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January 29, 2007

未来の航路への不安 -荒波に乗り出すFマリノスを考える-

流れ的にはファン感とかをやるべきでしょうけど、柄じゃないんで。

決まったからには、腹を据えるしかない。毒を食らわば皿まで、ってか。と言うことで、めちゃくちゃ遅いですが、12/28に発表されたコーチングスタッフ発表、それに合わせての今期コンセプトを考える(その1)

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2007年度チーム編成方針・コーチングスタッフ体制について(Fマリノスオフィシャル)

怒号、悲鳴、非難、ネガティブな感情が渦巻いたFマリノスの06-07のオフ。その中で2006年のクラブの最終営業日である12/28に、来期のコーチングスタッフ、並びに細かな方針が発表された。

普段であれば、どこか一本線を引いたような運営の多いFマリノスフロントだが、多数の非難的な声や行動に揺り動かされたのか、今回はかなり踏み込んだ内容のアナウンスになっている。この試み自体はいいこと。ただ、重要なのは中身。ということで、中身をチラチラと見ていきたい。

・「2007年度チーム編成方針」について

*大量補強によるチーム力の維持という基本方針を改め、無理のない新陳代謝を進めるため、若手、中堅、ベテランによるバランスのとれたチーム編成とする。

*得点力向上を狙いとしたアグレッシブなサッカーを目指す。

*若手の育成とゲームでの積極的な起用を行う。


・2年連続のチーム成績の低迷を厳粛に受け止め、選手やゲームの評価をシビアに行った。その結果、選手の高年齢化に伴う、負傷者の続出、戦術の度重なる変更、堅固なチームワークの乱れといった問題点が浮き彫りになった。

・2002年以降、経験豊富な外国籍選手や日本代表クラスの即戦力の補強を行ってきたが、チーム成績が向上する一方、若い選手が入団を躊躇するケースも散見され、世代の新陳代謝が円滑に進みづらくなる弊害も生じてきた。

・こうした兆候に歯止めを掛けるべく、ここ数年下部組織のコーチングスタッフやスカウト体制を強化してきた結果、優秀な若手選手が昇格出来るようになった。加えて、ここ2年の低迷もあり外部からも優秀な若手選手を獲得することが出来始めた。

・来年度のチームは、若手、中堅、ベテラン選手との混成チームとし、円滑な新陳代謝を図っていく事がチーム強化の重要なポイントになる。但し、3年連続の低迷は何としても回避する事も一方では重要な課題と認識している。

・以上を踏まえ、これまでの実績のある中堅主体のチーム編成から優秀な若手選手の積極的な起用を視野に入れたチーム編成とし、それを実現できるコーチングスタッフ体制とした。従って、コーチングスタッフ達には若手の早期戦力化と世代の異なるチームを取りまとめていくチームワーク、情熱、経験の共有化を要求している。

Fマリノスオフィシャルより引用

ここ数年の低迷を顧みながら、来期に向けて、世代交代に目を向けて補強重視のチーム構成からバランスの良いチーム構成を目指すこと、アグレッシブなサッカーで得点力向上を目指すこと、積極的な起用含めた若手の育成を目指すこと、というのが主な来期のビジョンとなる様子。

細かく突っ込めば、いくらでも突っ込める。「チームの高年齢化から来る弊害」「低迷があったから、外部から優秀な若手選手を獲得することが出来た」「円滑な新陳代謝を図ることが強化のポイント」etc……低迷を正当化するような論理が展開されている気がしてならないのだけど、ま、それはあくまで過ぎた事だから置いておいて、一番気になったのは、「若い選手の成長を促して早期戦力化を目指しながら、2年連続の低迷も避けたい」という要素。確かに、わからなくない。残酷にも時間が経つにつれて全盛期が過ぎてしまい、世代交代の必要性に迫られるのは摂理。そのためには若い選手に切り替えていく必要がある。その課程を経ながらも結果を残すというのは、2年間の低迷でサポには間違いなくフラストレーションが溜まっているのも感じているからだと思う。これら二つの問題を解消するにはこういう目標設定しかない。ただ、現実的に可能なのかと言うことになると「?」を付けざるを得ない。

