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March 07, 2007

The best team which disappears@06-07 UCL Round of 16 2ndLeg Liverpool vs Barcelona

早起きしても、仕事中眠くなっても、見る価値がある。やっぱりドキドキしちゃうもん。ということで、UCLのセカンドレグから一番注目度の高いであろう試合を。

06-07 UEFA ChampionsLeague Round of 16 2ndLeg
Liverpool 0(TotalScore 2-2[A.G. 2-1])1 Barcelona @ Anfield
Barca:75'E.Gudjohnsen

リバプールスタメン:GKレイナ、DFフィナン、キャラガー、アッガー、アルベロア、MFジェラード、シャビ・アロンソ、シッソコ、リーセ(→77'ファビオ・アウレリオ)、FWカイト(→89'クラウチ)、ベラミー(→68'ペナント)

バルサスタメン:GKビクトール・バルデス、DFテュラム(→71'グジョンセン)、プジョル、オレゲール、MFマルケス、シャビ、イニエスタ、デコ、FWメッシ、エトー(→61'ジュリ)、ロナウジーニョ

ほとんど負けのなかったカンプ・ノウでの失意の敗戦から2週間、ディフェンディングチャンピオンに課せられた課題は2点差以上の勝利。欧州では堅牢かつ堅実なフットボールが目立つリバプール、歴史あるアウェイ、天敵ラファエル・ベニテスと難題は尽きないが、近年ほとんど出ていない連覇を目指すチームにとっては乗り越えなければならない最初の壁か。

バルサは、スタメンから攻撃姿勢を前面に出したラインアップ。3バックで1アンカー、その前にデコ・シャビ・イニエスタと抜群のテクニックとアイデアで違いを生み出せるMFを全員ピッチに立たせ、前線もメッシ・エトー・ロナウジーニョとベストメンバー、万全の体制で臨む(メンバー的には。リーガでは首位攻防戦に敗れるなど、状態は良くない)対するリバポはスタンダードな4-4-2。4-4のゾーンで相手の攻撃を抑制しながら、カイトとベラミーでカウンターを狙うという意図か。

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試合展開

序盤から主導権を握りにいったバルサだが、リバポが敷く高質のゾーンディフェンスに攻め手を見いだせず。逆に中盤での厳しいプレッシングに簡単にロストするシーンが頻発し、リバポに一気に攻め込まれるシーンが目に付く。ベラミーが抜け目なくラインの裏を狙われ、エリア外からリーセに強烈なシュートを立て続けに打たれてと(一本はバー直撃!)、キーとなる先制点の匂いは明らかにリバポの方に漂う。

15分過ぎからようやくボールが回るようになるバルサ、少しずつ糸口を見つけ始めたか、ダイレクトで相手をズラし、前が空いたところで突破を図るシーンが見えるようになり、徐々にゴールに迫る。しかし、リバポディフェンスも水際でクオリティを発揮し、最後の所では突破を許さない。後手に回ってアルベロア、シッソコがイエローをもらったが、メッシの突破に対して一枚はがされてもすぐさま次のカバーが飛んでくるなど、リバポディフェンスの集中力は高い(メッシへの警戒は著しく強かった)

ぴりぴりとした緊張感の中で決定機を迎えたのはリバポ。カウンター気味の攻撃から右サイドジェラードが持ったところで反応したベラミーがボックス内に進入するとそのままダイレクトで押し込む!バルデスセーブもリフレクションにカイトが反応!バルデス足ではね返すも中に入ってきていたリーセがヘッドで押し込む!これもクリアされると言った形でこれまでで最大の決定機は不発に終わる。

ゲームの流れとしては、バルサが一生懸命あれこれ工夫して崩そうとするも、それを抑えてカウンターで薄い所を一気に突くリバポが効率的にシュート数を増やすと言う展開。終盤、ロナウジーニョがこの試合初めて自らこじ開けて前オープンな状態でボールを持ったが、ラストパスを受けたエトーは前をしめられてシュートに繋げられず。結局バルサは前半シュート1本に終わった(リバポは何と10本)

