかっていながら、彼は何故このメンバーでゲームに臨んだのか。「作為」の裏にある狙いがなんであれ、この行為はチームにとって必ずしも+となる行為だけではないと思う。

例えば機会、元々代表チームとして活動できる時間は限られており、海外でプレーする選手を招集するチャンスも少ない。親善試合も年に数試合、その中で骨のある相手と出来るチャンスとなるとより少なくなる。

例えば選手、次にいつ訪れるかわからないチャンスがこういう作為的な行動によって不意にされる。積み上げてきた自信や手応えが作為的とはいえ余り表現できなければ、その成功体験は薄れ、掴みかけた自信が揺らいでしまう。

こういったリスクを負ってまで、作為的な行為に及ぶ必要があったのか。真意は藪の中であり、想像を巡らせるしかないけれど(W中村+ヤットのエレガントなプレーヤーと機能性を伴うチームを作りたいというロマンティシズムが彼の中にあるのかも……。ないとは思うけどね、相対的な要素を軽視せず、又現代フットボールに置ける必須要素を強く求める、彼のアイデンティティを考えれば)、彼の正しさや示唆が示される事よりも、真正面からチーム構築に勤しんでほしい。選手達のプレーアイデンティティの改革やメディア含めた日本人へフットボールイズムを浸透させる事の重要性は否定しない、が回り道をしている余裕も時間も、今の日本代表にあるとは思えない。

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戯れ言はさておき、強い相手に対しても機能性を示せさえすれば、充分にその効力を発揮できることを示せたというのはとても意義のあることだと思う。前半の出来は口が裂けてもイイとは言えなかったけれど、そういう時間帯ではしっかり我慢が出来ていたし(もっと現実的な形にシフトしても良かったと思ったけど。経験のある選手が揃っていたわけだし、そういう自主性は否定しないでしょ)、流れを掴んでからの美しい連動性は可能性を感じさせる。そこに選手が持つクオリティがより反映されれば、このチームの可能性はもっと広がる。全てはバランス、チームの機能性を担う人材とクオリティを担う人材、このバランスを誤らずに進んで欲しいなと。賢者であるオシムたんが、その見識眼を持ち合わせていると信じているし。

そして、コロンビアには最大級の感謝を。薄っぺらい「親善」より、粗暴な「真摯」の方が日本にとっては価値がある。彼らのプレーがあってこその、価値のある高質のゲームがあると思うからね。アジアに目が向きがちになる中で、世界の「激しい」スタンダードを突きつけて、井の中の蛙ではだめなんだよと教えてくれた。ま、そんな相手だったからこそ勝ちたかったけどね(贅沢になったもんだ、南米の雄、しかもそれなりにクオリティを伴うプレーをしてくれた相手に対して、引き分けじゃ満足できないんだからさ)

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既に長いけど、こないだ褒めてもらえたので今回も選手評。

川口能活(ジュビロ)→ビッグセーブは底まで見られなかったが、特に大きなミスもなく、しっかりとゴールマウスを守った。鎬を削った永遠のライバルの復権で更に燃えているはず。現状ではポジションに世代交代の波は起きない感じだねぇ。もちろん、西川や川島には頑張って欲しいんだけど。

駒野友一(サンフレッチェ)→全開の試合に比べると、プレーの精度のクオリティは落ちてしまったが、プレーの積極性や実効力は衰えず。マリンの縦横無尽の動きに対して受け渡しがはっきりしない部分があったが、この辺は中盤の選手としっかりとしたコミュニケーションを獲って、整理して守りたい。全体的なパフォーマンスは高みで安定しているだけに、加地さんが復帰した後の取捨選択は注目、隼磨も頑張れ、超頑張れ。

中澤佑二(Fマリノス)→中澤佑二の中澤佑二たる所以、高いレベルの相手だっただけに押し込まれる時間帯もあったが高い対応能力で迎撃し、チームを土俵際で繋ぎ止めた。フィードやクリアミス、そしてビルドアップと細かい部分ではミスや気になる部分もあるけど、彼の対応力は未だに代表では欠かせない存在と言える。