確かに、若い選手を主力に置いて結果を残したチームもある。昨シーズン躍進を果たしたエスパルスはその最たる例。長谷川健太監督が若い選手を我慢強く起用し続け、枝村匠馬、青山直晃、兵働昭弘、藤本淳吾、矢島卓郎といった選手達が経験を積み、それが結果に反映される事で自信を得てプレーの確信レベルが上がり、更なるチーム力の向上に繋がる……経験と自信の相乗効果とも言える成功例で、モデルケースとしてとても美しく、同じ道を歩む指針となり得る。ただ、彼らはこの裏に2005年に苦しいシーズンを送ることで、成功の糧としていたことも忘れてはいけない。降格争いに巻き込まれながらも、長谷川監督の掲げる4-4ゾーンを基盤に置いたモダンなフットボールを貫き、そして熟成させてきたからこそ、2006年シーズンで躍進に繋がったと思う。

ただ、Fマリノスにはそのような糧がない。一貫したタスクを貫いて熟成してきたわけでもなく、選手間のコンビネーションを作り上げてきたわけでもない。そんな基盤なきチームが、若い選手を迷いなくピッチに送り込めるかと言ったら、絶対的にNoだ。そういう意味でも、フロントの打ち出した方向性は浮世離れしているようにしか見えない。

又、目指すサッカーの方向性という意味でも少々疑問が残る。このコンセプトの中に記された「得点力の向上を目指したアグレッシブなサッカー」という言葉、そして会見で早野氏が語った「失点数が増えてもラインを下げない」「3トップでやりたい」と言った言葉、現実的な判断としても、僕の感覚としても、とても嫌な予感がする。水沼前監督のコンセプトを継ぐような前出の言葉は別にしても、形ばかりが前に出たり、リスクとメリットの計算なき発言は、寒気がする。

松田直樹、中澤佑二、栗原勇蔵、河合竜二、那須大亮……これだけ優秀なタレントを後ろの方に抱えていれば、ディフェンス陣が結果を残し、オフェンス陣が頼りなく見えるのも道理で、現状のチームに置いて後ろにバランスが掛かるのは必然とも言える。そんなチームに置いて、得点力不足に悩んでいること、そして日本のサッカー界において攻撃的なフットボールが流行となっていることが、早野氏、そしてフロントを浅はかなオフェンシブ志向に走らせている様な気がしてならない。

本当にオフェンシブなスタイルを作り上げたいのなら、緻密で計算されたタクティクスであったり、ピッチの上で実現するための必要な技術や意識、選手間のイメージの共有、コンビネーションという要素が必要になってくる。ただ、現状としては「ノッキングだらけのビルドアップ」、「意識を感じないパスを繋ぐための準備動作」、「バイタルエリアでのアイデア・チャレンジ不足」、「明確な狙いのない攻撃方法」、「絶対的なフィニッシャーの不在」……これだけの攻撃面における課題を抱えていて、これらはその「攻撃的なサッカー」をする上で重い足枷となるのは間違いない。チャレンジを否定するつもりはないが、これらの課題を修正し、高い質のフットボールを作り上げるというのは、正直難易度が高過ぎるのではないかと感じてしまう。ましてや、茨のシーズンを歩もうとしているチームには、非現実的なものなのではなかろうか。

どちらにしても、耳障りのイイ言葉を並べているだけで、現実的にそれを達成出来るようには思えず、そんな言葉を並べるフロントが浅はかに見えて仕方がない。勘ぐりすれば、こういう言葉を並べることで向けられている批判の矛先から逃れようとしているのではないかとさえ思えてしまう。

「再建」をより真摯に捉えるのであれば、現状の正しい把握をした上で地に足を着けた姿勢が何より必要なのではないか。理想だけでは、フットボールは立ちゆかない。

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思った以上に長くなりそうなので、分割します。シビアに書いていくつもりなんで、ご理解頂けたらと。今回は、より直球勝負です。と言うことで又次回(←ここまで真面目)

