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May 01, 2007

着実なる積み上げ、確実なる前進@J1 第8節 アルビレックス vs Fマリノス

以前であれば、続かなかったかも知れない。

昨シーズンだけを考えても、例はある。

第2節、カシマスタジアムでのアントラーズ戦。チーム全体がボールサイドへの強いアプローチに連動し、収縮プレッシングに変換することで質の高いポゼッションを見せる鹿島を完全に封じ込めた。

第16節、日産スタジアムでのアルビレックス戦。チーム全体が低迷への、そして恩師への危機感を強烈なまでの前への意思に変え、開始早々から飛ばしまくり、重苦しい雰囲気を振り払った。

これらのゲームは本当に素晴らしかった。ただ、一夜の夢のように素晴らしいプレーはどこかに消えてしまい、そして、チームの血肉となることはなかった。

でも、今は違う。全ては一本の線になっている。突発的な出来事でも、一夜の夢でもない。着実にチームの血肉となっている、確実に前に進んでいる。その事実が何よりも嬉しい。

2007 J.League Division1 第8節

アルビレックス 0-6 Fマリノス @ 東北電力ビッグスワンスタジアム「着実なる積み上げ、確実なる前進」
F.Marinos:37'山瀬幸宏 38'p山瀬功治 47'吉田孝行 51'&56'坂田大輔 69'大島秀夫

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"集中力"、DF田中隼磨"先に更新で先輩の意地"、中澤佑二"絵文字って……カワいい"、栗原勇蔵、小宮山尊信"俺たちのコミー"、MF吉田孝行"組織の中でこそ"、河合竜二、山瀬功治"頼れる兄貴"、山瀬幸宏"乗ってる弟"(→76'狩野健太"次はトップで決めろ!")、FW坂田大輔"2×2"(→76'斉藤陽介)、大島秀夫"オーシも更新して!"(→70'ハーフナー・マイク"次はトップで決めろ!")

アルビレックススタメン:GK北野貴之"嫌な予感をさせるお人や……"、DF内田潤(→73'松尾直人)、千代反田充、永田充、坂本將貴"犠牲者"、MF本間勲、寺川能人(→46'田中亜土夢)、マルシオ・リシャルデス、鈴木慎吾(→74'松下年宏)、FWエジミウソン、矢野貴章

ゴールデンウィーク初日ということもあって、普段にも増して多くの人が駆けつけた東北電力ビッグスワンスタジアム「大白鳥」。今シーズン初の4万人越えとのことだが、相変わらずスタジアムを染め上げるオレンジは題意迫力。恩人・反町康治五輪代表監督も見つめる中で、アルビはこの雰囲気にそぐうゲームを見せたいところ。マリは前節の勢いを駆って大魔境越えを果たしたい。

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試合展開

切り替えの非常に速く、互いにチャンスを迎えるというスリリングなゲームが序盤から展開される立ち上がり。左サイドでループパスから鈴木慎吾が抜け出してダイレクトで中へ折り返し、マルシオ・リシャルデスがFマリノスディフェンスの間隙を縫って哲也との1vs1に持ち込むも、哲也これはタイミングの良い飛び出しでセーブ、こぼれを矢野貴章が狙うも枠外。今度は返す刀でFマリノス、緩いアプローチを突いてフリーで前を向いた幸宏がディフェンスラインの合間にポジションを移していた吉田へ優しいスルーパス、これで完全にディフェンスラインを抜け出した吉田が北野との1vs1というチャンスを迎えたが、こちらも北野が完全に読み切ってファインセーブ。もう一個、右CKからずるっとファーまで抜けて佑二に収まると、近距離から相手アプローチの一寸先にシュート、しかしこれまた北野のファインセーブに凌がれる。どちらも先制点には至らなかったが、この後も両チームのアグレッシブに姿勢が浮き出るような攻防にスタジアムが沸く。
*余談だが、北野のファインセーブ連発はかなり嫌な予感がした。ここで負ける時はいつも決定機を作りながら決めきれず、一発に沈むというのがお決まりのパターンだったからね。その予兆とも言うべき北野の当たりっぷりは気になった

