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May 22, 2007

乖離@J1 第12節 Fマリノス vs FC東京

「偶然の勝ちはあっても、偶然の負けはない。」

そういうこと。

まだまだ、へこたれないよ。

2007 J.League Division1 第12節

Fマリノス 0-1 FC東京 @ 日産スタジアム「乖離」
FCTOKYO:69'福西崇史

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"油断大敵!"、DF那須大亮"坊主にしてこい"、栗原勇蔵"君の判断は正しい"、中澤佑二"ガチンコ完勝"、小宮山尊信"頼れるコミーにも限界有り"、MF河合竜二、吉田孝行(→62'狩野健太"自信持って!")、山瀬幸宏"良かったときはどうしてたっけ?"(→74'ハーフナー・マイク)、FW坂田大輔"止まるな、決めろ、考えろ、じゃなきゃ坊主"(→81'乾貴士"あれで入れられても、ねぇ")、大島秀夫"要求しろ、怒ってでも。それだけの質を備えている"

FC東京スタメン:GK土肥洋一、DF徳永悠平、今野泰幸"邪魔です、邪魔邪魔邪魔"、藤山竜仁、鈴木規郎、MF伊野波雅彦、梶山陽平"キー、憎たらしい"、川口信男(→60'石川直宏)、ルーカス(→68'福西崇史"ファーストインパクト")、リチェーリ"黒い弾丸"(→89'浅利悟)、FWワンチョペ"ガチンコ"

黒い雲に覆われつつも、日も差して観戦日和の日産スタジアム。近場のアウェイであるFC東京サポーターが多く詰めかけたこともあってか、ここのところ20000人にすら果たせなかった観客数は25000人を数え、この辺は嬉しい限り。

そんな中でのスタメン、まずFマリノス。研究しつくされて完敗を喫した後のゲームと言うこともあってナイーブになったのか、相手のリチェーリを意識して右サイドバックに那須を起用。それ以外はいつもと同じスタメン。対するFC東京は、前節快勝の流れを組んでか、体調不良のルーカスや香港帰りの伊野波、梶山なども強行出場させて、前節と同じ11人を並べた。

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試合展開

互いが互いのプレッシングを警戒していたかんのあった立ち上がりだったが、先にそのプレスを機能させ始めたのはFマリノス。前への意識高くプレッシングを掛けることで攻撃構築をさせず、奪った後は完全にマッチアップに置いて優位となっていたオーシのポスト、積極的なコミーの攻撃参加から相手を攻め立てる。

しかし、時折見せる鋭いカウンターで脅威となったのがリチェーリ。左サイドでボールを持つと、マッチアップしていた那須を翻弄して鋭い中へのカットインを見せるなど、怖さを感じさせる。それでもチャンスの数としても上回るFマリノスの攻勢は緩まない。坂田に何度かチャンスが訪れたり、コミーの鋭い突破が局面を動かすなど、ゴールに近づいた感もあったが、最後の所で崩しきれなかったり、決定機を欠いたこともあってゴールは奪えず。結局前半はスコアレスで折り返す。

後半になるとFマリノスのプレーヤー達の動きが鈍り始め、前半は耐え忍んでいたFC東京の動きが勝り始めることで、前半の展開から一転。梶山の攻撃に絡む回数が増えたことで、幅広くボールが動き、Fマリノスは奪い所を定められず、劣勢を強いられる。攻勢に晒される中でディフェンス陣は何とか水際で踏ん張りを見せるが、前半実効力を見せていたポストワークや左サイドが警戒されて拠り所を失い、守→攻の切り替えのスイッチも"疲れ"とイメージの不具合という接触不良からうまく作動しない。ポゼッションからの攻撃構築も相変わらずビルドアップの拙さが表面化しており、攻撃面での光明が見えてこない。

疲労感がありありと見え、フレッシュな選手を必要としていたのはどうみてもFマリノスの方だったが、先に動いたのはヒロミ。押し気味の展開を更に加速させようと、川口に代えてナオを投入。Fマリノスも遅れて疲れの見える吉田に代えて狩野を投入。この交代策はヒロミに軍配が上がり、更にFC東京の勢いが加速すると、彼の切った2枚目のカードが展開を動かす。風邪で体調不良のルーカスに代えて、ベンチを温めていた福西を投入。そして交代直後の福西のファーストプレー、緩いプレッシャーをくぐり抜けてかなり距離のある所からループ気味のミドルシュートを狙うと、弧を描いて中途半端に前に出ていた哲也をあざ笑うかのようにゴールに吸い込まれた。相手の隙を見逃さない福西らしい狡猾なゴールだったが、虚を突かれた哲也のポジショニングが全て。

