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April 07, 2007

Passage point,Turning point@BeijingOlympic 2008 A.Qualify 2nd Round vs シリア 

*ものすごーく遅いですが、スルーしたくないのでやっちゃいます。

うん、変わった。うん、目覚めた。このゲームはきっとターニングポイントになる。3試合目だけど、ここがスタートライン。

Beijing Olympic 2008 Asian Qualify 2nd Round

Japan 3-0 Syria @ National Stadium,TOKYO
Japan:16'A.Ienaga 24'&71'S.Hirayama

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U-22日本代表スタメン:GK西川周作"帰ってきた守護神"、DF青山直晃、伊野波雅彦、水本裕貴"先駆者として"、MF本田拓也"汚名返上"、梶山陽平(→87'上田康太)、水野晃樹、本田圭佑"乗れないエゴイスト"、家長昭博"クラック!"、FW李忠成(→63'カレン・ロバート)、平山相太"エースってやつ"

うららかな春の陽気のおかげか、伝えられたような閑古鳥の鳴く寂しい雰囲気とはならなかった国立競技場。2次予選最大の山場となるシリア(ワールドユースベスト8と言う実績を持っている年代)との対戦に、不安と期待が入り交じる。

そんな中でのスタメン。マレーシア戦でのふがいないゲームの後と言うこともあり、大幅な変更も示唆されていたが、基本的にコアメンバーは変わらない。ただ、ゴールマウスにこの世代最高のGKと言っても過言ではない西川が戻ったこと、チームの秩序を担うプリメイロボランチを青山敏広から本田拓也、そしてこれまでの1トップ2シャドーという形を崩し、天才ドリブラー家長にトップ下で最大限の自由を与え、前は李と平山の2トップするなど、各所に変更点を伴った。

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試合展開

立ち上がり、アウェーのシリアがスピーディな流れから右サイドの強烈なスピードを持つ選手を中心に攻めたて、日本はその勢いに押される。何とか相手の攻撃を御しながら、相手の形にアジャストしたかったが、相手のアタッカーの実効力に引っ張られる形で中盤でのバランスが崩れ、中が空くようなシーンが散見。少々劣勢の立ち上がりの中で続けざまのセットプレーの流れ、セカンドプレーからアーリー気味にグラウンダーのボールを流し込まれると、水本が振り切られる形でゴールを奪われるという悪癖が露呈。しかし、このプレーはファールで日本は救われる。

ファールとなったから良かったとは言え、微妙な判定。点にならなかったから良かったけれど、完全に虚を突かれて振り切られたことは反省すべき。こういう意識ではセットプレーの失点は減らない。

しかし、日本も攻撃面ではイメージを感じるプレーの連鎖から質を感じる攻撃を見せる。早くボールを動かす意識を持ち、大きなサイドチェンジ、ダイレクトでの裁き、ミドルシュート、前線への飛び出し含めた流動的な動きと、緩めのシリアディフェンスを揺さぶっていく。ゲーム展開として攻めている方が強いと感じさせる中で、ゲームを動かしたのは天才の一発。

水野が右サイドでボールを引き出すと、彼のキープに反応してオーバーラップを掛けた選手、そして逆サイドフリーとなった家長という選択肢の中で、大きなサイドチェンジを選択。これが家長に収まると今度は左サイド本田がサイドを駆け上がる。しかし、サイドを使わず家長は中に切れ込み、そのまま右足一発!これがすり抜けるように人垣を抜け、右上隅決まった!!!利き足ではない右足から放たれたミドルはもう脱帽。自由に動きゲームを動かし続けた彼が点を獲るというのはチームにとっても大きいゴール。
シュートは言うまでもなく素晴らしいんだけど、そのゴールに繋がるプロセスも素晴らしかった。水野が持った時のオーバーラップ、家長が持った時のオーバーラップ。これらのデコイとなるランニングが複数の選択肢を生み、相手に狙いを絞らせない事に繋がり、そして質の高いプレーを影でアシストした。技術を活かすデコイラン、非常に良いプレーだった。巧です←使ってみたかった

このスーパーゴールで風は日本に吹いた。バランスの悪かったディフェンスは、本田拓也が好ポジショニングと激しいボールサイドへのアプローチで次々とボールを刈り、早いタイミングでアタッカーにボールが渡ってはシリアディフェンスを脅かす。そして勢いそのまま、右サイドで得たFKを水野→平山でホットライン開通。チャンスを生かしてセットで加点、これまでにない順調なゲーム展開に持ち込んだ。前半は2-0で折り返す。
このセットも本線のプレー(水野の糸を引くようなアウトスイングのキック、そしてしっかりと押し込んだ平山のストライカーとしての仕事ぶり羽茂論素晴らしかった)を呼び込むプレーがあった。その立役者が李。彼が引き気味のポジションからスピードに乗ってボールに合わせるアクションをしたことで、自らはマーカーを振り切り、平山のマークを釣った。李に釣られたことで平山はエアポケットの中でフリーとなり、彼には自分のシュートを打てる状況が作られた。当たり前のプレーだけど、これをやり続けるのはとても良いことだった)