後半開始時のメンバーチェンジはなし。しかし、少しずつゲームが動き始める。リバポの守備陣に手こずり続けた前半に比べてポジションを流動的に入れ替え、より中央を質量を持って崩そうとするバルサの攻撃が危険な香りを漂わせる。開始5分、中央にポジションを入れ替えたロナウジーニョがFKを獲ると(これは直接狙うもレイナの胸に収まる)、数分後には決定機。デコが中盤のラインの裏に入り込むと、ロナウジーニョへ楔、入った瞬間メッシが交差する左に流れると、ロナウジーニョがひらめきを魅せる。メッシへラストパスという予想を裏切り、ダブルタッチで2人のディフェンスをかわして自ら突破、完全に前の開けたロナウジーニョはレイナの反応を許さない同じサイドへのコントロールシュート!完全に決まったかと思われたが、このシュートはポスト直撃。その後も、左からの斜めのフィードに右に流れたエトーがヘッドでロナウジーニョへ落とし、中央よりのポジションにいたロナウジーニョはシンプルにダイレクトでシュートを打てるボールをお膳立て、最後はメッシがインサイドで合わせるもレイナのセーブに凌がれる。先制点が遠い。

リズムこそ引き寄せたモノのゴールが足りないバルサは、まだ本来のキレが戻らず実効力を示せなかったエトーに代えてジュリ、そしてテュラムに代えてグジョンセンを投入。前の厚みを増すと共に完全にロナウジーニョをセンターに据え、実効力の増してきたセンターアタックで勝負に出る。しかし、この交代策も重いスコアを動かすには至らない。リバポは再三持ち前のスピードでバルサディフェンスを揺さぶったベラミーに代えて、ジャーメイン・ペナントを投入。カイト一枚を前に残し、ペナントは右サイド、これまで右サイドでプレーしていたジェラードを中にズラし、中に厚みを増してきたバルサのオフェンスへの対抗策を施す。

この交代策、嵌ったのはバルサ。中央への警戒を強めたリバポに対して、その警戒心が受けへの姿勢を強めてボールへのアプローチを緩くし、これが遠因となってゴールに繋がる。左から右へとボールが動くと一度攻撃の流れは途切れてしまったかに思えたが、やり直しの攻撃の中でリバポディフェンスが左大外のグジョンセンを捉えきれず、グジョンセンは一発のスルーパスでラインの裏を取った!レイナの飛び出しを冷静にかわしゴールに流し込んで先制点。このアイスランド人のクールな仕事で勝負に掛かる点差は1点差、ゲームは一気に過熱。バルサはこの直後にジュリが右サイドを破り、ロナウジーニョのシュートを引き出すなど、勢いを増し、リバポの方は一層受けの姿勢が強くなる。

残り数分、激しくも慎重なボールサイドでの攻防、シビアなせめぎ合いを続ける狭い裏のスペースを巡る攻防の中でゲームは着実に収束に向かう。しかし、完全に閉じられてしまったバイタルエリアの前では、いくらバルサといえど早々決定機を生み出すことは出来ず、逆にリバポのカウンターに晒されてゲームは終了。カンプ・ノウでの2失点が響く形で、昨年のディフェンディング・チャンピオンは舞台から退場となった。

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一つのチームがピークを維持する難しさ、リバプールの国内と欧州の表情の変化、相性という軽い言葉では片づけられないぐらいのベニテスのバルサ攻略法……。ただ、一番強く思わされたのはサッカーには色々な側面があって、改めて全知全能のサッカーがないというのを感じたゲームだった。

