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November 03, 2006

High-tension Final@YamazakiNABISCO Cup Final アントラーズ vs ジェフ

やっぱりイイよ、決勝。改めて、悔しくなったけど、決勝に相応しいゲームだった。と言うことで早速。

2006 J.League YamazakiNABISCO Cup The Final

アントラーズ 0-2 ジェフ @ 国立競技場「High-tension Final」
JEFUNITED:80'水野晃樹 82'阿部勇樹

Super Soccer

アントラーズスタメン:GK曽ヶ端準、DF新井場徹、岩政大樹、大岩剛(→85'本山雅志)、ファビオ・サントス、MF青木剛、増田誓志、野沢拓也、深井正樹(→85'興梠慎三)、FW柳沢敦、アレックス・ミネイロ(→85'田代有三)

ジェフスタメン:GK岡本昌弘、DF水本裕貴、中島浩司、斉藤大輔、MF阿部勇樹、佐藤勇人、水野晃樹、山岸智、羽生直剛(→87'工藤浩平)、FWマリオ・ハース(→28'坂本將貴)、巻誠一郎

晴天に恵まれた今シーズンのナビスコカップ決勝。今年もほぼ超満員。バックスタンドはちょうど中央で赤と黄色で染め分けられた。

出場停止や代表招集で欠場者などが出ていることもあって注目が集まったスタメンに目を移すと、鹿島の方は不安視された右サイドバックに本来左を勤めることが多い新井場、で、左にはここのところサイドバックにコンバートされていたファビオ・サントスを据えた。又、フェルナンドの穴には青木が本職のポジションに戻り、メンバー構成的には奇策的な要素は見えない。対するジェフは、ストヤノフの穴には予想通り中島、右サイドには水野が入った。ホットエリアは水野のサイドになるかも。

前半

どちらもホイッスルと同時にフルスロットル、非常にテンションの高い立ち上がり。鹿島もジェフも守→攻の切り替えを意識しながら、フィードを絡めてスペースを突く形でつつき合う。ジェフがポゼッションを握る事が多くなる中で、いきなりビッグチャンス。阿部がアタッキングエリアにドリブルで入り、そのまま囲まれながらキープ、中央に収縮して対応しようとする鹿島DF陣に対して、阿部はその状況を冷静に把握し左サイドに空いたスペースに落とす柔らかいパスを選択、精度の伴ったこのパスにスペースを見据えて狙っていた山岸が完全に鹿島ディフェンスラインの裏を取るとフリーでボックス内に進入。角度が浅い中でシュートも狙えない事はなかったが、詰めていたハースへグラウンダーの折り返しを選択。しかしここはカバーに入ったディフェンスにクリアされてしまう。決定機はモノに出来なかったが、ある程度狙いを定めているのか、続けざまにサイドバックの外から山岸が回り込むようにスルーパスで突いたりと、このエリアはジェフにとっては可能性を感じさせるポイントか。

押し込まれる事が多い鹿島は、DFの対応に不安が残る立ち上がりだったが、意識付けやモチベーションを感じる玉際に対しての厳しいプレーが目立ち、そこから速い攻撃を見据える。中盤で繋いでというより、トップを意識して速いタイミングでアタッキングエリアにボールを持ち込んでいく。その形から青木のミドルや新井場のオーバーラップからチャンスを作るが、切り替え面ではジェフが上か。バックラインで奪ったボールを水野が速い切り替えから中に流れながらドリブルで一気に鹿島陣内に持ち込むと、プレッシャーが掛からない状態でスルーパス、巻のランニングとはずれたが、ボールも鹿島ディフェンスをするするっと抜けて裏に抜ける。このボールに巻がもう一度反応し直して鼻先で曽ヶ端をかわしながら拾うと、がら空きの状態のゴールに苦しい態勢からシュートを狙う。しかし、これは戻っていたDFのブロックにあって決めることが出来ない。その後も、鹿島のCKを凌いだ後のカウンターから細かい繋ぎの後ハースのスペースパスに羽生が抜け出し、ボックス内で新井場をドリブルで振ってシュートを打ったりと、ジェフの切り替えの速さが冴え渡る。

