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February 23, 2007

洗い出される課題@北京オリンピック予選壮行試合 vs アメリカ

*選手評追記しました。偏り気味ですけど、よろしかったらどうぞ。

出来ないことと出来ること、それははっきりしたはず。後は、それを修正するだけ。時間はないけどね。

KIRIN Challenge Cup 2007 北京オリンピック予選壮行試合

U-22 Japan 0-0 U-22 America @ KK WING

U-22日本代表スタメン:GK松井謙弥、DF青山直晃、伊野波雅彦、水本裕貴、MF本田拓也(→谷口博之)、梶山陽平、水野晃樹、本田圭佑(→家長昭博)、FWカレン・ロバート(→増田誓志)、李忠成(→苔口卓也)、平山相太(→森島康仁)

来週水曜日から始まる北京オリンピック予選に向けての壮行試合。こういう試合は景気づけのゴールラッシュを求める傾向にあったが、反町監督はこのゲームも強化の一貫として考えているようで、メキシコと共に北中米のトップランナーとして実績のあるアメリカを迎えて、現段階での力を図る。

その中でのスタメン。このチームのバランスを担う青山敏が発熱のため(招集はされてる)、昨年からの怪我で長期離脱を強いられている西川(もう練習は開始してるのかな)が外れているモノの、現状に置いてはある程度揃ったメンバーとなった。バックラインはA代表に招集された3人が並び、中盤中央は背番号10を付けた梶山と本田拓、両翼が本田圭・水野、1トップには平山、その下には様々な選択肢の中でカレンと最近日本国籍を取得した李忠成という選択、形としては3-4-2-1。アメリカの方はスタンダードな4-4-2。こいつら、身体の厚みがルーニーみたいなやつばっかりだ。

前半

序盤から、アメリカのフィジカルの強さにも屈せずにタイトなディフェンスと人とボールが良く動くオフェンスがうまく噛み合う形で良い立ち上がりを見せた日本。多少1vs1で牛耳られる部分があったものの、外だけではなく中にポジションをズラしてゴールを狙ったことで平山のオープニングシュートに繋がるこぼれを生んだ李のプレー、決めきれなかったモノのセンターフォワードとしてポストワークだけに固執せず、裏に抜け出してフィニッシュに絡んだ平山のプレー、積極的なボールレシーブアクションを見せてうまくボールを引き出し平山の決定機を引き出すラストパス、うまく流れに乗って攻め上がり、左サイドのランニングをデコイにうまく切り返して強烈なミドルを見せた梶山のプレーなど、チームの狙いと個人の良さがうまく噛み合う形が見えた。

ゲームの流れを掴んだ日本は、相手ゴール近くでのプレー機会が多くなるが、肝心の所では人数を裂き、しっかりと集中して守ってくるアメリカの強さの前に、チャンスを生かすことが出来ない。セットプレーなども多くなるが、右サイド水野の鋭いCKからカレンがフリーとなってのヘッドもGK正面。ゴールが遠い。

25分を過ぎると、アメリカが落ち着きを取り戻し、チャンスを生かし切れない日本から流れを奪い取る。細かいパスでゲームをコントロールしながら、ドリブルで局面を打開するプレー、中から外という形でポストを絡めてアウトサイドを使うプレーなど、バリエーション豊かな攻撃で日本を押し込むことが多くなる。序盤は縦に入ってくるボールに対して、非常にタイトにアプローチに行けていたところが(マンマークを忠実に出来ていたことの証拠かな。又、それに呼応する形で中盤の選手が挟み込めていた)、そういった要素が少しずつ緩くなることで相手にプレーが出来る余裕を与えてしまったことが遠因か。

時折速い切り替えからカウンターに繋がりそうなところもあったが、結局日本は流れを失ったまま前半を終えることに。スコアレスで折り返す。

後半

後半開始後も日本は前半から続くアメリカの流れを断ち切れない。ポゼッションを獲られ、ボールを動かされることでマークがずれて、主体的な守備がなかなか機能しない。後手後手になる中でどうしても全体が押し下げられ、前線との距離が開いたことで、なかなか前半立ち上がりのようなリズムが生まれない。そんな劣勢の中で、平山が逞しさを見せて起点を作り、フィニッシュにまで繋がる形を見せたが、散発的な部分は否めない。