阿部勇樹(レッズ)→厳しい展開の中で、高い危機察知能力と勇気ある判断で質の高いディフェンスを披露。この辺はさすがセンスの高いプレーヤーだね。ユーティリティという名の便利屋で終わらないためにも、どのポジションでも自分の持つ能力をクオリティを示していく癖を付けて欲しいね。これを続けて。

中田浩二(バーゼル/SUI)→期待された程のインパクトは示せず。局面に置ける激しさであったり、カバーに関してはある一定のクオリティは示したが、このチームのアイデンティティを表現するには至らず。ま、このチーム初めてのゲームであることを考えれば、多くを求めちゃいけない気もするけどね。

鈴木啓太(レッズ)→前半はチームの混乱に飲まれて影響力を発揮しきれず、しかし後半はいつものチームパフォーマンスが戻ったことで影響力を発揮し、チームを支えた。このチームでのプレー経験が積み重なったこともあってか、時折コンセプトの体現とも言える攻撃参加を見せるなど戦術理解も進んでいることも示した。前半のような状況でも影響力を発揮してチームを安定させる事が出来るようになると、更に一段上に登るかも。

中村憲剛(フロンターレ)→やはりイイ。鈴木啓太との役割分担をはっきりとしながら、自らの特性を遺憾なく発揮。視野の広さと鋭い感覚が生きるゲームメイク、機を見たフィニッシュへの絡みなど、チームにクオリティを与える存在。こういうゲームでは強いプレッシャーで消えてしまうこともあり得るのだけど、彼の動きが停滞したチームに刺激を与えたプレーは素晴らしかったし、美しい決定機に出てきた事は高い評価をしてあげたい(決めて欲しかったけど)完全にこのチームでの場所を確保。

遠藤保仁(ガンバ)→この日はキック精度を欠いたりとクオリティを示せず、存在感も薄かったが、レシーバー不在のチームに置いて周囲を活かすことにクオリティを発揮する選手に置いては多くを求めるのは酷。ただ、選手間の距離やサポートアクションというのを活性化させたかった。それは彼のプレータイプを考えると違う気もするけど、ヤットに限らず、中村憲剛の決定機に繋がった攻撃構築の土台となった素早いサポートアクションが何度も表現されるようになれば、エレガントプレーヤーの共存も現実味を帯びると思ったりするので。

稲本潤一(ガラタサライ/TUR→アイントラハト・フランクフルト/GER)→新たなチーム、新たなポジションという不遇もあってか、本来の彼のポテンシャルからはほど遠いパフォーマンス。ハーフタイムでの交代もやむなし。何をすべきか、どうすべきかという答えを全く持ち合わせていなかったことが問題だったかな。次のチャンスがあるかどうか、ま、作為の被害者でもあるから糾弾はしたくないんだけどね。

中村俊輔(セルティック・グラスゴー/SCO)→時折クオリティのあるプレーを見せようとしたモノの全般的には低調。使うプレーヤーにとって酷な状況であることを考えれば、彼だけに問題があるとも言い切れないが、求められたモノを考えればもっと主体的なオフ・ザ・ボールの動きが必要だったことも確か。ただ、最も気になるのは、彼がこのチームで未だにはっきりと居場所を見つけきれていないこと。染めるか、染まるか、それとも居場所を見つけるか、俊輔の決断はいかに。

高原直泰(アイントラハト・フランクフルト/GER)→激しいハードワークにも屈しない、これが欧州基準のエースアタッカー。この日彼自身はハードマークに苦しんで、ゴールに近づけていなかったが、それでもチームのために標的となり、ハードワークをしたことも見逃せない。ただ、孤軍奮闘は否めず。彼を楽にするためにも、周囲をサポートしてくれる選手必須。ストライカーを単なるハードワーカーに貶めないで。

交代選手

羽生直剛(ジェフ)→秘めた熱い気持ちを前面に押し出すかの如く、躍動的なランニングでチームを活性化。チームが求める要素と彼の特性の融合は、改めて整合性をかじるモノだったし、素直な起用というのが改めて大切な事であることを感じたりもした。山岸に続いて、必要な存在であることを示し、「ジェフ枠」という汚名返上となったプレーだった。