後半立ち上がりこそ、巻き直してきたシリアの攻勢に合うモノの西川中心にしっかりとストップ。逆に攻撃に出れば、シリアの緩いプレッシャーは日本の勢いを削ぐには至らず、水本が機を見てオーバーラップを仕掛けたり、波状攻撃から家長のループ、平山の強烈なシュートと惜しいチャンスを作る。追加点が取れそうで取れない日本は李に代えカレンを投入、するとカレンの良い仕事が3点目を生む。

中央梶山が鋭い楔を打ち込むと、カレンがダイレクトで平山へ流す。スペースに出たボールに平山が反応し、ディフェンスと競り合いながら抜け出すと、飛び出してきたGK、そしてDFの状況を冷静に判断して空いたニアサイドにびしっと決めて3点目。相手のGKがDFのプレーを判断しきれなかった甘さはあったモノの(ディフェンスはファーを切っていたのに、ニアにシュートが飛ぶのを予測していなかった。この辺はシリアに秩序がなかったと言えるか)、平山はエースとしての重責を果たす2ゴール。カレンのエスプリの効いたプレーも素晴らしかった。

この後、交代で出場した枝村が彼らしい飛び出しを見せたり、カレンもノーゴール記録を払拭しようと積極的にゴールを狙うなど、最後までペースは明け渡さず。超絶得点機を不意にするなど、完全に叩きのめすには至らなかったが、2次予選最大のライバルと見られていたシリアに力の差を見せつけた。

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勝負の綾

立ち上がり、あのシリアのゴールが認められていたら、焦りや危機感によりメンタルバランスを崩し、ゲームが変質した可能性はある。しかし、力的には上回る日本がしっかりと自分たちの力を発揮出来ていたことを考えれば、やはりこの勝敗は動かなかったのではないかという気がしてならない。

元々、個々のスキルや武器は一級品。それを発揮出来る術が見いだせれば、アジアレベルであればどのチームでも倒せるだけの(圧倒するとまでは言わないが)力を持つチーム。ましてや、相手はコンディション的に万全とは言えず、ディフェンスに置いても秩序もなく、「攻めるだけ」のチームだった。となれば、日本の勝ちは必然だったと思う。

*反町監督も会見の冒頭で言っているように、シリアのコンディションが悪かったという要素も確かにあると思う。アプローチもおざなりで、ボールを奪うという意思を感じないような無気力なディフェンスには、そういった要素が表現されていたかも知れない。そう考えると、会見での「評価しづらいゲーム」という評価にも合点が出来る。これからプレーを制限してくる相手に対して、どのようにプレー出来るのかというのがチームとして取り組んでいくべき課題であり、評価のポイントなのかも知れない。

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とにもかくにも、ようやくこの世代が誇るタレント達がその持つべき力の一端を見せ始めたことを何よりも喜びたいですな。相手が自由にやらせてくれたとはいえ、質の高いプレー、可能性を感じるプレーを各所に表現出来た訳で、それは確かな前進といえるものだったと思う。

空いてくる両サイドを大きな展開で利用する。平山と李が互いに意識し合うことで常に二つの選択肢を作る。機を見て後ろからも飛び出してくる。多くの選択肢と個々の技術力、こういう要素を揃えれば、日本の攻撃は可能性はどんどん高まる。そういう部分が表現されたのはとても喜ばしいこと。で、攻守の媒介となることで攻撃を流し、ボールサイドに寄り局面的に数的優位を作り、持ち得る才覚を存分に発揮する形で局面打開をしたりと、自由を与えられた事で絶大な存在感を示した家長の仕事ぶりは特筆すべきモノ。もちろんこれがファイナルアンサーではないにしても、一つの答えが見つかったことはこのチームにとっては福音となるのではないかなと。

ただ、課題もまだまだ残っている。持ち越しとなった相手によってばらついてしまう「メンタル」、守備スタイル的に相手の出方に合わせなければならない「アジャスト」、主導権を握り返すための具体的な「ディティール」、こういう曖昧な要素は日本の足を掬う可能性を秘めている。特にこのゲームでも露呈したけれど、立ち上がりマンマーキングをする上で相手にあわせて自分たちがアジャストするのに時間が掛かってしまうという要素は、これからを考えると落とし穴となり得る構造的な弱点。シビアなゲームになればなるほど、この隙が自分たちの首を絞めることに繋がりかねない。選手達の判断力、適応力という部分に掛かってくるけれど、試合経験を積み、迅速にアジャストして、安定した守備に移れるようになる必要性があるのかなと。

