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November 08, 2006

ノルマを乗り越えて@AFC Youth Championship Q.Final vs サウジアラビア

ちょっと遅くなりましたが、アジアユース準々決勝、ワールドユースの出場権を懸けた大一番をレポート。おめでとう、本当に良かった。そして痺れさせてもらいました。

AFC Youth Championship India2006 Quarter Final

Japan 2-1 Saudi Arabia @ Sree Kanteerava Stadium,Bangalore
Japan:7'K.Kawahara 90'K.Aoki
SaudiArabia:81'pA.J.Albishi

AFC Official/Match Summary

U-19日本代表スタメン:GK林彰洋(流通経済大)、DF内田篤人(アントラーズ)、槙野智章(サンフレッチェ)、福元洋平(トリニータ)、堤俊輔(レッズ)、MF田中亜土夢(アルビレックス)[→78'山本真希(エスパルス)]、柏木陽介(サンフレッチェ)[90'+2'森重真人(トリニータ)]、青山隼(グランパス)、梅崎司(トリニータ)、FW河原和寿(アルビレックス)[→64'青木孝太(ジェフ)]、森島康仁(セレッソ)

ワールドユースが掛かる大事な大事な準々決勝。この年代のやってきたこと全てはこの試合のためと言ってもイイぐらいの重要なゲームなだけに、全てを賭けて臨みたい。

そんな中のスタメンは、GK、DFラインは初戦、2戦目と無失点で凌ぎきったメンバーが顔を揃え、中盤はグループリーグで結果を残した梅崎、柏木はもちろんスタメン、アンカーには森重という選択肢もあったがよりバランサーとして忠実な仕事の出来る青山、右サイドには山本真希という選択肢もあったが、機動力に長け、ハードワークも厭わない田中亜土夢が起用された。トップも今大会最もプレーしている時間が長く結果も残している森島と河原。コンディション、ピッチ状況へのアジャストなどの不安定要素が小さくなった中で、今大会のプレーぶりが重視されたメンバー構成と言えるのかな。サウジの方は、出場停止の選手がいたり、日本よりも試合間隔が一日短かったりと、日本に優位な点も多い。

前半

スコールなのかピッチが濡れ、非常にスリッピーな状況の中、序盤から日本の選手達はかなり積極的に前に出る。いきなり梅崎が左サイドを突破し、CKから惜しいチャンスを作ったのを皮切りに、サウジのアウトサイドのポジショニングの悪さを突いていく。その中で得たセットプレーから田中亜土夢がバウンドボールの伸びやすいピッチを意識して低いボールで直接狙ったり、左サイド同じく田中のCKにデカモリシをデコイにその裏に入った福元がアウトサイドで合わせるなどゴールに近づくと、そのセットが活きる形で先制点を奪う。

クイックスタートで右に開いた内田篤人に展開すると、そのまま突破に掛かりファールをもらう。右サイド深い位置からのFK、柏木がインスイングの鋭いボールを中に供給すると、フリーでニアに走り込んだ河原がヘッドで流し込み、いきなりの先制点。柏木のキック精度、そして鋭くニアを突いた河原の飛び込みと、見事なセットプレーだった。

この後も相手のカウンターやセットプレーに脅かされるシーンこそあるモノの、アウトサイドを突く形は継続。田中亜土夢がうまく相手の鼻先で突っつく形で右サイドを局面打開したり(グラウンダーのクロスは合わず)、右に流れた梅崎が内田から縦の楔を引き出し、キープしてオーバーラップを促す形で崩したり(内田のクロスはニアに入ってきた河原にわずかに合わず)細かい繋ぎからの柏木のスペースパスに外に流れた河原が飛び出してそのままダイレクトで中に流し、河原と交換するように中央に流れた田中亜土夢が飛び出してフィニッシュに繋げるというという流動的な形で崩しきったりと(スライディングで流し込もうとした田中亜土夢のシュートはGKの飛び出しに凌がれた)、とチャンスを量産。しかし、追加点とまでは至らない。