今野泰幸(FC東京)→以前のようなアグレッシブなプレーこそ余り表に出なかったが、安定した守備と柔軟性を示し、守備の安定に一役買った。阿部勇樹というチームコンセプトを担うプレーヤーが競争相手となるが、センターバック・サイドバック・ボランチと高いレベルで示せることを考えれば、チームの機能性を担う選手の一人であることも又確か。ポテンシャルを考えればもっと出来ると思うので、期待したい。

巻誠一郎(ジェフ)→意欲的な姿勢こそ感じたが、まだ本調子には遠いか。躍動感とタフさと思い切り、献身性だけじゃない巻の良さをリーグでまず。結果も欲しいね、吹っ切るきっかけというか。

藤本淳吾(エスパルス)、播戸竜二(ガンバ)→出場機会短く評価なし、藤本は着実にキャップ重ねてるだけに、後は自分を表現できるチャンスが欲しいね。

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しかし、相変わらず代表はサッカー以外の所で相変わらず喧しいね。僕としてはまずはフットボールの中身を見て欲しいのだけど、そうもいかないんだよね。そう考えると、オシムたんがああいう行為をするのも理解できなくないんだよなー(決めつけちゃいけないんだけど、真意はわからないし)。リーグを軽視するわけではないけれど、日本サッカーの現状を考えればやっぱり代表のサッカーが担う役割はまだまだあるはず。Jの露出が少ない今はね。ま、とにもかくにもアジアカップ!ということでこの辺で。

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*次は何しようかナー、ユースも五輪代表もやりたいけど……ただ、このブログとしてしなきゃいけないことがあるので、それが先かな。

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June 03, 2007

再発進は上々に@KIRIN CUP 2007 vs モンテネグロ

うんうん、らしいゲームだったんじゃないかな。僕はこれで良いと思うよ。現実にぶつかるまで、突き進んじゃえばいいじゃない。

KIRIN CUP SOCCER 2007

Japan 2-0 Montenegro @ Ecopa Stadium,Shizuoka「再発進は上々に」
Japan:23'Y.Nakazawa 38'N.Takahara

sports navi

日本代表スタメン:GK楢崎正剛"Comeback"、DF駒野友一"見せた存在感"、坪井慶介、中澤佑二"祝・代表二桁ゴール"、阿部勇樹、MF鈴木啓太(→89'橋本英郎"祝・初キャップ!)"、中村憲剛"叱責は結果で"(→89'藤本淳吾"凱旋")、山岸智(→63'佐藤寿人)、遠藤保仁"嬉しい左袖の証"(→79'今野泰幸)、FW高原直泰"エースは結果"(→69'水野晃樹)、矢野貴章"Debut!"(→81'巻誠一郎)

オシムジャパンが発足して9試合目、このチームが迎える初めてのタイトルマッチはアジアカップに向けての試金石となるゲーム。海外組の招集が本格化する中で、ドイツとオシムメソッドの融合というテーマに注目が集まるところか。相手のモンテネグロは、セルビア・モンテネグロから独立した新しいチーム。チームとしての実績はなく、ビッグネームは見あたらないが(最もビッグネームなのは今回来日こそしていないが、ミランのNo.10であり、ユーゴ最高峰のテクニシャンであった"ジェニオ"デヤン・サビチェビッチサッカー協会会長かな)、フットボールネーションとしては歴史のある国なだけに、侮れない相手か。

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試合展開

中村憲剛、遠藤保仁をにテンポの良さを意識しながらボールを動かす日本代表、奪ったらゴリゴリと力強く前に進んでくるモンテネグロと、共に持ち味を出しながら相手の出方を伺う立ち上がり。しかし、どちらも隙を見いだせず打開するキーが見つかっていない感じを受けた。そんな中で、徐々にペースを握ったのは日本代表。1タッチ、2タッチで次々とボールを回し、その中で連動感のある動き出しやボールレシーブアクション、後方からのリスクチャレンジであるオーバーラップなどが絡む形でゴールに近づく。しかし、さすがはヨーロッパの強豪の一つである国のアイデンティティを継ぐ国、しっかりとしたリトリート型のブロックディフェンスが最後の所ではやらせてもらえない。これはなかなか難しいかな……と思われたが、J最高峰のMFとDFがその壁をこじ開ける。