悪い流れを断ち切ろうとベンチも早めに動き出す。ここまでこのチームで結果を残している増田がカレンに代わって投入。中盤を助けながら、最前線への飛び出しを期待か。この交代から少しずつ立て直しを図る日本は、ようやく後半のファーストチャンスを迎える。左サイド距離のあるところで得たFK、本田圭の高い弾道の鋭く曲がるキックはファーに向かうと、平山の走り込みヘッドは高い打点でどんぴしゃり!完全にフィットしたヘッドは決まったかに思われたが、惜しくもバー。しかし、選手のポテンシャルが垣間見えたプレーだった。

しかし、ゲームの大きな流れは変わらない。アメリカの質の高いポゼッションに対して振り回され、時折発揮される局面打開も御しきれず、押し込まれる事は変わらない。チームとしてのディフェンスのやり方も影響していると思うが、ボールを奪いに行くという部分でバランスを崩し過ぎている側面も否めず、局面を破られると普通以上に危ういディフェンスとなっていることのが気になるところ。このタイミングで本田圭、李に代えて、家長、苔口を投入。前線の活性化、そして個人による局面打開を期待してか。

その家長は、投入直後左サイド角ででかい相手二人に寄せられながら、その間をすり抜けて(しかもうまく腕で相手をこじ開けるように!)チャンスを生み出す。彼のプレーが呼び水となり、ようやく少しずつ失われていた勢いが戻り始める。セカンドボールを拾えるようになる、主体的な形でボールが奪えるようになるなど、ラインが低いことを除いては守備面の問題が改善され、そのこともあって梶山が高い位置でボールに絡めるようになり、攻撃に変化が生まれ始める。更に日本は本田拓に代えて谷口をピッチに送り出し、勢いを更に加速させようとする。

ゲームは最終局面、ホームである日本がどんどん攻勢に出る。多くのセットプレーから後一歩と言うところまで迫り、水野の素晴らしいドリブルワーク(シュートを匂わせて相手を剥がし、最後は自分の得意な右足で精度のあるシュートを魅せた。素晴らしい)からそのままバイタルに入り込んでシュートに繋げるなど、惜しいところまでいくが、それでもゴールネットは揺れない。結局、スコアは最後まで動かずスコアレスでゲームを終えた。

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「強化」という事を考えれば、これ以上ないゲームになったと思います。ある程度出来る部分、そして改善しなければならない部分が非常にはっきり見えたと思う。テーマを上げるとしたら3つ。

・苦しい状況に陥った時の流れを変える術

・ブレの大きいディフェンススタイル

・ビルドアップの質

まず一つ目、これは若年層代表のどのチームにも言える事なのだけど、相手に流れが行った時に、チームとしてどうやって流れを引き戻すのか、その術を持たないから悪い流れのままゲームをずるずる引きずってしまう。現状に置いては、中盤が押し込まれ、マークに付くシャドーも下がると、最前線に残る平山が孤立し、なかなか攻撃に出れなくなってしまうと言うのが課題として残った。

もちろん、理想論を言えば守備に置いてもある程度ラインを維持して、コンパクトな布陣を保つことがベターだと思うのだけど、それは現実的には難しい(そんな守備が出来るのなら、悪い流れにはならない。状況に応じてラインを下げなければならない時がある)。となれば、下げられた後にどうするか、相手の攻勢を凌ぐことは当然として、ボールを奪った後、相手は切り替えてプレッシャーを掛けてくる。そのプレッシャーから逃れるために、セーフティファーストに雑に前に飛ばしているだけではだめと言うこと。

必要な要素は前線との距離を埋め、バランスを整えること。そのためには前を急ぎすぎない、時間を作るということが大事になる。チームの構成として、繋ぐ選手を増やすというのも選択肢の一つだと思うし、雑な攻撃を減らすというのも選択肢。取る道は様々なのだけど、その中で一番重要なのは的確な状況判断と、少しの勇気を持ってゲームをしていくことが大事になるのかなと。注意深く、そして大胆に。これが出来れば、自分たちの良さというのはもっと多くの時間で出せるようになるのかなと。

その下の二つに関しても、基本的には判断力が大きな問題。ディフェンスも時間によってかなりブレが出た。前を狙うことで後ろのバランスを失い、局面打開を許すと数的同数のような形で攻め込まれるシーンが多数あったし、逆にしっかりと後ろからマーキングが出来ているのに次のパスコースを消しきれず、そのマークが無為になってしまうなど、まだまだ徹底しきれない部分がある。それも、状況判断が出来ていないというのが全てだと思う。でていって良いところかどうか、相手の状況がどうなっているのかどうか、そういうことを的確に判断出来るようになることでよりよくなっていくはず。