重要なゲームと言うこともあって、サウジはかなり玉際激しく突っ込んでくるプレーが多く、各所にボディコンタクトを伴うプレーが頻発。しかし、そんな激しいプレーに対しても逃げずに身体を張ることで、その当たりに屈しない。ただ、時間と共にサウジのアタッカー達の局面打開力(特に最前線のアルサハラーウィのテクニックとスピードには苦労していたかな)、ロングレンジからも狙えるシュート力などに気圧されたか恒常的にラインが下がり、それに伴ってMFが引っ張られたことでチームの機能性が落ちる。うまく掛かっていた中盤でのプレッシャーが後手を踏んでサウジの選手に局面打開されたり、手応えを得ていた攻撃構築もサウジのプレッシャーを避けるような曖昧なロングフィードが増えたことで、実効性を示せず。逆に、セカンドボールを支配されて攻勢に晒され、ミスからフィニッシュに繋げられたり、セットから危険なシーンを向かえたりと、リズムとしてはサウジに移った感があった。結局前半は0で凌ぎきり、1点のアドバンテージは維持したが、後半に向けては不安要素も残る形で折り返すことに。

後半

サウジはアタッカーを一枚増やし、サイドバックもかなり積極的に前に出てくるなど、前の圧力を増やす形でビハインドをはね返しに来ると、日本はその圧力に又も押し込まれて、中盤が引っ張られ……と前半同様チームとして苦しい状況に。中盤でプレッシャーが掛からないことで相手に前への推進力を持てるだけの余裕を与えてしまい、その中でテクニックを織り交ぜたテンポのある攻撃に後手に陥ることも多くなったりと、少々危うい空気が流れ始める。すると、相手の突破に対して堤が引っかけて左寄りペナルティアーク付近でのFKを与えてしまい、そのFK、高い弾道を描いて壁を越えてファーに飛ぶと、林は逆を突かれてしまい、決まったかに思われたが、このボールはバー直撃、日本は九死に一生を得た。しかし、状況としては依然として厳しく、サウジの細かい繋ぎに対して中盤が簡単に突破されてしまって、浮き球をロングレンジから狙われてこれまたバー直撃というシーンもあったりと、なかなかリズムを取り戻せない。

散発的な攻撃しか出れず我慢の時間帯の続く日本は、前半から献身的に仕事をこなし続け、先制点までもたらした河原に代えて青木を投入。攻撃構築がうまくいかない中で彼のドリブルに期待すると言うことかな?すると、これが刺激になったか、これまで後ろに向きがちだった意識が前方向に向き始め、チームの機能性も復調。攻撃構築をしっかりしてアウトサイドから攻め、セカンドボールを拾って2次攻撃に繋げてチャンスを作ったりと(斜めの楔を引き出した森島がうまく前を向いてミドルを狙ったり、柏木が左サイドを突破したのを皮切りに厚い攻撃を見せ、森島の折り返しを受けた田中亜土夢は打ち切れなかったモノの押し上げてきた堤が強烈なミドルを狙ったり、セットから柏木の鋭いキックに青木がうまくフリーとなってヘッドで合わせたりと、後半に入って全くなかった決定機を作り出す。前方向にチーム全体が向くことで、攻撃に掛かる人数が増え、選手間の距離が良くなることでパスが繋がったことがリズムを取り戻せた影響かな。ただ、決めきれず)ようやくリズムを引き戻す。

時間と共に選手達の動きが鈍り始めると、サウジは前線を更に厚くし、日本は足の釣った田中亜土夢に代えて山本真希にスイッチ。バランスを取り戻した感のあった日本はこのまま押し切りたかったが、サッカーの神様はそんなに簡単に世界への切符をくれない。柏木とのワンツーで抜け出した青木が決定機を逸した後、GKからのロングボールを競った槙野がファールを取られて右寄り距離のあるところからのFKを与えると、ここからふわっとしたボールが中に供給される。その中で森島が走り込もうとした選手を引き倒したという事でPKを与えてしまう。このPKを林の好反応も実らず沈められて残り数分と言うところで同点に。世界への洗礼か、一筋縄には行かない。

ACのインド戦よろしく照明が不安定になる中での最終局面、GKのロングキックから浮き球がボックス内にまで入り、これを決定機に持ち込まれるわ(これは福元の素晴らしいブロックで凌ぐ)、このこセカンドボールを長距離からのスーペルなミドルで狙われるわと(林のスーパーセーブ)、顔を覆いたくなるシーンもあったが素晴らしいディフェンスで凌ぐと、ロスタイムに歓喜の瞬間が訪れる。堤からのパスを受けた梅崎がうまく相手をかわして右に展開すると、パスを受けた山本真希が長い距離から狙う。グラウンダーのシュートはブロックされるモノの、サウジのDFがこの処理を手間取った所にすかさず森島がプレッシャーを掛けたことで、もう一度こぼれ球が日本ボールに。これを拾った柏木が相手を剥がしてシュートに持ち込むがフィットせず、しかしこのシュートミスが近くにいた青木の元に流れ、そして青木のプレー。ボールを受けるフェイクを交えて左足で撃てるところにボールを流し、相手の股を抜く素晴らしいシュート!GKは反応出来ず!ずばっと決まって再びの勝ち越し弾!人間力絶叫!僕も絶叫!プレーを見ると、森島があそこでプレスに行ったこともそうだし、青木がこぼれてくることを予測してシュートのイメージを描いていたことを見ても、最後まで集中してボールの行方を感じていたプレーだったと思う。青木の左足で打ったプレーは見事。野洲クオリティかな、差し迫った状況の中、焦らずにフェイクを交えて得意の左足に持ち変えられる冷静な判断だった。うんうん。