右サイドからのCK、遠藤が選択したのはショートコーナー。中村憲剛とのパス交換からファーへアウトスイング高い弾道のボールを供給。その着弾点、大きく回り込んで走り込んできた佑二が飛ぶ!2枚が必死にそのボールに食らい付くように寄せてくるモノの、粘り強く合わせる!このヘッドがGKの頭上を抜き、先制点が刻まれた。素晴らしいクロス、そして素晴らしいヘッド。やったね、佑二!代表戦二桁ゴール!

このゴールで勢いが出てくる日本、アウトサイドからのアーリークロスやポスト&サポートの連続というような崩しがより明確にプレーに表現され、ビハインドを負って前に出ようとするモンテネグロにペースを明け渡さない。すると、美しいすぎるゴールが決まる。左サイドで細かく作る中で中村憲剛が駒野のオーバーラップを見つけて鋭くサイドチェンジ!このボールを受けた駒野はフリーで精度とスピードの伴った素晴らしいクロスを供給、そしてこれに合わせたのが高原!相手を出し抜いて鋭くニアに入り、相手の寄せにも屈せずドンピシャのダイビングヘッド!これがゴールに突き刺さる!美しい、美しい!ボールと人が動くことでチャンスの素を作り出し、最後の部分に精度が伴う。このチームが求める素晴らしい形が表現された。しかし、駒野のクロスも凄けりゃ、高原のヘッドも凄い。

この後も日本の動きは衰えず。中盤中央がテンポ良くボールを動かしては、アグレッシブにサイドのダイナミズムを活かす形でモンテネグロゴールを襲う。特に駒野のプレーは出色の出来で、良いタイミングのオーバーラップ、精度の高いクロスと、日本のサイド攻撃の主役となった。2-0で折り返すことに。

後半に入ると、相手のプレーのアグレッシブさが増して激しい当たりが見られたり、スピードで左サイドをぶち抜かれるなど、少々面を喰らった感もあったが、高原のポストから阿部が左サイドを駆け上がって崩すなど、引くようなそぶりは見られず。さすがに完成度の差か、すぐに日本がペースを引き戻し、今度は中央から遠藤、中村憲剛とミドルを狙うシーンを作り出す。
*この試合、何度か中村憲剛のミドルを狙ったが、このプレーに対してオシムたんは不満げだった様子。解説でも触れられていたがこれは彼のアイデンティティなんだよね。一本目の時、憲剛がバイタルで持った瞬間、左サイドから山岸が猛烈なランニングでボックス内に入ってきた。フリーの山岸を使うことに効率と確率を感じたからこそ怒ったのだろうけど、中村憲剛の前にコースが空いていただけにプレーセレクトとしては悪いとは思わない。ま、裏を勘ぐれば、こういう質の高いランニングを使うことで、走る意識を減退させないと言うことも考えているのかも知れないね。

押し気味にゲームを進める中で、日本は初めての選手交代、山岸に代えて佐藤寿人を投入、佐藤寿人は左サイドに張り気味のポジションか。その直後、駒野のスルーパスから高原が鋭くラインをくぐり抜けてネットを揺らすシーンを作るなど(これはオフサイド。しかし、VTRを見る限りどう見てもオンサイド)相変わらず日本は攻撃の鋭さを保持したままゲームが推移していく。しかし、ここで日本に落とし穴が待っていた。左サイドからのセット、ディフェンスが相手のオフェンスに釣られる形でニア二位敷きを持っていかれるとファーで一人の選手がフリーに。高原が気付いてアプローチに行ったところで相手を引っかけてしまい、PKを与えてしまう。結果として、このPKを相手が外したことで事なきを得るが、集中を欠いたプレーだった。

