LooseBlog's J.League Awards 2006 -Shining Young Talent-
年末進行な感じの「るーぶろ」ですが(今考えた)、自分の中で毎年恒例となりつつある「LooseBlog的J.League Awards」やりまーす(ちょっとタイトル改変したけど)で、まずは去年同様"shining young Talent"、若手のベストイレブンから行きます。
LooseBlog's J.League Awards 2006 田代有三 矢島卓郎 鄭大世、河原和寿、青木孝太、柿本曜一朗、
梅崎司 柏木陽介 藤本淳吾 田中亜土夢、高橋大輔、狩野健太
谷口博之 枝村匠馬 上田康太、犬塚友輔
青山敏広 伊野波雅彦、城後寿
青山直晃 内田篤人 田中裕介
岡本昌弘
もの凄いバランス悪いんですけど、その辺はご愛敬、ベストイレブンなんてそんなモノと納得して下さい(笑)昨年同様ディフェンスに関してはなかなか出場機会を得ている選手が少ないから、選択肢がもの凄い狭いけど、その分中盤は非常に豊富。迷った、かなり迷った。目移りしちゃうよ。ま、独断と偏見でピックアップさせてもらいました。じゃ、ベストイレブンに選んだ選手を短評付きで。
田代有三(鹿島アントラーズ)
20Games(962min)/7Goals!
大きな怪我(靱帯損傷)で長期離脱を余儀なくされたルーキーシーズンの鬱憤を晴らすような大活躍(マリ戦だったから覚えてるんだな)終盤にはアウトゥオリの信頼を得てスタメン出場も増えたりと、一気に飛躍の年となった。元々、プロ入り前の強化指定で様々なクラブを渡り歩き、鳥栖には強化指定という形ながら戦力として請われるなど、その持ち得るモノは大きかったから、それほど驚きではないけれど、その能力だけではなくハートの強さを感じる選手。FWとして点を獲る責任から逃げないというのかな。エゴとも言えるけど、非常に頼もしい。7ゴールは立派だし、そのゴールも価値のあるモノが多かった印象。
プレーとして長身と身体能力を合わせたヘディングというのが目立つけど、機動力もあり、前への推進力を持ち合わせる部分に魅力。技術的にもしっかりしている。これからが楽しみ、怖い選手になっていく予感。
矢島卓郎(清水エスパルス)
19Games(657min)/3Goals
彼も又怪我に泣かされながらも、それを克服しての活躍。今シーズンの大卒No.1FWの呼び声もあったから、期待はしていたけど、確かにその評価が看板だけで終わる選手じゃないのを示していた感。ゴールの数を改めて見るとこんなもんだっけ?(カップ戦入れるともう少し獲っていると思うのだけど……)と思ってしまうけど、プレーの質は高かった。
マルキ、JJとスタメンの二人の外国人の壁は厚く、レギュラー確保とまでは至らなかったけど、出ればそれなりに仕事をしてくれる選手と言った印象。怪我をしてしまったガンバ戦の活躍とかは非常に印象深い。彼もオールマイティに何でもこなせる選手。相手の状況やチームメイトとの狙いの共有など、TPOにあわせて柔軟にプレーを変化していけるのは強みとなり得る。来期はマルキもクラブを去るようでスタメン確保のチャンスかな(フェルナンジーニョが来るけど)
藤本淳吾(清水エスパルス)
28Games(2173min!!!)/8Goals!/J.League新人王!