これで追いかける展開になったFマリノスだったが、攻撃面での停滞感は拭えない。前半派手な活躍を見せたコミーの左サイドは強く警戒されて実効力を生み出せず、攻守に危ういプレーの連続で自信が消え失せた那須の存在が右サイドは閉塞させる。結果、両サイドが完全に沈黙。中央を崩そうにも、疲労からレシーバーの主体的なアクションは生まれず、可能性は薄い。ビハインドで攻めに出たいのに攻めに出れないというもどかしい流れの中で早野氏はようやく決断を下しマイクを投入で、前線に更なる高さを加え、その後には乾を投入してみるモノの、チーム全体での意思統一が図りきれず。パワープレーは、まともなビルドアップが出来ないこともあって、真正面からボールを放り込むという頭の悪いプレーに終始し、乾もほとんどボールを持てず、この交代策が不発。結局スコアは動かせないまま、偶発的な一発がゲームを分ける形でFC東京は連勝、Fマリノスは連敗となった。

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勝負の綾

運、といったらそれまでだけど、小さな要素が差を分けた。

流れが向いていた中で決めきれず、自らの愚策が首を絞めたFマリノス、対して展開が向いてきた中でのそれにそぐう交代策をして結果に繋げたFC東京、どちらに勝利の女神が微笑むかといったら後者の方だろう。チームの完成度であったり、クオリティはそんなに変わらない、むしろ上回っていた感があっただけに、自ら勝負を手放した感の強いゲームだった。

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自滅、不運、力不足。全てが当てはまるゲーム。結果に関しては、過ぎたことを言っても仕方ないから、次に切り替えるしかないわけだけど、中身を見ると少々不安を感じるゲームだった。

やろうとしていることは確かに大枠では間違っていない。ただ、チームとして幅であったり、柔軟性を得ようとした結果、共有していたイメージが段々乖離していくというか、バラバラになりつつあるのかなと。それをこの試合でより強く感じた。

ま、選手達が発していた言葉であったり、少しずつ変化していったプレーの傾向を考えれば、少しずつおかしな方向に向かい始めていたのかも知れない。

ハードワークという犠牲のもとに成り立つフルコートでのプレッシング。全力を尽くしてプレーしているはずなのに、相手の対策であったり、自分たちの体力的な問題が効力を薄めていく。そうなると、費用対効果が悪くなって、選手達の中に疑念が沸く。

チームとしてボールを繋げるようになっていく、美しいコンビネーションも表現出来るようになる、ドリブルとパスとダイナミズムが綺麗に重なる、もちろん素晴らしいことであるのだけど、綺麗な攻撃の成功体験が選手を酔わせていく。そうなると、華麗なプレーに固執し、状況を的確に把握したプレーセレクトを狂わせていく。

一人一人がそんな考えを持ち始めると、戦術のもとで自然と重なっていたイメージは乖離していく。追い込むタイミングと連動、スペースと足元でのボールの引き出しのバランス、そしてひとつのプレーの狙い……。それが、この日のプレーのクオリティにはね返っていたように思う。

戦術には、選手に同じ事を考えさせ、同じ方向を向かせてプレーさせるという効果がある。しかし、柔軟性や幅を求めた結果、その戦術が持つ求心力を失いつつあるのも又事実。進化に繋げられるか、再びカオスに引きづり込まれるのか、分岐点に立っているのかも知れない。

もちろん、戦術だけじゃない。選手個々のパフォーマンスも余り良くない。疲労感から動きの量が落ちている訳だけど、その動きの質も落ちている。判断もあやふやになって、選ぶプレーも頭の悪いプレー、無駄なプレーの割合が増えている。色々な部分で、良いときと比べると悪くなっているのは紛れもない事実である。嵌らなかった、と断罪してもいいけど、嵌らなかっただけが原因じゃない。マリの選手達は良いプレーが出来なかった。こういった要素が、この敗戦の真理なのではないかと思う。

ホームでの2連敗、無得点、蓄積疲労、さらけ出された弱点……ネガティブなモノが噴出してきてしまった。でも、僕は絶望もしないし、悲観もしない。進化の過程の中では失敗もあるだろうし、葛藤も生まれて当然。明確な答えがないからこそ、様々なトライを重ねる必要があるのだと思うし、トライに伴うエラーも受け入れなければならない。失敗は成功の母、そんな言葉があるように、必要な過程だと思うから。そして何より、今のFマリノスには帰る場所がある。迷ったら、原点に立ち返ればいいんだから。次よ、次。