徐々にゲームが終局に向かう中で、両ベンチの動きが激しくなる。日本の2枚目は高原に代えて水野、駒野が左サイドにスライドし水野が右、佐藤寿人が本職のトップに入った。しかし、この交代を皮切りに日本の流れは淀み始める。これまでほぼ日本の流れで進んできた中でモンテネグロにようやく流れが行ったとも言えるが、イイ時間帯に比べて人もボールが動かず、攻撃も散発的に。拙攻が続いたこともあって、モンテネグロに勢いが生まれ始める。

メンバーが替わったこと、ポゼッションの核となる選手の運動量が衰えたことなどが影響して機能性が落ち、オシムのイライラした声がマイクを通じてお茶の間に届けられる終盤。遠藤、矢野に代わり、巻、今野がピッチに入るモノの状況は変わらない。中村→寿人ポスト→阿部オーバーラップとダイレクトでボールが繋がったシーンで崩しシーンも見られたり、セットから巻が高い打点のヘッドを見せたりと、交代選手達の意欲が表わすものの、さすがに予定調和とはならず。結局、橋本が初キャップを飾ったり、エスパのお膝元であるエコパに凱旋を飾った藤本が顔見せしたところでゲームはおしまい。終盤の展開はお世辞にも褒められたモノではなかったが、アジアカップへ向けていいリスタートとなるゲームだったか。

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テンポとダイナミズムが昇華されるコンビネーション。グループワークとしてこういったエスプリを含んだプレーが表現できるようになってきている、しかもその時間帯は徐々に長く、数多く。これだけでもこのチームが進化していると言うことを表せると思う。

実際、チームとしてもある程度どうやっていけば良いプレーが出来るのかという手応えが明確に見え始めているのかも知れない。優れたコンダクターの周辺察知能力の高さとゲームメイクセンスが生み出すテンポに、実効力を付随させる周囲のランニング。こういう要素が随所に見られたことを見ても、偶然ではないと思うし(ま、交代選手が入ったこと、特に特徴的な選手が入ってきたことでバランスが崩れたが)、ディティールに置いても2トップのコンビネーションであったり、ボランチのポジショニングバランス、サイドバックのオーバーラップのタイミングと言った要素は煮詰まってきている。新戦力発見ラボと思われた合宿の中で、コアグループの熟成も進んでいると感じさせられたゲームだった。

ま、後半中盤でテンポを生み出せなくなってきたことや、メンバーが入れ替わったことで選手の動きや考え方が乖離して機能性を失っていったことは気になるっちゃ気になるし、このチームの現段階での課題を表しているのかも知れないけど、こういうゲームが出来ることは評価できることだし、これは喜ばしいことじゃんじゃないかなと。

で、ですよ、思いを馳せるは先のこと。現状のチームは紆余曲折もあったけれど前進を果たしていて、グループとして完成度の高いプレーを見せるようになってきた。それはチームとしての土台が出来たと言えると思うのだけど、その土台の上に乗るモノは一体どんなモノなんだろうと考えてみたくなった。

実際、単純に考えれば、+αと考えるのが妥当なはず。個人で言えば、現在日本最高のプレーヤーである中村俊輔の才覚をチームに取り込む事でプレークオリティの向上を目指すことは当然取り組むべきモノだと思うし、次々と生まれる仕掛けられるプレーヤー(水野や家長のような選手)をテンポのあるフットボールのアクセントとして融合させることで更なる攻撃パターンの増加を狙うと言うのも考えられるし、はたまたよりダイナミックなプレーヤーをメンバーに入れ込むことで現在のサッカーを更に先鋭化していくのか……、色々なことが考えられる。

正直、オシムたんの考えていることはなかなか読めないので、進化の過程として「更なる先鋭化」、「幅を広げるような選択肢の拡充」、「新しい基準を持ち込んでの変革」、この3つのテーマの中のどれに舵を切っていくのか、そこが現状に置いては見えてこない。ま、まだまだ凝り固まる必要もないと思うし、選手を見極めながら先を見据えて欲しいかなと。より強い相手と戦ったときに沢山課題が出てくると思うけど(僕は相手が高いレベルであれば高いレベルである程、この流動的なサッカーが抑制されるんじゃないかと危惧してる。ミスが怖くなる、リスクチャレンジが怖くなる、動くのが怖くなる、チームの機能性が落ちる)、トライ&エラーを繰り返すことで研鑽されていけばいい。僕は、このチームが大枠での進んでいる方向には余り疑問を持っていない。