今期、J新人王。多分、今シーズン入団の選手の中で一番注目を集めた選手だと思うのだけど(筑波のエースプレーヤーで、入団早々希代のプレーヤーの後継者としてNo.10を背負ったり)、そのプレッシャーをモノともせず、筑波の1年先輩である兵働と共にエスパの課題であった攻撃のクオリティを担ってチームを躍進に導いたプレーは、新人王の資格にそぐうモノだったと思う。
特に印象的だったのは日本平での大分戦かな?「Fantastic No.10」というタイトルでレポートしたのだけど、その時のゴールはとても美しかった。後は、リーグ終盤の神奈川2連戦でのスパークぶり、怪我明けでイマイチなプレーが多かった中で、コンディションがようやく上がってきたところで地元相手で燃えちゃったか、神懸かったようなプレーで5得点1アシスト。90分間、そして1シーズン戦い抜くスタミナに課題こそ残したモノの、左足を核にした洗練された技術、質の高いプレービジョンはもちろん、戦術理解と順応にもレベルの高さを見せ、個人的にも間違いなく新人王。あぁ、何故マリに来なかった、何故……。(←しつこい)
柏木陽介(サンフレッチェ広島)
17Games(1321min)/1Goal/AY2006
ここは迷った。贔屓と期待値で狩野にしよう…とか、田中亜土夢も良かったし…とか、藤本中にズラして高橋も……とか思ったんだけど、アジアユースでの大活躍も考慮して選出。Jでは波が大きくて、アジアユースで見せたようなパフォーマンスが出たりでなかったりという感じなんだけど、技術、運動量、センスと全てを高いレベルで兼ね備えていて、その最高到達点の高さにはやっぱり魅せられたし、ね。
彼に関してはアジアユースの時に結構書いたつもりだから少し割愛するけど、サンフレのペトロビッチが何を望んでるのかなと考えた時、よりウェズレイや佐藤寿人と共にアタッキングエリアで脅威となることなのかなーと。ポゼッションを核に、アグレッシブに戦うチームだからこそ、ね。目に見える結果を残して、上を狙って欲しい。充分やれるはず。
梅崎司(大分トリニータ)
25Games(1809min)/3Goals(52Shoots!!!)/AY2006/NationalTeam!
マグノ、吉田という支柱が抜けてもその穴を感じさせなかったのは、高松の存在感や松橋のブレイクはあったにしても、彼の成長も大きな要因となっていたはず。アタッキングエリアで積極的に自らの技術をどんどん前に押し出すアタッカーらしいプレーでトリニータの攻撃の一翼を担い、オリンピック代表どころか、2階級特進なA代表までステップアップしちゃうんだから、まー、驚いた。アジアユースではかなり視線が集まりながらも、逞しいプレーを魅せてくれたし、充分。
多分、技術的に彼ぐらい出来る選手はいると思うんだけど、彼には恐れない精神性、積極性があり、それが相手には大きな脅威になっている感がある。以前代表でのコメントを紹介したけど、物怖じせず自分のプレーを出すことが一番だという自信を感じるし、それを信頼しているであろう指揮官に推奨されているからこそ、あれだけアグレッシブにプレー出来るのかなと。シュート数52はそれを如実に表していると思う。こういう選手は悪質なファールによる怪我が怖いけど、来期もガンガンやってほしいな。って、海外?んー、もう少しJで見たい。てゆうか移籍するならテレビの見れるところにしてほしいなー(←自己中)
枝村匠馬(清水エスパルス)
34Games!!!(2800min!!!)/8Goals!!!
確か、デビューは昨シーズンの静岡ダービーだったっけ?そこからはもう階段ダッシュの如く一気に上り詰めた感じ。伊東テルのサポートを受けながら、抜群の攻撃センスと機動力でエスパの攻撃のアクセントとなり、一時は連続ゴールも記録するなど、躍進エスパの象徴的存在となった。てゆうかシーズンフル出場?そうだっけ?これもまた凄い。
彼のいいところは何よりも飛び出しだよねー。切り替えの早いエスパの攻撃の中でするするっと最前線に飛び出して、ゴールを獲っていく。しかも、いいところに出てくるんだ、これが又。この辺はセンスかな。4-4フラットはやり方次第で硬直しやすいスタイルでもあると思うのだけど、彼のような積極的なプレーヤーがいたからこそ、攻撃力が飛躍的に向上し、エスパの躍進があったと思う(低迷した昨シーズンも守備自体は積み上げていたしね)ワイドの兵働、藤本といったボールを持てる選手と、枝村のような素晴らしい機動力とセンスを持つ選手の融合は個人的に好きだった、来期も楽しみ。
谷口博之(川崎フロンターレ)
33Games(2947min)/13Goals!!/Best11!!/NABISCO Cup NewHero賞!!