テンションの高い白熱した展開だったが、徐々にリズムを引き寄せたのはFマリノス。プレッシング、ショートカウンター、流動的なポジションチェンジなど、継続出来ている形を愚直にやり続けることで相手から余裕を奪うと、素晴らしい形で先制点を奪う。左サイドライン際功治のキープに対してサポートに入ったのは河合、ボールを受けると一拍のキープの後で高い弾道のインスイングのボールを中に供給。ここで一つの変化、オーシがこのクロスをスルーで流し、それに応える形で隼磨がエンドライン際でこのクロスを受ける。隼磨の深い位置でのキープ、オーシや坂田がゴール前で待ち受ける中で選択されたのは後ろから入ってきた幸宏!幸宏はダイレクトでシュート!これが相手ブロックに当たる形で浮き上がり、この日当たっていた北野も及ばずゴール!ビューティフル!ビューティフル!功治のキープに反応した河合、河合のクロスに対してあそこまで走ってきていた隼磨、それを感じてスルーしたオーシ、そして幸宏。連動感が流れを生み、そしてそれがゴールに反映される、なんという好循環。どちらも欲しかった先制点は、Fマリノスにもたらされた。
*最後の所で自ら「はゆ!」と読んだらしい幸宏はイイ要求!こういうところが変わってきたんだろうナー。

この先制点でマリノスの勢いが本格化、運までも味方に付ける。幸宏のスペースパスに対して坂本が対応に入るモノの、ボールコンタクトの際にハンド。そのポイントとして明らかにエリア外の位置だったが、主審柏原ジョージはこれをPK裁定。どう考えてもおかしい判定だが、判定は覆らず与えられたPKを功治がしっかりと決めて2-0。結果として、立て続けの追加点は大きなモノだった。結局前半は2-0で折り返す。

ショッキングな判定も2点のビハインド、何とか立て直しを図り反撃に出たいアルビは寺川に代えて田中亜土夢を投入。しかし、流れを変えきれない。後半開始早々、マリノス自陣から放たれたロングボールに対してオーシが競り勝って後ろに流すと、そのバックヘッドの軌道を見極めて動き出していた吉田が外から回り込む形でディフェンスを出し抜き、ボックス内後ろから寄せられながらも、タイミングをズラして北野の足元を抜き3点目。吉田に巧!動き出しのタイミング、コース取り、そしてフェイクを入れたフィニッシュ、前半の反省を活かしてか非常にクレバーなゴールだった。吉田は今シーズン初ゴール。

反撃ムードを叩き潰されたアルビはこれで意気消沈、集中レベルが下がり、守備の組織も崩壊してしまう。そんなアルビに容赦なく襲いかかるFマリノス、ゴールラッシュ。コミーから入った楔を受けた坂田はシンプルに幸宏へ落とす。バイタルで受けた幸宏は相手ディフェンスを手玉に取るような嫌らしいタイミングのスルーパスを坂田へ、これで抜け出した坂田は冷静に浮かせるようなフィニッシュで北野を抜き4点目。このゴールはなんと言っても幸宏のスルーパス、相手が予期していないタイミングでスルーを出したことでボールサイドのディフェンス、後ろをカバーしているディフェンス、全ての虚を突き、ボールカットをさせなかった。ファンタスティック。坂田も裁いた後の動き直しをしっかりしていたことで、ゴールに繋がったのは評価されるべきポイントか。フィニッシュの冷静さが光った。

もう止まらないFマリノス、栗原のグラウンダーの速いクロスを坂田がニアで突っつくように合わせて5点目、前を向いた功治のミドルを北野がセーブも弾いてしまい、しっかり詰めていたオーシがずばっと決めて6点目とゴールを積み上げていく。終盤、陽介、マイクの2トップに変わったことも影響してか、ボールの収まりであったり、フォアチェックの質を維持することが出来ず、相手に反撃の隙を与えたが、集中力は最後まで継続。無失点で抑えきる形でホイッスル。2節連続の爆勝で勝ち星を五分に戻した。良いところのなかったアルビは今シーズンホーム初黒星。

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勝負の綾

序盤の流れを考えてみると、そんなに差があるようには見えなかったが、全般的に見れば、ボールサイドのプレッシャー、前に掛かる時の厚みなど、ディティールにおける質ではFマリノスに分があったか。それが先制点に表れていた。

ただ、点差云々のことを考えれば、やはりあの「誤審」の影響を口にしないわけにはいかないだろう。2点差と言うことを考えれば、この大魔境では決して可能性のない点差ではないが、誤審での失点にチームとしては意気消沈してしまい、ハーフタイムのタイミングでも切り替えきれなかった。そのメンタル的な要素が後半開始直後の失点に繋がり、後はなし崩し的に崩れていった。

Fマリノスとしては相手に弱みにつけ込む形と言えるが、つけ込む形でリードを広げられたというのが大きかった。これまでの決定力不足を考えると信じられないが、セーフティリードに持ち込んだことで、完全に勝利を確定させた。うーん、信じられん。

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6-0!6-0!6-0!