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じゃ、選手評、簡単に。

楢崎正剛(グランパス)→久々の代表のゴールマウスも安定感抜群。ハイボールへの対応に安定感を見せ、ここの所冴えを見せているPKも読みは当たってる。元々、能活と双璧を成す完成度の高いGKであることは証明済み、代表は替わってもこのライバルの競争は終わらないんだナー。とにもかくにも復帰おめ。

駒野友一(サンフレッチェ)→このゲームのMVP。積極的かつ抜群のタイミングでのオーバーラップは抜群の実効力を見せ、その実効力を生かし切る精度の高いクロス、又切り替えの速さと危機察知でから未然にピンチを防ぐなど、ネガティブな部分がほとんどなく、ポジティブなパフォーマンスばかりが目立ったゲーム。サウジ戦も良かったし、代表でも実力を発揮し始めている感がある(隼磨、これだよ、これ)

坪井慶介(レッズ)→佑二とのセンターバックコンビはほぼ問題なし、駒野が積極的に上がる中で空くスペースもスピードを生かしたカバーリングでしっかりと対応。攻撃参加はほとんどなかったけれど、秩序をしっかりと担っていた。

中澤佑二(Fマリノス)→久々炸裂ボンバーヘッド!いやーめでたい。イイヘッドだったナー、着弾点の見極め、フィジカルコンタクトと見事なゴール、DFとして二桁ゴールは凄いことだし、嬉しい!本業の方でも前への強さを前面に出したプレーは好印象、クラブでのプレーと同じようなイメージで強い相手を完封した。1vs1の強さ、安定感は日本人ディフェンスではやはり一枚抜けている。

阿部勇樹(レッズ)→機を見た攻撃参加のタイミングの良さなどセンスを感じるプレーもあったが、駒野に比べると慎重なプレーぶり。バランスを考えればベターな選択だけど、阿部勇樹としての良さの発揮という意味では少し物足りなかったりもする。様々な役割やポジションをこなすこと(この日も試合中スイーパーのような役回りに移った)がスタンダードとなりつつある中で、いかに「阿部勇樹」らしさを出すのか、これはこれからの課題かな。汎用な選手じゃないからこそ、ちょっと厳しめ。

鈴木啓太(レッズ)→リスクチャレンジが生まれれば彼は下がる。オフェンシブにポゼッションしていく中で彼はスペースケアをする。この日も影の役割としてしっかり日本の秩序を守った。かなり幅広い範囲のカバーを義務(?)づけられていて、難しい仕事だと思うのだけど、展開を読むことで良い仕事が出来ている。この試合では余り見られなかったけど、今シーズン攻撃面でも進化の跡。ミスが減った。

中村憲剛(フロンターレ)→下がってボールを裁き、前に出て又攻撃に絡む。周囲との絡みはどんどん良くなっている感があるし、落ち着いて周囲を見ていることもあってリズムを変える存在としても有用なことを示した。得点に繋がった駒野へのサイドチェンジは、彼の真骨頂かな。テンポに流されるだけじゃない。課題は運動量の維持。で、オシムたんの標的になっていたけど、あのプレーセレクト自体は間違っていない。コースが空いてたら打つ、これ常識。ましてや中村憲剛ですよ?積極果敢な姿勢がふろん太での成績に繋がっているわけだし、素晴らしいミドルを打てる能力を持つ選手。トップスピードだとミスが出やすい事を考えれば、自ら狙った方が入る可能性は高いんじゃないかな(憶測に過ぎないけど)ま、彼自身枠には飛ばさなきゃいけないシーンだったけど。僕はあの指摘は恣意的なモノを感じる。

遠藤保仁(ガンバ)→縦横無尽に動いてはボールに絡んで波を起こす、ガンバの仕事と似ているのか、特に違和感なくプレーしてポゼッションの流れを作った。憲剛が全体的な流れを作るとすれば、ヤットはテンポを作ると言う感じかな。もう少し決定的な仕事が欲しかったっちゃあ欲しかった気もするけど、アシストしているし、その辺は求め過ぎか。憲剛と一緒で、課題は運動量の維持。しかし、キャプテンマークが嬉しかったのか、試合が終わった後もアップスーツにまで付けていたのはかわいかった。でもそれだけ評価されているんだよね。