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*ここからはくだけます。ファン感行ってきました。エントランスを見学出来たり(CSのあのホーンみたいなトロフィーの頭はサントリーのマークになってるんだねぇ、知らなかった)、岡ちゃん希望の坂路が見れたり、天然芝のピッチ(の端っこ)を直に触れたり、"DJ-OzMarinos"を見れたりと、とても有意義でした、が、社長の挨拶はとても気に喰わなかったです。何がって、低迷(+チケの値上げ)の説明責任は結局果たされなかったから。「お詫びしなきゃいけないんです……、が」謝ろうと思ってるで終わっちゃって謝ってないし。謝罪するならきっちり謝りなさいよって感じ。別にお詫びされたからって、何も解決しないけど、真摯な姿勢を全く感じませんでしたよ。年チケの値上げ、今シーズンのチケット代の微増の説明責任もあるはずなんじゃないの?僕はファン感には社長と早野氏の言葉を聞くのが一番の目的だったので、全くもって不満ですよ。

*で、その後は"FMBH Awards"に行ってきました。色々な方と話せて、これまた非常に有意義でした。非常に刺激になったし、これからのFマリノスやこのブログの在り方というのを考えさせられました。それにしてもみんな濃いよ、濃い。そして熱いよ、熱い。それだけ「志(うけうりその1)」ってやつを感じましたよ。緊張してたので「心のトラックバック(うけうりその2)」が出来たかどうかわからないけど、行って良かったなぁと思いました。主催者のnariさん始め、皆様お疲れ様+ありがとうございました。で、改めて受賞者の方々おめでとうです。来年は最大文字数の部門で受賞するつもりなのでよろしくです>nariさん

*なんか小学生の感想文みたい(苦笑)あ、最後にこれだけ言わせて。

KID m9(^Д^)プギャー!!

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Comments

はじめまして。
マリノスの問題は、DFじゃなくて、FWでもなくて
どちらかといえばCDF本職の選手を中盤の底に置かざるを得なかったため
だと思います。
今期の補強にしても手堅い守備的MFを取ってないので、安定しない試合が続きそうな気がします。
レジスタタイプは何人もいますけど、今野や鈴木(啓)に代表されるような選手が
いない。上野がどちらかというとこのタイプだと思いますが、
最近のパフォーマンスは・・・
(余談:逆にFC東京は福西、今野と並べられる。。。今年の台風の目かと。)
ついでに言うと、サイドの人材も・・・
若手と外国籍が相当確変しないと、「今年は、若手が育成できました。」
以上、感想、みたいなことになりそうで怖いです。

Posted by: same | February 14, 2007 at 08:48 PM

sameさん、はじめまして。

確かにFW、DFに比べて、MF…特にボランチの選手の頼りなさは目立ちますね。

ボールをどんどん前に引き出し、良い形で前線に繋いでいくこと。ボールホルダーに対してしつこくアプローチを掛けること。リスクマネジメントに重きを置いて、DFのバランスを保つこと。そして、攻撃参加して厚みを加えていくこと。チームとしてボランチにどの要素をプライオリティを置いて欲しいのかはまだ分かりませんが、上野・河合・那須と一長一短の部分は否めず、包括的に色々やって欲しいと言うことを求めるのであれば、昨年のパフォーマンスを見る限りもの足りない部分があるのは事実です。

現代フットボールに置いて最も重要なポジションなのに、それを後回しにしてしまったフロントの補強政策には絶望せざるを得ませんが、早野氏がこのポジションに入る選手によりはっきりとした要求をしていくしかないでしょうね。ただ、「あれもこれも」、というのは能力的に難しいと思いますけど、「お前はこれをしっかりやってくれ」というのを定めてあげれば、出来ない選手ではないと思うので。ま、それも期待薄かなぁ……(遠い目)

どちらにしても、今年は我慢の年だと思います。若い選手を育てると言うことは大事ですし、未来に繋がるようなシーズンにしなければならないと思います。それは現実的に仕方ないかも知れません。まあ始まる前からこんな事を言うのも悲しいですけど。

ではでは、またよろしくおねがいします。
*レス遅れて申し訳ありませんでした。

Posted by: いた | February 17, 2007 at 10:01 AM

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