良いプレーを見せていたジェフだったが、序盤に空中戦で負傷したハースが前半途中で交代せざるを得ないアクシデント。坂本が投入され左サイドに入り、山岸が高い位置に上がって羽生と2シャドーになる形に変更か。終盤に差し掛かり、両チームがチャンスを作り合う展開。攻撃構築として長いボールで最前線に狙い、押し込んでからはミネイロのポストを経由しながら流動的なポジションチェンジで活かす形で崩していこうとする鹿島に対し、切り替えの速さを活かす形で鋭い攻撃を見せるジェフ、しかし結局ゴールは生まれず(特に水野が中にポジションを移してのダイレクトポストを経由し、坂本の隙間を縫うようなクロスを中に供給、このボールがDFをすり抜け裏に抜けると巻が反応しインサイドで押し込もうとするがこのシュートは曽ヶ端の正面、ゴールの神様に嫌われてるか?)、前半はスコアレスで折り返す。

後半

前半から継続しているフィードで中盤をすっ飛ばしてトップを狙う鹿島の攻撃構築がつ冴えを見せ始めてペースを握ると、立て続けにチャンスを作る。ミネイロ→柳沢とヘッドで繋ぐ形で裏に流して深井が抜け出したり(オフサイド)、柳沢のヘッドでのポストで右に開いたミネイロに繋ぎ、ミネイロ仕掛けてシュート(ブロック)、セットのセカンドボールから柳沢が浮き球をイイファーストコントロールからニアを抜こうとするシュート(スライディングでのカバー)、新井場のフィードにうまく中島の裏を取った野沢が浮き球をそのままダイレクトでシュート(枠を逸れる)、前への勢いを感じさせるプレーで高い位置でパスをカットし、バイタルで深井がフリーで持ち込み前には中に柳沢、左にミネイロが待ち受ける大きなチャンス、深井はミネイロを選択視シュートに繋げる(が、シュートは正面。パスがオフサイド)、その中でしかし、水際ではジェフも集中力高く、ゴールには繋がらない。

ジェフも速い攻撃で応戦するが、攻→守の切り替えやパスコースを複数作るような動き出しに少し落ち始める。阿部の素晴らしいプレーもあったが(読み鋭く1vs1の対応制すと、自らボールを運んで3vs3のカウンターに発展させて、長い距離の羽生とのワンツーからラインの裏を取ったが、シュートはフィットせず)まだまだ鹿島の勢いは続く。野沢の仕掛けに青木のフォローがリンクしてミネイロのヘッドに繋げたり、深井が左サイドでボールを引き出し3vs3のカウンターに発展させて、逆サイドに走っていた野沢を使って後手にさせたり(最後のクロスは崩しきれず)と、イイ流れの攻撃を作り出すが、なかなかゴールには繋がらない。

ナビスコ決勝のジンクスなのか(2年連続スコアレスでのPK決着)、ゴールが遠い展開の中で、前半からのテンションの高い流れが影響してか両チームとも運動量が落ち始め、かなりオープンな展開に。その中でジェフの攻撃が再び冴えを取り戻し始めて、チャンスを作り始める。左サイド山岸が深い位置で溜めると坂本がオーバーラップしてエンドラインまで持ち込みクロス、GKを越えてファーに流れると最前線まで飛び出した佐藤勇人がジャンピングボレーで狙うが、ファビオ・サントスも飛び込んでブロック。この後もジェフは両サイド坂本と水野が後ろからダイナミズムを付けて突く形で鹿島を襲うが、最後の部分ではやらせてもらえない。鹿島もしっかりと背負っての安定したポストで攻撃を色づけするミネイロのプレーから野沢が強烈なシュートを狙ったりとやり返すが、これも決まらず。激しい攻め合いの中でもスコアは動かなかず延長と言う雰囲気もあった中、残り10分の所でスコアが動く。

新井場の縦パスをカットすると、羽生を経由して左サイドへ、坂本が山岸とのパス交換でフリーとなると、巻や佐藤勇人はボックスの中に入り、DF陣もそれに対応する形でボックスを堅めに掛かる。しかし、坂本の選択はクロスではなく浅い位置を通すサイドチェンジ、これが後ろから上がってきた水野に通るとトラップして少し浮いていたボールをアウトサイドに引っかけ気味のシュート!これが曽ヶ端のセーブを許さず、ファーサイドネットに突き刺さり、決勝戦3年振りのゴールが生まれた。終盤に入って坂本が何度もクロスを上げていたけど、その中でオートマティックにゴールを狙うのではなく、周囲の状況を把握して水野を見つけていい形で使ったし、水野も落ち着いて素晴らしいフィニッシュだった。鹿島としては完全にクロスと決めていたような対応で後ろから入ってきた選手を捕まえきれなかった。

