バタフライ・ジャパン@BeijingOlympic 2008 A.Qualify 2nd Round vs マレーシア
「醜いプレーは嫌いかね?」
「だがそれでは勝つことは出来ないよ。」
「残念ながらそのプレーは世界では通用しない。」
「その薄い羽では海を渡ることは出来ない。」
香港戦、マレーシア戦と見てきて、この台詞がふわっと浮かんだ。一人一人美しく魅力的なプレーが出来る、それはそのまま彼らの可能性。けれど、それだけでは広いアジアは渡れない。そろそろ気付こう、後悔する前に。
*上記の台詞、松本太陽の「ピンポン」より引用。有名だから結構知ってる人も多かったかな。
Beijing Olympic 2008 Asian Qualify 2nd Round
Japan:13'S.Hirayama 76'T.Lee Malaysia:81'K.Muhymeen
U-22日本代表スタメン:GK林彰宏、DF水本裕貴、伊野波雅彦、青山直晃、MF青山敏広、梶山陽平(→64'上田康太)、水野晃樹、本田圭佑、増田誓志(→80'谷口博之)、家長昭博、FW平山相太(→75'李忠成)
Jの第2節を終えて、すぐにマレーシアに飛んだオリンピック代表を迎えたのは亜熱帯特有のスコールなのか、水が浮き、時折水しぶきがが上がる劣悪のピッチコンディション。そんなマレーシアでこの予選初めてのアウェーゲーム。
その中でのスタメン、初戦での攻撃の構成力不足を補うためか、2シャドーはカレン・李から増田・家長にチェンジ。たの変更点というと、GKにこの世代では初スタメンとなる林が名を連ねた。左手骨折をしていた水野も元気にスタメンを名を連ねた。
試合展開
ピッチ状況に気を遣わなければならない状況の中で、どうもオフェンシブメンタリティが高まらない日本代表は、相手の玉際での勢いに苦慮する形。技術レベルは日本が完全に凌駕し、局面に置いてもほぼ完勝、中盤を完全に制圧しているにも関わらず、そこから最後の所を崩す工夫が出てこない。その中でのブレが、相手にボールを明け渡し、長距離でのシュートを許すなど、攻めさせる余裕を与えてしまい、どうもゲームに乗り切れない。ゲームとしては、本田のキックミスのようなグラウンダーのCKが混戦を生み、こぼれ球を平山がプッシュして先制点こそ奪ったが、見るべき所は数少なく、前半は1点のリード「しか」奪えなかった。
泥だらけだったユニフォームが真新しくなった後半、アウトサイドをより強調して攻めて行こうとするが、アグレッシブさを感じるのはマレーシアの方。玉際での激しさ、プレーの加速、前への人数のかけ方など、この気迫溢れるプレーに気圧され、更なる追加点どころか、同点にされてしまうのではないかという雰囲気さえ漂う。
展開が流れず、技術の高さもゲームの流れを変える要素にならないのは相変わらず。消極的な姿勢がネガティブに出る形でゲームが動かせない。梶山に代わってピッチに入った上田が意識高く攻撃を活性化させようとするが、選手達のプレーイズムは高まらず。それでも家長の天性のドリブルワークが右サイドを突き破り、ゴールエリアにまで近づいたところでニアに詰めてきていた李(平山と交代)が押し込む形で追加点。李はファーストタッチでのゴール。
しかし、このゲームに置けるプレーイズムへの罰なのか、終了8分前右サイドからのセットプレーから質の高いキックが入ると、GKは飛び出せず、下がりながらの対応になったディフェンスはこのボールに対して良い状況で競れない、整わない対応が仇となって高いヘディングで押し込まれ、再び1点差に。煮え切らないゲームを象徴するかのような失点。結局時間を稼ぎながら虫の息で何とかこの点差を維持してゲームを終えたが、鮮やかなジャパンブルーはマレーシアではくすんだ印象しか残らなかった。