去年も選んでるから、今年はもう選外にしようと思ったのだけど、上では選びきれなかったので、こっちに入れました。昨シーズンの中村憲剛を支えるアンカー的な存在から、その得点感覚を生かす攻撃的な姿勢も表現し始めて、Jの中盤のプレーヤーではNo.1の13得点。一時、この攻撃的な姿勢がチームバランス的に仇になっていた部分もあるけど、これは絶対的な数字だと思うし、チームとして大きな武器になっていたと思う(スペースを見いだす眼と優れたパスセンスを持つ中村憲剛が後ろから攻撃構築し、得点感覚に優れ高さもある谷口が前線に厚みを加えるという形は理に叶っている)
反町ジャパンの中では層の厚い中盤の中で定位置確保とはなっていないけれど、要因となっている頭を使う部分(ゲームの流れを読むことであったり、的確なポジショニングで相手の攻撃を寸断する事であったり)を向上させられれば、A代表入りも見えてくるのでは?
青山敏広(サンフレッチェ広島)
19Games(1620min)/1Goal
今シーズン途中から就任したペトロビッチ監督のサッカーの重心を担って終盤はチームの核となったかな。若さに似合わぬ戦術眼と落ち着きは、アバンギャルドな布陣の中で秩序を担う存在となっており、その積み上げた経験はオリンピック代表でも生かされている感がある。
この選手に対して、どうしても「悲運」というイメージが僕の中にはあるのだけど(高校時代の話題となった県予選決勝の誤審、オリンピック代表の初陣でのバックチャージによる怪我、そしてアジア大会初戦のチープなレフェリングによる退場……)、その悲運に屈せずステップアップしているという事実が彼の高い実力を示している気も。来期は彼の周辺でかなりの競争が起きるはずだけど(サンフレは高萩が復帰、高柳もいるしね。オリンピック代表も谷口、上田、枝村と虎視眈々と狙っているはず)、その競争の上で更なるステップアップを期待したい。
内田篤人(鹿島アントラーズ)
28Games(2378min)/2Goals(3Assists)/AY2006
鹿島では数少ないらしい高卒ルーキーの開幕スタメン。試合経験を積み重ねて、今やなくてはならない存在にまでなった感(アジアユース出場でナビ決勝に向けて不在を埋めるためのクライシスがあったぐらいだしね)終盤はさすがに疲れが出てパフォーマンスを落としたけれど、世代交代が進む鹿島の象徴的な存在だったと思う。
最初見た時は細くて、あどけなさが残っていて、大丈夫かなと思ったのが素直な感想。ただ、プレーはそんなひ弱さを感じない逞しさがあったね。常に前のスペースを見据えて上がるタイミングを伺い、ビルドアップにも積極的に参加、どんな選手にも臆せず仕掛け、機を見てゴールだって狙う(縦だけじゃなく、中にも行くという姿勢がいい)サイドバックは世界的に見ても枯渇しているポジションなだけに、どんどん上を目指して欲しいな。課題はセンターバック的な守備のクオリティ、カバーは上手だけどフィジカルだね。
青山直晃(清水エスパルス)
29Games(2549min)/0Goals/NationalTeam!