これで、攻めに出るしかなくなった鹿島は本山や田代を準備するが、この準備をしている間にジェフは勢いそのまま追加点を奪う。右サイドからのCK、水野の鋭いアウトスイングのボールが中へ、巻がニアに動くことでマーカーを釣り中が阿部と青木の2人となると、阿部は青木との空中戦を制しヘッド!曽ヶ端も為す術なく、ファーサイドに決まって、追加点。残り8分での大きな大きなアドバンテージ。これでゲームが決まった。この後、工藤を投入し、彼のテクニックを使いながら時間を消費、鹿島の最後の抵抗(本山、田代、興梠3枚一気の投入、新井場の巻くようなシュート)もしっかり凌いで、タイムアップ。ゲームは2-0、鹿島10冠の夢を突き破り、ジェフが連覇を果たした。

決勝っぽい集中力が高く、激しいゲームでありながら、両チームとも現実的な志向を持ちながらアグレッシブな姿勢を貫いてのゲームとなって、非常に面白いゲームだったなぁと。

どちらも良く相手を研究したことを踏まえた上でゲームに入って、その成果というのは出せていたと思います。ジェフは切り替えの速さを活かしながら、中に絞る傾向の強いDFラインの横のスペースを積極的なランニングで突いていたし、鹿島は徹底した長いフィードによる攻撃構築でショートカウンターを避けながら、アレックス・ミネイロのポストを核に、深井や野沢が流動的に動きながら攻撃を作る事が出来ていた。こういう要素が反映される形でゲームの流れが行ったり来たりしながらも対等に渡り当たっていたと思うわけですが、勝負を分けた部分としては「餅は餅屋」という部分なのかなぁと。

足が止まり、中盤がオープンになる形で激しいトランジッションゲームに拍車が掛かった訳だけど、その展開がトランジッションゲームの質や慣れという部分で「走るサッカー」の本領というか、ジェフの方にこういう展開に置いては適性があって、それが差にがなったかなぁと。もちろん、鹿島の方も早い流れの中で選手のクオリティを発揮するような形を作っていたのだけど、厳しい時間帯の中でも後ろから上がってくるジェフのカウンターはディフェンスとしては捕まえにくく、結果としてボックス内の警戒をしていたところで後ろから上がってきた水野を捕まえきれなかった(又、坂本が中央に向いてボールを持った瞬間に佐藤勇人が最前線にランニングしていた、彼の存在が巻と共に鹿島のラインを前に出させなかったと言える)この辺はジェフの真骨頂とも言える部分で、クオリティの高い攻撃が先制点に繋がり、しいてはこの勝負を分けたかなと。

じゃあ後は、気になった部分を箇条書き。

・アウトゥオリのゲームプラン

アウトゥオリは奇策と言うよりも現実的に勝ちに行ったと言う感じだったね。ミッドフィールドでポゼッションしている時に、強いプレスを掛けられてショートカウンターを喰らうのを嫌ったんだろうけど、ミネイロの出来の良さもあってうまく機能していたと思う。そういう意味ではゲームプラン通りに進めれていたのだけど、決めきれなかった。特に会見のコメントもあるけど後半序盤の攻勢の時に。我慢強く、勝負所を見極めるような勝負巧者ぶりだけは戻らなかったかなと。てゆうか、FSサイドバックはないって、やっぱり。アウトゥオリは「進退を懸ける」と言っていただけに、今シーズンで終わりなのかな……。

・予想通りホットエリアとなったジェフの両アウトサイド

鹿島とは逆に、ジェフはいつも通りのゲームだったと思うのだけど、水野を起用したのが結果的に当たったね。ファビオ・サントスが対面なら……と言うのを昨日書いたけど、やはり彼の方に全般的に分があった。山岸に関しても、サイドの時はランニングの質が活きて良かった(一列前に上がってからはそうでもなかったけど)鹿島の守備の仕方が恒常的にああいうモノだというのをしっかり突いたことでサイドの攻防ではジェフ優位だったかな。もちろん阿部や羽生も良かったのだけど、ね。だから言ったでしょう?(偉そう)

とにかく良いゲームでした。そしてジェフは連覇おめでとう。チームが揺れた中でも勝負強さを発揮してトーナメント勝ち抜いてきたわけだから、はっきりとチームの力になっているって事なんだろうね。改めて、おめ。と言うことで、ここまで。

*やっぱり決勝の緊張感ってイイねぇ。こういうのをマリでも味わいたいね。今年も2000万円止まりだったけど来年こそ1億円を。←金かよ

*アジアユースは残念、まあでもこのゲームの結果は気にしなくていい訳だし、次でしっかりと勝つこと、そのためにある程度のターンオーバーが敷けたわけだから、後はしっかりと勝負所で勝てばいいさ。

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