実感高まるアグレッシブなスタイル、生まれ変わったような決定力、そして最後まで維持された集中力、良いゲームをしているのは間違いないでしょう。そういうのを見てくれているからか、サッカーの神様もこちらを味方してくれる。選手のイキイキとした顔を見るだけも、チームの充実ぶりが伝わってきます。

そういう充実感は点差だけでなく中身の伴ったものというのもあるのかな?様々なプレーディティールは研鑽されて質を高めている。選手間のコンビネーションも方向性を得たことでどんどん良くなってきている。やり方がはっきりしていることで自分の活き方を見つけ始めた選手がいる。好循環です。

又、2試合連続の無失点も喜ばしいこと。前からプレスを掛けてくれるので後ろとしては負担が減っているというのもあるだろうけど、何よりも最後まで集中力を切らさずにプレー出来るようになってきたのが大きな前進か。

ま、でもこのゲームはこのゲーム。大分戦含め展開がマリに向いたと言うことだけで、実際これだけの力の差があるかと言えばそうでもないはず。その辺は謙虚に受け止めたいね。課題もある。サブが入るとクオリティを維持出来ないこと、セットプレーに置ける得点力、ビルドアップの質含めた遅攻の質、ご都合主義でないリスクマネジメントなどなど、やるべき事は沢山ある。

特にこれから又連戦なだけに、サブ組の融合は大きなポイントになってくるはず。彼が入ることでゲームの空気が変わってしまうことを考えると、戦術が浸透しきっていないと言うのが垣間見える。意識的な側面含めて、更にクオリティを維持出来るグループを広げていかないと、ジュビロ戦と同じ穴の狢になる可能性は否定出来ない。まだまだ兜の緒を緩めるわけにはいかないよ。

でも、やっぱり良いゲームでした。こんなに幸せな週末はないね。

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ま、目は既にふろん太戦に向いてますよ。今週は直接スカウティングもしてきたし、観戦のお供じゃないけど、ふろん太戦に向けたスカウティングレポートでも書いてみようかと画策中。ま、休みじゃないんで書けるどうかは分からないけど。と言うことで、ここまで。

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Comments

いたさん、こんばんは。
お久しぶり、ナツキです。

楽しく拝見させていただきました。詳しい解説で本当に助かります。
いたさんが書いているように、大分戦の結果は嬉しいけど、冷めている自分がいて
次の新潟戦は不安がつきまとっていたのですが・・・
蓋を開けてみたら、大分戦を上回る6-0!
「これは浮かれちゃっていいの?」って感じで、さすがに顔がしまらないw

確かに、運が良かった試合だったのかもしれませんが、
選手たちが口にする「自分たちのサッカー」がチームに浸透し始めているという結果でもあると思いたい!

でも、正直これでトップグループのチームへ挑戦権を得たところでしょうか?
次節の川崎戦がいい判断材料になりませんかね?この好調が上位に通じるものなのか?本物なのか?

今年初めての生観戦!笑顔で帰れる事を期待してチケ買いましたw

Posted by: ナツキ | May 01, 2007 at 10:19 PM

ナツキさん、こんばんわー。お久しぶりですー。

いえいえ、今回はちょっとアバウトだったかも、と反省しているところです。
やっぱり浮かれちゃいますよねー、でももう今日なのでしっかり切り替えて、試金石となる一戦を見つめていきたいと思っています。

運が良かった要素は多分にあると思いますが、チームがやろうとしているサッカーは確実に積み上げられていると思います。
僕は、あのラッキーな追加点がなくても、勝てていたんじゃないかと思っていますし(たられば、ですけどね)

トップグループですかー、んー、まだそこまで思えないかも……。双方向性の持たないチームは研究されると脆いですし、展開の向かないゲームではまだまだ課題が残っていますから。

ただ、ふろん太戦は間違いなく今のサッカーを判断する上での試金石となるのは間違いないと思います。そんなに簡単ではないと思いますが、今の勢いを信じてみたい気持ちにはなっています。ま、挑戦者として思いっきりぶつかるだけですね。

初観戦ですかー!イイ試合になるとイイですね、てか、笑顔で帰れるように!

ではでは、又よろしくお願いしまーす。

Posted by: いた | May 03, 2007 at 01:50 AM

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