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*じゃ、選手のこと。てゆうか、那須。ボールを持つ事に恐怖感を抱いてしまう選手となっている今、彼にポゼッションを担う力はない。前半思い切って前に出ているときはまだ良かった。でも、リチェーリに仕掛けられてから、恐怖感から彼のパフォーマンスが狂っていった。顔を出すべき場面、上がる場面で上がれない、少しのプレッシャーでドタバタしてまともにボールを繋げない。全体的に躊躇を伴い、迷いと恐怖感に苛まれるパフォーマンスとなった結果、右サイドが死んで、片翼飛行というバランスの悪さがチームを苦境に陥れた。色々なエクスキューズはあるのかも知れない、でも、ピッチに立った君は勇気の欠片すら感じない臆病者だった。そして、臆病者は今のチームにいらない。そろそろ、吹っ切れよ、いつまでびびってるんだよ。

*幸宏もあんまり良くなかった。技術もあるし、可能性のあるプレーもある。ただ、良かったときと悪かったときの差はプレーセレクト、判断。この日の幸宏はプレーに抑揚がなかった。中盤では簡単な繋ぎ、アタッキングエリアではアイデア溢れるプレーみたいな、メリハリを意識してプレーしないと。幅広く動いて、ボールに絡めるようになっているから、後はプレーであったり、それに伴う判断のクオリティにこだわって欲しい。

*この日良かったのはセンターバック、佑二・勇蔵とも大車輪だったね。高いワンチョペとガチンコを繰り返しながらも、漏れてくるリチェーリを塞ぎ、危ういカウンターを何度も凌ぎと、勝負を繋ぎ止めてくれていたのは、非常に価値のあるプレーだったと思う。出来れば、このプレーに前が応えてあげたかった。そしたら、素敵なゲームになっていたのに

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色々なことが頭の中ぐるぐる回っていたわけですが、今年はやっぱり一筋縄ではいかないのかナー、と改めて思い直しちゃいますな。ま、調子が良くなって浮かれ気味だったから良い薬ですよ。反省反省。ま、今年は我慢の年、堪えて堪えて、その我慢が未来に繋がると良いなー、なんて思うことにしてます。ま、これからですな。ということでここまで。

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*FC東京のこと?ナオが出てきて嬉しかったのは内緒。マリと違うところは、カウンターに出やすい形が出来ているということかな。プレッシングに置ける連動感であったり、中盤での繋ぎにはムラがあるけど、リチェーリであったり、ルーカスであったり、独力で何とか出来る選手がボールを受けやすい形を取っているから、スムーズに攻撃に移れている感がある。リチェーリはA契約にするのかな?じゃあ、イデオンみたいな外人は放出かな?しかし、今野が凄かった……。絶対あのセンターラインは崩せると思ったんだけどナー、今野の危機察知能力+対人能力に御されたね。坂田が仕事しなかったこともあるけどさ。

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Comments

以前にもコメントさせていただいたとおり那須ユニの私ですが、この試合でのパフォーマンスは擁護のしようがありません。相手ボールホルダが自分サイドに目をやるだけで、5mくらいポジションを下げていましたから…orz

他の選手も全体的に低調でした。それだけに、中澤の凄味が伝わる試合でもありました。キャプテンとして、下を向いているチームをプレーで鼓舞しようとしていましたが、最悪のベンチワークがそれを阻止してしまった形でしょうか。

毎度のように、あのような状況で投入される乾やマイクに与える心理的なマイナスが、単なる一敗以上の悪影響を彼らに与えなければいいのですが。

Posted by: mone | May 22, 2007 at 11:01 AM

moneさんこんにちわー、moneさんにとっては辛い週末になってしまいましたね。

>那須

自信喪失、恐怖感など、ネガティブなメンタルがもろに反映されたパフォーマンスでしたね。チームに必要な選手だと思うので、何とか立ち直って欲しいんですが、こればっかりは……。

>佑二

佑二のワンチョペとのガチンコ対決は白熱してましたね。前節ふがいないパフォーマンスをしてしまっただけに思うところもあったのですが、何よりも非常に強気のプレーが素晴らしかったです。何とか彼のプレーが選手達に伝われば良かったのですが……。

>マイク&乾

ま、流れを変えれる特徴を持った選手ですし、使い方自体は決してネガティブではないと思うのですが、チームとして共通意識を持たないまま中途半端に使われてはなかなかイイパフォーマンスを示せないというのは、不安になってしまいますね。迷いが出なければいいなーとは思いますが……

ま、とにもかくにも、今は苦しい時期と自覚してぐっと堪えたいところですね。明日の試合で、浮上にきっかけ……掴めると良いなぁ……。

ではでは。

Posted by: いた | May 22, 2007 at 11:35 PM

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Tracked on May 23, 2007 at 05:19 PM

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