残り数分、柏木→森重という交代策を絡めながら、しっかりと梅崎や森島が時間を使い、最後まで集中を切らさず、ゲームを締めた。2-1。これで今大会のアジアユースベスト4に駒を進め、7大会連続のワールドユース出場権を確保した。

痺れた、痺れましたよ。まあ本来であればあのまま勝ちきりたかったところだけど、喜び倍増だし、まあいいかな。本当に厳しくシビアなゲームだったと思うのだけど、最後まで集中を切らさずに戦い続けたことが報われたのかな。でも、こういうゲームでは戦う気持ちであったり、集中力と言った、メンタル的な要素の重要性が増す訳で、そういう意味では彼らは報われるべくして報われたとも言えると思う。吉田監督から「ノルマ」と言う言葉が出たけど、プレッシャーはそれ相応にあったと思うし、そういう中で結果を残したというのは改めて称賛に値するかなと。

で、このゲームを見ながら思ったのだけど、もちろんワールドユースに出ること、世界レベルの経験を積むことも大事なんだけど、こういうアジア的な激しい相手に対してしっかりと戦って成功体験を積み上げながら、しっかりと身体に刻み込む事も又重要性を増してくるんじゃないかなと。ACLが世界に繋がって、Jのクラブもアジアに目が向いていることは間違いないと思う。ただ、ご存じの通りACLは東アジアの壁さえ乗り越えられてない。ジャッジの基準であったり、環境であったり、行き過ぎとも言えるタフで厳しいコンタクトプレーと言った要素が大きな要因だと思うのだけど、こういう経験を糧としながらも身体に残しておくことで、こういったディスアドバンテージを消すことは可能なのかなと。技術的には優れているのは実証されているわけだから、こういう経験を糧にして、どういう状況でも力を発揮出来る選手になれれば、厳しいアジアもきっと乗り越えられるんじゃないかと。。後、2試合アジアでの厳しいゲームが出来るわけだから、濃い体験をしっかりと身体に刻み込んで欲しい。
*日常であるナイーブなJの基準に合わせることで、なかなかこういう厳しいプレーにアジャストしきれない部分があると思うのだけど、この日のようにタフに戦えれば、クラブレベルでもきっと大丈夫だと思うんだよね。ちゃんとサッカーをすれば勝てるというのは、代表チームの実績が証明している訳だから、後は選手達がこういう経験を活かしながらタフになっていくだけ。アジアもこれからきっと日常になっていくと思うので、こういう経験も又大事にして欲しいなと。まあ戦力分散傾向の強いJと他のリーグの傾向の違いがあってチーム力の差が出てくることや、どうにもならないうさんくさいこともあるから、一概には言えないけど。ただ、日本のチームが主体的に出来ることを考えれば、やっぱりタフになるしかないと思うから。

まあチームとしてはまだまだ未成熟で、課題も多く抱えるチームだけど、この勝利で先に繋がった。こういう時間がどれだけ貴重かは言うまでもないこと。課題の消化は選手達をより成熟させるだろうし、これからの濃い経験は選手達のポテンシャルを引き出す糧となる。もちろんこれからの取り組み方次第だけど、Jでの経験とこの代表での経験でより選手達が逞しく育ってくれることを期待したいですな。とりあえずはおめでとう。てゆうか、アジア獲ってきなさいよ、そうすればより自信に繋がるっしょ。

と言うことでここまで。準決勝は金曜日に韓国戦。今月U21もH&Aで韓国戦があるから3試合もやることになるんだなー。

*又やってしまいました。昨晩上げる予定がメンテナンスに嵌ってしまいましたよ。無駄足踏ませてしまって申し訳ないです。今回は全くノーチェック(苦笑)

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