3つ目の要素であるビルドアップも言わずもがな。どちらにしても選手達は状況判断の質をより高く、早くしていくことが求められる。状況は刻一刻と変わり、それによってプレーセレクトというのを変えていかなければ現状は打破出来ない。僕はこのチームの選手達のポテンシャルはとても評価しているので、力さえ発揮出来れば素晴らしいチームになると思う。その力を発揮するための要素が「判断力」だと思う。

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追記:)はい、約束通り追記です。選手評です。選手によってバラツキがあるのは僕がどの選手に注目してるかの指標です。どれだけ梶山と反さんが好きなんだ。

松井謙弥(ジュビロ)→これまでと比べたら、安定感は増しているように思える。的確な判断とポジショニングで危ういシーンはほとんど見られず。しかし、プレーが危なっかしく見えてしまうのはどうしてだろう?

青山直晃(エスパルス)→以前このチームのスタイルとの齟齬という課題を書いたけど、早い段階で捕まえてタイトに張り付くことで前を向かせないという要素に改善が見られたのは良い傾向(悪い時間帯はあったけど)ただ、もうひとつの懸念ポイントだったビルドアップは首をひねらざるを得ないし、このチームだとなかなか本来の安定感が出てこないのが気になる。この辺は順応と経験かな。

伊野波雅彦(FC東京)→良いフィード有り、フォアリベロ的なインターセプト有りと段々このポジションが板に付いてきた……と言いたいところだけど、少々リスキーな判断も目に付く。難しいところだけど、出過ぎて2バックでの対応になってしまうようなシーンは減らしたい。そのために必要なのは言わずもがな、状況判断だね。それともっとラインを押し上げることを意識していくべき。チームの出来を左右する部分だから。厳しくなっちゃったけど、全体的には良かった。

水本裕貴(ジェフ)→高い切り替えへの意識、1vs1の安定感など、メソッドの理解者としてしっかりとしたパフォーマンスを見せた。後は周辺との意思疎通。もっとリーダーシップを獲って、MFとの連動を作ればボール奪取においての実効力は高まっていくはず。ビルドアップは青山と同様余り良くなかった……。

水野晃樹(ジェフ)→全体的に押し込まれ気味の中で、1vs1含めた守備(コースの切り方とかね)と低い位置でのプレーには正直少々不安が見える。が、時折見せるスペースランやタイミングの良いクロスなどは、やはり質を感じる。もっと仕掛けても良かったかな、家長のプレーを見ると水野のドリブルも発動すれば苦労させられたと思うし。もっと出来るはず。

梶山陽平(FC東京)→出来としては良いところ半分、もっとやってほしいところ半分かな。攻撃面では存在感さえ出れば、日本のリズムが変わると言っていいぐらい、チームの攻撃の可能性を広げる役割を担った。らしいフェイクからのミドルや視野の広さと的確なプレーセレクトを感じるラストパスはとても素晴らしかったし、連続したボールレシーブアクション(これがスタンダードに出来れば彼はもっと上に行ける)、相手の穴を見据えた飛び出しなども見せて、チームタスクへの理解が見えた。ただ、チームが苦しい時に拠り所となれなかったことが不満。あれだけボールを持てるのだから、ああいう時こそ積極的にボールを引き出して時間を作ってほしいし、全体を落ち着かせるような存在となって欲しい、ヒデみたいにね。守備は、グループの一員としてより鋭敏に反応してコースを切るなりしないと。僕はこのチームは彼のプレーが鍵を握ると思うし、持っているモノも違うと見ているので、これぐらいじゃ満足出来ないかな。もっともっと。

本田拓也(法政大)→んー、青山と比べると、感覚的に鈍い。何を指すかと言えばスペースマネジメントであったり、ボールの奪い所の反応がね。頑張ってはいたけど、壺を押さえ切れていないかなーと。後ろからさらわれそうになったりと、もう少し周囲を見て速い判断が出来るようにならないと。この試合では全般的に良くなかった。