去年も選んでるけど、今年もあまりいないんで(苦笑)そんな惰性的な選び方はさておき、試合出場経験を積み上げて更に磨きの掛かった対人能力しかり(五輪世代では青山と水本はそれこそ2枚ぐらい抜けている安定感を感じる)、戦術眼的な部分と進歩していると思うし、だからこそキャップこそ得れていないモノの継続的にA代表に呼ばれているんだと思う。オリンピック代表のパフォーマンスを見ていると、もう少しチームの狙いを消化してパフォーマンスにアウトプットする柔軟性が欲しい気がするけど、ま、それも時間が解決してくれる、かなぁ。
センターバックはやっぱり経験がモノを言うポジション。身体能力とかも確かに大事なんだけど、読みであったり、対処法というのは積み上げてきた一つ一つの要素がモノを言ったりする。だから結構海外でも百戦錬磨のベテランが長く現役を続けていたりするわけで、その分若い選手はなかなか出てこれない。マリもマツと佑二がいて、勇蔵や那須は力があってもなかなかプレータイムが伸びなかった。そういう意味で、青山が斉藤や森岡をクラブから追い出すような活躍を魅せているのは本当に素晴らしいことだと思う。オシム、一回ぐらい使ってやれよー。
岡本昌弘(ジェフユナイテッド市原千葉)
13Games(1170min)/-23Goals(LostGoal/1Game 1.77)
いつも西川君を選んでたんだけど、さすがにもうイイかなと思って外したらさあ大変、センターバックにも増して若い選手が少ない。一人しか出れないという制限、そして経験がモノを言うポジション、その差は開くばかりでなかなか難しいからね。で、その中で選んだのが彼。立石、櫛野とスタメン級のGK二人が怪我をしたチャンスを生かして、ナビスコ決勝では好セーブ連発でチームを救ったプレーは印象的。試合見ると、まだまだな部分はあるけれど、誰でも最初からうまくいくモノではないと思うので、そういう意味でこの経験を積めて良かったのかなぁと。
確か彼も下の世代では代表に入っていたと思うんだけど、そんなポテンシャルを持っている選手でもなかなか出場経験が得れないのは切ないよね。そういう意味ではGKの移籍というのはより活発になるといいのかな。都築とか(最近スタメンだけど)、櫛野とか、松代とか(最近スタメンだけど)、川島とか(ふろん太移籍だってね、良かった)は正直ベンチに座っていてはいけない選手だと思うし、仕事場さえ見つければ、今活躍しているエスパの西部みたいに出来ると思うし。ってずれちゃった。
総評
あくまでも僕が見た中でのピックアップなので見落としもあると思うんですが、それなりに出てくる選手は出てくるんだなぁと言うのが素直なところ。ほとんどポジションを約束されている選手なんていないわけで、今まで出ていた選手を押しのけないと若い選手達は出場経験を得れないんだけど、それでも、ある選手はこつこつやってきて監督の信頼を得てポジションを獲り、ある選手はチームの態勢が変わったのを機にポジションを掴み、ある選手はその選手が移籍することで得たチャンスをモノにし、ある選手は主力の怪我で回ってきてそれを活かし、ある選手は飛躍的な成長で純粋に押しのけてしまう。そういう部分には逞しさを感じるし、こういう新陳代謝が沢山生まれることで日本のサッカーの裾野をどんどん広げていって欲しいなぁと。
若い選手達は絶対に今主力でばりばりやっている選手達より選手達より基礎スキルは高いはず。それは日本のサッカーが少しずつでも進歩している証だとも思う。それでも、毎年そんな技術や才能を持つ選手そのままと消えていくと言う事例が後を絶たない。競争社会だから仕方ない部分もあるのだけど、それはとてもネガティブなことでもあると思う。一つの才能が消えると共に、新陳代謝出来ず、停滞に繋がってしまう、クラブだけじゃなく、日本のサッカー自体が。そういう意味で若い選手にはどんどん出てきて欲しい。で、求めたいのは、自分の強みを出す術を見いだすこと、そして一つ一つのプレーに対してのより高い意識を持つこと。一つのトラップ、身体の向き、短いパス、ポジショニング、周囲の状況把握、まだまだ出来ることは沢山ある。こういう要素が高まっていけば、選手達はより自分の力を発揮出来ると思うし、ひいてはリーグのサッカーの質を上げ、活性化にも繋がると思う。
とは言っても、今シーズンも若い選手達は様々なモノを見せてくれた。U-17の子達が見せてくれた可能性、U-19の子達が見せた絶対に前に進むんだという強い意志、そしてU-21の競争意識、こういうモノが来年花開くといいなぁと共に、Jでも新しいタレントが又どんどん出てきて欲しいと言うことで締めにしようかな。てゆうか、陽介、アーリア、コミー、乾は出てこなきゃダメだし。来期は選ばせてくれ、この中に。
と言うことでここまで、次はベストイレブン(お気に入り贔屓企画は時間ないから割愛)
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