山岸智(ジェフ)→ポゼッションを担う選手がいたこともあって、彼自身はアタッカー色の強いプレーをしていたけれど、非常に正しい選択。ダイヤゴナルランは停滞を突き崩すプレーとなっていたし、2トップに絡む形で3つめの選択肢となっていたりと、非常に捕まえにくいプレーヤーになっていたのではないかな。ボールが入ったところの実効力には少々課題を残したけど、疑問視されたジェフ枠をパフォーマンスで見返した、と言えると思う(○○枠って、あんまり好きじゃない。代表に有用だから呼ぶわけで、チームの成績と直結するモノでもないと思う。てか、オシムたんは鞠ファンだから次当たるジェフの選手を疲労させたかったんだよwwww)バランス考えれば、足元型の俊輔より、スペースランナーの方が良いのは明らか。ただ、僕は俊輔ヲタなので、褒めてあげない。

高原直泰(アイントラハト・フランクフルト/GER)→ビューティフルゴール!復活して研ぎ澄まされた感のある得点感覚を証明する一発だったね。しかも、寄せられながらもああいうシュートが打てるんだから。守備でも献身的で、チームの中で何をすべきかと言うことをしっかりと理解できていることを考えれば、既にポジションを掴んだと行ってもイイ。こういう高い順応性は海外でプレーするための必須要素、時間が解決してくれるという程、時間を与えてもらえないということをこれから海外でプレーしたいと思う選手達には学んで欲しいかな。

矢野貴章(アルビレックス)→祝・初スタメン。巻の不調もあって掴んだポジション、持ち味は出ていた。アグレッシブな動きの幅と泥臭いポストワークはこのチームのカラーに合っている。ただ、技術的には不安定で、相手のセンターバックの強さには少し押されていたか。この辺で頑張れるようになると、更に一歩上に昇れる気もする。考えてみたら平山と一緒で高校生でワールドユースに出た素材、ポテンシャルはあるんだよね。

交代選手

佐藤寿人(サンフレッチェ)→高原が存在感を示す中でポジション争いとしては窮地に立たされたか。サイドでは基本的に殆ど何も出来ず、本職のトップでは鋭いポジショニング感覚とニアに入る感性こそかいま見せたけど、周囲とのコンビネーションの齟齬もあって余り存在感を見せれず。Jで最もゴールを獲れる選手として、もっともっと。

水野晃樹(ジェフ)→誰もが期待したくなる選手であることは確か、縦への推進力であったり、キックの精度の高さであったりと、サイドアタッカーとして持ち得る能力の高さは一級品。だからこその厳しい言葉だと思う。このゲームでは余りよいとは言えないけど、まだまだこれから。

今野泰幸(FC東京)、巻誠一郎(ジェフ)、藤本淳吾(エスパルス)、橋本英郎(ガンバ)→出場時間短く評価なし

イビチャ・オシム(たん)→このツンデレが。個人プレーの評価という部分が気になるのだけど、エゴイスティックなプレーをどこまで許容するかと言うことでこれからの方向性が見えてくるのかなと。確かに、チームのアイデンティティやプライオリティが無視されればチームの機能性は落ちる。ただ、そればかりでは壁は打ち破れない。引かれたとき、研究されたとき、動きの悪いとき……。ま、言葉尻を捉えるだけではわからない部分もあるのだけど、これからが気になる。てか、コロンビア戦、どうするのかな?

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ということで、こんな感じでしょうか。ま、アジアカップというイベントに向けてのリスタートとしては良いゲームだったと思いますよ。成功体験や手応えを積み重ねることでチームとしての自信を深める。そういうゲームがあってもイイ。細かな修正ポイントは指揮官の頭の中にあるはずだし。ま、まだまだ長い目で見ていけば良いんじゃないかな。と言うことで今日はここまで。

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