エクスキューズはある。亜熱帯の気候、劣悪なピッチコンディション、リーグ戦後すぐ遠征という厳しいスケジュール……、難しい条件が揃っていたのは確か。ただ、そんなことはどうでもいいし、言い訳してほしくない。こんなゲームにしてしまった原因は彼ら自身の中にある。相手への敬意を欠き恐ろしく低いプレーイズム、欠片も見られない戦闘意欲、真摯な姿勢など全く見られず、力の差を過信した傲慢なプレー……、これだけのネガティブフローが揃えば、こんなゲームになるのは道理。本当に北京に行きたいの?本当にもう一つ上のカテゴリに行きたいと思っているの?もっと良い選手になりたいと思っているの?そんなことを問いたくなるようなゲームだった。
もちろん、選手だけに問題がある訳じゃない。監督のモチベーションコントロールのまずさも一因の一つ。相手がどこだろうと試合に臨む意欲や戦闘意欲を引き上げて、ゲームに臨ませるのも又監督の仕事の一つであるはず。この2戦に置いてはそういう部分では全く評価出来ない。
こういうゲームを2試合続けてしまったというのは正直危惧すべき状況だと思う。もし、癖になってしまったら、いくら素晴らしい戦術を浸透させようと、素晴らしい選手を揃えようと、素晴らしい強化日程を経ようとと、その癖が出てしまっただけでもうおしまい。こんなプレーではアジアのライバルには太刀打ち出来ない。この苦いゲームを糧にこういう悪い癖が抜けてくれればいいと願わずにはいられない。
で、少しだけ反町監督へ。
何よりも現状を把握すること。
何が出来て、何が出来ないのか。
何が必要で、何が余計なのか。
そういうことを整理することで、色々と見えてくることもあるのではないかと思う。現状に置いて、個人を並べているだけでチームとして機能はしていない。てゆうか、様々な課題が混在して消化し切れておらず、退化している感がある(グループとしては間違いなく立ち上げ初期の方がシンプルでうまく回っていた)
何にプライオリティを置いているのか未だに見えない部分もあるのだけど、チームとしてもっとシンプルに、何をしたいのかというのをはっきりさせた方が良いと思う。そして、その上で必要なモノを構築していく。正直言って、このチームには先立つものが多すぎる、バラエティに富んだ優秀な才能、賢者の難解なコンセプト、方向性の違う目標……。そんな状況の中、監督も混乱しているのではないかと思ってしまう。
反町康治は聡明で、冷静な男のはず。そして、現状を捉える力に優れ、現実的に考えられることが、彼の有している監督としての強み。今こそ、その能力を発揮すべき。ショック療法は解決策ではないからね。
*ま、どちらにしても具体的には書けないね。自分にもはっきりした答えがない。ただ、現時点では何も生まないサッカーとなっているのも確か。選手達の低いゲームへの意識もあるけど、ただ単に局面打開の期待出来る選手や蹴れる選手に預けて、何とかしてくれと現実逃避しているだけ。守備もグループとして守れているわけではなく、常にドタバタドタバタしている。お題目ばかりが先に行きすぎて選手達の方を向いていない気がするから、選手達の方向を向いた上でチームを作っていくことをしてほしいな。
楽観視するとしたら、もう少しまともな相手だったら、まともなゲームをしてくれるんじゃないかと言う気がしなくもないんだけど、どちらにせよ、もっと戦わなきゃだめだし、チームのために身を粉にしたり、泥にまみれるようなプレーを増やさないと勝てないよ。お行儀良く、格好良くなんて勝ったって、マナー点や芸術点はもらえないんだからさ。
とにもかくにも、次は普通にレポートさせてくれ。精神的なことを書くのはあんまり好きじゃないんだから。ということでここまで。
*やっと、一週間、終わったー!今週辛かったの、本当に辛かったから、ここでぐちっちゃいたいぐらいなの。。でも、終わったから良いの。今日はもの凄いすっきりしてる。明日はもっと気持ちよくなりたいねー。
*しかし、この前売りまじですか?13000ってwwwwwwwww社長に天誅下ったか!
The comments to this entry are closed.
Comments