ま、とにもかくにも、このゲームの最大の感想は「安堵感」。メンタルが原因とはいえ、ああいうプレーを続けていたから、心配は心配だったしね。じゃ、気になった選手の個人評を。

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・まずはやっぱり家長、だね。かなり広範囲に動き回ってボールを引き出し、前を向いてボールを持つことで周囲の動き出しを引き出し、自らも突破を図って局面打開をはかりと、攻撃の波は彼を中心に引き起こされた。チームとしての狙いと彼のプレーディティールが一致したかというと必ずしもそうではないと思うのだけど(前方向にベクトルを向ける傾向にあるこのチームのサッカーと、かなり自由に動いてプレーを組み立てた家長のプレーは反町監督の目にはどう映ったのかな。俊輔のプレーに対して嫌悪感(ポーズかも知れないけど)を示したオシムたんのことを考えても、何となく評価が高いとは言えない気がする)、質の高い技術やセンスはこの世代でも最高峰であり、彼が実力を発揮すればこれだけのプラスをチームに還元出来ると言うことが証明された事も又事実。それをチームに組み込めるとしたらそれも又マイナスではないと思う。

・で、この試合で良かったなぁと思ったのが、水本と本田拓也。水本は守備では少々苦労してた感もあるけど、守→攻という部分での切り替えは先駆者のモノだった。本田拓に関しては、これまで走り回るだけでポイントを抑え切れていない感じがあったのだけど、この試合はハードな局面でのプレーと展開への読みを伴うポジショニングの良さが非常に目に付いた。起点がある程度絞られていたと言えるのだろうけど、あそこでカウンターの芽を摘む行為はとても意味のあること。攻め上がる選手達に勇気と安心感を与えていた。技術もアイデアも秘めているのかな、大学でどんなプレーをしてるんだろ。

・気に掛かるのは本田圭佑。どうもゲームの波に乗りきれない。確かにこのチームにおいて課されるオーダーは多い。そういう部分では頑張っていると思う。ただ、自らのプレーリズムを前に押し出す余り周囲との速度の誤差が生まれやすく、かといってそのエゴイスティックなプレーセレクトが何かを生んでいる訳でもない。彼のプレースタイルを考えればフリーになって、質の高いキックを蹴れる状況を作ることにプライオリティを置くべき。三ツ沢での横浜FC戦でもそうだったから、メンタル的にちょっと天狗か?

・あとは・・平山と李ね。凄い良かったと思う。平山は元々優れたフィニッシャーであり、シューターだと思うのだけど、モダンフットボールの中で必須要素となるチームでの基本ワークには問題があり、そういう部分に忙殺される傾向が強かった。ただ、この日は李と縦の関係で距離感を保ちながら、仕事を分けたことで平山自身ゴールを獲る仕事にある程度比重を置けるようになったことが結果に繋がっているかなと。コンディションが良かったこともあって、動きの幅が大きく、積極的なプレー(へたっぴなドリブルとか)も見られただけに、この調子を維持して欲しいところ(リーグでもゴール欲しいね)李の存在は思った以上に大きいのかも知れない。カレンも頑張ってたけどね。

・ライフワークとなりつつある梶山観察。これまで彼がプレーのリズムを握る感が強かったけど、攻撃のタクトを家長に預けたことでボールタッチは減ったかな。ただ、そこで消えてしまうのではなく、最前線を常に見据えながら受け手として良いプレーをしていたことに成長の跡を感じる。ま、物足りないっちゃ物足りない気もするけど。(こういう形で使うなら彼を使う必要があるかというと微妙)

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ということでここまでかな。4/18のシリアとのアウェーゲームがちょっと楽しみになってきたよ。経験を積むにはとても良い舞台だと思うし、シリアも本来はもう少し強いはず。最終予選を見据えて糧にしたいゲームだね。ま、とにもかくにも最初の通過点は越えた、これで先に進めるね。良かった良かった(結構本気で心配してた)ということでここまで。

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*だいぶ延び延びですいません。今更感溢れすぎれ。でも良いゲームだったから、どうしてもやりたかったんです……

*しかし、このゲームで多少反さんの首筋は保護されたかな。こういうゲームさえしていればオシムたんにかみつけないから、その代役と言わんばかりに反さんにかみつく人たちを黙らせることが出来るんじゃないかな。でも、一つだけお願い。裕介と狩野見てくれよー、凄い良いんだよ。かなり出来る子なんだよー。今は連戦だから連れて行かれると困るけど、やっぱり彼らにも質の高い経験を積ませてやりたいんだよー(超個人的願望)

*しかし、今週は厳しかったなぁ……でも、今日明日は楽しむよ!今日はトップ、明日はユース、溜め込んだUCLも消化して、他のJの試合も見て……うわ、サカヲタ……、悪かったな!

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