実際、バルサがベニテスのチームを苦手にしているというデータは出ている。サッカー的に捉えれば、プレッシングとラインコントロールをうまく連動させてバイタルを締めるモダンなディフェンスと、現実的に「ゴール」を守る様なブロックディフェンスの完成度の高さがバルサを苦しめ、無理に崩しに来る逆を突いて速く流れるようなカウンターで効率的に陥れる。ポゼッションスタイルの天敵のようなベニテススタイルを苦手とするのは当然の摂理かも知れない。

ただ、昨シーズンを考えると、いくら相性があろうと、栄華を極めたバルセロナに弱点を見いだすのは難しかった。一昨シーズン前に脆さを見えたカウンターに対してはサイドバックのポジショニングやポジションチェンジによるフォアチェックの強化で補い、ポゼッションは抜群のコンビネーションと併せて最高の実効力を魅せる。ラーションのような勝負所で最高の仕事が出来る選手、イニエスタのようなリズムチェンジャーと主力と見まごうバックアッパーを備え、ピッチの中にはこのサッカーをするべく集められた最高の人材が揃う。そして魔法使いロナウジーニョ……最高に美しく、強いチームだった。ただ、時間がそれを維持することを許さなかった。選手や指導者の陣容の入れ替わり、成功がもたらす心境の変化……こういう要素が重なり合った結果、最強のチームにも変化が起き、輝かしい栄華を誇ったフットボールも色褪せてしまった。

この二つの要素が重なり合った結果、大本命バルセロナの早期敗退という結果が導き出されたのではないかと個人的には思う。ま、アウェーゴールでの結果だし、リーガでは上位に付けているわけだから、大げさかも知れないけどね(リバポもビッグクラブだし)

ま、どちらにしても、大本命が消えた。これから欧州の頂点を巡る争いは混沌を極める。面白くなって参りました。ということでここまで。今日は決戦、俊輔!魅せてくれ!

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*正直、残念な気持ちはある。バルサのゲームは好みはどうあれ、名勝負を生むからね。個人的には今シーズン絶好調のユナイテッドや名勝負再びなチェルシー(決勝トーナメントのぴりぴりする場で)、リヨンやローマと言ったバルサの跡を継ぐような面白いサッカーをするチーム、そしてセルティックとのゲームも見てみたかった。なんだかんだ言ってバルサを中心に今の欧州サッカーは回っていると思うしね。

*リバポはこれを維持出来ないから不思議だ。こういうサッカーをしてれば早々負けることはないと思うのだけど、強者であるが故不安定になる。この辺が難しいところだね。ただ、やっぱりベニたんはすげーよ。

*実はバレンシアのゲームを生で見てましたよ。ただ、レポートするようなゲームじゃなかったね。いや、ゲームじゃない、喧嘩……、いや戦争だった。試合後の話じゃ、「リベンジ!リベンジ!」とバレンシアの選手が唱えていたらしいし。それだけ、歴史が重なることで因縁や遺恨が出来て、舞台を過熱するんだよなー。この辺はJでも見たいな、ふろん太-レッズなんかはもっと熱くなってもいい気がする(喧嘩みたいな乱暴なサッカーをしろとか、ロッカールームに殴り込めとは言わないが)そしたらもっと熱のあるリーグになるんじゃないかなーと(まあパブリックイメージは悪くなるかも知れないけどさ)

*セルティック-ミランのプレビューで前回豪快にメンバー構成を外したんで、今回はやらないよ。ただ、前回の試合みたいにミランが臆病な体制で臨んでくるとは思えない。ある程度セルティックの力を掴んだから、後は勝負を決めるだけと考えているだろうし。そこに隙がある。でも、俊輔以外の選手がやらないと難しいとは思う。俊輔は俊輔ですべきことをしなきゃいけないけど、彼への警戒を解く程おめでたいチームじゃない。だから、俊輔程警戒のされない選手に頑張って欲しいな。てゆうか、1点獲れば何か起きるぞ。そこまでは我慢。やべー、楽しみで寝れない!でも寝て、朝早く起きます。

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