本田圭佑(グランパス)→見所は平山のヘッドを引き出した美しい一本のキックだけ。それ以外はほとんど良さが出なかった。攻撃は押し込まれて良いポイントでボールを引き出せず、鋭いキックも余り見られず(サイドチェンジとか欲しかった)守備はアメリカのフィジカルの前に屈し、周囲との関係性も悪い。連動しきれずボール奪取チャンスを逃すシーン(CDFが前を向けない状況で落とすしかないところでレシーバーを捕まえきれずポストワークを許したり。中盤の選手全般的に言えるけど)とかは、特に。家長が良かっただけに、又ポジション争いは激しくなるか。

カレン・ロバート(ジュビロ)→平山・李との関係性も良く、ボールにも絡んで、積極的にプレーしていた印象。もちろん守備も頑張る。ただ、それだけじゃ足りないかなー。もっと実効的な要素が欲しいし、なんと言っても結果が欲しい。あのヘッドは決めたかった。良かった時のゴールへの嗅覚が出てくると、抜けた存在になるはずなんだけどなー。チームの構成を考えると(ビルドアップの悪さとかね、中盤的な選手が欲しい)、厳しい立場にいるのかも。

李忠成(レイソル)→祝・初選出・初スタメン。で、一発目とは思えない順応性の高さだった。オールマイティに何でもこなせるし、タフにプレー出来るのも魅力。ゴール前に入ってくることで平山の負担も減って彼のシューターとしての才能も引き出せるんじゃないかと思ったり。可能性のある存在だと思う。毎回思うんだけど、顔つき良いなー、鋭い目線が飢えた感じで良い。

平山相太(FC東京)→噂通り身体にキレがあり、久々に良い平山を見た気がする。ヘッドは抜群に高かったし、ファーストシュートもシューターとしての才能を再確認させるに充分なインパクト、ただ、ストライカーとして一発は獲って欲しかった。だから、完全復活はおあずけ。ポストも逞しいプレーが何度もあったし、この出来がスタンダードになるんだったら(ま、難しい気はするが)、北京への道を切り開くスピアヘッドとして期待出来る。

交代出場
家長昭博(ガンバ)→天性とも言えるドリブルワークはこのレベルでも充分通用。短いプレータイムながら、数多くボールに絡んで良いプレーを見せたことを考えれば、次はもっと長い時間チャンスを挙げたい存在。てゆうか、ウインガーで使えばいいじゃん。彼は高い位置で使えば、チームの強みとなる存在だと思うけどね。ましてや、平山があれだけ好調なら……。

増田誓志(アントラーズ)→現状に置いては必要、かなぁ。ボールを引き出して、ゲームを作ることにも力を裂けるからね。もちろん前にも飛び出せるし、守備も出来るしね。反たんの考え方次第だけど、ね。

苔口卓也(セレッソ)→惜しいチャンスはあったモノの、このゲームでは少々活きずらい状況だったか。強みをいかに発揮するかが彼の課題である、将来に繋がる重要な要素だと思う。あの速さは間違いなく可能性なんだけど。落選は妥当か。

谷口博之(フロンターレ)森島康仁(セレッソ)→出場時間短く評価なし。


反町康治(男前)→もの凄い風当たりがきついみたいだけど、きっと反さんにオシムたんぐらい威光と世間の追い風があったら批判されないと思うので(ビルドアップやら、押し込まれた後の対処法やらを批判するのはお門違い。日本で明確な対処法を示せる指導者は早々いないし、その対処法の概念すら現状ではあるのか疑問。批判に合わせて、その対処法が示されていないのはどうなのよ。言いっぱなしジャーマンじゃん。「だめだ」と批判するのは、だめな指導者の典型)、余り気にしなくていい気がする。ただ、正直言って時間は足りないと思うけど、地道に一つずつやっていくしかない。個人的に「漸進」はしていると思うから、もっと良くなるとは思うけど、その進化スピードが勝負となる予選に間に合うかになるのかなーというのは少し心配。時間がないなら何かにプライオリティを合わせてやるべきかな、個人的にはディフェンス(特にマンマーキングとその次を消すパスコース制御と言う連動)かな。攻撃はこのままでも何とかなると思う。とにかく贔屓含めて、頑張れと言いたい。

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うわ、長ぇ!全く読む人を無視したこの構成に反省しないわけでもない。Jの傾向と対策もやりますよ、忘れてませんよ。開幕までにコンプリートは間に合わないとは思うけど。と言うことで今日はここまで。

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